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【RIZIN】那須川天心が世界三冠獲得! 浜崎朱加は涙の王座防衛。山本美憂が浅倉カンナに勝利、アーセンと親子Wウィン=6.2「RIZIN.16」全試合詳報

2019/06/02 13:06
2019年6月2日(日)神戸ワールド記念ホールにて「RIZIN.16」が開催された。 ▼第14試合 ISKA世界フェザー級王座決定戦 57kg契約 ※ISKAユニファイドルール(ヒジ無し) 3分5R×マーティン・ブランコ(アルゼンチン/ISKA世界バンタム級王者)[2R 2分19秒 KO]○那須川天心(TARGET/Cygames/RISE世界フェザー級王者)※那須川が王者に。 那須川は6月2日『RIZIN.16』でアメッド・フェラージ(フランス)とISKA世界フェザー級タイトルマッチ、6月22日には『那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」企画でプロボクシング世界三階級制覇王者・亀田興毅とのボクシングマッチ、そして7月21日(日)エディオンアリーナ大阪で開催される『RISE WORLD SERIES 2019 Semi Final Round in OSAKA』の準決勝でルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者スアキム・PKセンチャイムエタイジム(タイ)と3連戦に臨むことが決まっている。 当初、那須川は王者アメッド・フェラージ(フランス)に挑戦するはずだったが、「正当な理由もなく試合をキャンセルし、指名防衛戦を拒否したため、(ISKAは)フェラージ選手のベルトをはく奪し、そのタイトルを空位としました」(プレスリリースより)ため、フェラージに代わってブランコが那須川とISKA世界フェザー級王座を争うことになった。 ブランコは17歳でキックボクシングを始め、20歳からアマチュア大会に出場すると、2013年にブラジルのリオデジャネイロで行われたWAKOサウスアメリカ54kg級で南米王者、翌14年には母国のアルゼンチンで行われたWAKOパンアメリカン54kg級でアメリカ大陸王者に。その後、2016年にWKFアマチュア世界大会でK-1ルールとフリースタイルルールで2つのタイトルを獲得するなどの実績を残し、25歳でプロデビュー。KBOXサウスアメリカ大会での54.5kg級優勝を皮切りに、WAKOアルゼンチン54kg級、WKFアルゼンチン54.5kg級、ISKAアルゼンチンバンタム級の王座に輝いた。 2018年11月には総合格闘技のリングでも戦っているチリ人のマウリシオ・ドノソとISKA世界バンタム級王座を争い、判定勝ちで王座に就いた。オーソドックス構えで左右のローキックを得意とし、右アッパーを含む細かいパンチで出入りするスタイルで10戦8勝(3KO)の戦績だ。 日本、アルゼンチン、両国国会斉唱の後、ゴング。 1R、身体に厚みがある那須川はサウスポー構え。ブランコはオーソドックス構えから左ジャブから。右を振るブランコだが、那須川は見切ると左ロー。右ジャブにはブランコが前蹴りを合わせる。ワンツーからのコンビネーションはブランコも那須川はバックステップでかわす。右インローはブランコ。那須川の右に左をかぶせにいく。 左ストレートは那須川! 左ボディも狙う。右インローはブランコ。クリンチ後に那須川は左ミドルハイを肩口にヒット! さらに左ロー、近距離からヒザと畳みかける。ブランコは左右の二段蹴りを見せる。1R終了のゴング。 2R、右のフェイントから入る那須川。右インローはブランコ。那須川は左右ボディを突く。飛び込んでクリンチはブランコ。前蹴りには那須川が左右をまとめる。さらに練習で見せた左のオーバーハンド! ブロックするブランコだが、右目上から出血。那須川のオーバーハンドの残像が残る。再開。 右から左の二段蹴りはブランコ。かわす那須川。ブランコは右前蹴り。その打ち終わりに右ジャブを、左のヒザを突いて効かせて回して倒す那須川。ガードを高くするブランコに那須川は左ストレートから左ミドル! 腰を回さずヒザ蹴りの軌道で左ミドルを空いた脇腹に受けたブランコは悶絶ダウン! 立ち上がるブランコに那須川はドロップキック気味のダブルキック。さらに左ヒザで二度目のダウンを奪うと、左ローで詰めていく。 すでに腹を効かされて半身になっているブランコ。右ローの打ち終わりに左ローを当てた那須川は詰めての左ヒザで3度目のダウンを奪い、KO勝利! 那須川はISKA世界王座の2階級制覇、そして現在保持するRISE世界フェザー級王座と合わせて世界三冠王となった。 那須川はリング上で、「押忍、こんばんは、応援ありがとうございました。ベルトは嬉しいですけど、こんなもんじゃ満足できないので、すぐ次に向かいます。(ここまで)早い展開ですけど、もっと高見を目指して、もっと盛り上げたいと思います。日本に留まりたくないと思っています。もうそろそろ世界に飛び立って挑戦したいと思います。今回はマーティン選手がいたからこそ試合ができました。ありがとうございました。7月に(RISEで)準決勝、めちゃくちゃ強い相手(スアキム※前日にKO勝ち)と大阪でやるので、那須川天心を生で観に来てください。いま、格闘技が盛り上がっていますけど、もっともっと盛り上げて、日本を盛り上げます」と挨拶した。 ・那須川天心 試合後会見コメント ▼第13試合 RIZIN女子スーパーアトム級(49kg)タイトルマッチ 5分3R ※ヒジあり○浜崎朱加(王者/AACC/元INVICTA世界アトム級(47.6kg)王者)[判定3-0]×ジン・ユ・フレイ(挑戦者/米国/MOHLER MMA/INVICTA FC世界アトム級王者)※浜崎が王座防衛 現RIZIN女子スーパーアトム級王者の浜崎は、2016年9月の「Invicta FC 19」でInvicta FC世界アトム級王座の2度目の防衛戦としてフレイと対戦。