ムエタイの二大殿堂を制した初めての日本人選手である名高
2021年12月31日(金)さいたまスーパーアリーナにて開催された『Yogibo presents RIZIN.33』で、RISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)がRIZINラストマッチを行った。
最終的には五味隆典とのエキシビションマッチという形で行われたが、当初は吉成名高(エイワスポーツジム)が那須川の対戦相手候補に挙がっており、記者会見で榊原信行RIZIN CEOが経緯を説明したことから“名高が逃げた”との批判を浴びることになってしまった(後に榊原CEOが「感情的な表現が多くて少し言い過ぎた」と謝罪)。
この件について、名高がヒップホップメディア『ニートtokyo』でのインタビューで答えた。大晦日前に起こった騒動について聞かれた名高は「ルールの問題とか体重の問題とかがあって、お互いの条件が合わずに試合がなくなってしまったんですけれど」と説明したのち、時間が経っての今の心境を聞かれると次のように答えた。
(写真)大晦日前の12月5日にムエタイルールで55kg契約の試合を行い、勝利するも「正直55kgはまだ早いかなって思いました」と試合後コメントしていた
「天心選手最後の大晦日の大会だったし、自分が出場して盛り上げるというのも一つの手としてはあったのかなと思うんですけれど、自分は競技としてやっていると思っているので。そこで無茶というか、無茶をして1回もやったことがないルールだったりとかそういうのでやるよりかは、しっかり1個ずつ1個ずつ結果を残していこうという風に思っていたので。これから切り替えてまた積み上げていこうかなって気持ちですね」
体重差(名高は51~53kg、那須川は55kg)があり、なおかつムエタイルールではなくやったことがないヒジ打ち無しのルールでいきなりそのジャンル最強の相手と戦って名前を売るよりは、ひとつずつ結果を残して認めていってもらいたいとの考えを示した。
「自分は競技としてやっている」という部分に関しては、YouTubeでコラボした魔裟斗も「プライドがあるからね、ムエタイのチャンピオンだっていうね。ムエタイって本当に1kg~2kgの体重差っていうのが大きいわけ。ムエタイからすると物凄いハンディマッチなのね。っていう物凄いムエタイが入り込んでいる選手だから、そこに対しての“この体重差はありえないでしょう”っていうのがムエタイの考え方なの。だから吉成君はそういう路線でいってるじゃない。だから最初に聞いた時に“この体重差は普通ありえないハンディマッチでしょう”っていう感じだから断ったんでしょう。ムエタイの選手だからね」と、名高が那須川戦を断ったことはムエタイという競技性から理解できると話している。
「これから切り替えてまた積み上げていこう」と、今は気持ちを切り替えてまた結果と実績を積み上げていきたいという名高。2022年の始動はいつになるのか。