MMA
レポート

【ONE】フェザー級GP決勝はシッティチャイvs.アラゾフに! 手塚がKO勝利、和田が完封勝ち。箕輪はブルックス相手に粘るも判定負け

2022/01/28 18:01
ONE: ONLY THE BRAVE 2022年1月28日(金)(ABEMA、ONE SUPER APP配信)シンガポール・インドアスタジアム 【メインカード】 ▼メインイベント フェザー級キックボクシング ワールドGP準決勝 3分3R〇シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)69.25kg, 1.0066[判定3-0]×ダビット・キリア(ジョージア)70.30kg, 1.0091※シッティチャイが3.26「ONE X」決勝進出  シッティチャイはプロ160戦以上と鉄人的な戦歴を持つ現役のムエタイレジェンド。キックボクシングとムエタイを合わせ、世界王者に11回輝く。過去10年間に渡り、キックボクシングとムエタイで、最も圧倒的な強さを誇る選手の1人として評価を築き上げてきた。  ジャバル・アスケロフ、アンディ・サワー、ソーグロー・ ペッティンディーアカデミー、エンリコ・ケールなど、数々の世界トップクラスのストライカーを倒したシッティチャイだが、2020年7月のONE初陣ではスーパーボンに判定で敗れている。  2021年8月には7年ぶりのムエタイルールでタイの現役トップ選手タワンチャイから判定2-1で勝利をもぎ取った。10月の準々決勝では、トルコのタイフン・オズカンをスプリット判定で降し、準決勝進出を決めている。  対するキリアは芦原会館空手出身で、15歳でキックボクシングに転向。2012年にGLORYで行われた世界ミドル級スラムトーナメント(16名出場)に出場すると、準決勝まで進出したがペトロシアンに判定負け。2014年3月にはペトロシアンをKOしたアンディ・リスティをKOしてGLORY世界ライト級王座に就いた。  さらに2018~2019年にはクンルンファイトのWORLD MAXトーナメントでも優勝している。2019年2月以降、試合から離れていたが2021年2月に復活。ペトロシアンに判定3-0で敗れた。10月の準々決勝では、右の攻撃でドイツのエンリコ・ケールを1R 2分50秒 3ノックダウンでTKOに降し、準決勝に進出した。  今トーナメントの優勝者は、ジョルジオ・ペトロシアンを右ハイキックでKOしてONEフェザー級キックボクシング世界王者となったスーパーボン(タイ)への挑戦権を獲得する。  1R、サウスポー構えのシッティチャイ。オーソドックス構えのキリア。先に左ローから入るシッティチャイ。右ジャブ、左ミドル。圧力をかけるキリアに左ストレートを合わせる。ガード固めて右奥足ローを突くキリア。しかしその入りに左ヒザはシッティチャイ。さらに左ストレートでキリアのバランスを崩す。  左ボディストレートも突くシッティチャイ。さらに奥足ローも。右ロー左ハイの対角線攻撃のシッティチャイに、キリアは詰めて右前蹴りも金的に。すぐに再開。シッティチャイは右ジャブ、左ストレートでコントロールする。  2R、シッティチャイの距離を打破したいキリアは左の蹴りに左回りに外に行くと、右ミドルは空振りに。中に入るとシッティチャイは左テンカオを突く!  右ジャブを突き左テンカオに繋ぐシッティチャイ。キリアの入りに先にヒザを突く。ワンツーから左の蹴りまで繋ぐシッティチャイ。ガードを固めるキリアだが、入り際に左ハイ! テンプルにもらったキリアがダウン。立ち上がりゴング。  3R、左ミドルから入るシッティチャイ。さらに左ミドル。近づけば左ヒザとキリアにつけいる隙を与えない。左を上中下と打ち分けるシッティチャイ。右前蹴りのキリア。  シッティチャイの打ち終わりに左フックを狙うが、すっとかわして出入りのシッティチャイ。キリアの右ストレートに左テンカオを合わせる。右後ろ廻し蹴りから、マットに手を着いてセンチャイキックまで見せたシッティチャイ。ゴング。  判定は3-0で圧倒的なテクニックを見せたシッティチャイが勝利し、決勝に進出。「いまとてもハッピーだ。