2022年3月12日(土)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2022 vol.2』の記者会見が、2月18日(金)都内にて行われた。
KNOCK OUT-BLACK -72.0kg契約3分3R延長1Rで、サッシス(カンボジア)との対戦が決まった日菜太(クロスポイント吉祥寺)が出席。
日菜太は2005年6月にRISEでプロデビューし、満15周年を迎えた大ベテラン選手。2008年7月に初代RISEミドル級王座、2013年4月にREBELS初代王座を獲得。K-1 WORLD MAXや新生K-1 WORLD GPにも出場し、アンディ・サワー、ジョルジオ・ペトロシアン、アンディ・リスティー、アルバート・クラウスら世界トップクラスと拳を交えてきた。
2021年2月、REBELS最終興行で海人との世代交代を懸けたREBELS-BLACKスーパーウェルター級タイトルマッチで敗れて「今日で区切り付けます」と引退を示唆していたが、11月に練習を再開。自身のSNSにて「来年で闘うことを終わりにします! コロナ禍もあり色々な人が見に来れなかった試合で辞めるのはやっぱり良くないって思いました」と2022年を最後の年にすると宣言していた。
サッシスは元カンボジア・ウェルター級王者の肩書きを持つ35歳で、戦績は55勝(23KO)20敗。2015年1月の日本初ファイトではTOMOYUKIに判定で敗れたが、同年に行った2試合は勝利、2019年9月にも勝利を収めている。2021年7月にKNOCK OUTに初参戦したが中島弘貴に初回KO負け。北海道在住ファイターだ。
日菜太は「お久しぶりです。まさかまた戻って来るとは思わなかったんですけれど、2月が終わって3月くらいに山口代表と2人で話をした時に『お疲れさん』と。僕も動けなくなってきたし、もう終わりでいいんじゃない、休んでと言われたので、自分の意思もあるんですが第三者の目からお疲れさんと言われたので辞めた方がいいのかなって。それからは近所のジムでランニング、筋トレくらいしかすることなく格闘技から離れていました」と、ほぼ引退状態にあったという。
「でも10月の終わりに山口代表から『話をしよう』と言われて行ったら、来年1年頑張ってみたらと言われて。1年やれるか分からないし、1回もできるか分からないし、とりあえず11月から練習行きますとやり始めました。8カ月も休んだことがないのでブランクが凄くて、身体を戻すのと、戻るのに強くなっていないと意味がないと思って今は凄くいい練習をしています。皆さんの前で裸になりたいくらいフィジカルは仕上がっているので、3月はいい試合をしてみたい」と、練習をやり始めて当初はブランクの影響があったが今はいい状態になっているとする。
「動けるかどうかはリングに立ってみないと分からない。ブランクは大きいので。これではお金をもらえないと思ったら辞めるし、できると思ったら今年1年どこまでいけるか頑張ってみようかなと。2022年がラストイヤーと思っているので、たくさんの人に、71試合もやったので残り数試合、今回で終わるかもしれませんが、今までたくさんの人に見てもらえたので最後の試合を見に来てもらいたいですね」と、続けるかどうかは今回の試合の出来次第だという。
「今回あまりにもしょぼかったら、やっぱりやめますと言ってしまうかもしれない。いろいろな人からお金をもらってチケットを買ってもらって、人からお金をもらう大切さが分かっているので、お金を払う人が満足するもの見せられなかったらプロじゃない。そこに行けるように努力しています」と、プロの試合を見せられるかどうかのテストとなる。
しかし、「本当に離れていたので格闘技の情報を遮断していたので全く分からないんですよ。久しぶりにジム行ったら雰囲気も変わっていて。今は試合に向けて、もう一回最後やってやるかなみたいな。こういうのじゃなくて、もう1回だけ凄く強いヤツらの舞台で悔いなく戦いたいし、ボロボロになりたいなと思っています。それができたらもう1回やりたいとは思わないと思うので。いい競技人生で、大事なチャンスを逃してきたけれど世界トップと10年以上戦ってきた自信はあるので、アンディ・サワーとグレゴリアンを見て、俺も最後にそれくらい強い選手とトップに行く選手と最後にもう1回やりたいなって。サワーがああいう負け方してもそれでもカッコいいなと思ったので、そういう最後を俺の中のストーリーにしたいと思っています」と、最後は世界の強豪とやって散りたいと希望した。
コンディションに関しては「波が凄いある。年齢のせいなのかいい日もあれば全然ダメな日もあったり。そういうことを言う人間になると思わなかったですが(苦笑)、いつ誰とやっても負けなかったし、練習でやられることもなかったので、いい日と悪い日の波が凄いです。これが年を取るということか」と思ったという。
現役続行に関して家族からの反応は「奥さんからは、好きなようにやればいいじゃない、みたいな(苦笑)。俺が疲れちゃっているのですぐ寝るんですけれど文句も言わず。心の中でイライラしていると思いますが。子供も1歳3か月でまだ見に来れないですが、どうにかしっかり頑張って、1回くらいお父さんが頑張っているところを見てもらいたい。そういうことを言う年齢になっていることが凄い年を感じています。いろいろな人に集大成として見せたいので、頑張っていきたいです」とする。
全ては今回の試合次第だが、「理想は3月6月、9月、12月の4試合をやれたら。それが次で終わるかもしれないし、用意された相手をクリアできた場合の話であって。でも最後は勝負論のある9-1で僕が負ける試合をやりたい」と、理想では4試合。12月というのは大晦日(日菜太は2015年12月29日のRIZINに出場、宮田和幸とMIXルールで対戦して1RにTKO勝ちしている)のことなのか、と聞かれると「大晦日ワンチャンあるのかな(笑)。キックボクシングは出来ないと思うんですよ、最後なのでとにかく強いヤツらとやりたいですね」と、そこまでは考えていないとした。
もし、試合をやってみてまだいけると思えたらどうするか、との問いには「何回引退詐欺しているんだって言われるので、あまりいいたくないですが、29歳くらいから次の試合で引退と言ってますよね、今回は、本当にジムに行かなくなって辞めるんだと思ったら戻って来た、って思ってるやつがいっぱいいるだろうと思うので(苦笑)」と、さすがにそれはないと笑う。
そして「嫌な練習をもう一回始めたんです。こういう練習は体力的にきついと思ってやめようと思ったことをもう一回やり始めて、リフレッシュ出来て地味なことをやった方がいいなと思って。僕が1年間クロスポイントに残るのは、こういうことをやった方がいいよと後輩たちに伝えられたらなと。自分のジムから強い選手が出ないと盛り上がっていかないので、この1年間残っている間に自分の持っているものをすべて教えていけたらなと思っています」と、この1年間の間に後輩たちへ伝えられることは伝えたい、との考えもあると語った。
最後には「凄く久しぶりにブランクを取り戻すために毎日練習しています。朝に“うおっ!”と言わないと起きれないくらい辛いですが楽しく生きているので、36歳になりますが勇気や元気を与えられる試合をするので大変な時期ですが見に来てください」とメッセージを送った。