キックボクシング
レポート

【ビッグバン】増井侑輝が昇也からタイトル奪取、地下格闘技出身でBigbang生え抜きの小川健晴がK-1のFUMIYAを大熱戦の末にKO

2022/01/30 21:01
Bigbang40~ビッグバン・統一への道 其の402022年1月30日(日)東京・後楽園ホール ▼メインイベント第2試合(第11試合)Bigbangスーパーライト級タイトルマッチ 3分3R×昇也(士魂村上塾/王者)判定0-2 ※29-29、29-30×2○増井侑輝(真樹ジムAICHI/シュートボクシング日本ライト級3位/挑戦者)※増井が新王座に就く。昇也は2度目の防衛に失敗。  昇也は2019年12月のBigbangで行われた王座決定戦を制してBigbangスーパーライト級王者となった。11月の『スーパービッグバン』では稲石竜弥を相手にドロー防衛に成功。2021年4月にKrush初参戦を果たし、迅也に先制のダウンを奪われるも逆転KO勝ち。7月には瓦田脩二に判定負け、10月もバズーカ巧樹に敗れて連敗中。サウスポーから多彩な蹴り技を繰り出し、左フックを強打するタイプ。  増井はこれまでにJ-NETWORKでタイトルに挑戦した実績があるほか、ホームのMA日本キックボクシング連盟を始めとして常に複数団体の上位ランカーとして活躍し、勝っても負けてもKO決着の多い激闘ファイターとして知られる。昨年11月のスーパービッグバンではKrushのトップファイターである東本央貴を判定3-0で破っている。  1R、サウスポー同士。増井は左カーフを連発し、昇也は距離を詰めて左フックを打つ。フックの打ち合いから増井が左ミドルを蹴り、左カーフのヒットを重ねていく。前に出てくる昇也を左ミドルで迎え撃つ増井。昇也は距離を詰めてフックを連打。  2Rも左ミドルと左カーフの増井に昇也は距離を詰めて左フック&右アッパー。増井はロープを背負って増井が来るところへジャブ、ワンツー。長い距離で戦う増井に昇也のフックはなかなか当たらない。下がりながらもしっかり蹴りを当てていく増井。昇也はロープを背負った増井に左ボディを打っていく。  3Rも前に詰めていくのは昇也。左フックを打って前へ行く。増井も右ストレート、左ミドルで迎え撃つ。増井がジャブで突き放しての右ストレート。前へ出て手数を出す昇也だが、クリーンヒットは下がる増井が奪う。左ローを連打する昇也だがタイムアップ。判定2-0で増井がタイトル奪取に成功した。  ベルトを腰に巻いた増井は「今日見てもらったら分かるように、まだまだ半人前なんですけれど、この階級は日本人の強い選手がいっぱいいるのでこれから僕が全員倒して僕が日本最強を証明したいと思います」と、スーパーライト級で最強を目指すと宣言した。 [nextpage] ▼メインイベント第1試合(第10試合)Bigbangウェルター級王座決定戦 3分3R延長1R×FUMIYA(ポゴナクラブジム)KO 3R 2分01秒 ※左ハイキック○小川健晴(T.G.Y)※小川が新王座に就く。  FUMIYAは水泳でジュニアオリンピックに出場し、陸上でも関東大会出場を果たしたフィジカルエリート。2017年3月にKrushでプロデビュー。勝っても負けても全てKO決着というレコードで戦績は8勝(8KO)8敗。2021年8月29日の『Bigbang』で第7代Krushウェルター級王者・山際和希との再戦を初回KOで返り討ち。9月の「K-1 WORLD GP第2代ウェルター級王座決定トーナメント」では1回戦で野杁正明にKO負けしている。  小川は地下格闘技出身で、ほぼ週一ペースで約50戦を経験したという。プロデビュー後はBigbangを主戦場にし、2019年11月にはMIKE JOEとBigbangスーパーウェルター級王座決定戦を争ったが、タイトル獲得鳴らず。今回2度目のチャンスが巡ってきた。フィジーク選手の身体を目指しているというほど肉体を鍛えている。7勝のうち5試合がKO勝ちと攻撃力も高い。  1R、FUMIYAはサウスポーの小川に右ミドル、右ハイ、右インローと蹴りを放って行き、左フックを叩き込む。