2Rに浜崎の右のパンチにフレイが左目尻をカットし、ドクターストップとなり、浜崎が王座防衛に成功している。 その後、浜崎が返上した同王座を、2018年7月にフレイが王座決定戦でミナ・グルサンデルに判定で勝利し獲得。現Invicta FCアトム級王者となった。フレイは2018年12月の前戦では同じグルサンデルをスプリット判定で退けて初防衛に成功している。 新旧Invicta王者対決にして、現RIZINとInvicta王者の対決にもなる今回の再戦に向け、浜崎は「前回はカットで勝ちましたが、1Rは危ない場面もあって拮抗していました。次は“もう戦いたくない”と思われるくらい差を見せて圧倒して、一本かKOで勝ちたい」と意気込みを語っている。 フレイがInvicta王座の防衛に成功していることについては「同じ相手に連戦して勝っているので、私と戦ったときより力をつけてきていると思います」と評価する浜崎だが、「それは私にも言えることなので、お互いの成長を試合で見せられるのが楽しみです」と再戦に自信。 対するフレイは「この時が来るのを2年半、待ちました。次こそ真の決着をつけたいと思います」とコメント。ヒジありルールでの王座戦に「流血もあるでしょう」と、浜崎を斬り返しての勝利も「プランのひとつ」と語った。 母親がアメリカ人で、父親は韓国からの移民。父からテコンドーを習ったフレイは韓国のROAD FCで戦った経験も持つ。「ケージとリングでの戦いは違うとは思いますが、私にはボクシングの試合経験もあるので、リングでもどのような状態であっても自分を適応させていきます」と、ルールの異なるRIZINでの試合にも自信。今回は、夫で元Bellatorファイターでもあるダグラス・フレイを帯同し、王座戦に臨む。 PRIDEのテーマ曲で入場したフレイ。浜崎はAACC勢と入場。練習仲間で6.14 Bellator参戦も決定しているRENAがセコンドにつく。 1R、ともにサウスポー構えから。フレイは浜崎に比べ、肩回りが隆起している。 サウスポー構えからスイッチしてローは浜崎。サウスポーに戻す浜崎は右ジャブを突く。フレイも刺し合い。右フックを放つ浜崎はオーソドックス構えに。左ローはフレイ。浜崎も右フックもフレイはガード。オーソに構え右ハイで牽制する浜崎。フレイの入りに右を合わせる。右ミドルを放つ浜崎。腕で払うフレイ。浜崎はワンツーも遠い。フレイは詰めて左フック! さらに右ジャブもヒット。離れる浜崎は右で飛び込む。さらに左インローはフレイ。浜崎は右ハイもフレイはブロック。フレイが浜崎の口元を腫らせた1R。 2R、サウスポーから右を突く浜崎。さばくフレイは右ロー。出入りは浜崎。バックステップするフレイ。フレイの前足へのローで赤く腫らせる浜崎は前足を変える。浜崎のジャブに右を返すフレイだが浜崎もスイッチ。コーナーに詰めて右アッパーは浜崎もかわすフレイ。前手のジャブは上下に突くフレイ。浜崎も当てさせず。左で飛び込む浜崎に左を返して当てるフレイ! 身体が流れる浜崎。続くフレイの強い右は空をきる。右前足にインローはフレイ! 浜崎の足が流れるように。オーソドックス構えにする浜崎。 3R、フレイの最初の右ローを逃さず右で差して払い腰で投げた浜崎! 右で脇を差しハーフになる浜崎は、右足も抜いてサイドポジションに!左は枕に巻き、ヒザを頭に突く浜崎。左ヒザをフレイの頭に狙う。頭を中央に向ける浜崎。しっかり右での脇差しは外さない。フレイの右腕をクルスフィックに4の字で組む浜崎! ついに両足で挟むと細かいパウンドへ。背中をマットに着けるフレイに浜崎は左でヒジの連打。 ユニファイドでは1、2Rを取られた可能性のある浜崎だが、3Rはダメージをしっかり与える動きを見せた浜崎。RIZINの3Rトータルのジャッジは……浜崎が3-0で逆転勝利した。中盤まで打撃戦で苦しんだ浜崎だが、3Rにフレイのローキックに合わせて組んでの投げを最初のトライで決めたのは見事といえる。 ベルトを再び腰に巻いた浜崎は、涙。リング上で、「1回、対戦したことがあるフレイ選手が強いことは分かっていて、ナーバスになりました。ホッとしています。(力になったのは)周囲の応援や、練習仲間、藤井惠さんたちのおかげです。極めたかったですけど、なかなかいいポジションを取れなかったので、次は一本を取ります」と涙声で語った。 ・浜崎朱加、ジン・ユ・フレイ 試合後会見コメント [nextpage] ▼第12試合 RIZIN女子MMAルール 49.0kg契約 5分3R×浅倉カンナ(パラエストラ松戸/RIZIN女子スーパーアトム級T2017優勝)[判定0-3]○山本美憂(KRAZY BEE/SPIKE 22) 山本美憂と浅倉カンナは注目の初対決。 山本は女子レスリング世界王者で、リオ五輪出場がかなわなかったことからMMAに転向。2016年9月のRIZINでプロデビューしたが、デビュー戦のRENA戦からなかなか勝ち星に恵まれなかった。しかし、グアムのSPIKE22で元PXCバンタム級王者のカイル・アグォンとともにマンツーマンで練習を積むことで、2018年7月の石岡沙織戦からMMAにアジャストし始め、現在3連勝中と波に乗る。2019年4月のQUINTETでは、柔術世界選手権4連覇の湯浅麗歌子に腕十字で敗れたものの、6分18秒におよぶ白熱した展開のなかでグラップリングの進化も見せている。また近年では、UFC4勝5敗、五味隆典から一本勝ちの戦績を持つジョン・タックの指導も受けており、総合力に磨きをかけている。 浅倉は2017年の「RIZIN女子スーパーアトム級トーナメント」決勝戦でRENAを破り、トーナメント優勝を果たしてRIZIN女子部門のトップに君臨。