実業団バスケットボールからMMAに転身したHIME(C)ゴング格闘技
2021年12月11日(土)東京・竹芝ニューピアホール『skyticket Presents DEEP JEWELS 35』の前日計量が、10日(金)都内にて13:00より行われた。
メインイベント(第11試合)のDEEP JEWELSストロー級5分2Rで対戦する、元DEEP JEWELSストロー級暫定王者・本野美樹(AACC)は52.60kg、HIME(毛利道場)は52.55kgで計量をパス。
計量後のコメントでHIMEは、「3戦目でメインの試合ですが、経験では負けるかもしれませんが、怖いもの知らずという強みがあると思うので、面白い試合ができるように頑張ります。今まで2戦が判定勝ちだったので、今回は一本取ってサクッと勝って帰りたい」と、元王者を相手に一本勝ち宣言した。
山口県の毛利道場のHIMEは、バスケットボールから転身。大学卒業後にも実業団の日立笠戸女子に所属し、ポイントガードとして活躍した。
MMAでは、2021年3月大会のプロデビュー戦でケイト・ロータスに判定勝利。さらに6月大会では、現DEEPフライ級暫定王者・藤田大和の姉・藤田翔子にも判定勝ちでプロ2戦無敗をマークした。
ケイトや藤田に投げられたものの、抑え込まれず、ブリッジから起き上がりバックにつき、打撃巧者の藤田にも右ストレートを当てるなど、打撃寄りながらトータルバランスに長けてきている。
計量後、HIMEは、3戦目で元王者との対戦のチャンスを得たことを、「まだ格闘技をやり出して年月がいっていないので、ほんとうに格闘技をいちからやっていくなかで、今回の試合が巡って来ました」と、コツコツ取り組んできた成果と語る。
打撃を得意とするが、腰が強く組み負けず、これまでの試合では投げられてもスクランブルで立ち上がる姿を見せている。今回、柔道ベースの本野との対戦に向け、組み技部分でも強化をしてきた。
「道場では『投げられること自体がまだ弱い』と言われるので、『投げられないように』という対策と、投げられたとしても、すぐに次の対応をして、『いかに有利なポジションに速く持って行けるか』、という基本を常にやっています。
女子選手は(佐藤)絵実さん含め、まだ3人ですが、毛利(昭彦)代表、摩嶋(一整)さんともやらせていただいて、全然敵わないですけど、組み技の対策は出来ています。摩嶋さんの圧力を感じていますし、ケージにも苦手意識はないです」と、RIZINでも鬼の組み力を発揮した摩嶋ともスパーリングをこなし、本野の柔道の組み、投げ・極めに対策は出来ているとした。
2021年6月の前戦では、ストライカーの藤田翔子を相手にパンチで主導権を握った。
自身では「打撃が得意という意識はそれほどないです」と言いながらも「瞬発力を使える分、懐に入りやすいというか、一番自分がやってきたことが使えると考えています。絶えず動き回るスタミナ、バスケットでの前後左右のステップ、カットイン、角度をつけて下がったりとか、そういうステップも活かしつつ戦います」と、ガード時代に、相手ディフェンスをかき乱してきた強みを活かして戦うつもりだ。
「試合が多くなればなるほど応援してくれる人が多いので、期待に応えて、勝って恩を返すのが、プロとしてやっている以上、使命だと思います。道場のなかでも自分のために対策練習につきあってくれた仲間にも、試合でしか返せないので、勝って返したいなと思います」──山口で周囲のサポートのなか強さを得て来たHIMEは、キャリアでは上の元王者を切り崩せるか。