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【ONE】ミドル級世界戦デ・リダーがアバゾフに一本勝ち、キックではウクライナのクリークリャが二階級制覇宣言、ビグダシュがンサン降す、アンドラージが6連勝!

2022/02/25 21:02
【メインカード】 ▼ONE世界ミドル級選手権試合 5分5R〇ライニアー・デ・リダー(オランダ)[3R 0分57秒 肩固め]×キャムラン・アバゾフ(キルギス)  柔道・ブラジリアン柔術黒帯のデ・リダーは、強いグラップリングを武器にプロMMA14勝無敗。アウンラ・ンサンと2度対戦し、2020年10月のミドル級王座戦でリアネイキドチョークで一本勝ち、2021年4月のライトヘビー級王座戦で判定勝利し、2本のベルトを獲得している。  対するアバゾフは、2019年10月に前王者のゼバスチャン・カデスタムに判定勝利で戴冠。2020年11月にジェームズ・ナカシマをヒザ蹴り&アッパーで4R KOで下し、初防衛に成功。二階級同時制覇を目指し、階級上で無敗のデ・リダーにいきなり挑戦。MMA戦績23勝3敗。  1R、組むと階級差によるフレーム差が見えるデ・リダーとアバゾフ。いきなり組んで四つから小外がけでテイクダウンするデ・リダー! マット中央でアバゾフに背中を着かせるとサイドから脇を差して細かいパウンド。  足を戻そうとするアバゾフは下からヒザ蹴り。デ・リダーは頭をまたいで横三角絞めを狙う。サイドに戻ったデリダーはマウントに入るが、その際で腰を跳ね上げ片足を戻そうとするアバゾフ。  しかしマウントになるデ・リダーはパウンド、ヒジ! 背中を見せて立つアバゾフにがぶりからヒザを突くデ・リダー。アバゾフは出血。  2R、すぐに組んで小外でテイクダウンを奪うデ・リダー! マウントを奪うとヒジ打ち! ブリッジしようとするアバゾフにパウンドを落としてS字で腕十字狙い。  さらにスクランブルで上を取り合う際で再びマウントを奪われたアバゾフ。2R終了間際、ブリッジで跳ね上げたアバゾフだが、デリダーは肩固め! 一本かと思いきや終了のゴング。  3R、先に詰めるデリダーに両脇を差すアバゾフだが、四つに戻したアバゾフがテイクダウンし上に。すぐにパスしてマウントから肩固め、サイドに出て絞め上げた瞬間、心が折れたかアバゾフがタップした。  3R 0分57秒、デ・リダーが肩固めによる一本勝ち。階級上の王者として貫禄の勝利を収め、5万ドルボーナスの獲得を告げられると「『ONE X』でアンドレ・ガウヴァオンとやるよ」と語り、さらにヘビー級世界王者のアナトリー・マリキンの名前も挙げた。 [nextpage] ▼ONE世界ライトヘビー級キックボクシング選手権試合 3分5R〇ローマン・クリークリャ(ウクライナ)[1R 2分32秒 KO]×ムラト・アイグン(オランダ/トルコ)  母国がロシアに侵攻されているウクライナ出身のクリークリャ。2度目の防衛戦の相手アイグンはオランダ・トルコのアイグン。  1R、ともにオーソドックス構えから右を強振するアイグン。右ハイを返すクリークリャは組んでのヒザ蹴りも。  さらにクリークリャは左ヒザを突いて前に出ると、右オーバーハンド! ダウンしたアイグンの立ち上がりになおも右ボディを当ててKOした。  チンギス・アラゾフとも練習を積むクリークリャは、「コーチが授けてくれたインテリジェントな作戦を遂行した。5万ドルを獲得? ありがとう。ライトヘビー級とヘビー級と二階級制覇をしたい」と望んだ。 [nextpage] ▼95kg 5分3R〇ビタリー・ビグダシュ(ロシア)[判定3-0]×アウンラ・ンサン(ミャンマー)  デリダーに2連敗後、2021年7月の前戦レアンドロ・アタイジ戦で1R KO勝ちで復活したンサン。