2018年7月のRENAとの再戦でも返り討ちにして8連勝を飾ったが、昨年大晦日のRIZIN女子スーパーアトム級王座決定戦で浜崎朱加に敗れた。再起戦は今年3月、ホームリングの『DEEP JEWELS』で同団体アトム級王者・前澤智と対戦し、フルマークの判定で完勝を収めている。 1R、ともにサウスポー構え。先にダブルレッグからシングルレッグに入る山本。すぐに立つ浅倉はコーナーを背に。四つで引き出そうとする山本。互いにヒザを突く。ブレーク。 スタンド。右ジャブを突く山本。ブロックする浅倉の入りに右ジャブ。山本のフックをかいくぐりダブルレッグは浅倉。しかし左で小手に巻く山本。そこに空いた右手でパウンドを狙うが、倒したのは浅倉。首を巻く山本から頭を抜いてバックをうかがうがそれを警戒する山本、両者立つ! すぐに追う浅倉はシングルレッグから押し込んでコーナーで右で差して回して山本にヒザをマットに着かせるが、左で小手に巻いて耐える山本は再び立つ。ヒザ蹴りは山本。突き放す山本。離れる。ゴング。 2R、右のインローは浅倉。左に回る浅倉はダブルレッグへ! 切る山本がぶりきれず立つ。ヒザの打ち合いも離れる山本。左ストレートを突く浅倉。山本も左を突くが遠い。テイクダウン狙いから右のダブルを突く浅倉。レベルチェンジを繰り返す。そこに山本も右を狙う。右ジャブの突き合い。浅倉はダブルを放つ。左ローから組み付いていく浅倉。しかしがぶる山本は外無双から返して上に。 亀から立とうとする浅倉に、手首をコントロールし得意のパウンドを放つ山本。正対し四つになるが腰に乗せての首投げは浅倉! 投げられた山本はすぐに下からシングルレッグも浅倉はカウンターでキムラロックを狙うが、山本も腕のクラッチは外さない。 3R、開始早々シングルレッグも首を抱えて牛殺し的にがぶり返す山本は上になりフロントチョーク、ネックロックへ。すぐに頭を抜く浅倉はガードに山本を入れティピーチョーク狙い! さらに三角に組もうとするが抜く山本に浅倉も立つ。先にシングルレッグは浅倉、足を後方に飛ばす山本はクラッチを切る。がぶる山本にスイッチを狙う浅倉。両足を立てる浅倉。コーナーに押し込みシングルレッグも左で脇を差し上げる山本が上に! すぐにパウンドを打つ山本。 下から浅倉は三角絞め。上体を起こす山本だが、頭を引き寄せる浅倉は下からヒジ! しかし上体を立てた山本は両足をかつごうとする。亀からガードに戻した浅倉はパスガードはさせないが、インサイドガードから山本は鉄槌など盤石の攻め。ゴング。 最初の判定が山本に上がり、帽子を深くかぶった浅倉。判定は3-0で山本が勝利。4連勝を決めた山本は「レスリング力が上と言っても総合力はカンナちゃんが上。一番、緊張しました。ファイナリー、やっと親子で勝つことができました」と喜びを表し、英語で家族にもうすぐ家に帰るからね、とマイクで語った。 ・山本美憂 試合後会見コメント・浅倉カンナ 試合後会見コメント ▼第11試合 RIZIN MMAルール 120kg契約 5分3R ※ヒジあり×ロッキー・マルティネス(米国/SPIKE 22/DEEPメガトン級王者)[判定1-2]○ジェイク・ヒューン(米国/Unit 27) マルティネスは2017年7月に行われたDEEPメガトン級タイトルマッチにて、RIZINでエメリヤーエンコ・ヒョードルとも拳を交えた経験を持つシング・心・ジャディブに完勝を収め新王者に。その実績が認められ同年10月のRIZIN.7でジェロム・レ・バンナの対戦相手に選出され、袈裟固めでタップ奪って見せた。2018年9月のRIZIN.13てはミルコ・クロコッフにも挑んだがヒジでカットされ無念のTKO負け。再起戦となった今年3月のDEEPでは酒井リョウを圧倒してDEEP王座の初防衛戦に成功している。 ヒューンはレスリング、アメリカンフットボールを経てMMAに転向。TUF17と19出場を経てWSOF、ROAD FCなどで戦績を積んできた。RIZINには2018年9月に初参戦し、イリー・プロハースカと打撃戦を繰り広げるもTKO負けを喫した。ともにレスリング&打撃を得意とするヘビー級ファイターが激突する。 1R、ともにオーソドックス構え。レスリングシューズを履くマルティネス。ヒューンはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーで入場。ロングスパッツを着用。サウスポー構えに変え、強烈な左ミドルはヒューン! 詰めるマルティネスだが突っ込んでのバッティングで右目尻から出血。ヒューンも右目尻から出血。ヒューンはオーソドックスに戻して左ジャブで傷口を狙う。 しかし詰めるマルティネス。下がりながらもしっかりジャブを突くヒューン。さらにオーソドックス構えで右アッパー! タフなマルティネスがヒザをがくりと落とす。サウスポー構えで左ジャブから右フック、さらに左ミドル! 2R、先に左ジャブを当てるマルティネス。首相撲からヒザを狙うヒューンに、マルティネスはダブルレッグに入るが、差し上げるヒューン。クリンチボクシングはマルティネス。右ショートアッパーを突く。マルティネスの左に右を被せるヒューン。マルティネスの入りに左ジャブを突く。ワンツーアッパーを連打で高速で突くマルティネス。ヒューンも打ち合いに応じるとマルティネスは左で脇差し前へ。突き放すヒューンだが、動きが落ちる。なおも押し込むマルティネス。サウスポー構えから左ストレートを突くヒューンだが、疲労からか身体がブレてくる。しかしマルティネスの右目尻の出血が多くドクターチェック。再開。左ジャブの連打はヒューン。互いに蹴りの打ち合いからテイクダウンはヒューン! 下のマルティネスにサッカーキックはヒューン! ガードするマルティネスは左で脇を差して立ち上がるとがぶりからヒューンを亀に崩してヒザを狙ったところでゴング。 3R、右を差してコーナーに押し込むマルティネス。スタンドで左手でマルティネスの右腿に鉄槌を落とす。