堀口恭司が2021年8月21日に米国フロリダの自宅からWeb「ファンミーティング」を開催。2021年初頭に新型コロナウイルスに感染していたことを明かした。
愛犬ピットブルのロイを紐であやしながら携帯で「ファンミーティング」に参加した堀口恭司。冒頭から「滅茶苦茶元気ですね。いつでも。あんまり落ち込んでいるときはないですね」と、練習後ながら笑顔でファンからの質問に回答していった。
米国での新型コロナウイルスについて聞かれた堀口は、「半年以上前ですけど、たぶん自分もコロナかかりましたよ」と告白。(※【追記】検査では陰性)
「ATT(アメリカントップチーム)でほかの選手もかかっていて、2週間自宅で隔離したんですけど、1日、2日ちょっと熱が出て、治ったなと思ったら、味覚も嗅覚も無くなって、味覚と嗅覚はかかってから1週間くらいで戻りました。それ以外は、もう全然、何もなかったですね。身体にほかの疾患があるとヤバいみたいですけど、自分は2日くらいで熱も引きました」とファンを安心させた。
【写真】2020年12月31日、約1年4カ月ぶりの復帰戦で朝倉海を1RTKOに降し、王座奪還&リベンジを果たした堀口恭司。返上したもうひとつのベルトBellatorバンタム級王座奪還はいつになるか。
2020年の大晦日には、米国から来日して朝倉海とのタイトルマッチに臨むために、現地と日本でPCR検査を行い陰性、隔離生活も送ってきた堀口。しかし、現在フロリダ州では、新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大の影響で感染者数が再び増えており、ATTでは現UFC世界女子フェザー級&バンタム級王者のアマンダ・ヌネスに陽性反応が出て、8月7日(日本時間8日)の『UFC265』でのバンタム級王座防衛戦をキャンセルしている。経済活動に制限をかけない方針の同州では、ワクチン接種を推奨するものの、ロックダウンや屋外でのマスク着用の義務化の実施については行っていない。
そんななか、半年前に罹患していた堀口はすでに回復し、次戦に向け日々練習を行っており、YouTubeも新メンバーが加入。Webではファンミーティングを行うなど、精力的に活動している。果たして次戦はどうなるか。
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いま堀口がストレスなく試合が出来るのは米国、年末にワンチャンは──(榊原CEO)
8月21日(土)にRIZINの無観客配信の新シリーズ『RIZIN LANDMARK vol.1』(10月2日開催)の会見を行った榊原信行CEOは、囲み取材で堀口の次戦が、Bellatorになるか、RIZINになるかを問われ、現時点で未定ながら「米国で試合をすることになるかな」と語っている。
榊原CEOは、「いま堀口がストレスなく試合が出来るのは米国。大晦日には(日本に)戻したいけど、その前に1回、アメリカで試合をするのかなと。Bellator、堀口とも話しています」と、まずは、返上したBellator王座の奪還を目指すことになるだろうとした。
現在UFC、Bellatorともにバンタム級は群雄割拠の黄金階級となっており、Bellatorでは、5月のバンタム級タイトルマッチで挑戦者セルジオ・ペティスがフアン・アーチュレッタに5R 判定で撃破。新王者は、堀口が持つRIZIN王座とのダブルタイトルマッチをアピールしている。
【写真】2021年5月のBellator 258でアーチュレッタを破り、新王者に就いたセルジオ・ペティス
また、8月13日には、前UFC世界バンタム王者ピョートル・ヤンと1勝1敗の3位のマゴメド・マゴメドフ(ロシア)と、MMA8連勝中で4位のラフェオン・スタッツ(米国)がBellatorで対戦し、スタッツが判定勝ち。優勝賞金1億円の「バンタム級ワールドGP」の開催をリクエストし、同門王者のペティスとの対戦も辞さない構えを見せている。
【写真】強豪マゴメドフに勝利したフェオン・スタッツはバンタム級GP開催をアピール
そんな状況下で、堀口恭司はいつ王座戦線にマッチアップされるか。そして日本での試合の可能性はあるのか。
榊原CEOは、「アメリカで試合をして、ひょっとしたら、年末にワンチャン戻ってきてということもあると思うけど、そのときに、(対戦相手は)日本人しか戦えないとなるなら、(バンタム級)ジャパンGPもあるなかで、誰と試合をするのか。
まだ海外から日本への入国が拒否されている状況が続いていて、それがいつ解禁になるのか目途が立っていない。9月も10月も外国人選手は呼べない。ひょっとすると大晦日も呼べないかもしれない。ムサエフも9月に試合する気満々でアメリカでトレーニング(※サンフォードMMAで練習)しているんですけど、どうしたものかなと……。
そういうものの解決策のひとつとして、日本人の堀口は2週間の隔離があれば入れるけど、東京五輪のようにバブル方式で(隔離は)3、4日でトレーニングが再開できればいいなと思っています。そのくらいだったら選手も待機できる。ワクチンを受けて、PCR検査も陰性ならばいいじゃないかと思います。人生を賭けて試合をする選手にとっては切実な問題です」と、2021年下半期から2022年にかけての堀口や、海外選手の参戦についての展望を語っている。
「Bellatorのスコット(コーカー代表)とも話していて、アメリカは7月の末のLAの大会から『ノーマスクでフルの観客を入れてやれるんだよ』と言いながら、また環境が変ってきているので、どうやらコロナと共存していく世の中は避けては通れないと思っています。
何か良い答えが見い出せれば。もうしばらく状況を見て、結論は先伸ばしにして様子を見守りたいなと思います」と語った榊原CEO。日米のみならず世界で新型コロナウイルスの感染状況が日々、変わる中、ファイターも団体も来るべき時に備えて、粘り強い戦いを続けている。