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【K-1】「大和哲也は終わっていないです。ここからもう一花咲かせたいと思っています」ヨガを取り入れ連敗脱出へ

2021/11/17 16:11
 2021年12月4日(土)エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館第1競技場)『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN』にて、スーパーファイトのK-1スーパー・ライト級3分3R延長1Rで大野祐志郎(ALL-WIN team 華王州)と対戦する大和哲也(大和ジム)が公開練習を行った。  大和がK-1のリングで試合をするのは昨年12月のK-1両国国技館大会以来、約1年ぶり。その間、7月11日に自身が所属する大和ジム50周年大会で久々にヒジ打ちありルールに臨むも、対戦相手のヒジ打ちで鼻を折られてTKO負け。現在は3連敗中で、2019年8月の近藤拳成戦を最後に勝ち星から遠ざかっている。  復活をかけてK-1のリングに戻ってくる大和が公開練習として披露したのはヨガだ。練習の一環として合氣道を取り入れていることでも知られる大和だが、この日はヨガの瞑想=“マインドフルネス瞑想”、ヨガの呼吸・姿勢を公開した。大和はヨガを始めた理由と効果をこう語る。 「自分が学んでいる合氣道でも氣の呼吸法と言うのがあるんですが、今日公開したのはマインドフルネス瞑想というものです。これは未来にも過去にもとらわれずに『今を意識する』『今を自覚する』『今を噛みしめる』という呼吸法のメソッドです。(実際やってみた感想は?)今…こうバタバタしている世の中で、未来はどうなるとか昔はどうだったとかあるなかで、どこまで行っても今しかない、と。それが現実であり、そういった部分で呼吸と向き合い、自分と向き合うことでは、自分にフィットするものだなと感じています。 (格闘技の練習に活きている部分は?)集中力…というか、集中力をつけるために、これをやったら集中力がつくのか? といったらそういう訳ではないですし、どんなに練習をしていても試合に出さなければ意味がないのですが、ここ一番で練習してきた一発が出せるかどうかには集中力が必要です。リングでの戦いは一瞬一瞬の戦いなので、自分と向き合うという部分で、自分を内観することは必要だと思いますね」  大和が所属する大和ジムは50周年を迎え、19年間指導を受けてきた守永光義会長が勇退。今回のヨガをはじめ、ボクシングジムにも通うなど、練習環境も大きく変わった。 「(守永会長が勇退して)これから自分がどうやってトレーニングをしていこうかと思っていた中で新たにボクシングジムに通い始めて。今更感があるかもしれないですけど、僕には守永会長の下でどれだけ強くなれるかというこだわりがあって、東京に行かなかったことにはそういう理由がありました。会長が勇退されても、自分にはK-1チャンピオンに返り咲くという気持ちがあるので、何か新たな学び・トレーニングを、と思った時にボクシングジムに行こうと思って今に至ります。 (精神的に変わった?)今年は怒涛の1年で、ホントにプライベートでも色々あったり、会長が勇退されたり。ジムの10周年大会も2回延期になったんです。そういった中で今回の12月の試合が決まって、色々と整えて試合に臨むことができるので、新たな大和哲也のリスタートになる試合だと思っています。(環境が変わっても気持ちは変わらない?)そうですね。本当に次はリスタート、新たなスタートという。自分の感覚としては2017年に今のK-1に参戦した時のような気持ちになれていて。もちろんあの頃より成長もしていますし、色んな事もあったんですけど、今すごく気持ちも入っているので、新たなスタートを踏み出す時が来たなと感じています」  キャリア16年の大和だが3連敗は初めての経験。昨年末の両国大会では引退を示唆し、今回の対戦カード発表会見では「生きている心地がしない」という言葉もあった。そんな日々を変えたのは新しい環境での練習であり、大和哲也としての再出発にかける想いがあるからだ。 「こんなに勝ち星に恵まれないのが初めてで、まさか自分がこんなに勝てない時期が来るのかと夢にも思っていなかったです。でもプロになって16年、長いキャリアを続けているとこういう時もあるんだなと。そのタイミングで守永会長も勇退されて、今回はターニングポイントになる試合だなと思っています。今回の試合の勝敗で格闘家というか、人生として左右される試合になると思うので、何が何でも勝ちにしたいです。 (会見では『生きた心地がしない』と語っていたが)いやほんとですよ。格闘家は勝ててないとほんとダメですね。(そのときは悔しい?それとも落ち込む?)本当に悔しいんですよ。自分はもっとやれるはずだって。それは自分で分かっているんですよ。でも周りの声や色んなものがあって、揺れてしまう自分もいる。自分はまだやれるという自信、それでも感じる悔しさと悲しさ。それが入り乱れて何とも言えない心境でした。でも新しい環境に身を置いてトレーニングすることで段々とそういう気持ちも拭えるというか、勝利に向かってトレーニングができているんで気持ちも変わってきました。 (昨年12月両国大会のバックステージでは、引退という言葉も出たが)佐々木大蔵戦も不可思戦なんかも自分らしくなかった、出し切れてなかった…というよりも歯車が噛み合っていない感覚があって。それだったら(格闘技を)やる意味があるのかな? と思ってしまって、引退を匂わせるような言葉を言ってしまいました。でもファンの方々、応援していただいてる方々が温かい言葉をかけてくれて。また自分は前を向いていこう! と。今回は大和哲也としてというより、自分の生きざまとして人生としてのターニングポイントになると思ってます。 (新しい練習の手応えは?)新しい練習を始めて学ぶことが多いですから、久しぶりに強くなれる自分に期待感を持てています。少しずつだけど良くなってきてる自分が楽しいし、少しずつでも強くなっている自分を楽しめている状態です。次の試合は自分の為の試合というか、周りの声を気にせずに自分自身の勝利のために向かって戦えると思っています。試合までにまだまだ磨き上げていけるんで戦うことが楽しみです。 (厳しい言い方をすると、大和哲也は終わったんじゃないかという雰囲気もあったが、そうじゃない?)大和哲也は終わっていないです。もう少しで34歳になりますが、ここからもう一花咲かせたいと思っています。歯車が合わないこともあるのが人生。縁が離れて消えて行くこともあるけど、それで終わるわけじゃない。今自分としては、ここが新たなスタートだととらえているので、ここをしっかり勝って来年につなげたい」  対戦相手の大野は今年からK-1 JAPAN GROUPのリングに上がり、Krushで2戦2勝(2KO)という戦績を残している。大和も「アグレッシブで前に出るタイプの選手。しかもアグレッシブなだけじゃなく倒す技も持っている。気は抜けないですね。大野選手も噛み合う試合になると思っていると思います」と大野の実力とファイトスタイルを評価している。  大野はかねてから「ずっと大和選手と戦いたかった」と大和との対戦を熱望し、大和へのリスペクトを言葉にしている。「そう言ってもらえることは感慨深いし、感謝もしている」という大和だが「リングではしっかりと叩きのめしたい。大野選手は僕より一つ上なんですけど、K-1には城戸(康裕)さんのように僕より年上でも活躍している選手もいるので、まだまだだろうというところは見せたいですね」と譲るつもりは一切ない。  また連敗中の試合でも「プレッシャーはないですね。絶対に負けられない気持ちはありますが、これはプレッシャーではなくて、ワクワクの方が強いです」と大和。負けたら終わりという悲壮感ではなく「『大和哲也、ここでどういう試合を見せられるんだ?』という自分への期待感。大和哲也のリスタート、今後の大和哲也に期待できる試合を見せられると思います」と前向きだ。  もちろんK-1のベルトを諦めたわけではない。過去2度の王座獲得失敗も「それは僕の座右の銘でもある“人生すべて必然”。だからこそ過去のキャリアに対しても感謝して、前を向いてベルトを獲りに行きます」と自分の力に変えている。 「僕はK-1のベルトを巻くために、K-1に戻ってきました。ここからリスタートして、必ずベルトを獲ると決めています。今回勝って、来年コンスタントに試合をして、1年後にはベルトに挑戦してベルトを獲ります。(過去にタイトルマッチ、王座決定トーナメントで敗れているが?)あそこで負けたのは負けるべくして負けたと思います。自分の座右の銘でもある“人生すべて必然”。僕はそう思っているので、だからこそ過去のキャリアに対しても感謝して、今は前を向いて行きたいなと、あの負けも肥やしにして、必ずベルトを巻きたいと思います」  取材の最後に「来年の目標はK-1のベルトを獲る。自分にとって9本目のベルト、3本目の世界のベルトを獲ります。次戦で新生・大和哲也を見せられると思うので、是非是非、強い大和哲也に期待していてください」と語った大和。大阪の地で“新生・大和哲也”が新たなスタートを切る。
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