対するビグダシュは、2018年12月の新村優貴戦の判定勝ち後、3年ぶりにファン・ロンにギロチンチョークで一本勝ちで2連勝をマークしている。  1R、ミドル、ローを打つンサンに首相撲で組んでヒザを突くビグダシュ。しかし、顔を押さえてはがすンサン。なおもビグダシュはダブルレッグテイクダウン!  片足を挟むビグダシュに足を抜いて金網背に立つンサン。またもアゴを押してビグダシュをはがす。組んで、離れ際にヒザを突くビグダシュ。  しかし、圧力を強めるンサンがパンチを振って前に。左を差して頭をつけての右がアイポーク、バッティングになる。下がり気味だったビグダシュにとっては回復時間に。  詰めてダブルレッグテイクダウンはビグダシュ! 立ち際にバックを奪うビグダシュはバックマウントからンサンの身体を伸ばしてパウンド! しかし、後頭部に入ったとして中断後、再開。今度はンサンがピンチを脱した形に。  再開からダブルレッグ、シングルレッグに切り替えるビグダシュ。切るンサンだが、なおもダブルレッグに小外がけを合わせてテイクダウンするビグダシュ。バックに回るもゴング。  2R、互いにミドルが交錯。打撃で前に出るンサンの指がアイポークもすぐに再開。ビグダシュの連続アタック。尻をマットに着くンサンだが、蹴り上げから立つンサン! ジゥアブの刺し合いからヒジを打つンサン! しかしビグダシュはダブルレッグテイクダウン! バックを奪うと4の字ロック。背後からパウンドし、左足を対角のウサンのヒザ裏にフックし、向き直りを防ぐ。  3R、前に出て中央を取るンサン。右を振るが、そこにカウンターのダブルレッグテイクダウンはビグダシュ!すぐさま両足を束ねて背中を着かせると、そのまま上がりマウントに。ここでブリッジして後転して立ち上がったンサン!  ここでもシングルレッグからダブルレッグテイクダウンするビグダシュがマウントに。ここもブリッジで返したンサンだが、再びダブルレッグテイクダウンするビグダシュが抑え込み。ハーフから潜ろうとするンサンの首を抱えるビグダシュ。首を抜き、ニーシールドを取ろうとするンサン。半身から正対したンサンに、ビグダシュは上からパウンドでゴング。  判定は3-0でテイクダウンを決めて、ポジショニングを奪い、パウンドしたビグダシュが勝利。3連勝を決め、デリダーに宣戦布告した。 [nextpage] ▼ONEフェザー級 キックボクシング 3分3R〇タイフン・オズカン(トルコ)[判定3-0]×エンリコ・ケール(ドイツ)  1R、オーソドックス構えのオズカンに、サウスポー構えのケールは左奥足ロー。左右フックのラッシュ、右アッパー、前蹴りを当てて前に出るオズカンだが、ガードを固めて左ロー、さらに組んでのヒザに繋げるケール。  2R、ギアを上げ、ガード固めワンツーで押し込み左ロー、右ボディに繋ぐケール。しかしオズカンも自身のターンに右をかぶせて当てると、右ストレート! ケールは効かされるが、左右ローで詰め返し。しかし、2R、終了間際にオズカンが右オーバーハンドでダウンを奪う。  3R、声を挙げながら前に出るケール。ワンツーから左右ボディ打ちも、そこに右フックをかぶせるオズカン! ケールも左ヒザ、ミドルと手数・足数を減らさず前に。しかし、有効打を当てたオズカンが判定勝利。サミー・サナとの対戦をアピールした。 [nextpage] ▼ONEヘビー級キックボクシング 3分3R〇グート・イノセンテ(ブラジル)[2R 2分22秒 TKO] ※左連打×ブルーノ・スサナ(ポルトガル)  1R、イノセンテはMMAでも10勝6敗。今回がONEデビュー戦。対するスサナは2021年1月にONEデビューもラーデ・オパチッチに2R TKO負け。