マッキーみたいなヤツとはやってる、よく分かってるよ(パトリシオ)
──パトリシオ、あなたのレガシーとしてもっとも大きな試合だと思っていますか?
パトリシオ 俺のキャリアのなかでも最大級の試合の一つだ。これまでにもタフな相手とは何度もやってきた。マイケル・チャンドラー、あのカスへの勝利はリベンジだった。今回は自分の才能を見せるいい機会だ。
── AJ、これまでの対戦相手に無くて、あなたに存在するアドバンテージとはどんなものでしょうか。
AJ 自分のほうが速いし、自分のほうが若くて強くて、それに自分のほうがスマートに戦える。意味わかる? 自分の距離で、彼に戦わせる。みんな彼に突き進んでラッシュしようとするけど、そうだな、彼がどうするか見ものだ。
──同じ質問をパトリシオにも聞きたい。無敗の彼に初黒星をどうやってつける?
パトリシオ 彼自身が想像している通りだと思うけど、彼はめちゃくちゃナーバスだろうね。俺とケージの中にはいたくないだろう。俺は、そう感じるね。
──AJ、2015年4月のデビューの時から今週の土曜日に起きること──世界王者になることについての話を聞いてきたことになるけど、数日後にその時を控えてどんな気分ですか?
AJ これまで言ってきた通り、この瞬間のためにやってきた自分にとって、この試合のための準備期間は、自分のトレーニングのすべてであり、自分の人生を賭けている。つまり22年だ。この瞬間のために築き上げてきた。ナーバスだって? やれやれ、キッズレスリングの頃から何千人を前にした大舞台に上がってきたんだ。あいつ(パトリシオ)は俺がナーバスになってると思っているのかもしれないけど、それはあいつが自分のことをちょっと振り返って、自分の小っちゃさを俺に押し付けてきているんだろ。
王者になって、父のレガシーを刻み続ける(AJ)
──AJ、チャンピオンがタイトルマッチで何もかもを失うかもしれない存在で、あなたとしては、Bellator史に残る王者となることに、自分のスター性に賭けている?
AJ もちろん、多くのことが懸かっているのは確かだ。無敗であることっていうのは特別な「0」で、戦っているのは領収書の「6」(ケタ)のためだけではない。その特別な「0」の記録によってレガシーを築き、またチャンピオンとして、父(アントニオ・マッキー)のレガシーを刻み続ける。毎日、父さんのチャンピオンのポスターを見てきた。今こそ、自分のベルトを手に入れるときなんだ。
──AJ、もしここであなたが勝ったら、リマッチは155(ライト級)のタイトル戦に?
AJ もちろんそうだ。ここで18勝無敗になって、もうこのフェザー級に何も残るものはない。じゃあ、これ以上自分に何ができるだろうか? 155のタイトルも制したいよね。コナー(マクレガー)がそれをやる前から、自分はそう言い続けてきた。誰も達成していない頃から、“チャンプ・チャンプ”になるって言い続けてきたんだ。自分の目標に突き進める時がきた。
──ピットブルへ。マッキー父子は、あなたとのサイズ(※パトリシオが身長168cm・リーチ166cmに対し、AJが身長178cm・リーチ187cm)についての強みを言及しがちですが、身体の大きさもそうですが、若さなどについても(※AJは26歳、パトリシオは34歳)。みくびられているなと感じていますか?
パトリシオ 敵がミスを犯している時は、邪魔するべきじゃない。
──なるほど。それはそれでいいですね。AJへ。あなたは「MMAのメイウェザーになりたい」と言っていましたね。どれほどこの瞬間を待ちわび、どれだけわくわくしているのでしょう。
AJ 22年間、この瞬間を夢見てきた。その瞬間が今ここに訪れたのだから、それを受け入れ、1秒1秒を楽しみ、それを積み重ねていくんだ。
──ピットブルへ。AJとのリーチ差に対する準備は?
パトリシオ マッキーみたいなヤツとは4回やってる。ダニエル・ストラウスだ。だからやりやすいし、ジムにマッキーのような選手、というか彼よりいいトレーニングパートナーがいるし、技術的な点でも優ってる。同じようにやってやるさ。お前のことはよく分かってるよ。
AJ 俺をご存知とはね、ありがとさん。
──AJ、あなたはプロ17戦をすべてBellatorで戦ってきたBellatorの叩き上げですが、チャンピオンシップの4R、5Rの戦いというのは経験していません。それを知るパトリシオと戦う準備はいかに出来ていますか。
AJ 彼を引きずり下ろすだけのこと。そのラウンドまでいかない。チャンピオンシップのラウンドまで彼は持ち込みたくないだろうってことは分かっている。そうなったら自分は5分5Rで戦える。パット・カーランとの試合がいい例だ。5分3Rの楽勝だった。ああやって、さらに2Rこなすっていうのはバッチリだ。
──AJ、3歳の小さな弟に、土曜の勝利で掴み取ったものを家族として、いかに継承していくことになりますか。
AJ ハードワーク。努力すること、そして、献身。それこそが鍵だ。いや、3歳の弟はすでにジムに行くのにハマって、アームバーやら、ヒールフックやらやってる。そんな3歳児に対して思うことっていうのは、格闘技の技をしっかり想い、愛するべくして戦うということであり、スポーツを愛するために、戦えるようになってほしいってことだ。分かるかな、つまりあの子が必要を感じて、カネを稼ぐために戦わなくちゃいけないなんて状況じゃなくって、好きなことをやりたくってそうしてるっていうことであってほしいんだよ。カネはそのご褒美でしかない。そういう動機であってこそ、彼が頭角を現したときに、みんなを惹きつける存在になれると思う。
──ピットブル、155ポンドであなたを待っている人にもメッセージを。
パトリシオ さあ、チャンドラーをやったのは2019年。で、パンデミックが起きて、みんなが“待ち”の状態になってしまった。それは自分も自分の兄(パトリッキー)だってそうだ。スコット(コーカー代表)と話して、面白い発表ができるかもな。
──AJ、ピットブルから侮辱されたというのは?
AJ 何がディスリスペクトだったか知りたいのか? 俺はピットブルに「新聞にサインしてほしい」って頼んだんだ、いつか壁に飾るために。ディスリスペクトっていうのは、俺の写真をかき消したこと。無礼じゃないか?
パトリシオ お前の親父は……。
AJ おい止めろ、お前、親父の前で俺の「ぶちのめす」って言ったの覚えてるか? じゃあ俺も「お前の嫁とガキの前でお前をぶちのめす」。どうだ? 無礼なことを言いたいか? もう無礼は許さない。全部暴露してやるからな。
パトリシオ ああ、お前の親父の前でぶっ倒してやるさ。おっぱじめようってのか? おい(立ち上がって罵り合う)。クソが! 俺の息子のことを言うなよ!
AJ お前が俺の親父を……!