長老スタイルで登場した城戸。43歳で引退試合に向かう山内に「K-1の最年長記録は渡さない」と張り切った
2021年9月20日(月・祝)神奈川・横浜アリーナ『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN~よこはまつり~』の第2弾決定対戦カード発表会見が、8月4日(水)都内にて行われた。
スーパーファイトのK-1スーパー・ウェルター級3分3R延長1Rで、城戸康裕(谷山ジム)が山内佑太郎(HALEO TOP TEAM)と対戦する。
今回が78戦目となる城戸は38歳の大ベテラン。2019年3月のK-1ウェルター級タイトルマッチでは敗れたが、元々の階級であるスーパー・ウェルター級に復帰すると連続KO勝ち。しかし、今年3月の「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」では準決勝で若い和島大海に判定で敗れた。11月の『スーパービッグバン』で藤村大輔に判定勝ちで再起を飾ると、今年3月には松下大紀にダウンを奪われるも逆転KO勝ち。戦績は52勝(24KO) 24敗1分。
山内は2002年1月に全日本キックでデビュー。2003年3月に全日本ウェルター級王座、2006年4月に全日本スーパーウェルター級王座を獲得するなど活躍。2007年4月にはK-1 WORLD MAXに出場し、ドラゴと対戦している(3RにTKO負け)。2010年9月にWBCムエタイルール日本統一スーパーウェルター級王座を獲得し、Krush初期にも活躍した。2018年1月にKrushスーパー・ウェルター級王者ジョーダン・ピケオーに挑戦するも2RにKO負け。今回はそれ以来、約3年8カ月ぶりの試合となる。戦績は28勝(11KO)18敗5分の43歳。
会見に出席した山内は「僕は長年キックボクシングをさせていただいて、22年くらいさせていただき後半の10年はKrushを主戦場にさせていただきました。70kgのベルトを獲りたくて辞められずにいたんですが、40歳の時にピケオー選手に挑戦してコテンパンにやられて、さずがに無理かなと。22年戦ってきて初めてそういう気持ちになったので引退を決めました。ただ、僕には22年間ずっと応援してくれた仲間がいて、たくさんのファンがいる選手ではなかったですが、必死に応援してくれる仲間がたくさんいたので、この試合が山内の最後の試合になるよというのを見せたくてK-1にお願いしました。最後の試合なので格闘家として強い選手と戦いたいとの想いも伝えて、城戸選手も引き受けてくださってありがとうございます」と、この試合を引退試合にすると発表。
城戸は「僕はK-1で最年長でやっているんですよ。山内さんは僕の5個上なんです。畑を荒らさないでください。そこに入ってくるのはやめて欲しいなと思って。山内さんはK-1初参戦なので、最年長は俺だというのをバシッと見せようと思ってこんな感じです」と、長老スタイルでK-1最年長選手をアピール。
ラストマッチを迎える山内は「たくさんの想いはありますが、ネガティブな気持ちでなくポジティブに。K-1最年長でやられている城戸さんとその上を行く僕が試合をするというのは、他の選手たちとは違う色があると思う。アラフォーの試合を同年代の人たちに見て楽しんでいただきたい」と、アラフォー同士の試合でこそ見せられるものがあるのでは、とする。
城戸が「これで最後なんですか? 僕が負けても変わらないですか?」と問うと山内は「辞めます」と、勝ったとしても現役は続けないと答えた。
「じゃあ、俺はどうすればいいんだ」と負けた時のことを考える城戸だが、「山内さんと僕は、僕が高校生か10代で山内さんが24~25歳でバリバリの時に新空手で試合をしています。ボコボコにされて、普通に負けた。8年前にKrushで再戦してその時にリベンジは出来ました。だから今回は1勝1敗なので。10代、20代で戦って30代でもう一度できる。アラフォー同士が殴り合ってる面白さを見せたいですね」とのテーマを打ち出す。
山内は「新空手の時はバリバリとおっしゃってくれましたが、初出場で格闘技を始めて1年くらいでした」と訂正し、「アマチュアを経て、団体は違うけれどプロで活躍している城戸さんをチェックしていました。K-1でも見ていて、凄いなってリスペクトと嫉妬の気持ちが交じりながらずっと見させていただきました。最後に強くて面白くてカリスマ性のある城戸選手とやれるのが嬉しいです」と、ずっと見てきた城戸と最後に対戦できる喜びを語る。
43歳となった今、コンディションはどうなのかと聞かれると「正直ピケオー戦までは周りの人はどう思っていたか分かりませんが、自分自身は勝てると思っていました。負けてからその後はメンタルの部分もあると思いますが、42~43歳になって練習してみて物凄い衰えを感じています。でも、このタイミングで試合が出来るのはラストチャンスかなと。自分のパフォーマンスをしっかり見せるという意味でも」と、今がパフォーマンスを発揮できるラストチャンスだと捉えていると答えた。
その中でも「上がっている部分は経験値。僕のスタイルは強いパンチや蹴り、スピードがあるタイプじゃない。何も持っていない僕がどうやったら勝てるかをずっと22年間考えてやってきました。その集大成として。テクニックで言えば城戸選手はダントツなので、そこに僕の経験がどこまで通用するのか。そこも楽しみたいし、見ている人も楽しんでもらいたい」とした。
城戸はその想いをどう受け止めるかと聞かれると「有終の美を飾ってもらわないといけないので、軽くもらったジャブで倒れようかなと思いますね。僕が倒れれば一番会場が盛り上がるので、それがいいと思います。あとはリングを降りて新横浜に帰ります」とジョークで答えたが、「やらせはダメらしいのでちゃんとやります(笑)」と答える。
そして城戸は「(最年長を山内が)勝手に更新していますから。僕はあと5年やらないといけなくなった。僕はK-1の最多試合数をまずは狙っているんですよ。佐藤嘉洋さんがK-1の日本人でいうと80戦(の最多記録)。僕は次が78戦目なので81戦をやって来年サクッとやって。僕が43歳の時には100戦行けたらいいなと思います。目指せ100戦。5年と言わず、5年、10年、喜んで」と、自分はまだまだ現役を続けていくと宣言した。
<発表対戦カード>
▼スーパーファイト K-1ヘビー級 3分3R延長1R
京太郎(チーム京太郎)
シナ・カリミアン(イラン/POWER OF DREAM)
▼スーパーファイト K-1スーパー・ヘビー級 3分3R延長1R
石井 慧(クロアチア/チーム・クロコップ)
愛鷹 亮(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
▼スーパーファイト K-1スーパー・ウェルター級 3分3R延長1R
城戸康裕(谷山ジム)
山内佑太郎(HALEO TOP TEAM)
▼スーパーファイト K-1スーパー・ライト級 3分3R延長1R
林 健太(FLYSKY GYM)
佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
▼スーパーファイト -61kg契約 3分3R延長1R
卜部弘嵩(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
芦澤竜誠(Dragon Fish)
▼スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R
村越優汰(湘南格闘クラブ)
西元也史(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)
▼スーパーファイト K-1スーパー・フェザー級 3分3R延長1R
朝久裕貴(朝久道場)
MOMOTARO(OGUNI-GYM)
▼スーパーファイト K-1フェザー級 3分3R延長1R
小澤海斗(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)
國枝悠太(日本/二刃会)
▼スーパーファイト K-1女子-53kg契約 3分3R延長1R
壽美(NEXT LEVEL渋谷)
櫻井梨華子(優弥道場)