NKB日本キックボクシング連盟「NKB 2021 必勝シリーズ 7th」2021年12月11日(土)東京・後楽園ホール
▼第10試合 sasori引退エキシビションマッチ&セレモニー 2分1R×2-sasori(テツジム/PRIMA GOLD/前ミネルヴァライトフライ級王者)勝敗なし ※エキシビションマッチのため-ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE/KNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者)、紅絹(NEXT LEVEL渋谷/初代RISE QUEENアトム級王者、第5代J-Girlsミニフライ級王者)、藤田飛竜(テツジム姫路支部)
(写真)2度の激戦を行ったRISE QUEENミニフライ級王者・寺山(左)が試合前に花束を贈呈 sasoriは2019年9月、ミネルヴァ王座を獲得。2020年2月にはシュートボクシングに参戦し、5勝3KO無敗の快進撃を続けていた女神と対戦。サウスポーから繰り出す左ボディ&左フックを中心に、パンチを全く止めずに打ち合いへ行くアグレッシブなファイトスタイルで女神からダウンを奪い、延長戦で判定勝ち。7月にはRISEに初参戦すると寺山日葵に延長戦で敗れるも大きなインパクトを残した。
10月に開幕した「RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020」では、独特のキャラクターで大ブレイクを果たし、11月の準決勝へ進出するも寺山との再戦で判定2-1の惜敗。ホームリングのNKBで同門の喜多村美紀とドローでミネルヴァ王座の初防衛に成功したが、でぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)に判定2-0で敗れ、引退を決意した。生涯戦績は10勝(1KO)5敗3分。今回、NKB史上初の女子選手の引退エキシビションマッチがメインイベントに組まれ、“最後の生贄”として紅絹とぱんちゃんの2選手が用意された。ゴング前には、ミネルヴァピン級王者Ayakaと寺山がリングインし、sasoriに花束を贈呈した。
1R、まずは紅絹がsasoriと対戦。距離をとって戦うのが得意な紅絹だが、この日は序盤からsasoriと真っ向の打ち合いへ。とてもエキシビションマッチとは思えないバチバチの打ち合いにどよめきが起こり、終了直前には紅絹がバックブローを見せた。
2Rにはぱんちゃん登場。ぱんちゃんもパンチ主体で攻めていき、強烈な連打を見せて追い込む。途中楽しくなってきたか、ぱんちゃんは笑顔を見せながらノーガードのsasoriに連打を見舞う場面も。最後までお互いに手数を出し合う展開を繰り広げ、終了したかに思われたが、何とセコンドに付いていたsasoriの師匠である元NKBウェルター級で現テツジム姫路支部の藤田飛竜支部長が履いていたズボンを脱ぎ、キックパンツ姿へ。レガース、グローブをはめた藤田支部長がsasoriの最後の相手となり、ここでもバチバチの打ち合いが繰り広げられた。
エキシビションマッチを終え、マイクを握った紅絹は「引退したのに上がっちゃいました。sasoriさんはプロとして素晴らしい選手でリングを去るのは悲しいことですけど、sasoriさんという人間が大好きなのでこれからもお酒とかよろしくお願いします」と言い、ぱんちゃんは「sasori選手と公式試合で最後にやらせていただいて、エキシビションマッチでも最後にやらせていただいて凄く光栄です。公式戦では蹴り合いだったので今日はsasori選手の得意分野で打ち合いをして盛り上げようかなと思い、頑張りました。sasori選手はアグレッシブで、女子選手でここまで会場を沸かせられる選手はいないと思います。凄く寂しいのですが、次に旦那さんを探すことを応援したいのでもし決まりましたら旦那さんとスパーリングさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。頑張って下さい」とメッセージを送った。
sasoriはいつも通りに藤田支部長の耳元でささやき、藤田支部長が代わりにコメント。
「今日も喋らないそうなので私が話します。関係者、ファンの皆様、この超ロングコント“女蹴sasori”に最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。最高のキックボクサー人生でした。全力でやり切りました。思い残すことはございません。あっ、1つだけ、タランティーノ監督、梶芽衣子に会えなかったのは残念でした。このリングを降りたら“女蹴sasori”は卒業です。元の普通の女子、宮本サソリ子に戻ります。そして新たな生活をスタートさせます。もちろん絶好調中畑清です。最後に……私、“女蹴sasori”は引退いたしますが、我がNKBは永久不滅です! ありがとうございました!」と、最後まで昭和テイストの女蹴sasoriを貫いて10カウントゴングを聞いた。
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▼メインイベント(第9試合) NKBバンタム級王座決定戦〇海老原竜二(神武館/NKBバンタム級1位)KO 3R 0分34秒 ※左ハイキック×龍太郎(真門ジム/NKBバンタム級3位)※海老原が第9代王座に就く。
髙橋亮が返上したNKBバンタム級王座を懸けて海老原と龍太郎が激突。両者は10月大会で行われたNKBバンタム級王座決定トーナメントにエントリーし、海老原は高嶺幸良に、龍太郎は則武知宏に勝利し、今大会進出を決めた。海老原は21戦12勝(5KO)9敗の戦績に対し、龍太郎は7戦3勝(1KO)3敗1分。
1R、龍太郎は右ロー、左ミドル、パンチ連打と積極的な攻めを見せるのに対し、海老原は左ミドル主体の攻め。勢いで優る龍太郎は終盤にバックブローからラッシュで畳みにかかる。
2Rも海老原は左ミドル主体の攻め、龍太郎はインファイトを仕掛けてパンチ連打を見せる。手数で龍太郎が優勢かに思えたが、3Rに龍太郎が距離を縮めたタイミングで左ハイキックをクリーンヒット。これをモロに喰らった龍太郎は立ち上がれず、海老原がKO勝ちでベルトを腰に巻いた。
マイクを握った海老原は「このベルトを取ってからがスタート。見ているお客さんの気持ちに伝わる試合をして、これからNKB、格闘技界を盛り上げていきます」とアピールした。
▼セミファイナル(第8試合) 70kg契約 3分3R×光成(ROCK ON/ジャパンキックボクシング協会ミドル級1位)判定0‐3 ※29‐30、28-30、28-30〇カズ・ジャンジラ(ジャンジラジム/J-NETWORKウェルター級2位、蹴拳ウェルター級王者)
▼第7試合 60.50kg契約 3分3R△KEIGO(BIG MOOSE)ドロー 判定0‐0 ※三者とも30-30△NIIZMAX!(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKスーパーライト級1位)
▼第6試合 62.00kg契約 3分3R×渡邉涼介(ホライズン・キックボクシングジム/元日本ライト級4位)判定0‐3 ※29‐28、28-30、28-30〇ウルフタツロウ(アントジム/J-NETWORKスーパーフェザー級10位)
▼第5試合 フェザー級 3分3R×半澤信也(トイカツ道場/フェザー級)TKO 2R 2分46秒〇鎌田政興(ケーアクティブ/NKBフェザー級)
▼第4試合 バンタム級 3分3R×ナカムランチャイ・ケンタ(team AKATSUKI)判定1‐2 ※28‐30、30-29、28-30〇幸太(八王子FSG)
▼第3試合 63.00kg契約 3分3R×YASU(NKジム)TKO 2R 0分40秒 ※ドクターストップ〇カミシロ(PHOENIX)
▼第2試合 ライト級 3分3R〇辻健太郎(TOKYO KICK WORKS)KO 1R 2分27秒 ※右フック×高平雅申(上州松井ジム)
▼第1試合 ウェルター級 3分3R〇ゆうき(BIG MOOSE)判定3‐0×田村大海(拳心館)