2021年12月4日(土)エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館第1競技場)『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN』にて、スーパーファイトのライト級3分3R延長1Rで、篠原悠人(DURGA)と対戦する石田勝希(RKS顕修塾)の公開練習が行われた。
石田は2009年のK-1甲子園に出場経験があり、2017年からKrushに参戦。のちにK-1ライト級王者になる林健太やゴンナパー・ウィラサクレックらとも拳を交えているが、このK-1大阪大会で約3年10カ月ぶりにK-1 JAPAN GROUPのリングに上がることになった。
また石田はこれがK-1初参戦。「オファーを受けた時は自分自身でもビックリしていたっていうのがあったんですけど、記者会見が終わってからはみんなから『頑張って』って連絡をもらったんで反響も大きかったですね」と、ビッグオファーの到来に周囲もざわついたようだ。
今回の試合に対する石田のモチベーションは並々ならぬものがある。それは昨年8月に他界した恩師の和田修司さんへの恩返しの気持ちがあるからだ。19年前、10歳の時に和田さんから師事を受けていたという石田。
RKS顕修塾はもともとフルコンタクト空手しかない道場だったが、石田がグローブ空手を希望すると和田さんも一緒にビデオを見て、見様見真似で練習を一緒にやってくれたほどの親身な指導を受けていた。
死後に分かったそうだが、和田さんが所持していたノートには教え子一人ひとりの良い所と悪い所が細かく書かれており、「それを見て本当にいい先生の所で習えたんだなというのがあります」と改めて実感したという。
その和田さんが立ち上げたRKS顕修塾を全国的にも有名な道場にしたいというのが石田の現在のモチベーションだ。「僕の後輩にも強い人たちはいっぱいいるんで、そういう人たちのためにも道を開ければと思っているんですよ。後輩たちに道を作っていくのが自分の役目です」と、まずは自分が先陣を切ってK-1で結果を残し、後輩たちがこの舞台に上がる道筋をつけることを考えている。
RKS顕修塾には2017年のK-1甲子園-60kg級王者の兼田将暉も在籍。「大きな舞台で試合をドンドンこなしていければもっともっと伸びていくような存在なので、K-1 JAPAN GROUPの大会で1回兼田の試合を見ていただければ、ファンの皆様も納得すると思います」と、自分以上に兼田を猛プッシュしていた。
しかし、今回試合をするのは石田自身だ。「まずは道をしっかり切り開けるように、この試合に懸けていきたいと思います」と、後輩たちのためにも勝利を誓う。
今回の対戦相手の篠原はK-1ライト級のトップ戦線で戦っている大阪出身の選手。ここのところ3連敗と勝ち星から遠ざかっていたが、9月のK-1横浜アリーナ大会で谷山俊樹に勝利し、トンネルから脱出。再びタイトル戦線への返り咲きを狙っている。
「技術面に関してはトップレベルだなというのはあります」と篠原を評した石田。しかし、石田自身も技術には自信あり。「スピードだったり、元々日本拳法をやっているんで他のキックボクサーにはない独特のリズムだったり当て勘、そういったところは勝っているのかなと思います」とストロングポイントを上げる。
そのうえで「ライト級では他のカードもあると思うんですけど、技術の高い試合になると自分自身では思っていますし、自分も技術はあるほうだと思っているので、自分より優れた技術の篠原選手と試合をしたらどういう試合展開になるかっていうのは自分自身楽しみでもありますね」と、篠原との技術合戦に手ぐすねを引いているようだ。
当面の目標は「ベルトというよりはこのRKS顕修塾を有名にしていきたいし、大阪といえばRKS顕修塾と分かるような道場にしていきたいので、一戦一戦勝って知名度を上げていく必要があるのかなと思っています」と、やはりRKS顕修塾の知名度アップ。師匠の和田さんからは「後輩の鑑になるような選手になれ」といつも言われていたという。
「試合で褒められたことがないので、この大きいK-1の舞台で勝って、天国から褒めてもらえるような試合ができれば一番いいかなと思います」と、今は亡き恩師に勝利を捧げる。