29勝無敗のレコードで引退したハビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア)が、自身のプロモーションである「Eagle FC」の大会を、2022年1月28日に米国のマイアミで開催することについて、UFCのダナ・ホワイト代表が「見た目ほど簡単ではない」と警告した。
パウンド・フォー・パウンド1位にランクされていた元UFC世界ライト級王者のプロモーターとしての米国凱旋。これまでロシアのほかカザフスタンやキルギスで大会を開催していた同プロモーションにとって初の米国進出となる。
2021年12月19日の「UFC Fight Night: Lewis vs. Daukaus」試合後の会見でダナ代表は、「ハビブとは彼のプロモーション(Eagle FC)について何の話もしていない」としながらも、「もし相談してきたらもちろんアドバイスする。でも辛い経験から学ぶこともある」と注意をうながした。
同大会では、すでに元IT'S SHOWTIME 95kg MAX世界王者のタイロン・スポーン(スリナム/オランダ)と、PRIDE&Bellatorファイターのセルゲイ・ハリトーノフ(ロシア)の対戦が決定。
さらに、レイ・ボーグ(米国)vs.コディ・ギブソン(米国)、ヘナン・バラオン(ブラジル)vs.オラシオ・グティエレスの元UFC対決などが予定されているほか、ラシャド・エヴァンス(米国)の名前も挙がっているが、MMAのメッカ、UFCという“巨人”が闊歩する北米で、アスレチックコミッションのもとMMA大会をプロモートすることについて、その難しさをダナ代表は語る。
「彼(ハビブ)は、この地で反対側(ファイター側から運営側になって)がどんなものかを知ることになるけど、思ったほど楽しくないってことを知るし、いろいろ学ぶことになる」と話し、加えて、いつもの“If you don't know, now you know”の言葉にかけて「If he doesn’t know, he’s gonna know」(彼が「知らない」というなら、知ることになるよ)と、経験しなければ分からないとした。
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米国にいなければ、ベストになることはほぼ不可能だ(ハビブ)
2020年後半に旧ゴリラ・ファイティング・チャンピオンシップを買収し、「Eagle FC」として再ブランディングしたヌルマゴメドフは、1月にマイアミで大会開催後、3月にも同地で大会開催プランがあること、2022年に米国で複数回の大会を開催する予定を発表している。
大会発表会見でヌルマゴメドフは、「1月の大会はとても大きなものになるし、2022年は50人以上のファイターと契約する予定だ。MMAでビッグになりたいなら、米国にいなければならない。ファイターにとっても、プロモーションにとっても米国にいなくちゃいけない。米国にいなければ、No.1やベストになることはほぼ不可能だ」と、米国進出の意味を語っている。
一方で、ヌルマゴメドフは「Eagle FC」に独自のビジョンを持っており、UFC、Bellator、PFLなど世界の大手プロモーションのライバルにはなりたくないとも語っている。
「UFCが世界最高であることは周知の事実だ。ほぼ30年間、このUFCは世界中で素晴らしい大会を行っていて、素晴らしいブランドだ。僕は彼らや他のプロモーションと競争したいとは思わない。僕には僕の主義・見解があるし、ダナのようにフェイスオフに参加してもストレスフルでいたくない」と、独自路線で競合せずに共存していきたいとしている。
そんな中でヌルマゴメドフは自身の現役復活を問われ、あらためて否定し、その役割は後進に委ねたいとしている。
「僕らにはあのベルトを取り戻すという目標がある。彼の名前はイスラム・マカチェフだ。1月は米国に遠征して(大会を開催)、2月、3月はイーグル・チームは狩りをする。マカチェフは2月のUFCでベニール・ダリウシュと対戦する。彼はダゲスタンにベルトを持ち帰らなければならない。僕は彼を本当に信じている。彼ならベルトを持ち帰れると」。
ポイエーとネイトの試合? 両者とファンが望むなら
ダナ・ホワイト代表「年間ベストはゲイジーvs.チャンドラー、ペーニャvs.ヌネス」「“年間ベスト”と聞かれて、とっさに思い出すのは割と最近のジャスティン・ゲイジーvs.マイケル・チャンドラー、ジュリアナ・ペーニャvs.アマンダ・ヌネスだけど、これはひとつを選ぶことは難しいな。年間で過去最高を更新したもの? “何もかも”さ(笑)。ダスティン・ポイエーとネイト・ディアズの試合は、本人たちとファンが望むなら組むよ」