ジャブから近づけばヒジも織り交ぜるヒューン。マルティネスは右で差すが、ヒューンも両脇は譲らない。ブレーク。 スタンド再開。前に出るマルティネスに左ジャブを返すヒューン。しかし、スタミナが苦しそうなヒューンにダブルレッグテイクダウンはマルティネス! リフトしスラムでサイドを奪うが、下からレスリングシューズを履いたマルティネスにヒールフックはヒューン! その外し際でしっかり上を取ったのはマルティネス! ハーフからヒジを打つマルティネス。ついに背中をつけさせ、ヒジを打つ。左で差して上体を立てるヒューンを引きはがすマルティネスは声を挙げながらヒジ! 脇差しから左足を右手ですくい、後転潜りスイープはヒューンもそこでゴング。 判定は2-1スプリット。最終ラウンドまで休まず動き続けたマルティネスだが、ヒューンもタフな試合をあきらめず、有効打を当てたヒューンが接戦を制した。 ▼第10試合 RIZIN MMAルール 5分3R(59.0kg)※ヒジあり○中村優作(チーム・アルファメール・ジャパン)[判定3-0]×トップノイ・タイガームエタイ(タイ/TIGER MUAY THAI) 中村優作(チーム・アルファメール・ジャパン)とトップノイ・タイガームエタイ(タイ)が対戦。 オーソドックス構えの中村は日本拳法出身で、強烈なパンチ力を武器にDEEPや修斗で活躍。2016年12月にはトーナメントを制してWSOF-GC初代フライ級王座に就いた。RIZINには2018年5月に初参戦。那須川天心とのキックボクシングルールでの試合に敗れるも、その戦いぶりが評価されて同年9月にはマネル・ケイプと対戦したが一本負け。今年3月に再起戦を修斗で行い、初回KO勝ちで復活を飾り、RIZINに戻ってきた。 対するトップノイは、RIZINでは2018年7月に修斗世界王座挑戦経験のあるオニボウズを相手に1R KO勝ちも、同年9月には朝倉海に判定負けを喫しているだけに、今回は中村優作というストライカーを相手に復活を期す。ムエタイベースながら、近距離での打ち合いにも強いトップノイは、中村の飛び込みにどう対するか。 オーソドックス構えの中村は日本拳法出身で、強烈なパンチ力を武器にDEEPや修斗で活躍。2016年12月にはトーナメントを制してWSOF-GC初代フライ級王座に就いた。RIZINには2018年5月に初参戦。那須川天心とのキックボクシングルールでの試合に敗れるも、その戦いぶりが評価されて同年9月にはマネル・ケイプと対戦したが一本負け。今年3月に再起戦を修斗で行い、初回KO勝ちで復活を飾り、RIZINに戻ってきた。 対するトップノイは、RIZINでは2018年7月に修斗世界王座挑戦経験のあるオニボウズを相手に1R KO勝ちも、同年9月には朝倉海に判定負けを喫しているだけに、今回は中村優作というストライカーを相手に復活を期す。ムエタイベースながら、近距離での打ち合いにも強いトップノイは、中村の飛び込みにどう対するか。 1R、オーソドックス構えの中村は遠い間合い。サウスポー構えのトップノイは左ハイで牽制。腕でブロックする中村は一気に踏み込み右! しかしロープ背にぎりぎりでかわすトップノイは右から左ストレート! これは中村もかわす。 細かくステップする中村は突きから蹴りに繋ぐ。トップノイの入りに右を狙う中村。それをかわす中村の背中を追うトップノイに、正対し組み付きテイクダウンを狙う中村だが、トップノイはロープを掴む反則。注意を受ける。 速い右ローは中村。両手を下げて速い突きで飛び込みを狙う。トップノイは左ミドルを出しながら左を狙う。かわす中村は遠間から右も、ここはかわすトップノイ。ならばと腹に中村は突く。 2R、トップノイの左の蹴りをかわして右ローを当てる中村。飛び込んでの右の前蹴りは中村もローブローに。最初の左のストレートはかわすトップノイ。中村は左足にシングルレッグに入るが、コーナーでトップノイはしっかりと切る。 トップノイの入りに右をかぶせる中村! しかしそこに左手を伸ばすトップノイの手がアイポークに。再開。トップノイの脇を潜り投げを一瞬狙う中村。蹴り足を掴んでテイクダウンを狙うが、ここもトップノイはバランスよく片足で倒れず、両足を戻しヒザを突く。それが中村の下腹部にローブローになり、中断。再開。 右の蹴りから入る中村。トップノイの入りに下がりながら右ストレートを当てるのは中村! しかし前に出るトップノイ。そこにカウンター狙いは中村。さらに右を狙う動きから、続けてダブルレッグでドライブしてテイクダウンは中村! 右腕でギロチンチョークはトップノイ。クローズドに入れるが、頭を抜いた中村がハパウンドを狙ったところでゴング。 3R、左の飛び込みは中村。接近戦では首相撲を狙うが脇潜る中村。ダブルレッグ狙いから打撃に切り替える中村。次はほんとうのダブルレッグに。テイクダウンする中村だが、スクランブルで立つトップノイ! がぶり切れない中村から首を抜き離れるトップノイは詰める。首相撲からヒザはトップノイ。さらに中村が頭を下げるとハイキックも狙う。 詰めるトップノイに中村はカウンターを狙う。トップノイの左の蹴りをつかみシングルレッグは中村も足を抜くトップノイは左フック。前に出るが、そこを潜り体を入れ替えダブルレッグテイクダウンは中村。しかし抑え込み切れず。立つトップノイは左! 前歯が飛ぶ中村。中村は最後もボディロックからテイクダウンを狙い、ゴング。 中村は試合後、「滑っちゃいました。しかも前歯が折れちゃいました!」と反省しきりのコメントも、最後は欠けた前歯を見せて「トップノイ選手のおかげで滑らずマイクができました」と場内を温めた。 [nextpage] ▼第9試合 RIZIN MMAルール 5分3R(71.0kg)※肘あり×ダロン・クルックシャンク(米国/Michigan Top Team)[判定0-3]○トフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン/ORION FIGHT CLUB) 2019年開催予定のRIZINライト級GPを前に、同級の門番として君臨するダロン・クルックシャンク(米国)と、2018年の年末に大尊伸光をパウンドで2R TKOに下したトフィック・ムサエフ(アゼルバイジャン)が“強打”対決。 10連勝中のムサエフはその10連勝のすべてがKO・TKOによるもの。遠間で懐の深い打撃から、バックキックやローキックなどを放ちながら近づき、強い腰を活かして相手をテイクダウンするダブルレッグも強力だ。何よりムサエフの脅威はパウンドにある。ひとたひテイクダウンを奪うと、ガードの中からでも長くて強いパウンドが相手を襲う。 対するクルックシャンクは、2018年5月に松本光史を左ハイキックKO、7月にトム・サントスに前転キックからのパスガードでマウント&ヒジ打ちTKO勝ち、さらに9月には元UFCの強豪ディエゴ・ブランダオンを2R開始早々の跳びヒザ蹴りからのパウンドで沈めて3連勝を飾った。 大晦日のRIZIN.14では、元UFCファイターのダミアン・ブラウンを相手に得意の打撃で優勢に試合を進めるも、自ら入ったダブルレッグにギロチンチョークを合わされ、連勝が「3」でストップしている。クルックシャンクは得手不得手がはっきりしているファイターなだけに、ムサエフは組みも混ぜたプレッシャーで門番を倒し、GPへの扉を開くか。 じりじりと詰めるムサエフは左右スイッチするが、基本はオーソドックス構え。バックキックも放つが、この攻防はクルックシャンクも得意とするところ。むしろムサエフとしてはその動きを呼び水にテイクダウンに繋げたいところだろう。クルックシャンクは圧力をかけられたときに下がりながらの打撃をいかに打てるか。 ともに変則的な構えから、クルックシャンクが打撃を当てるか、ムサエフが組みも混ぜてドミネートするか。それとも……。海外勢同士の対戦ながら、RIZINらしいハイレベルな攻防が期待できそうだ。 1R、サウスポー構えから左ミドルを当てるムサエフ。オーソドックス構えからクルックシャンクは前蹴りで牽制。さらに左右で前進もバックステップはムサエフ。クルックシャンクは肩口に左ハイ。オーソドックス構えにスイッチするムサエフ。前足を入れかえ歩くように打撃を打つ。右ローから左右を突くムサエフ。クルックシャンクは半身でサイドキックで距離を取る。その蹴りを掴んでシングルレッグを狙うムサエフに、足を抜くクルックシャンク。 右のダブルから左も強振するムサエフ。しのぐクルックシャンクは廻し蹴り。さらにバックキックでコーナーを出素。右から左の二段蹴りはムサエフ。クルックシャンクもスーパーマンパンチで押し返す。ムサエフの右の蹴りにクルックシャンクは左足を腫らす。 2R、ともにオーソドックス構え。バックフィストからサイドキックはクルックシャンク。ムサエフは左前蹴りでコーナー詰め、ダブルレッグに入るが、クルックシャンクはしっかり差し上げ、突き放す。1R含め、クルックシャンクは2度テイクダウンを切っている。ワンツーはムサエフもその打ち終わりに右ストレートはクルックシャンク! クリーンヒットはしないが、残像は残る。ムサエフの右に右を被せにいくクルックシャンク。 ムサエフの下がりながらの左フックにヒザを落としバランスを崩すクルックシャンク! ワンツーから左ハイはスウェイでかわすクルックシャンクだが、テイクダウンはムサエフ。クルックシャンクは足関節狙いからもぐりガードに。しかし、パウンドが長く強いムサエフは鋭いパウンドを当てる。クルックシャンクは足を効かせて距離を取る。 3R、ワンツーから蹴りに繋げてムサエフを下がらせるクルックシャンク。ムサエフはローから左右に繋ぐが、そこにクルックシャンクは廻し蹴りを繋ぐ。ムサエフは腹に中足蹴り。左右でコーナーに詰め、シングルレッグも倒れないクルックシャンク。離れるムサエフ。 廻し蹴りで近づき、ダブルレッグテイクダウンはムサエフ! クルックシャンクはクローズドも足のさばき際に立つが、すぐに追うムサエフは再びダブルレッグテイクダウン! 1クルックシャンクは下からストレートアームバー狙い。腕を戻すクルックシャンク。中腰でパウンドを狙うムサエフに、下から三角で固め、右手で足をすくう。強いパウンドを狙うムサエフが振りかぶってスペースを作ったところに立つクルックシャンク。ゴング。 ともに決定打はなかった接戦の判定は、ローを効かせテイクダウンから攻めたムサエフが厳しい試合を競り勝った。 ▼第8試合 RIZIN MMAルール 5分3R(61.0kg)※ヒジあり○魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)[3R 4分32秒 TKO]×カナ・ハヤット(米国/BODYSHOP FITNESS TEAM) 魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)とカナ・ハヤット(米国/BODYSHOP FITNESS TEAM)が61kg契約で対戦する。 地元・神戸出身の魚井は2018年1月に石橋佳大が返上した修斗環太平洋バンタム級王座を懸け、祖根寿麻と激突も判定0-2で惜敗。さらに同年5月にも根津優太にスプリットの判定で敗れ2連敗を喫したが、以降、9月に土屋大喜をKO、2019年1月にはPANCRASEから修斗に参戦した藤井信樹に判定勝ち。同年5月の加藤ケンジ戦では試合中に距離を修正してのオーバーハンドフックで2RKO勝利と、現在3連勝中で波に乗っている。今回は地元で、強打者カナ・ハヤットを迎え撃つ。 日本のVTJで扇久保博正、中村優作、松根良太に敗れているハヤットは、拠点をタイに移し、ムエタイの試合を重ねるなどスタンドに傾倒。さらにMMAでは中国、ハワイ等でも戦い、2017年6月以降、白星と黒星を交互に繰り返している。