MMA
インタビュー

【RIZIN】萩原京平に一本勝ちした弥益ドミネーター聡志「常にうしろめたさを感じていた。勝つことができて罪悪感から解放された」=試合後 全文

2022/03/20 23:03
 2022年3月20日(日)丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)にて『RIZIN.34』が開催された。  メインイベントでは、フェザー級(66.0kg)で、萩原京平(SMOKER GYM)と弥益ドミネーター聡志(team SOS)が対戦。  1Rに、萩原の左ストレートをかいくぐってカウンターの渾身のダブルレッグテイクダウンを決めた弥益が、萩原の立ち際に巧みに手首をコントロールし、引き込んでの腕ひしぎ三角固めを極めた。  試合後、RIZINでの一本勝ちに「これまで何もやっていないのに、っていううしろめたさを常に感じていた」ことを吐露した弥益は、フィニッシュの「糸通し」からの三角は、「相手陣営に見せたことが無かった」こと、試合が「ほんとうに怖かった」ことなどを明かしている。  サラリーマンファイターとして“真摯に”格闘技に向き合った、その結実が、今回の勝利となった弥益ドミネーター聡志との一問一答全文は以下の通りだ。 形をつくったら行けると感じていた ──試合後の率直な感想をお願いします。 「なんか“こんな嬉しいんだ”って思いました。嬉しすぎてちょっと。あれだけ負けたとき泣きじゃくってるくせに、勝った時は感情が振り切れちゃって、何の感情も沸かないのが正直なところです」 ──フェイスオフで額をつけたとき会社員からファイターに変わったように見えましたがスイッチが切り替わりましたか? 「演出です。ということにしておいてください」 ──あそこでファンの方はグッと胸を掴まれたかと。 「よかったです」 ──対戦を終えて相手の印象は試合の前と変わりましたか。 「いや、イメージ通りだったスね。相手が弱みを見せたときの嗅覚とか、攻めどころをわきまえている感じを試合中も感じて、本当に怖かったですけど。ただやっぱり“ここが弱点だろうな”というところは、イメージ通りだったので、そこは問題なくできたかなと思います」 ──1Rの蹴りで後方に崩れましたが、あのときは? 「バックスピンキックをもろに受けてしまいまして、自分が序盤本当に硬かったですね。さっき映像を見返したのですが、硬かったです……」 ──効いていましたか? 「向こうも当たると思ってなかったくらいソフトに蹴っていたと思うんですけど、自分も当たってびっくりしちゃって。単純に体勢を崩しただけなんですけど」 ──以降は打撃より寝技という作戦で? 「向こうから近づいてきてくれたら組んじゃおうかなと思っていたので、追撃をしてくれたので組もうとしたのですが、その組み方だと萩原選手強かったのでぶん投げられてしまいました」 ──これまでRIZINでは、68kg(朝倉未来戦)とか73kg(ベイノア戦)と、いろいろな体重で試合をしてきましたが、適正体重の66キロで一本勝ちしたことになります。今一番したいこと、やりたいことなどはありますか?「ほんと実感が沸かかないんですけど、とりあえず明日知り合いの結婚式なんで、無事に出席できてよかったな、という感想です。試合が決まる前から、結婚式の予定が入っちゃって、しかも受付やってくれと言われていて、どんな顔で受付すんの、これ? って思いながらいました。東京なので急いで帰ります(笑)」 ──あのフィニッシュは想定には入っていましたか? 「想定には入っていました。今回の試合で、相手のセコンドに(柔術家の)岩崎(正寛)さんがいらっしゃって、昔、自分も稽古をつけていただいたことがありましたので、そこが逆に突きどころかなと思って、“その時に見せていなかったことを、今回の試合に出したほうがいいな”って思っていたので、岩崎さんと練習しなくなってから会得したものをいくつか頭の中でレパートリーとして持っておいて、それをひとつ出しました」 ──リストコントロールはDEEP時代から得意としていますが、三角絞めに繋ぐというのは今回に向けて練習してきたもの? 「もともと得意なので、その中で使えそうなもののひとつにあれがあったという感じですね。実際やってみてどうなるかなというのはあったですけど、組んでみて、形をつくったら行けるという感じだったので、そのままいった感じです」 ──セコンドの梅田恒介さんからはどんなアドバイスがありましたか? 「セコンドがめちゃくちゃ緊張していて、リングインのときに自分のマウスピースを落とすわ。なかなか拾えなくて、俺に緊張が移りそうなんでやめてほしかったのですが(笑)、勝って良かったなと思います」 ──メインイベントの役目を見事、果たしたと思いますか? 「RIZINに出てからずっと結果を伴わないまま知名度が上がって、道とかで声をかけていただくこともたまにあったりしましたが、そのたびに罪悪感というか、“何もやっていないのになあ”っていううしろめたさを常に感じていたので、ひとつ、ちゃんとした形で勝つことができて、本当に一安心していますし、その罪悪感から解放されて、ちょっと胸が楽になっている感じですね」 ──これだけいい勝ち方をしてしまうと煽りVでもすごかったので、もっと有名人になってしまうのでは? 「サングラスしたいと思います。(どちらのサングラスを?)YouTube見て勉強します」 ──リングの上では「これで勘違いせずに格闘技に専念はしない」と。今後も仕事をしながら格闘技を? 「もちろんこのスタンスでやらせていただければと。みなさんも飽きない間は付き合っていただければと思います」 ──試合を終えたばかりですが、今後の展望をお聞かせいただけますか。 「今回の試合、本当怖くて。昨日の夜とか子供の顔とか浮かんじゃうくらい怖かったですけど、とりあえず本当にこの試合に向けて、奥さんも含めて、子供はわからないかもしれないけど、そして会社の人含めて、本当に、本当に迷惑かけたと思うので、月並みですが、その方々に返せるように頑張りたいですね」
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