2021年11月28日(日)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2021 vol.6』にて、元KAISERスーパーフェザー級王者・角田泰盛(CRAZY WOLF) とKNOCK OUT-BLACK -58.0kg契約3分3R延長1Rで対戦するKNOCK OUT-REDフェザー級王者・安本晴翔(橋本道場)のインタビューが、主催者を通じて届いた。
安本は少年時代からアマチュアで150戦以上を経験し、24冠王に輝くなど活躍。2016年6月に16歳でプロデビューを果たすと、6戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーフライ級王座、2018年12月にはINNOVATIONスーパーバンタム級王座を獲得した。2019年2月にシュートボクシングのリングで迎えた14戦目で初黒星を喫したが、6月のREBELSでは栗秋祥梧を破りKNOCK OUT-REDフェザー級王座を戴冠。そこからの快進撃でKNOCK OUTをホームに活躍し、KNOCK OUT年間表彰式では2020年MVPを獲得。今年9月にはNJKFのリングに乗り込み、松本龍斗にTKO勝ちでWBCムエタイ日本統一フェザー級王座も獲得。怒涛の11連勝、5連続KO勝ちをマークした。戦績は21勝(12KO)1敗2分。
相手が『降参です』となるような倒し方をしたい
──今回、相手の角田選手は『KNOCK OUT』初参戦ですが、試合映像や情報はどれぐらい入っていますか?
「まあ、右利きっていうことだけですかね」
──映像は見ていない?
「見てないです。師範が見てくれていますし、自分は見ない方が戦いやすいので。情報とか映像とかなくてもだいたい分かるというか、だいたい同じなので、対応できれば大丈夫です。ちょっとパンチや蹴りを意識して、当たらないようにすれば、1Rでなれちゃうと思うので」
──そこの対応力には自信があるということですね。それがうまくいかなかったなということは、今までないですか。
「今まで…あんまりないですかね。やっぱり、食らっちゃうこととかは全然あるんですけど、食らわないようにというのは意識して。倒れることがよくないので、まず倒れないようにしていれば、ラッキーパンチとか当たっても、ちょっとのポイントしか入らないので、そこだけ気をつけて。まあでも、なるべくはよけますけど」
──角田選手はMMAの試合もやっていて、それも生かした試合をしたいということだったんですが、MMAもやっていたというのも、今知った感じですか?
「いや、何か相手の戦績に入ってた気がしますね」
──でも、あまり気にしてなかった? MMAの選手が立ち技の試合に出ると、立ち技の選手にとってはやりにくそうに見えることもありますが。
「そうですね。MMAの選手とはやったことがないので、やってみないと分からないですけど…でも、対応できる自信はあります」
──今までで一番やりづらかった相手というと?
「誰だろう? うーん……あんまりいないですかね」
──だから勝ち続けているわけでもあると。では安本選手にとって、今度の試合のテーマは何でしょう?
「今、5連続KO勝ちで来ているので、6連続KO勝ちを狙って、大会で一番盛り上がる試合ができれば、僕はもう満足ですね」
──なるほど。ここまで連続KO勝利でも、必ずしも満足して終わったわけではないというお話を以前にされていました。今回は満足いくようなKOを見せたい?
「はい。みんながあっと驚くKOをしたいです」
──今まででも、かなりみんな驚いてはいると思うんですが、それ以上の?
「そうですね。でも矛盾になっちゃうんですけど、KOは狙わないようにして試合しつつ、自分が楽しいのももちろんですけど、見てる人も楽しい試合、ウィンウィンな試合にしたいです」
──同じ大会では花岡竜選手も出場します。スーパーバンタム級のタイトルマッチもあります。そこに内容では負けないと。
「内容では負ける気はしないですね。竜はちょっとテクニックがすごいので、テクニックでは負けるんですけど、爆発力は僕の方があるよっていう試合にしたいですね」
──花岡選手は、安本選手をインパクトで超えることはとてもできないと言っていたんですが、「そりゃそうだよ」という感じですか?
「いや、そんなことないと思うんですけど(笑)、階級が違うので。お客さんにとっては、聞こえてくる技の音の感じとかもたぶん違うと思うんですよ。そこでインパクトの差がちょっと出ちゃうのかなとは思いますけど。でも、テクニックは竜がずば抜けてすごいと思うので」
──先ほど言われたように、次もKOで勝てば6連続KOで12連勝ということになります。このところ連勝と連続KOが取り沙汰されるようになりましたが、自分ではそこをどれぐらい意識しているものですか?
「半分半分ぐらいですかね。「KO」じゃなく『倒す』というか…何か自分が思う『ボコボコにして倒す』というか。相手が本当に『降参です』という感じになるような倒し方をしたいんですよ。なので、最終的に倒すことを意識はしてるんですけど、徐々に痛めつけて、最終的に倒れるみたいな、そういう試合をしたいと思って意識してますね」
──最近の試合では、それはできている?
「うーん、どうですかね…この前の竹内賢一戦はヒジで切って勝ったんですけど、やっぱりヒジで切るのってあんま面白くないなと思って」
──そうですか? そこがREDルールの醍醐味と言う人も多いですが。
「インパクトに欠けるんですよ。自分の試合がYouTubeに上がってるので見てるんですけど、全然インパクトもないし、『えっ、何で終わっちゃったの?』っていう人がたぶん多いと思うんですよ。だから、今回はヒジがないので、ズバズバいけるかなと」
──今回はBLACKルールですよね。ヒジがないというところに関してはいかがですか?
「やってみないと分からないですけど、前にもやったことはあるので、たぶん大丈夫だと思います」
──一番最近、ヒジなしでやったのは……
「負けた時ですね」
──シュートボクシングでの植山征紀戦(2019年2月)ですね。
「そう考えると、ヒジなしはあんまりよくないんですかね? 負けちゃったんで」
──あれはヒジのあるなし以前にシュートボクシング・ルールだったわけですしね。今回は、BLACKルール用の練習をしてたりするんですか?
「いや、いつもと変わらないです。ヒジの練習をやってないだけですね」
──スパーリングとかで、思わずヒジを出しそうになったり、出してしまったりということはないですか?
「それは昔は思ってたんですけど、案外出さないなと思いましたね。僕はあんまりヒジを打たないんですよ。何と言うか…ヒジについては、『空いてるから打つ』という感じで、狙って打ったことがあまりないんですよね」
──むしろ、ヒジを出す時の方が意識して出してるという感じ?
「そうですね。無意識に出ちゃったということはないです。だから今回、BLACKルールでも大丈夫だと思います」
──BLACKルールでも本格的にやってみたいという気持ちは?
「別にBLACKでベルトを獲りたいとか、そういうのはないんですけど……でも、ヒジはなくても全然気にならないし、首相撲もなくても全然気にならないし、たぶん、オールジャンルいけます」
──あえてちょっとお聞きしてみますけど、前大会でBLACKフェザー級の王者(龍聖)も決まりました。対戦してみたいとか、興味があるみたいなことは…。
「いえ、…僕が興味あるわけなくないですか?」
──ですね(汗)。
「でもまあ、やるとなったら全然できますけど」
──では今言われたようなことも含めて、今回の試合で一番注目してほしいところはどこでしょう?
「ヒジがない分、出す技とかも全然変わってくるというか、パターンが増えてくると思うので、パンチと蹴りが好きな方は僕の試合を見てくれれば、楽しいと思える試合をします」
──BLACKルールでも安本晴翔の試合は楽しいぞと。
「もちろんです!」