いつ何時、誰とでも戦う事を信条とするハワイが誇る激闘男は、階級差のあるオファーも受けており、戦績以上のポテンシャルを持つ。 5月31日に大阪市内のホテルで行われた事前インタビューでは、魚井は「自分は“ゲーム”はしないし、出来ない」とポイントを取りに行く試合ではなく、あくまでフィニッシュのためにセットアップし、フルスイングを当てるつもりであることを語り、対するハヤットも「最後に立っている男が誰かを、みんなに目撃してもらいたい」と、リング上での生き残りに自信を見せた。 1R、サウスポー構えの魚井、オーソドックス構えのハヤット、右のオーバーハンドは魚井。さらに左も。かわすハヤットに詰めて左を当てる魚井! ハヤットは思わずクリンチ。詰める魚井。地元から「魚井」コールも。右から左で跳びこむ魚井はハイキックもそこにカウンターのテイクダウンはハヤット。オープンガードの魚井は左足を腰に置き、右手首をつかみ左足を押してスイープを狙う。 展開なくブレーク。上下にレベルチェンジする魚井。左をフルスイングする魚井。かわすハヤット。さらに魚井は左右もかわされる。右ストレートで押し返すハヤット。魚井は左の跳びヒザで飛び込む。さらにカウンターの左ミドルに尻餅をつくハヤット。魚井がパウンドもゴング。 2R、左を振り左ハイ、さらにバックフィストに繋げる魚井。かわすハヤットにさらに右を振るが近づいたところでハヤットは小外がけテイクダウン! ハーフからクローズド、足を解き蹴り上げから立つ魚井。左インローは魚井。ハヤットも右ハイで牽制。さらにダブルレッグのフェイント。反応しがぶる魚井だがハヤットは入らず。見合いから左のダブルで飛び込む魚井。さらに跳びヒザから近づき首相撲からヒジは魚井! ブロックするハヤット。魚井の左に右ハイを合わせるハヤット! 魚井はダブルレッグも差し上げるハヤットが体を入れ替え、左を振ったところでゴング。 3R、互いに苦しい3R。右ジャブを突き左ストレートは魚井。かわすハヤットはダブルレッグも切る魚井。詰める魚井は左前蹴りで腹狙い。ハヤットは右ハイ。ブロックする魚井はワンツーから左ストレート、さらに左ボディストレートから左フルスイング! 拳が心配なほど強打する魚井。左を様々な軌道で狙う。左の前蹴りに下がるハヤット。魚井の左にシングルレッグテイクダウンはハヤット! 背中をつく魚井は下から三角に固め鉄槌。さらに腕十字狙いもロープ外に。ストップドントムーブから中で再開。 下からの足関節、ストレートフットロックからのトランジッションで足を抜くハヤットの際で立つ魚井。最後のラッシュへ! コーナーに詰めると右アッパーで応戦してきたハヤットに左フック! 崩れたハヤットにサッカーキック連打する魚井。レフェリーが間に入った。 3R、終盤でフルスイングを決めた魚井は「すいません、全然、フルスイングじゃなくて。修斗の名前を憶えてもらいたかったですけど、会場の応援とセコンドの……温かいゲキで何とか勝てました。修斗とRIZINに申し訳ない。もうちょっと強くなって、微かに自分の名前を覚えてもらったら嬉しいです」と挨拶。記念撮影ではフルスイングではなく、バントの構えで収まった。 ▼第7試合 RIZINキックボクシングルール 59kg契約 3分3R×国崇(拳之会/WKAムエタイ世界フェザー級王者)[判定0-3]※28-30,29-30×2○堀尾竜司(TRY HARD GYM/第4代K-1 KRUSH FIGHTスーパー・バンタム級王者) WKAムエタイ世界フェザー級王者・国崇(拳之会)と第4代K-1 KRUSH FIGHTスーパー・バンタム級王者の堀尾竜司(TRY HARD GYM)の対戦。 当初、国崇は才賀紀左衛門(クロスポイント吉祥寺)との対戦が決まっていたが、才賀が過去に負った左眼窩底骨折の後遺症による「視野狭窄」で全治1カ月のためドクターストップ。急遽、堀尾がスクランブル参戦を果たすことになった。 国崇は2000年のデビュー以来、約20年に渡り激闘を繰り広げ、ここまでに93戦を数える大ベテラン。数々のタイトルを獲得し、ホームリングのNJKFはもちろん、国内の他団体や海外でも活躍してきた。 堀尾はHIROYAが率いるTRY HARD GYM所属。2015年8月にトーナメントを制してKrush王者となり、最近ではRISE、DEEPのリングで活躍している。 1R、ともにオーソドックス構え。テクニシャン同士の対戦。スクランブル参戦の堀尾は前進し右から左の二段の跳びヒザ! 対する国崇は左ボディを効かせ、左ミドルと左の攻撃。ロープに詰めて左をレバーに突き刺す。 2R、前に詰め左ボディを突く国崇。ワンツーから首をひっかけ跳びヒザは堀尾。互いに左ボディ。堀尾はワンツーからボディと連打で勝負。ガード固める国崇は足を滑らせながらも左ジャブへ。角度を変え手数は堀尾。しかし国崇は右ローを連打。堀尾は細かく顔面に右から左を突く。さらに左ボディの返し。2R序盤から前に出た国崇に対し、堀尾も圧力負けせずイーブンに。 3R、国崇の打ち終わりに跳びヒザで入る堀尾。かわす国崇だが、堀尾は右を伸ばす。さらにワンツーミドルと蹴りまで繋げる。国崇も押し返しワンツーからボディへ。その打ち終わりに左を返す堀尾はテンカオも。右フックから左ボディの対角戦攻撃は国崇。近づいたところにヒジがない距離で堀尾も打ち返し。ジャブの刺し合いも堀尾は譲らず。互いに左ボディ打ち合い。タフマッチは判定へ。 手数を止めなかった堀尾が判定勝利。スクランブル参戦で見事、試合巧者の国崇を下した。 [nextpage] ▼第6試合 RIZIN MMAルール 61.0kg契約 5分3R ※ヒジあり○山本アーセン(KRAZY BEE)[1R 2分04秒 KO]※右ヒジ→パウンド×ティム・エスクトゥルース(米国/スコーピン・ファイティング・システム) 山本アーセンは、これまでMMAでは、クロン・グレイシー、才賀紀左衛門、所英男、ジェシー・ローグ、マネル・ケイプ、宮田和幸を相手に2勝4敗。