小川はブロックを固めつつ左ストレートを返し、FUMIYAのアゴが跳ね上がる場面も。右アッパー、右ボディ、ヒザ蹴りと攻めるFUMIYAだが、小川も負けじと左ストレート、左フックで押し戻す。両者ともなぎ払うようなフックをぶつけ合う。  2R、バックハンドブローを連発するFUMIYAだが小川はしっかりブロック。FUMIYAの右カーフに下がる小川だが、体勢を入れ替えると左右ストレート。FUMIYAがアッパーを突き上げると小川はボディへヒザを突き刺し、前蹴りでもボディを攻める。FUMIYAもボディへのヒザ蹴りを連打し、キャッチからのヒザ蹴りも突き刺してダウンを奪う。  パンチの打ち合いから右ローを蹴るFUMIYAは、キャッチからヒザ蹴り。小川も必死の反撃でFUMIYAのラッシュに耐えた。  3Rは序盤から激しい打ち合いに。ヒザ蹴り、パンチをもらったFUMIYAはフラフラになるがクリンチして耐える。しかし、ブレイク後の右フックでFUMIYAはダウン。またも激しい打ち合いで小川のキャッチからのヒザが頭部にヒットし、FUMIYAはフラフラに。さらに左右フックの連打でFUMIYAはダウン寸前に。そこへ左ハイキックが決まり、FUMIYAはもんどりうってダウン。小川の逆転KO勝ちとなった。  地下格闘技からBigbangで育ってきた小川が、K-1・Krushの主力選手であるFUMIYAをKOするという衝撃の結末。小川が新王座に就いた。  小川はマイクを持つと「応援ありがとうございます。むちゃむちゃカッコ悪かったけれど、みんなの応援のおかげで最後まで踏ん張れました。彼女じゃないんですけれど、お前なんかじゃ格闘技通用しないぞって言われたことがあって見返してやりたかったので勝ててよかったです。今日はお酒を飲みたいので誰か付き合ってください」と涙ながらにマイクアピールした。 [nextpage] ▼セミファイナル(第9試合)61kg契約 3分3R○琢磨(東京町田金子ジム/元WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者)判定3-0 ※30-27、30-26、30-27×三輪裕樹(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)※三輪は計量オーバーで1点減点。  琢磨はパンチが武器で、2017年2月にNJKFフェザー級王座を獲得。同年11月にはWBCムエタイ日本王座にも就いて二冠王となったが、2019年2月に葵拳士郎に敗れて王座を失った。2021年2月にはレジェンドの国崇を右ストレートでKO。ホームリングのNJKF以外にも様々な団体に参戦している。  三輪は2014年1月にKrush初参戦。2017年からはK-1 GYM SAGAMI-ONO KREST所属としてキャリアを重ね、2020年12月のKrush後楽園大会ではパンチ&ローで前へ出続けるタフファイトで伊藤健人から延長戦で勝利を収め、今年3月のK-1に初参戦を果たしたが島野浩太朗に判定負け。2021年8月のHEATではRISEランカーの嶋田将典をカーフキックでKOした。ラーメン二郎の相模大野店で2年以上働いている“戦う麺職人”。前日計量で1kgオーバーし、減点1からのスタートに(グローブハンディは無し)。  1R、三輪は前に来る琢磨の前足へ左右のカーフを狙い撃ち。琢磨もワンツーを返すが、カーフが気になるか右ストレートをもらう。しかし琢磨は左右のロングの距離で左右ストレートを打ち、三輪を近付けさせない。さらに入ってくるとヒザ蹴りを突き上げる。三輪は強引に入り込んでカーフを蹴ろうとする。  2Rも三輪のカーフキックと琢磨の左右ストレートの対決に。琢磨は三輪が接近するとヒザを突き上げる。徹底して離れて戦う琢磨は左ボディ、右ストレートをヒット。琢磨はジャブで距離を取っての顔面・ボディの右ストレートで三輪を翻弄。フットワークを使って三輪を避けてはパンチを入れる。  3R、三輪は右ストレートを打ちながらどんどん前へ出て右ローを蹴る。さらに左三日月蹴り。