キリアを攻略するのは大変だったけど、無事攻略できた」と完封劇を振り返ると、続けて、ケージインしたアラゾフに「しっかり準備してきてくれ、僕は勝利を確信している。お互いに決勝でいい状態で会おうぜ」と語りかけ、ケージ中央でフェイスオフに臨んだ。シッティチャイとアラゾフは、3.26「ONE X」でのGP決勝で対戦が決定した。 [nextpage] ▼コ・メインイベント フェザー級キックボクシング ワールドGP準決勝 3分3R×ジョー・ナタウット(タイ)69.45kg, 1.0057[1R 1分55秒 KO] ※左ストレート〇チンギス・アラゾフ(ベラルーシ)70.20kg, 1.0241※アラゾフが3.26「ONE X」決勝進出※マラット・グレゴリアン(アルメニア)が新型コロナウイルスの影響で欠場  当初は、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ウェルター級王者チンギス・アラゾフ(ベラルーシ)と、2015年のK-1 WORLD GP -70kg王者マラット・グレゴリアン(アルメニア)による準決勝だったが、グレゴリアンが新型コロナウイルスの影響により欠場。  代わってジョー・ナタウット(タイ)がアラゾフと対戦することになった。ナタウットもリザーブマッチでユーリック・ダフティアン(アルメニア/ロシア)を打ち合いでワンパンチKOしている強者だ。  ナタウットは10歳でムエタイを始め、2013年にはアメリカへ渡って試合を行い、ラスベガスを拠点とする『LION FIGHT』で2階級を制覇。  2018年4月にONEに初参戦すると、4勝2敗の戦績を残している。2敗はいずれもジョルジオ・ペトロシアンに付けられたもの。戦績は71勝8敗2分。リザーブマッチではダフティアンを衝撃の右カウンターでKOに沈めている。  アラゾフは、アマチュア時代に197勝(117KO)3敗という驚異的な成績を残し、13歳でタイにてプロデビュー。2014年と2015年の『A1ワールドグランプリトーナメント』(-70kg級)で優勝、2015年にWAKOプロK-1ルール世界ミドル級王座、2016年には同スーパーウェルター級王座を獲得。  同年にNDC K-1ルール同級王座も獲得している。2017年6月に『K-1 WORLD GP』に初来日すると『第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント』で中島弘貴とジョーダン・ピケオーにKO勝ち、決勝で城戸康裕に判定勝ちして優勝し、第2代王座に就いた。2018年3月には日菜太をKOして初防衛にも成功している。  -70kg級の世界トップグループに位置するが、マラット・グレゴリアンとは1敗1無効試合、シッティチャイ・シッソンピーノンには1敗、ジョルジオ・ペトロシアンにも1敗と現在『ONE』で活躍する世界3強にはいずれも敗れており、2021年4月のONE初参戦ではケールに判定2-1で敗れたものの、10月の準々決勝では、フランスのサミー・サナを左ボディで1R 39秒でTKOに降し、準決勝進出を決めている。  今トーナメントの優勝者は、ジョルジオ・ペトロシアンを右ハイキックでKOしてONEフェザー級キックボクシング世界王者となったスーパーボン(タイ)への挑戦権を獲得する。  1R、ともにオーソドックス構えから。左インローから入るアラゾフ。左ボディ、左ハイと近い距離で蹴りまで繋げる。さらに左前蹴りも。スイッチしての左の蹴りにガードを固めるナタウット。さらにアラゾフの右アッパーから左のヒザでダウン。  立ち上がるナタウット。細かくステップを踏むアラゾフはナタウットの右の打ち返しを冷静に見極め、スイッチしての右から左ハイ、さらに左ストレートを打ち下ろしてダウンを奪うと、ナタウットは立ち上がれず。  1R、1分55秒、圧勝で決勝進出を決めたアラゾフは5万ドルのボーナスを獲得。ケージの中で「今回は無観客だけど、6千人の前で戦えたら。3カ月間(対グレゴリアンの)練習をしてきたけど、1週間前にナタウットに代わり、もちろん勝つよと答えたんだ。決勝はどちらが勝ってきても大丈夫だ。いまキックではONEがナンバーワンだ」と語った。