現在は2連敗中で才賀戦、ローグ戦に続く3勝目を目指すアーセンにとって、今回のエスクトゥルースは、初めて同じ経験値の相手となる。 ダロン・クルックシャンクなど強豪を生んできたミシガン州のローカルサーキットでアマチュア大会から凌ぎを削ってきたグラップラーであるエスクトゥルースとの対戦は、アーセンの真価と進化が問われる試合だ。 レスリング力で上回るアーセンに対し、エスクトゥルースはテイクダウンされてもそこからの引き出しが多い選手。「ヒジ有り」ルールの中で、トップを取るアーセンはいかに相手を削るか。エスクトゥルースの仕掛けを潰してパウンドしたいところだ。 そんな試合を前に、アーセンはグアムで母・美憂とともにUFC4勝5敗のジョン・タック=ジョン山本をメインコーチに据えて、寝技を含む総合力をアップしてきた。かつて五味隆典に一本勝ちしたタックのMMAグラップリングは、アーセンにいかに伝わったか。2019年2月14日には第1子となる女児も誕生。アーセンはファイター、そして父親としても負けられない再起戦に臨む。 1R、ともにオーソドックス構え。エクストゥルースの右ミドルをつかみ右フックはアーセン。距離を作り直して右の前蹴りはアーセン。左右振るエクストゥルースは牽制。アーセンは右の蹴りから組みに首相撲もクリンチボクシングはエクストゥルース。 左で差すアーセンは右のヒザ蹴りから、左を振ってきたエクストゥルースに内側からカウンターの右ヒジ! ダウンしたエクストゥルースにすぐにマウント&パウンドし、TKO勝利した。 2連敗から白星をつかんだアーセンは、コーナーポストでゆりかごを揺らすポーズ。マイクを持つと「もうちょっと強くなってから大きなことを言います。空! パパ頑張ったよ」と2月14日のバレンタインデーに誕生した第1子女児にメッセージ。 さらに山本家の“養子”となった元UFCファイターのジョン・タックにマイクを渡し、タックも「ジョン・タック山本です。RIIZNに出たいです」と日本語で参戦をアピールした。 ・山本アーセン 試合後会見コメント ▼第5試合 RIZINキックボクシングルール 63.0kg契約 3分3R×山口裕人(山口道場/WPMF世界スーパーライト級暫定王者)[判定0-3] ※28-30×2,28-29○白鳥大珠(TEAM TEPPEN/RISEライト級王者) WPMF世界スーパーライト級暫定王者・山口裕人(山口道場)とRISEライト級王者・白鳥大珠(TEAM TEPPEN)が対戦。 山口は2008年7月にプロデビューし、2014年12月にINNOVATIONスーパーライト級王座を奪取。2016年4月の『RIZIN.1』では大和哲也にKO負けを喫したが、9月にはWBCムエタイ日本スーパーライト級王座を獲得した。その後はKNOCK OUTを主戦場にし、11試合連続で勝っても負けてもKOという判定無し男に。2018年12月には、ムエタイの強豪ワンマリオから勝利を収めてWPMF世界スーパーライト級暫定王者となった。今年に入ってから北井智大、水落洋祐に連敗を喫しているが、毎回のように激闘を繰り広げて各大会にひっぱりだこの人気選手となっている。 白鳥は幼い頃から極真空手を学び、2011年2月にキックボクシングでプロデビュー。2013年12月に高校3年生でWPMF日本スーパーフェザー級王座を獲得。2015年3月にプロボクシングへ転向して8勝3敗の戦績を残し、2018年4月にキックボクシングへカムバック。無敗街道を突き進み、今年2月に第5代RISEライト級王者となった。昨年の大晦日にRIZIN初参戦を果たし、ウザ強ヨシヤを右飛び膝蹴りでマットに沈めている。KO決着必至の一戦か。 1R、サウスポー構えの白鳥、オーソドックス構えの山口。ジャブ&ローから入り白鳥。さらに左ミドル、ハイで牽制。しっかり自身の距離で戦う。右目尻を切る山口は徐々に詰めるが、そこに左ストレートを突く。 中に入りにくい山口はオーソから左のボディストレート、左ローで崩しに。さらに右の奥足ロー。しかし白鳥も左のヒザ蹴り、テンカオで牽制。軌道を変える左ハイも。ロープに詰める山口が右ストレートを打ち込んだところで1Rが終了。 2R、右から左で飛び込む山口。しかし打ち終わりに白鳥は左前蹴り。コーナーに詰まり白鳥は左跳びヒザから、左ハイをヒット! 笑う山口に左ストレートが中央をとらえる。さらに白鳥は右の胴廻し回転蹴り! 肩で受ける山口は左ハイを受けながらも打ち合いに持ちこむ。そこで突き放す白鳥は前蹴り。左の三日月蹴りも突く白鳥! 顔を赤くした山口は削られていく。 3R、左から右のワンツーは山口。しかし、左の打点の高い前蹴りで山口のアゴが上がる。さらに左インロー! それをつかみにいく山口はガードが下がる。左ミドルから左後ろ廻し蹴りは空振る白鳥。右フックで飛び込む山口に白鳥の頭が当たり中断。 再開。一気に詰める山口は左右を上下に突いていくが、左で迎撃する白鳥。ロープに詰まり左フックを当てるのは山口、最後はパンチの打ち合いに突き合う白鳥も右のダブルを打つが、そこに山口はボディも入れて頭を動かしながら前へ。ゴング。 判定は左の有効打を当てた白鳥が3-0勝利。7連勝をマークし、7月の「RISE WORLD SERIES 2019 -61kgトーナメント」大阪大会準決勝に弾みをつけた。▼第4試合 RIZIN MMAルール 5分3R(59.0kg)※ヒジあり○征矢 貴(パラエストラ松戸)[1R 4分05秒 KO]×川原波輝(総合格闘技スタジオSTYLE) 征矢貴は修斗からRIZIN初参戦。アマチュア修斗からキャリアを積んだ征矢は、DEEPでのプロデビューを経て、2013年から修斗参戦。バンタム級新人王決定トーナメントで3戦全てKO勝ちするなど強打を誇る。