2019年5月21日(火)都内にて記者会見が行われ、18日(土)に行われたAbemaTVの番組『格闘代理戦争 4thシーズン』で武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と皇治(TEAM ONE)が起こした騒動についての説明がされた。
会見の冒頭、中村拓己K-1プロデューサーは「乱闘があったことをK-1としてお詫び申し上げます」と深々と頭を下げた。続いて事情説明。
「騒ぎがあった後に私も含めて両選手と一緒に話し合いの場を設けて話し合いしました。そして会見を設置しました。今回の件ですが、煽りVでアマチュアの選手たちが本意ではない過剰な演出の部分があって、試合前からヒートアップしていました。当日メンバー同士の揉め事もあった中で試合が行われ、そこで感情的になった武尊選手が皇治選手を突き飛ばす場面があり、皇治選手も感情的になってマイクを投げる場面がありました。顔に投げるつもりではなくロープに当たって結果的に武尊選手の顔に当たってしまいました。でもマイクを投げるのは良くない行為です。その後、両選手がフラットになって話し合いをしました。その経緯を両選手から説明してもらいたいと思っています」
これまでK-1では記者会見でも乱闘騒ぎがあったが、今回は「直接試合しない選手たちがチーム監督という立場で、試合とは関係ない2人が騒ぎを起こした。そして結果的に武尊選手が怪我をした、今まであったこととは違うことだと思うので会見を設けました」と、これまでとは事情が違うためと会見を開いた理由を説明した。
その後、皇治と武尊が別々に登壇。まずは皇治が会見に出席した。
皇治は「どういう経緯があっても俺のやったことは申し訳ないと思っている。素晴らしい強い格闘家たちが上がっている舞台に泥を塗ったのは申し訳なく思っている。ファン、アンチを含めていろいろな人たちを裏切ることになったことは申し訳なく思っています」と謝罪。
ネット上では「チーム武尊のメンバーが控室で皇治軍団に絡んだ」との噂が出ていたが、「それは全くの誤解」と皇治は否定。「あいつらはやんちゃだからカメラが回っていないところで喧嘩はあった。喧嘩は両成敗だと思うから俺はそれは重要視していない。卑怯なことをチーム武尊が皇治軍団にしたことはないです。お互いに言えるのはカメラが回っていないところでやるのはおかしい、チンピラじゃないんだから。それを教えられなかったのは監督である俺の責任」と、試合前に揉め事はあったが、ネットで噂されているようなものではなかったとした。
この揉め事については武尊が「(控室の通路で)ウチの(橋本)実生が松本(日向=皇治軍団)選手と肩がぶつかって、その時につかみ合いをして、近くにいた(岡嶋)形徒と梅田(慎太郎=皇治軍団)選手が二人を止めに入っていたという状況でした。そこへ冨澤(大智)が来て2人を止めに入った」と詳細を説明。
しかし、この揉め事と武尊と皇治がリング上で争ったことは全く関係ないと両者は口をそろえた。武尊によれば、発端はこうだ。
「前回の試合で皇治選手がチームの見た目を口にした、そのことが僕の中でずっと引っかかっていました。僕に言うのはプロ同士なのでいいんですが、プロになる前のアマチュアの選手に皇治選手が髪型がダサいとかファッションがダサいと言ってしまうと、影響力あるので選手の印象になってしまうことがある。それに腹が立っていました。プロデューサーと話をしていて、番組を盛り上げるためのこともありましたが、許せないことがたくさんあり、試合後に皇治選手がリングに上がって喋ろうとした時に、選手たちが勝った舞台でそれを言われたら嫌だ、喋らせたくない気持ちが強くて、下がれって言って押してしまった」
この突き飛ばした行為に関して武尊は「実際押したのは危険な行為だと思うし、どんな理由があってもいけない行為だと思う。それは謝りました。生放送でしたのは反省しました。我慢しないといけないことだったので申し訳ありませんでした」と謝罪。また、皇治が投げたマイクが顔に当たって鼻頭が切れて流血したことについては「あれはたまたま怪我しただけで事故だと思うし、そこを攻める気はなくて、怪我も大したことないので心配しないでほしい」とした。
番組終了後、武尊は「それよりもK-1のイメージのこと、生放送中にしてしまったことが許せなくて、とりあえず一発やられたことはやり返そう、男同士の話し合いで一発殴らせろと皇治選手に言いました。それで対等に話せるならと皇治選手にも了承を得て、周りの人には止められましたが、今から殴りますと言って皇治選手も納得してもらって殴りました」という。これについては皇治自身も納得して殴らせたと話している。
「その後で皇治選手とも対等に喋れる、落ち着いて喋れるとなって皇治選手の謝罪を受け入れ、僕の気持ちもお互いの気持ちも話し合って、1~2時間2人で話をしました。その時に皇治選手の気持ち、格闘技やK-1に対する気持ちを聞いて誤解していたところがあったと分かりました。最後に盛り上げてイベントを締めるって意味もあったと聞いて、誤解していた部分もあったので、皇治選手とは和解することができました。手を出したことはお互いプロとしてやってはいけないことだったので、ファン、関係者、皆様に申し訳ないことをしてしまったと思っています。本当に申し訳ありませんでした」と、お互いのわだかまりが解け、和解したと説明した。
最後には両選手とも、今回の件で悪いイメージを持った人もいるかもしれないが、両チームの選手やK-1とKRUSHの選手は頑張っているので応援してほしい、と口をそろえた。
なお、中村K-1プロデューサーは「2人から説明があった通り、当人同士の間で和解したと判断しています。両選手には厳重注意を与えるという処分をさせてもらいます。このようなことを事前に防止できる策を講じていきます。これからもK-1をよろしくお願いします」と、両選手に厳重注意を与えるとともに防止策を講じていくと話した。<関連記事>武尊と皇治が格闘代理戦争での騒動を謝罪、21日に釈明会見