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R-キム・ジェウォン(韓国)70.20kg, 1.0156-タン・カイ(中国)70.10kg, 1.0229※キム・ジェウォンの体調不良によりキャンセル [nextpage] ▼ライト級 5分3R×ルスラン・エミベック(キルギス)77.05kg, 1.0144[1R 0分32秒 KO] ※左フック〇ジャン・リーポン(中国)76.85kg, 1.0233  UFCで2勝2敗、Kunlunfight、Road FCで16連勝もマークしているリーポン。前回8月のONE初参戦でエドゥアルド・フォラヤンを判定で降し、試合後に青木真也との対戦をアピールしている。エミルベクは2021年4月に中原由貴のカウンターの右でKO負けも、11月にピーター・バウシュトに判定勝ちで再起を遂げている。  1R、ともにオーソドックス構え。左から右を振って前に出るエミルベクのストレートをヘッドスリップでかわして左フックで打ち抜いたリーポン! さらに返しの右も。エミルベクが崩れ落ち、32秒、衝撃のKO勝ち。5万ドルのボーナスを獲得した。 [nextpage] ▼キックボクシング ヘビー級 3分3R〇ラーデ・オパチッチ(セルビア)111.50kg, 1.0176[2R 2分00秒 TKO]×フランシェスコ・エクシャジャ(アルバニア)103.00kg, 1.0031  1R、ガードを固め近距離で突く両者。オパチッチは左ボディ! エクシェジャもワンツー、左ミドルをガード上に当てる。  押し返すオパチッチはワンツーから左ボディ。エクシェジャの左右からの右ローに対し、オパチッチは左ハイをガードの上を超えて効かせて左右ラッシュでダウンを奪う。  2R、ワンツーをガードの間を抜くエクシェジャ。しかしオパチッチは右の後ろ廻し蹴り、さらに左ボディでダウンを奪う。  立ち上がったエクシェジャはガードを固めて耐えてヒザを返すが、なおもオパチッチの左ボディでダウン。さらに右ボディ、続けて右アッパーのフェイントからの左ボディにエクシェジャはたまらずダウン。オパチッチが4連勝を決めた。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇手塚裕之(日本)83.15kg, 1.0229[3R 1秒05秒 KO] ※左フック×エドソン・マルケス(ブラジル)83.60kg, 1.0078※ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)がコロナとは関連しない病気で欠場  当初、元ONEウェルター級世界王者のゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)と対戦予定だった手塚だが、カデスタムが「新型コロナウイルスとは関連しない病気」により出場を辞退。MMA9勝1敗、77%のフィニッシュ率を誇るエドソン・マルケス(ブラジル)と対戦することとなった。 “野生獣”手塚は、農家と格闘家の二足の草鞋を履く異色のファイター。2018年8月から5連勝を飾るも、2020年11月にMMA9戦無敗の強豪ムラド・ラマザノフに判定負け。連勝がストップした。  しかし、2021年10月の前戦でウェルター級世界王座挑戦経験を持つアギラン・ターニ(マレーシア)と、通常より重い86kg契約で対戦。3Rにターニのハイキックで両手をマットに着いた手塚だが、逆襲のフックでTKO勝ち。再起を飾っている。  対するマルケスは、修斗ブラジルなどで活躍。2021年12月の前戦でONEデビューし、コンバット・サンボの世界王者レイモンド・マゴメダリエフ(ロシア/ダゲスタン)を相手に前足を蹴られ、金網に詰まったところで右ストレートを浴び、1R KO負けを喫している。  しかし、マゴメダリエフに敗れるまでは、6戦連続のKO・TKO勝ちをマークしていた強打者で、183cmの長身から繰り出される右の打ち下ろしとボディ打ちのコンビネーション、そして高い打点のヒザ蹴りには注意が必要だ。  頂きを目指す手塚にとっては元王者カデスタムの欠場は残念だが、マゴメダリエフら強豪が集まるなかで、ウェルター級コンテンダーの実力を証明したい。  1R、ともにオーソドックス構え。先に中央を取る手塚は右ローで牽制。