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インタビュー

【RIZIN】砂辺光久の18年ごしの熱い想いに、前田吉朗「リングって、そんな甘い場所でもない。“大人の殴り合い”をしようか」=11月20日(土)沖縄

2021/11/18 23:11
 2021年11月20日(土)沖縄アリーナ『Yogibo presents RIZIN.32』の出場選手オンライン個別インタビューが18日(木)に行われた。  第11試合の58.5kg契約(5分3R)で、砂辺光久(reversal Gym OKINAWA CROSS×LINE)と18年ぶりに対戦する前田吉朗(パンクラス大阪稲垣組/ENCOUNTER)は、試合を迎える心境を聞かれ、「心境……特に無いって言ったら変ですけど、(ちゃんと)やってきたんで普段通りボコボコにしてやろうと思っている所存です」と、ドライに語り始めた。  当初、参戦予定だった村元友太郎が怪我のため、緊急参戦を決めたRIZINだが、前田は「反響はすごいですね。自分のジムをやり出して、来る若い子は、昔のPRIDEとかは知らなくても『RIZIN見ました』という人は多いので、やっぱいすごいなと思います」と反響に驚いたという。  両者は2003年5月に対戦し、5分2R判定で前田が勝利。砂辺はプロ5戦目で初黒星を付けられ、プロ2戦目だった前田は12連勝とスター街道を驀進していった。  前田より先に行われた会見で砂辺は、「あの時に俺が勝っていたらこうなっていたのかなっていうのをその後の彼が見せていたので、早く彼にたどり着きたいと思っていました。僕の中でパンクラス王は彼なんですよ。18年ぶりに彼に勝つことによって自分がパンクラス王になれると思っています」と、数年前から自身のテーマとして掲げている『パンクラス王に俺はなる』が、前田にリベンジすることで達成されると語り、「彼に負けて何度か、もしかしたらここで勝てば挑戦できるって試合が何度かあったんですがそこで僕が負けてしまって。『何やってんの?』って声をかけてもらったことがあります。それは待っていてくれた、と僕の中で思っていて。18年かかりましたが、お待たせしましたって気持ちで挑みたいです」と、再戦への想いを語っていた。  それを聞いた前田は、「すごいよっぽどやりたかったんでしょうね。まあまあ仕方ないんで受けてやろういう感じですけど」「印象? パンクラス王とか(笑)」と軽く受け流す。  RIZINには先にパンクラス稲垣組から金太郎や北方大地が出場しており、前田はコーナーから「オイ! 金太郎」と後輩を鼓舞する先輩として知れらているが、前田は「金太郎とか北方とか叱咤激励していますけど、“オマエはどうやねん”と見られるわけじゃないですか。まあ、あいつらより強くないよ、と。あいつらより強くないけど、意地はあるよ、というのを見てもれえれば」と言い、「展開もあまり考えてないですね。ミッチー(砂辺)はいろいろ考えてるかもしれないですけど、15分、ミッチーと遊んでやろうかくらいの。まあ甘噛みですよ。じゃれあって、最後やっつけてやろうっていう」と、気負いはないことを語った。 「僕がRIZINで砂辺光久と聞いて、あっ面白そうと思っただけで、お客さんに申し訳ない気持ちも多少ありますけど、ただただ自分だけが楽しむ試合をしてやろうと思っているんで」  18年ごしの再戦が、ただ感傷的に見られることを良しとしなかった。 「前回の試合がいつやねん、という話で、そんなに試合をしたという感覚はない。でもなんか定期的に大会で会ったりはしてるんで、砂辺光久という人間は知っているんですけど。昔戦った感覚はほぼ無いですね。  この試合に向かって、ミッチーが僕を指名してくれたことによって、RIZINという大会に出れたというのも多少、感じてたりしてるんですよね。試合に向けて、いろいろ考えてもすごい……憎々しく戦うということは全然なくて、まあ、何ならちょっと好きやなと思うくらいなんで、“あいつそんなに俺とやりたかったんや”“俺もちょっと好きになってきたで”という。でもまあ、試合のリングって、そんな甘い場所でもないし、お互いいろいろ思うところも懐かしい思いもあるんですけど、格闘技の本質というか、ちゃんと倒し合いをしよう、ということです」  2018年6月にオニボウズに判定勝ち後、2019年に清水清隆にKO負け、内藤頌貴とペイヨングサックに連勝するも、ここ2試合は、200年7月に福田龍彌との修斗世界フライ級暫定王座決定戦、2021年3月に“スーパーノヴァ”平良達郎戦と、強豪と最前線で戦って来た。  その自負は「当然ありますよ」というが、この2年で砂辺との差があるとは思っていないという。 「ミッチーも沖縄の総合格闘技がそんなに根付いていない頃からやってる自負のもとでやってるんで、そんな差というものはない。単純にRIZINは注目される舞台で、そこでミッチーと、まあ“大人の殴り合いをしようか”“大人の格闘技をしようか”と、そういう戦いじゃないですかね」と語る。  前田が言う“大人の格闘技”とは、「いまの格闘技ってすごい分かりやすいじゃないですか。面倒くさいことはなるべくは省いて最短距離で倒すじゃないですか。僕らそういう前のことをずっとやってきたんでネチネチした戦いなんか分からないですけど、いまの総合格闘技とはちょっと違うものになるんじゃないかなと思います」という。  沖縄格闘技のパイオニアと浪速のヒットマンによる、18年ごしの再戦は、やはり“ただの試合”にはなりそうもない。
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