しかし、2021年11月のUAE「SuperKombat Universe」で判定勝利している。  ともにオーソドックス構え。スサナは右ロー。イノセンテはサウスポー構えにスイッチし左ストレート! さらに右ローまでつなぐ。  左ミドルで詰めるイノセンテ。左ジャブ、右ローの対角線攻撃。左のカウンターを狙うスサナに、組んで首相撲からヒザはイノセンテ!  2R、左ストレート、右ローを打つイノセンテ。左フックを狙うスサナだが右足を効かされスイッチ。さらに詰めるイノセンテのラッシュに金網背にするが、右を返すスサナ。  さらに右ロー、後ろ回し蹴りにスサナは後ろを向いてスタンディングダウン! ガード固めて起死回生の左フックを狙うスサナだが、イノセンテの左アッパー、ボディの4連打にスサナは動けず。レフェリーが間に入った。  2R 2分22秒、TKO勝ちでイノセンテがヘビー級キックボクシングでONEデビュー戦を勝利した。 [nextpage] ▼ONEバンタム級 5分3R〇ファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)[1R 1分37秒 KO] ※カウンターの左ヒザ×ジェレミー・パカティウ(フィリピン) “ワンダーボーイ”24歳のアンドラージは、タイガームエタイ所属で立ち技の「Kunlun Fight」や「WLF(武林風)」で活躍。キックボクシングでは28勝1敗の戦績を誇る。柔術も学び、2020年7月のONEデビュー戦では、マーク・アベラルドを2R、リアネイキドチョークで極め、2戦目でランカーの佐藤将光に判定勝ち。バンタム級4位にランクインした。  2021年12月の前戦では、中国のリー・カイウェンに左前蹴り、左ヒザを効かせてのパウンドで1R TKO勝利。MMA5連勝中だ。対するはチーム・ラカイのパカティウ。MMA11勝4敗で、2021年7月のONEデビュー戦ではチェン・ルイに判定勝ちしている。  タイガームエタイからノヴァウニオン所属となったアンドラージはサウスポー構え。パカティウは右を振る。アンドラージは距離を保ちながら右ジャブで詰めて、打ち返しはスウェイ、さらにテンカオ。  左三日月蹴りを当てる。右ストレートを打つパカティウに、アンドラージはカウンターの左ヒザ! さらに右を打つが、腹を押さえたパカティウはすでに倒れていた。  1R 1分37秒、KOでアンドラージはMMA6連勝、ONE5連勝を決めた。解説席の佐藤将光はアンドラージについて「見切りが早かった」と称賛した。 [nextpage] 【リードカード】 ▼87.3kg 5分3R〇ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)[1R 1分26秒 KO]×ヴァミール・ダ・シウバ(ブラジル)  1R、ともにオーソドックス構え。右ローを突くシウバ。右を蹴ってそのままサウスポー構えになるカデスタム。ワンツー、オーソに戻し、右から左アッパーを効かせての右フックでダウンを奪い、試合を決めた。 [nextpage] ▼ONEバンタム級ムエタイ 3分3R〇ウラジーミル・クズミン(ロシア)[判定3-0]×クリス・ショー(スコットランド)  1R、先に詰めるショーに、クズミンは右のカウンター。ショーは右ミドルも、クズミンは左右スイッチから右ストレートで前に。さらに右ストレートでダウンを奪う。  2R、またも右のカウンター、さらにヒジを打つクズミン。ワンツーからインローでショーのバランスを崩し、右バックヒジでショーは右額をカット。サウスポー構えにスイッチするクズミン、右前蹴りも当てると、ショーは顔から出血が多くなる。  3R、高い左前蹴りはクズミン! さらに左ヒジ。