マルケスも左ジャブから右ローを当てる。手塚も左ジャブ! インローのマルケスは手塚のバランスを崩す。  手塚の前手の左フックはかわしたマルケス。手塚はダブルレッグテイクダウン。首抱えるマルケスにすぐに首を抜き、上から上下に細かいパウンドを打つ手塚。マルケスはハーフガードで首を抱き寄せブレーク狙い。亀になり立ち上がるマルケス。跳びヒザをみせるが、避ける手塚は大きな右フックを見せると、左ボディをヒットさせる。  2R、左インローを当てる手塚。さらに右オーバーハンド。これはかわしたマルケスは左ジャブ。手塚はダブルレッグでドライブするが金網背に切る。右ローは手塚。マルケスも右ロー!   そこに手塚は右を振ってダブルレッグテイクダウン! 右手をオーバーフックするマルケス。腕を抜く手塚は上下に突く。蹴り上げてスペースを作ろうとするマルケスについていく手塚。マルケスはフルガード。  足を解いた瞬間に肩固め狙い。ハーフから細かいパウンドの手塚。アゴに頭をつけてパスガード狙い。ハーフでからむマルケスに腕十字、キムラ狙いの手塚を落として、左右で詰めるマルケスもゴング。  3R、右カーフを当てる手塚。マルケスはジャブストレート狙い。手塚は左ボディから入る。さらに今度は左フックのカウンターでマルケスが後方にダウン! 上下に突いた手塚が見事、3R 1秒05秒 KO勝利を決めた。試合後、手塚はバック宙! ケージの中で英語で「次? ガデスタム、ヨシヒロ・アキヤマ(秋山成勲)と戦いたい」とアピールした。 [nextpage] ▼ストロー級 5分3R×箕輪ひろば(日本)56.40kg, 1.0087[判定0-3]〇ジャレッド・ブルックス(米国)56.25kg, 1.0005  ONEストロー級4位で、修斗世界同級王者の箕輪ひろば(総合格闘技道場STF)が参戦。同級3位のジャレッド・ブルックス(米国)と対戦する。  23歳の箕輪は、MMA13勝2敗。2020年11月にONEに初参戦し、リト・アディワン(フィリピン)に判定勝利。2021年3月の2戦目で元王者で現ランキング5位の強豪アレッウス・シウバ(ブラジル)にスプリット判定勝ちし、ONE2連勝。シウバ戦での手の骨折の治療を経て、2022年初戦に向かう。  対するブルックスは、MMA17勝2敗。日本のPANCRASE、RIZINで活躍し、UFCでもフライ級(56.7kg)で2勝2敗の戦績をマーク。2021年10月29日の「ONE: NEXTGEN 3」でONEデビューし、リト・アディワン(フィリピン)に2R 肩固めで一本勝ちで一気にONEストロー級3位に浮上した。  ともに組み技の強豪で、アディワンに勝利している両者だが、ピュアレスリングの実績はブルックスが上。打倒極の修斗で王座についた箕輪はいかに総合力で勝機を掴むか。勝者は、ジョシュア・パシオが持つストロー級王座挑戦に近づくため、互いに大一番のランキング戦となる。フェイスオフではバキバキの身体を披露した。  1R、ともにオーソドックス構え。先に右前蹴りを見せるブルックスは一気に詰めて左右ラッシュ。左をもらいシングルレッグに入る箕輪に、リアネイキドチョーク狙いのブルックス。正対する箕輪はクローズドガード。インサイドのブルックスは右ヒジを打ち下ろす!  出血した箕輪。足を開き金網で立とうとするが、ついていくブルックスは押さえつけて強い右のパウンド! 左のヒジも打ち込み、マット中央に持って行く。立たせないブルックス。  金網まで這っていこうとする箕輪だが、ブルックスは左で差して押さえに行く。金網で上体を立てて座る箕輪にヒザを2発打ち込むブルックス! さらにノーアームギロチンチョークも箕輪は首を抜く。  2R、先に詰めるのは箕輪。傷口は止血されている。押し戻すブルックスは右! しかし箕輪も右のテンカオ! 互いに右から左を当てたのは箕輪!  さらに左ミドルもその蹴り足を取ってシングルレッグテイクダウンはブルックス! フルガードの箕輪に左で腰を出し、右へパス。亀から立とうとする箕輪にリアネイキドチョークへ! ここも腰をずらし外す箕輪に、がぶりに切り替えヒザを突くブルックス!  上を取り続けるブルックスだが、箕輪も上体を金網で立てて座る。ブルックスは両足を束ねてから、箕輪の立ち際をクラッチして尻を着かせる。  