2022年2月27日(日)東京体育館『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN』の対戦カード発表記者会見が、1月13日(木)に行われた。
6月の那須川天心との“世紀の対決”前に、K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者の武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が出場。昨年12月にK-1 WORLD GPフェザー級王者となったばかりの軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス)とスペシャルエキシビションマッチを行うことが発表された。
軍司はK-1アマチュア優勝を経て2015年2月にプロデビュー。2016年にK-1甲子園優勝を果たし、2017年9月にはKrushバンタム級王座を獲得(第2代)。2020年9月に2階級制覇を懸けてKrushスーパー・バンタム級王者の玖村将史に挑戦したが判定負け。12月からフェザー級に階級を上げると3連勝を収め、12月に椿原龍矢の持つK-1 WORLD GPフェザー級王座に挑戦。延長戦の末に判定勝ちで第5代王座に就いた。戦績は16勝(4KO)5敗1分。
中村拓己K-1プロデューサーは「武尊選手は那須川選手と58kgで試合が決まっているんですが、武尊選手はK-1でずっと60kgで試合を続けていて、この体重へ向けたエキシということでフェザー級のチャンピオンである軍司選手を相手にどんなパフォーマンスを見せられるのか、そういったところでもこのエキシの意味があると思います」と、那須川戦へ向けてK-1フェザー級=-57.5kgの相手を用意したと説明。
2月大会を終えたらそのまま那須川戦へ向けての調整に入るということで「武尊選手がK-1のリングに立つ姿を2月大会で皆さんに見ていただきたいと思います」と、ファンに呼びかけた。
また、「エキシの対戦相手としていろいろな選手を考えていたんですが、昨年12月にK-1王者になって、我々K-1 JAPAN GROUPの中ではK-1のアマチュア大会で優勝して、Krushのベルトを獲って、そしてK-1の王者になった初めての選手です。その軍司選手がこれまでK-1のエースとして引っ張ってきた武尊選手とリングの上で拳を交えることは意味のあるものだと思っています」とのテーマも説明した。
軍司は「こういう形でオファーをいただいて、偉大な王者なので試合でいろいろ吸収してこれからのK-1を背負っていけるようになりたいです」と挨拶。
武尊は「K-1唯一の生え抜きで頂点まで駆け上がった選手で、僕はK-1旗揚げからずっと引っ張ってきて、この図式での試合が出来るのは感慨深いものがある。軍司選手はこれからK-1だけじゃなく格闘技界を引っ張っていく存在になっていくと思うので、そういう意味でもこの試合で何か伝えらるものがあったら伝えたい。僕は全然上から言うつもりもなくて、堂々とK-1王者同士として思い切りぶつかり合えたらいいと思います。エキシビションじゃなくて、この試合をみなさん 楽しみにしてください」と、軍司への今後の期待を口にすると共に試合のつもりで行くと宣言した。
このオファーに軍司は「即行OKを出しました。チャンスみたいな感じなので。過去最強の武尊選手だと思うので、僕もしっかり追い込んで練習してしっかりやりたいと思います」と、チャンスだと捉えて試合のつもりで行くという。
武尊は「本当は1試合やりたかったんですが、去年の3月からずっと年末へ向けてコンディション作りと身体作りをやってきて。そんな中で今年の6月になったので、現役やってて初めて1年以上試合が開いてしまう中で1試合やるってなった時に相手も見つからなかったり、やる意味のある試合があるのかなって考えていた中で、軍司選手の名前があがってきて。正直、僕はエキシビションマッチではなくて試合をやりたかったんですが、軍司選手とやることは僕がK-1で10年やってきて、これから引っ張っていく軍司選手と向かい合えて試合ができるのは意味のあることなんだろうなって感じました。
軍司選手の試合を見ていても気持ちを全面に出すファイターで、僕は好きなファイトスタイルというかファイターの中でも気持ちや感情を全力で出して戦うファイターって凄い好きなので。そういう選手と戦うのは幸せな気持ちになります。そういう意味でも軍司選手が対戦相手に決まった時には1ファイターとして嬉しかったし、楽しみだなって思って。天心選手との試合が決まっているのでそれに向けて身体作り、練習をやってきているんですけれど、今が一番自分が強いなって実感がしています。それを軍司選手にぶつけてどういう戦いが生まれるのか僕も楽しみなので皆さんも楽しみにしてください」と、軍司と拳を交える意味を語った。
エキシビションマッチの時間・ラウンド数、体重、ヘッドギアを着用するのかどうか、グローブのオンスなどの詳細については「これから調整して決めていきます。今のコメントを聞いていても2人ともバチバチ行くと思うんですけれど、武尊選手も大一番が決まっているのでそれに向けて影響が出ないようにというのは難しいと思いますが、なるべくそうなるように考えていくので正式に発表します」(中村P)とのこと。
那須川との58kg契約の試合へ向けて、武尊がどれくらいの体重で軍司戦に臨むのかは「考えていませんが、次が58kgでリカバリー4kgという試合なので、それに向けてもう減量は始めていて。体重もいい感じに落ちてきているので、その体重をキープしつつ、落とした状態でも今まで通りのパワーが出る練習をしているので、それを試すいい機会だと思うので58kgで試合をする身体を作って挑みたい」とした。
サウスポー、またはステップを多用する仮想・那須川天心になるような相手を希望しなかったのかと聞かれると「そういう選手でやる意味のある選手がいたらやってもよかったんですけれど。僕の中では軍司選手以外はいないと思いました。軍司選手が最適かなと」と、仮想・那須川よりもK-1でやる意味のある相手とやりたかったと答えた。
一方、軍司は「僕はガンガン前へ出て打ち合いに行くタイプなので、そういうところを見せられたらなと思います」と、通常の試合通りガンガン行くと宣言。「僕の中では、エキシビションなんですけれどやっぱりガチでやりたいなと思っています」と、ガチンコで武尊に挑みたいとする。
それを受けて武尊も「僕もこれはエキシビションではなく試合だと思って挑むので、そういう目で見てもらいたいと思います」と同じくガチンコで行くとし、ダウンの可能性もあるのかと聞かれると「試合なので。エキシビションで勝敗・判定はないけれど、KOがあったらどっちかの勝利になる。それだけです」ときっぱり答えた。