ショーが顔面から出血が多くなると、左インローで崩していくが、出血に構わずショーンは前に。右フックを返すが、クズミも右から左のワンツーで出入り。  判定は3-0でことごとく有効打を当てたクズミンが勝利した。 [nextpage] ▼ONEムエタイ キャッチウェイト(58kg)3分3R〇スミラ・サンデル(スウェーデン)[3R 1分35秒 TKO]×ディアンドラ・マーティン(豪州)  1R、ともにオーソドックス構え。長いリーチ&コンパスからワンツーで先に前に出るサンデルは組んでも首相撲で高いヒザを突く。詰めるサンデルは右ストレート、右ミドル。  下がるマーティンは首相撲でこかす。しかし立ち上がったサンデルはヒザを効かせてダウンを奪うと、組んでヒジ&ヒザ! 離れるマーティンだが、圧力を受ける。  2R、前にカメラに向かって手を振りサムアップするサンデル。高い左前蹴りを顔面に突くサンデル! 左右を突き返すマーティンは首相撲からヒジを返すが、組み手はサンデルのもの。右ミドルも当てる。  首相撲から左ヒジを当てるマーティン! しかし、詰めるサンデルはワンツーで金網に詰めると首相撲ヒザでダウンを奪取! 立ち上がったマーティンに、さらにボディストレートを効かせて2度目のダウンを奪取。マーティンも粘りと見せて立ち上がりゴング。  3R、サンデルの右の上下の蹴りをチェックするマーティン。しかし左ボディストレートを当てるサンデルにマーティンは後退。しかし左ストレートを当て返してサンデルのアゴを上げさせる。ここで下がらないサンデルは詰めて左ボディを当ててダウンを奪取。試合をフィニッシュした。 [nextpage] ▼ONEミドル級 5分3R〇ダニヤル・ザイナロフ(ロシア)[判定2-1]×ユーリ・シモエス(ブラジル)  1R、ADCC王者のシモエスはダブルレッグテイクダウンも、立ち上がるザイナロフが首を抱えてネックロック気味に崩して上に。下のシモエスは金網に頭が詰まり苦しい展開も、ケージを蹴って頭を中央側に変えて腕十字を狙う。足をかけさせないザイナロフにクローズドガードのシモエスは、下から腕十字、足もかけるがヒジを抜くザイナロフ。ヒジを抜いたザイナロフに、再び腕十字から、今度は右足に50/50、後方に倒して外ヒールから足を抜くザイナロフに内ヒールを仕掛けるも、ザイナロフはそのクラッチの腕を掴んで絞めさせない。  2R、左を差して組んだシモエス。金網に押し込んで脇を潜るとスタンドバックから崩して手をマットに着けさせると、バック奪取! 両足をフックして引き込むとリアネイキドチョーク狙い。首を守るザイナロフにいったんバックから腕を手繰り十字狙いのそぶりも、そのままバックキープでゴング。  3R、右ローを打つザイナロフ。その2発目にシングルレッグテイクダウンに入るシモエス。足を後方に飛ばして切るザイナロフが上に。シモエスは下からケージウォークで腰を切り左足を顔にかけて腕十字! ヒジを巻き込むも、またいで外したザイナロフはインサイドガードの中のままゴング。判定はスプリットでザイナロフが勝利した。 [nextpage] ▼ONEフライ級キックボクシング 3分3R〇ダニエル・プエルタス(スペイン)[判定2-1]×ジドゥオ・イブ(中国) [nextpage] ▼ONEライト級 5分3R〇ドレックス・ザンボアンガ(フィリピン)[1R 1分05秒 KO]×ラウル・ラジュ(インド) ※新型コロナウィルスの感染予防対策のため、ペットモラコットvs.ジャマール・ユスポフ、レアンドロ・アタイデスvs.ディビッド・ブランチの2試合がキャンセル
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