3R、左右の4連打から一気に詰めてダブルレッグからクラッチして持ち上げてテイクダウンはブルックス! 箕輪の立ちにまたもクラッチしてリフトして中央でスラムするブルックス!  下から箕輪は右でオーバーフック。腰を切って立とうとするが、そこについていって腰を抱くブルックス。箕輪は上半身を金網で立てるとニンジャチョーク狙い。すぐに首を抜いて尻下でクラッチして引き出し再び寝かせるブルックス。  しかし箕輪も片ヒザまで立てて立ち上がろうとするが、腰を抱き続けるブルックスは、両足を束ねる。箕輪が立とうとするとバック狙い。しかし何とか立ち上がった箕輪! 四つに組んだところでブルックスは左ヒザも金的に。声を上げてのたうち回る箕輪だが、立ち上がる。再開。  再開。右の跳びヒザを突く箕輪。さらに右ヒザ、左ミドルを打つも、詰めるブルックスがバックフィストから金網に詰めてゴング。ブルックスは箕輪をハグした。  判定は3-0でブルックスが勝利。右手を挙げられてから箕輪を持ち上げたブルックスは、「ミノワはグッドシェイプで臨んでくれた。いい選手だった」とたたえると、「ジョシュア・パシオ、モンキーゴッドは来たぞ! 俺は準備出来ている」と王者に対戦をアピールした。 [nextpage] ▼フェザー級キックボクシングワールドGP交替試合 キャッチウェイト(71.65kg)3分3R〇イヴァン・コンドラチェフ(ロシア)70.95kg, 1.0191[3R 0分35秒 KO]×ドビダス・リムクス(リトアニア)71.65kg, 1.0009※フェザー級(65.9kg–70.3kg)での試合だったが、両選手が計量およびハイドレーションテストを通過しなかったため、キャッチウェイト(71.65kg)にて実施。  1R、サウスポー構えのコンドラチェフに対し、オーソドックスで両手を下げた半身構えはリムクス。コンドラチェフは左右で詰めるが、かいくぐるリムクス。右から左ボディを振るコンドラチェフ。リムクスは右をもらいながらも左右を振り回す。  2R、左前手を伸ばすリムクスに対し、中に入るコンドラチェフは右ジャブ、左ボディ、左ミドル。リムクスは前足で左ローも、コンドラチェフは左フック!   左後ろ蹴り。リムクスは右ボディを返す。変則的な動きにストレスか、コンドラチェフはストップ後に後頭部に打撃。  3R、左の蹴りから入るコンドラチェフ。右ハイを返すリムクスに対し、間合いを一気に詰めたコンドラチェフは左ストレート! 立ち上がったリムクスだが、構えられずレフェリーがストップした。コンドラチェフがKO勝利。 [nextpage] ▼フライ級→キャッチウェイト(61.50kg)5分3R〇和田竜光(日本)60.95kg, 1.0044[判定3-0]×ワン・シュオ(中国)61.50kg, 1.0091  第2代&第4代DEEPフライ級王者の和田竜光は、2018年にONEデビュー。翌年に開催されたONEフライ級WGPに出場し、準決勝でデメトリアス・ジョンソンと対戦。判定で敗れたものの、得意の “おたつロック”でファンを魅了するなど “最強DJ”を相手に大激闘を見せた。  2020年1月には無敗のイヴァニルド・デルフィノを相手に、得意のカーフキックを効かせ、近づけば首相撲&ヒジ・ヒザ、そして小外刈りテイクダウンを合わせるなど判定勝ち。2020年12月のヨッカイカー・フェアテックス戦では、1Rに和田がバックを奪い削ったかに見えたが、インローとガード上のハイキック、右アッパーなどの手数でヨッカイカーが上回り、判定2-1でヨッカイカーに惜敗した。  しかし、2021年10月の「Road to ONE: 5th Sexyama Edition」で、実力者・竹中大地と対戦し、スプリット判定で勝利している。接戦に見えるなかでも「完封」の内容という和田は、今回のワン戦に向け、自身の組み手、打撃での圧力での変化も考えているという。  対するワンは、MMA13勝5敗。WLF、Rebel FCで4連勝後、2021年4月にONE初参戦。日本の藤沢彰博、若松佑弥とも対戦している韓国のキム・キュサンを相手に3R、右ヒジでKO勝ちをマーク。 強い気持ちと身体でMMA5連勝を飾っている。