琢磨は右ボディ、右ストレートで迎え撃つ。三輪の左インローのカーフキックで琢磨が大きくバランスを崩すが、琢磨は前に出る三輪をクリンチで受け止める。最後はパンチで詰めていった三輪だが逆転ならず、琢磨が判定で勝利した。  琢磨はマイクを持つと「三輪選手は計量オーバーしてしまったんですが、僕たち格闘家は命を懸けてやっているので、ギリギリだったと思うので攻めないであげて応援してあげてください。真面目な方だと思うので。格闘家は仕事とか練習とか減量しながら大変な中でやっているので、これからも支えてあげてください」と三輪を気遣った。 [nextpage] ▼第8試合 75kg契約 3分3R○パク・ヨハン(ZEEKジム/初代KROSS×OVERクルーザー級王者)判定3-0 ※30-28×2、30-29×青谷秋未(正道会館健明館)  両者は2021年11月に対戦しており、この時は青谷が判定2-1で辛勝している。  1R、クラウチングで低く構えて潜り込むように前へ出てフックを打つ青谷に上背で優るヨハンはジャブと右ロー。前へ出ていく青谷だがヨハンのジャブに出鼻をくじかれる。  2Rも潜り込むようにして前へ出る青谷にヨハンは左ミドル、ヒザ蹴り、前蹴り。さらに飛びヒザ蹴りで青谷のアゴを跳ね上げる。その後も頭を低く下げる青谷にヒザを狙うヨハン。  3R、右ローを連打する青谷にヨハンは右ストレートで対抗。組み合って押し相撲のような展開となり、両者至近距離でパンチを出し合うがヒットはない。最後は青谷が左右フックを繰り出して行って試合終了。ヨハンがリベンジに成功した。 [nextpage] ▼第7試合 60kg契約 3分3R×佐野純平(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)KO 1R 3分00秒 ※右フック○岡村譲治(湘南格闘クラブ)  佐野はK-1カレッジ2017 -65kg王者で、KrushやK-1を主戦場としている。対する岡村は2勝2敗の新鋭。  1R、岡村は強い右ローを蹴って左右フックを思い切り叩きつける。佐野は左をブロックして右ストレートのカウンターを狙い撃ち。しかし、岡村はもらってもひるまずフックを連打して前へ出る。左右フックの連打でダウンを奪う。  岡村はすかさず襲い掛かり、左右フックの連打。佐野はブロックを固めて必死に耐えるが、岡村のフックで身体が左右に揺れる。最後は左右フックの連打で佐野がコーナーに座り込み、レフェリーがストップした。 [nextpage] ▼第6試合 63.5kg契約 3分3R○武己(TEAM Aimhigh)判定3-0 ※29-27×島根 豊(ミクニスポーツジム)  武巳は様々なリングで活躍し、2019年には明戸仁市を破りBigbangスーパーライト級王座決定トーナメント決勝へ進出も、昨年12月の決勝で昇也に敗れて戴冠ならず対する島野はアウトサイダー出身で、生年月日・出身地・身長など全て不明という異色の選手。。  1R、前に出て手数を出していくのは武巳だが、打ち終わりに右ストレートを合わせに行くのは島根。終盤にはパワフルな左右フックを連打し、武巳をダウン寸前まで追い込む。  2R、フックの応酬が繰り広げられる中、島根の強烈な右フック、右ストレートが武巳の顔面を捉える。武巳の右ローからの左フックでグラついた島根に、ラウンド終了のゴングとほぼ同時に武巳の右フックが決まりこれがダウンとなった。  3R、武巳は右ローと左インローを蹴りつつ、左右フックで島根をグラつかせる。島根も強い右を当てるが、武巳の右フックを何度ももらい、左フックでも仰け反る。判定3-0で武己が勝利をつかんだ。 [nextpage] ▼第5試合 67.5kg契約 3分3R×松山 翔(菅原道場/MA日本スーパー・ウェルター級4位)KO 1R 1分54秒 ※右ストレート○宗方888(キングジム)  松山は昨年11月にKNOCK OUTに参戦し、渡部太基の復帰戦の相手を務めたが判定負け。戦績は4勝(1KO)4敗1分。宗方は3勝(2KO)3敗。  