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【MMA】ハビブ・ヌルマゴメドフ「リングガールは不必要」に反響

2021/08/25 18:08
 29戦29勝無敗のまま現役を引退した元UFC世界ライト級王者のハビブ・ヌルマゴメドフ(ロシア・ダゲスタン)が、Q&Aイベントに出演。「リングガールはMMAで最も不必要」と語った。  引退後、ロシアのゴリラFCを買収し、イーグルFCと名付け、プロモーターとしてロシア系ファイターを育成し、メジャー団体に送り込んでいるヌルマゴメドフ。この言葉は、彼が持つイーグルFCの大会でリングガールがいない理由を問われて答えたものだ。 「これは私の個人的な意見で、誰も怒らせたくはないけど、リングガールはMMAで最も不必要な存在だと思う。画面を見れば、2ラウンド目であることは分かるし、2R目が始まるのに、なぜ彼女たちはそこを歩いているんだ」とヌルマゴメドフは語った。  ヌルマゴメドフはかつて、女子MMAの試合について積極的な賛成をしなかったように敬虔なイスラム教徒でもある。しかし、元王者はそれが文化の違いであることも理解している。ヌルマゴメドフは、そこにもし家族が一緒にいたら、その状況に違和感を覚えただろうと明かした。 「人にはそれぞれ好みがあり、異なる文化や価値観がある。例えば、私が父と一緒に会場に座っているとしよう。私が父と一緒に座っていて、その人たちが2R目だと見せて通り過ぎる。誰もそのプレートを見ないし、父と一緒に座っていても落ち着かないんだ。  私はそれ(リングガール)に反対しているわけじゃない。やりたければやればいいけど、私の団体に押し付けずにほかでやってほしい。そのための場所があるはずだ。全部を混ぜてはいけないと思う。繰り返すけど、これは私の個人的な意見です」 (C)Zuffa LLC  かつてロシア人リングガールのアンナ・ガロシキナは、ヌルマゴメドフの前でビキニを覆うガウンを着用した。  後日、彼女はメディアの取材に「彼は最高のアスリートであるだけでなく、私にとっての男性でもあるのです。彼はロシアの誇りであり、偉大なMMAファイター。もちろん、このイベントに参加したゲストは、リングガールが急に長いスカートを履くのを見てショックを受けたかもしれません。でも、私はハビブの意見や宗教を尊重していますし、彼に不快な思いをさせたくありませんでした」と、その行動を語っている。 [nextpage] UFCファイターによる「リングボーイ」も登場  UFCのオクタゴンガールの中には年収7桁と報道されているスターもいる。一方で、各スポーツのチアリーダー同様に、勇猛果敢な戦いとのコントラストとして、その合間に華やかな美しさを見せることがビジネスモデルにもなっている。  初期の大学チアリーダーなどは男性が務めており、現在、米国には「スタント」を務める男性チアのほかに、女性チアと同じように「ダンス」を披露する男性チアも存在する。  最もタフなスポーツの一つであるMMAも、女子に門戸を開放してきた。2012年11月に北京オリンピック柔道70kg級銅メダリストのロンダ・ラウジー(米国)がUFCと契約。UFC初の女子選手として、メインイベントも務めている。  同時に、女子のみの大会Invicta FCでは、公開計量時にファイターに寄り添い、観客がいる大会ではラウンド間にリングカードを持ってケージの外を歩く男性もいる。  2018年3月、日本の魅津希とヴィルナ・ジャンジローバがメインを務めた(後に2人ともUFCに転身)「Invicta FC 28」で、初めて「リングボーイ」を務めたトロント出身のエリアス・セオドロウは、当時現役のUFCファイターだった。  会見でセオドロウは、「リングボーイとして初めて登場したときは正直なところ、人々がどう思うか少し心配だったけど、本当にうまくいった。ファイターとしてのプロフィールのおかげで、人々はリラックスしていたし、僕自身もこの仕事への敬意を持ってリングボーイをしたから、イベントから気が散ることはなかったと思う」と語っている。  そして、そのときセオドロウは、Invictaの女性社長のシャノン・ナップと交渉し、「すべてのスポンサーをショートパンツに入れることが出来た」と、搾取されることは一切なく、自身のプロモーションとしても成功したことを語っている。  エンターテインメント・コンテンツのひとつとしてプロスポーツの見せ方も時代とともに変化している。世界が反応したヌルマゴメドフの一言は、彼の宗教観を表したものであったとしても、コンバットスポーツの見せ方を考えるきっかけになっている。
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