強豪・竹中を破った和田はONE本戦でも再起を飾ることが出来るか。互いのムエタイにも注目の一戦だ。 ※試合はワンが体重超過およびハイドレーションテストを通過出来なかったため、61.50kgのキャッチウェイトに。ワン・シュオの報酬の一部が和田竜光に渡される。  1R、ともにオーソドックス構えから。和田は右のカーフキックから入る。さらにボディ打ち。一転、前足にシングルレッグでテイクダウンも、すぐにスクランブルで立ち上がるワン。  なおも組んで右で差して金網際でボディロック&小外がけテイクダウンは和田! ワンも下からヒジ打ち。その立ち際に和田はスタンドバックに回り、足を胴に4の字ロック、さらに対角の右足ヒザ裏に足を当てるオタツロックで背後からパウンド。しかし、ワンは正対に成功する。  ヒジを振るワンをかわし、右のカーフキックを効かせる和田! バランスを崩すワンは立ち上がり、スイッチで前足を入れ替え先に圧力をかけていく。  2R、テイクダウンのフェイントを入れる和田に、右のカーフキックはワン。サウスポー構えのワンに和田は右ミドルを当てる。さらに右を振って首相撲に捕まえる和田だが、そこを力強く外して右ヒジを打つワン! 左ジャブを当てる和田。右ローを打つワンだが、金網背に。素早くダブルレッグに入る和田にニンジャチョーク狙いはワンだが、そこをテイクダウン奪う和田。  ここもスクランブルから立ち上がるワン。その立ち際をバック狙う和田だがワンは正対。しかし右で差して組み外足をかろうとする和田。四つから体を入れ替えるワンは離れる。  ワンツーは和田。さらに右カーフ、右ボディ! 左ジャブもヒット。ボディから右ローを打つワンだが軸が乱れる。和田は右カーフを当てる。  3R、ワンはオーソからすぐにサウスポー構えに。右ミドルハイを打つ和田。さらに右ボディフック! ワンは右前足で打つが、さばく和田は右インローを当てる。喧嘩四つで前手を触りながら右の蹴りを腹に打つ和田。さらに左前手のフックも。今度は右前足にシングルレッグを決めた和田。立ち上がるワンにボディロック&小外がけテイクダウンでついに背中を着かせる。  サイドを奪う和田は、細かいパウンド。金網使い立つワンに上で組んでから足を取りに行くが、両足を広げるワンに上で首相撲も、ワンは突き放す。左ジャブの和田に右ローを返すワン。互いにローを当ててゴング。  判定は3-0で和田が勝利。竹中戦に続く勝利を決めた和田は、ケージの中で「素晴らしいパフォーマンスにはほど遠いですけど、勝ってホッとしています。次? 全然考えてないです。DJ戦が叶ったので、一人ずつやっつけていくだけです」と淡々と語った。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R〇プレブ・オトゴンジャルガル(モンゴル)65.40kg, 1.0009[判定3-0]×ミカエル・デ・ジェズウス(ブラジル)64.30kg, 1.0160  1R、ともにオーソドックス構え。左フックを当てるジェズウスに対し、詰めるオトコンジャルガルがボディ、顔面と散らせて左右のワンツーも当てる。ジェズウスは首をとらえてダースチョーク狙いもオトコンジャルガルは頭を抜く。  2R、右から左フック、さらにワンツーで詰めるオトコンジャルガル。サークリングするジェズウスだがボディを当てられテイクダウン狙いも、切るオトコンジャルガル。左の蹴りも織り交ぜると左右ボディ打ちにジェズウスはくの字に。  ジェズウスはダブルレッグテイクダウンで反撃も、すぐに金網使い立つオトコンジャルガルが逆にダブルレッグテイクダウン。下からスイープしてすぐにバックに乗るジェズウスだが、前に落とされてゴング。  3R、左右を振って先に詰めるオトコンジャルガルがシングルレッグからボディロック狙い。右で差すがジェズウスも金網背に左で小手に巻きクラッチを防ぐと体を入れ替え、ダブルレッグへ。腕を差し上げるオトコンジャルガルが再び体を入れ替え、シングルレッグへ。そこにギロチンチョークを合わせたジェズウスが下になりゴング。  判定は3-0でオトコンジャルガルが勝利。MMA8連勝をマークした。
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア

関連するイベント