2021年9月4日(土)東京・後楽園ホール『SHOOT BOXING 2021 act.4』にて、チャンスック・バーテックスジム(タイ/VERTEX)と対戦する海人(TEAM F.O.D)のインタビューが主催者を通じて届いた。
海人はシュートボクシング世界トーナメント『S-cup2018』で優勝するなどSBの絶対的エースとして君臨、65~70kgと幅広い階級で緑川創、“ブラックパンサー”ベイノア、イ・ソンヒョン、中島弘貴、健太など国内外の強豪を次々と撃破してきた。今後は70kgを主戦場にすると決め、今年2月には日菜太を破りKNOCK OUT-BLACKスーパーウェルター級王者にも就いている。4月にはモハン・ドラゴンにダウンを奪って勝利し、6月は第3代ZSTライト級王者・小金翔にも完勝して現在6連勝中。
相手がヒジ打ちが得意なのであればヒジ打ちで対抗したい
――まずは前戦、6月の小金翔戦を振り返っていただきたいと思います。
「向こうは打撃を捨てて投げを狙いにきて、僕は投げを回避して打撃で完璧に終わらせる感覚でやり合っていたので、お互いにずるずると行ってしまい、噛み合わない試合になりました」
――圧倒する試合内容でしたが、それで試合後は納得のいかない表情だったんですね。
「そうですね。1Rやっただけのような感覚でスタミナも全然切れていませんでした。どの試合でも自分が蹴った足が腫れていたりするのですが、今回に関してはそういうのもなく無傷でしたし、ただ試合が終わっだけの感覚でしたね」
――小金選手はMMAファイターということで、投げに徹した戦いをしてくるのはイメージしてました?
「想定していたのですが、小金選手は僕が打撃で仕留めようと前に出ているのを察してうまいように避けて組み付いていましたね」
――得意のヒジ打ちありの試合でもありましたが、手応えがあったものはありました?
「全くありませんでした。唯一、感触があった攻撃はストレートだけでした」
――小金戦を経て、得たことはあります?
「そういう展開になった時でも自分が打撃に固執するのではなく、うまく自分だけが打撃を当てられる距離感、リズム感を取れる動きを身体に染み付けることを練習で意識するようにしています」
――次の相手は元ラジャダムナンスタジアムランカーのチャンスック・バーテックスジムに決定しました。試合映像は見ました?
「今年6月のYETI達朗戦を映像で見たのですが、タイ人独特のリズム感でフェイントをかけたヒジ打ちが巧いなと。一瞬の隙を狙ってヒジを打ち込み、相手の鼻を折っていました。タイ人は誰もそうですが、小さい頃から積み上げてきたものがあり、相手の攻撃のタイミングで攻撃を合わせてくるのでそういう面は強いと思いましたね。僕はここ数戦、燃えるような相手と試合ができていなかったのですが、今回の相手に関しては『この選手とやりたい、勝ってみたい』と思わせてくれる、久々に張り切った自分を出せる感覚になりました。相手がヒジ打ちが得意なのであれば、僕もヒジで戦ってみたいですね」
――これまでに海人選手のタイ人選手との戦績は5戦して3勝2敗と勝ち越しています。タイ人と戦っての相性はどう感じていますか?
「悪くもないし、良くもないと思います。あのタイ人のリズムを崩して自分のリズムで完璧に飲み込めてしまうような展開はできていないので、そうなるように今作り上げています」
――試合展開はどういうものをイメージしてます?
「今までとは違う対タイ人のリズムを作っているので、それをうまくはめていきたいと思っています」
――前回のチャンスックのヒジでのTKO勝ちが強烈だっただけにヒジで勝ちたいというのもあります?
「それはやはりあります。相手がヒジ打ちが得意なのであればヒジ打ちで対抗したいと思いますし、僕も久々にヒジ打ちを交ぜて戦っていきたいと思います」
――ちなみに海人選手は相手の攻撃をもらって顔が腫れたりしたことはあります?
「一度、チャムアトーンとやった時(2018年9月15日)にヒジをもらって目が腫れたことはありましたが、パンチや蹴りで顔に傷が付いたことはないですね」
――ヒジ打ちを一度もらっているからこそ次はもらわない自信も?
「もうもらうことはないですね。僕は元々、攻撃をもらいませんし、もらっても攻撃を流していて、効かされないように防御面は徹底しています。僕は当てさせず、自分が当てて勝ちたいという理想が強くあるので攻撃はもらわないのかなと思います」
――最近では国内では相手がなかなか見つからないことでONE出撃もアピールされていました。その後、動きはありました?
「いろいろと話はあるのでシュートボクシング(以下SB)協会には動いていただいて、今はまだコロナの状況なのでうまくはいっていませんが、徐々に動いてます。誤解があるので言わせてもらうと、僕はONEに今70kgの世界の強い選手たちが集まっているようには感じていて、あの日、記者の方から『ONEとかそうですか?』と聞かれたので『それもイイですね』と答えただけなんです。SBのリングでそういう世界の強い選手を呼んでいただけるのであれば、シュートボクサーの僕はもちろんSBのリングでやりたいです」
――今後の海人選手の動向に注目ですね。最後にファンにメッセージを。
「久々に自分がやりたいと思わせるような相手が用意されてワクワクしています。そういう面を含めて楽しんで戦い、強い姿を見せるので楽しみにして下さい。そしてこれから僕が世界に挑戦し、結果を残していく姿を見ていて下さい」