パートナーの闘病、自身の体調不良もあり戦列から離れていた征矢は、2017年5月の清水清隆戦でのKO負け以来の復帰戦となる。 対する川原波輝は伝統派空手出身。チーム・アルファメールでの石原夜叉坊、中村優作との練習のなかで日拳スタイルも融合し、2019年3月の「DEEP 88 IMAPACT」ではストロー級王者・越智晴雄から右ストレートでダウンを奪うなど、あわやの場面を作った。DEEPでの惜敗から、RIZINデビュー戦となる今大会は1階級上げての参戦となるが、同じく打撃を得意とする征矢を相手に「バッチバチのドつき合いする」と、地元関西でのKO勝利を狙う。左右スイッチし懐の深い打撃と鋭いヒザ蹴りも持つ川原は征矢をいなして、長いリーチから自身の攻撃だけを当てたいところ。オーソドックス構えから圧力をかけての右の強打、左フック、右ハイキックも得意とする征矢はテイクダウンプレッシャーのなかで打撃も当てていきたい。 先に川原が石原夜叉坊らと入場。征矢は柔術衣を着て鶴屋代表、扇久保、内藤のび太と入場。 1R、ともにオーソドックス構えから。川原はサウスポー構えに戻す。前手を出す川原に、征矢は左ロングフック! ダウンした川原にすぐにラッシュした征矢は立ち上がる川原にサッカーキックも! しかしガードする川原は背中を預けながら立つことに成功。征矢を突き放す。左ミドルから左ストレートは川原だが、かわす征矢は遠間からダブルレッグテイクダウン! 両足を束ねサイドを取るがニンジャチョーク狙いの川原にサイドへ。その際(きわ)で川原も立つ! 右から左ハイで前に出る川原。そこに征矢はオーソドックス構えから左フック! さらに圧力をかけてくる川原にコーナーに詰まりながら、川原の大きな右に、カウンターの右フック! 前のめり倒れた川原に征矢はすぐに右のサッカーキックを追打し、2年ぶりの試合をKOフィニッシュした。 試合後、リング上でマイクを持った征矢は、「修斗ファンの皆さん、ただいま。喋りたいことはいろいろあるんですけど手短に。21年間いろいろありました。ここにいる皆さんも、人生うまくいかないとき、辛いときとかあると思いますけど……一緒に頑張りましょう」と挨拶。 続けて、「朝倉海選手、トップノーイ選手、中村優作選手と喧嘩したいと思います」と名前を挙げて対戦を希望。最後に「骨髄バンクに協力してくださった、すべての方に感謝します」と、家族が闘病中に支援してくれた周囲に感謝の言葉を述べた。 [nextpage] ▼第3試合 RIZINキックボクシングルール 60kg契約 3分3R×一刀(モンスタージャパン/Hoost Cup日本フェザー級王者)[2R 0分18秒 KO]○中村 寛(BKジム/DEEP☆KICK 60kg級王者) 1R、サウスポー構えの中村、オーソドックス構えの一刀。ガードの低い変則的な構えの中村は大きな右、サイドキックで飛び込む日本拳法出身の中村。コーナーに詰め左ストレートは中村! さらに右フック! ロープに詰まる一刀は再び右をもらいダウンも、ゴングに救われる。 2R、左の突きを当てる中村は、左に回る一刀に左ミドル。そこに頭を下げて身体を屈めた一刀に対し、中村は左ハイキック! 中村はKO勝利で8戦全勝。 ・中村コメント ▼第2試合(OPマッチ2)RIZINキックボクシングルール 3分3R(56.0kg)○植山征紀(龍生塾ファントム道場)[1R2分42秒 KO] ※3ノックダウン×拳剛(誠剛館) 1R、植山はいきなりの後ろ蹴りでけん制。長身の拳剛は長いリーチからのワンツーを植山のローに合わせていく。パンチをもらっても構わず前へ出る植山が踏み込んでの右ストレートでダウンを奪う。 その後は打ち合いになり、拳剛もパンチを当てるがたびたびふらつき、大きくバランスを崩したところでダウンが宣告される。またも打ち合いとなって両者のパンチが激しく交錯するが、植山の連打が決まったところでレフェリーがストップ。植山が強打者ぶりを見せつけての快勝となった。 植山「次はRIZINの本戦に出たい」「大舞台でしっかりと 1Rで倒せたのは良かったと思います。インパクトを残してテレビも映れたらとチャンスを狙っていたので、1Rで倒すことを狙って練習していました。最初は(相手のリーチの長さに)びっくりして距離が遠いと思ったんですが、圧力をかけていったら向こうが焦ってきて距離もつかめてきました。飛び込みのワンツーがアップの時にいい感じで動けて感触もよかったので、当たった時はこれで終わったなと思ったくらいでした。(打ち合いは)効いていると思ったので、倒し切ろうと思ってちょっと焦ってしまいましたね。今回はオープニングだったので次はRIZINの本戦に出たいです。今後は強い選手が同じ階級にいるので、そういう相手とやっていってSBの強さと僕の強さ、そして知名度を上げてきたいと思います」 ▼第1試合(OPマッチ1)RIZINキックボクシングルール 3分3R(69.0kg)○憂也(魁塾)[1R2分45秒 KO]※3ノックダウン×田中STRIKE雄基(BFA-SEED)  1R、プレッシャーをかけていくのは憂也。ワンツー、左フック、左ローを当てていく。田中が右のカウンターをヒットさせると一時打ち合いになるが、憂也は距離を取って蹴りからワンツーにつなぐ。  1R終了間際、憂也がジャブからの右フックでダウンを奪い、さらに右の顔面ヒザでダウンを追加。最後は飛びヒザ蹴りで田中が吹っ飛び、3ノックダウンで憂也が圧勝を収めた。 憂也「7月のRISE大阪大会に向けて、ノーダメージで勝てた」「楽しく試合ができました。1Rで倒せてよかったな、と。(出場が決まっている)7月のRISE大阪大会に向けて、今回ノーダメージで勝てたので、明日明後日くらいから練習開始して、7月に向けてまたさらに凄いKOを見せられるように練習したいと思います」
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