2021年9月24日(金)東京・後楽園ホール『Krush.129』にて、「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」の準決勝・決勝に臨む南雲大輝(八光流柔術総本部)が公開練習を行った。
7月24日のトーナメント1回戦で堀井翼との対戦の臨む予定だった南雲だが、堀井の体調不良による失格により、戦わずして準決勝に駒を進めた。「少しさみしい感じがした」と、当時を振り返った南雲だったが「今では気持ちを切り替えて、堀井選手からいただいた勝ち星を大切に、9月24日へ向かいます」と準決勝に取り組む構え。
公開練習では奥山道場長の持つミットへ鋭い左右ミドルの連打を披露。また揺れる的へ拳を打ち抜く八光流柔術独自のトレーニングも披露。最後にはプッシュアップ・ジャンプを繰り返す余裕を見せ、仕上がりの良さをアピールした。
準決勝の相手は、現在6連勝中と波に乗る瓦田脩二。南雲は、関係者も優勝候補の筆頭に名を上げる瓦田を「戦績もいいですし安定した戦いぶりもしている。自分はそういうところも少し憧れます」と素直に賞賛。過去に瓦田とスパーリングを重ねていたことを明かしつつ「試合の場で瓦田選手と戦わせてもらえることが楽しみです」と、臆する様子は見せずに難敵に立ち向かう心づもりを見せる。
その瓦田も、1回戦は昇也の体重超過により、戦う前に勝ち上がりが決定。ワンマッチとなった昇也との試合でも倒しきれず、不完全燃焼に終わった。いわば両者とも鬱憤をぶつけ合う一戦となるが、南雲はこの試合に満を持して”ラウェイサンダー”の投入を宣言した。
ラウェイサンダーは会見などではその名を聞かれていたが、実践ではまだ披露されていない。それどころか、技なのか動きなのか概念なのか、ファンも未だに実態をつかめていない謎の存在である。瓦田からも「ラウェイサンダーは金的蹴り」と揶揄されたが、南雲は「ああやって金的蹴りという言葉がでるということは、ラウェイサンダーをまだわかっていないということなので、安心している」と、瓦田の認識にNGを突きつける。そして「ラウェイサンダーは技として存在するし、今回の試合でラウェイサンダーをちゃんと出します」と、ラウェイサンダーが「技」であると明言し、瓦田戦での披露を宣言した。 瓦田戦をクリアすれば、決勝は里見柚己と弘輝の勝者との王座決定戦となる。南雲ははっきりと「里見選手にきて欲しい」と、昨年1月にKO負けを喫した里見との再戦を望む。トーナメント1回戦において唯一のKO勝利を挙げている里見に対し、南雲は「(前回の対戦から)1年半という時間はお互いに平等だと思いますが、自分は自分を叩き上げて、先生方に対する感謝の気持ちを持ってやってきた。そういうところをぶつけ合って打ち合って、お互いに成長できるような試合になったらいいなと思います」と、お互いが過ごした時間と成長を乗り越えて王座を奪取するイメージを描いた。
K-1 JAPAN GROUPへの参戦から約2年。悲願の初王座まであと2つと迫った南雲は、改めてKrushを「勇気がもらえるリング」と表現した。「見ているお客さんが明日もがんばろうと思えるような試合をして、チャンピオンになります」と、観客に勇気を与える王者を目指すと誓う。
その背景には、南雲自身が多くの勇気をもらって戦い続けた歴史がある。「僕は(格闘技で)立ち上がらせてもらった立場て、何度も背中を押してもらってきました。僕はそこに甘えてばっかりじゃいけないと思うから、今度は僕が転んでいる人を立ち上がらせてあげられるようになりたい」と、南雲は周囲やファンへの感謝の恩返しをすべく、王座奪取を目指す。
最後に南雲は「準決勝は瓦田選手、、準決勝は瓦田選手、決勝は里見選手と弘輝選手の勝者と戦ってチャンピオンになります。9月24日は僕のラウェイサンダーを楽しみにして下さい」とファンにトーナメントでの活躍を約束した。