1R、ローから左右フックを繰り出す松山に宗方は左右フックを振っていく。松山が右を放つと、宗方の右のカウンターが真正面からヒット。松山がバッタリと倒れて宗方の一撃KO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第4試合 63kg契約 3分3R△羽鳥 仁(TEAM BIRD)ドロー 判定0-1※29-30、29-29、29-29△テレカ∞(NEXTLEVEL渋谷)  羽鳥は2021年6月のKrush-EXで梨緒奈をボディへのヒザ蹴りでKO。テレカはラウェイにも挑戦経験があり、2019年6月にバズーカ功機をKOに破った実績が光る。  1R、羽鳥は前蹴り、左ミドル、ヒザとボディを攻めつつワンツーで入る。テレカはジャブを突いての右ロー。前に出るテレカに羽鳥は左ボディも打ち込む。  2Rは一気に前へ出るテレカ。右フック、右アッパー、左右ストレートで羽鳥をコーナーへ釘付けにした。特にショートの右アッパーが入る。羽鳥も左ボディで逆襲し、右ストレートを打ち込む。至近距離からヒザを蹴り上げるテレカに羽鳥は右フックを何度も叩きつけた。  3R、両者ともヒザを蹴りつつ、パンチを当てに行く。テレカがジャブから至近距離で左ボディ、右フック。羽鳥は左フックを返していき、判定はドローとなった。 [nextpage] ▼第3試合 55kg契約 3分3R○蘭丸(team AKATUKI)判定2-0 ※29-29、30-29、29-28×笠見瑠伊(チームOJ)  1R、右へ回りながら右ローを蹴る笠見に、蘭丸は左インローを蹴ってワンツー、左ミドルを蹴ってワンツーにつなげる。笠見は左フックを思い切り叩きつけ、右フックから強烈なアッパーを突き上げた。  2R、徹底して左ミドルを蹴る蘭丸は右ローと右ストレートにつなげる。笠見は頭を振ってパンチをかわし、左フックを振る。蘭丸は右フックからボディへヒザをグサリ。このラウンドは蘭丸が攻めて終わった。  3Rも左ミドルを軸にワンツーで攻める蘭丸だが、笹見は時折左右フックを強打するため油断ならない。ロープを背負って左ボディ、ヒザで反撃する笹見に蘭松は左ミドルを蹴っていくが、笹見のフックをモロにもらう場面も。互いにパンチを当て合って終了。判定2-0で蘭丸が制した。 [nextpage] ▼第2試合 エキシビションマッチ 2分2R―拓真(治政館)勝敗無し―谷山俊樹(谷山ジム)※愛輝欠場のため  互いにコンビネーションを回転させ、手数を出していく両者。体格的にかなり上回る谷山のボディに下がる拓真だが、最後は左右ミドルを蹴り合って終了。谷山は「拓真のことは小さい頃からしっているんですが強くなっていました」と称え、17歳の拓真は「自分はまだいい戦績を残してないですが、強くなってビッグバンの王者になります」と挨拶した。 [nextpage] ▼第1試合 72kg契約 3分3R○HIROTO(谷山ジム)TKO 2R 2分17秒 ※レフェリーストップ×藤谷大介(LEVEL IV)  1R、ウェルター級ならではの重い攻撃を繰り出す両者。HIROTOはガードを突き破るジャブを当てて、左右フック、左ボディ、右ハイを叩き込む。藤谷は右ローを蹴るがHIROTOのパワーに押された。  2R、ロー&ハイを蹴り、両手を広げる余裕まで見せるHIROTO。時折スイッチするHIROTOは右ローからの右フックでダウンを奪う。立ち上がった藤谷だが、レフェリーが様子を見てストップした。 [nextpage] ▼オープニングマッチ 58kg契約 2分2R アマチュアルール○竹添翔太(インスパイヤードモーション)判定 ※20-18×2、20-19×武次大和(菅原道場)  1R、サウスポーの武次に対して竹添はパンチから組んでのヒザ蹴りでイニシアチブを握る。2Rも竹添が右ストレートから組んでのヒザで、左右フックで応戦する武次の先手を奪う。飛びヒザ蹴り、左右フックの連打で前に出た武次だが首ヒザに捕まり、竹添の判定勝ちとなった。
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