キックボクシング
インタビュー

【KNOCK OUT】ぱんちゃん璃奈が過去最強の敵を相手にも絶対の自信「必ず圧倒できるし、しっかりとキレイに当てればダウンも取れる」

2021/07/07 18:07
 2021年7月18日(日)東京・後楽園ホール『KNOCK OUT 2021 vol.3』にて、過去最強の敵であるミネルヴァ・ライトフライ級王者sasori(テツジム/PRIMA GOLD)とスーパーファイトのKNOCK OUT-BLACK女子-48.4kg契約3分3R延長1Rで対戦する、KNOCK OUT-BLACK女子アトム級王者ぱんちゃん璃奈(STRUGGLE)のインタビューが主催者を通して届いた。  ぱんちゃんは2019年2月にプロデビューすると、8戦目でMISAKIを破りKNOCK OUT-BLACK女子アトム級王座を獲得。前戦は5月に再戦となったMIREYを初回KOに下し、デビュー以来無敗の10戦全勝(2KO)を飾った。 拳も治って100%の力で打てるようになった ──先日、テレビ朝日系「ノブナカなんなん?」の密着第2弾が放送されましたが、MIREY戦がKOで終わったこともあって、今回もいい内容になっていましたね。 「自分で見て感動しました! よくTV番組が密着してる試合で一発KOできたな、持ってるなと思いました(笑)」 ──前回よりも反響は大きかったのでは? 「取り上げられたのが2回目だったので、私のことを知ってくださってる方が多かったんですよ。だから反響は前回の方が大きかったです」 ──ああ、前回の放送では、それを見て初めてぱんちゃん選手を知った人が多くて、今回は知っている状態で見たという人が多かったと。 「そうですね。でも今回は本当にいろんな方に『感動した』って言ってもらえて、ありがたいです。また頑張るためのパワーになりました」 ──番組内でも出ていましたが、この先もまた密着があるらしいですね。で、その番組でもハイライトになったMIREY戦のKO勝利ですが、あの余韻はいつ頃まで続きましたか? 「1週間ぐらいありましたし、映像を見るたびに『ああ、頑張ってよかった』と思いました。それと、あの試合の時は拳がちゃんと使えてない状態だったので、その後がすごく伸びたんです」 ──試合後に明かされてましたね。 「はい。水が溜まっちゃってて、試合1週間前までは2割の力でしか打てなかったんです。だからシャドーボクシングとかばっかりやってて。最後の1週間でお医者さんに水を抜いてもらって、7割ぐらいで打てるようになりました。本番でも7割しか使えなかったんですけど、試合後はしっかり休んで拳も治って、100%の力で打てるようになったので、全然違うんですよ。だから次の試合がすごく楽しみです」 ──なるほど。MIREY戦までの練習でいろいろ掴んで、本番の試合ではあのKOパンチが出せて、なおかつ今は拳が治って100%の力で練習できていると。 「今はもう100%どころじゃなくて、120……いや、もっと行ってますね(笑)。試合からの1カ月半でまたかなり変わって、すごくよくなってます。ボクシングジムとパーソナルトレーニングに行き始めた効果があって、軸がある重いパンチが打てるようになってきました。今まで速いだけのパンチだったんですけど、しっかり打ち込めるようになって。『これぐらい強くなるかな』と自分で思ってた分はしっかり超えてきたので、今はもっと上を目指して頑張ってる感じです。正直、もう最初の目標は達成したというぐらい強くなれてるので」 ──では、日々の練習も楽しいのでは? 「疲れます(笑)。強くなったなと思うので楽しくはあるんですけど、それよりも疲れの方がきてて。今は試合で試すのが楽しみという感じです」 ──追い込みも佳境に入る感じですか。 「日々追い込んでるんですけど、自分のパワーもどんどん上がってきてるので、どんどん疲れやすくなってきてて(笑)。試合までの期間はボクシングの練習もちょっと増やしたりして……今はキックの練習が週8、パーソナルが週3、ボクシングが週2で、今は週13回練習してるので」 ──その中でsasori戦に向かっているわけですが、そもそもsasori戦が発表された時の反響も大きかったんじゃないですか? 「大きかったですね。もともと『戦ってほしい』という声がけっこうあったし、sasori選手はいろんな選手と戦っているので比較対象になるということもあって、おいしいなと思ってます」 ──そこはやっぱり意識するんですね。 「逆に他の選手たちが意識するかなと思ってますね。『どれぐらいやるのかな』という目で見られると思うので、そこで圧倒すれば『やっぱり強いんだ』と思ってもらえるだろうと」 ──ただ、もともとは「少し高い壁に挑む」という意識だったのでは? 「最初はそうでしたね。階級も3kg違うし、『挑戦する』という意識、『僅差でも勝てればいい』という意識だったんですけど、今は正直思ってないです。圧倒して勝つことしか考えてないし、僅差で勝っても……うれしいかもしれないけど、それでは他の女子選手たちと一緒になってしまうので、そこは目指してないです。普通にパフォーマンスを出せれば、必ず圧倒できるし、しっかりとキレイに当てればダウンも取れると思っているので、『勝てばいい』という気持ちではないですね」 ──sasori選手の持ち味はあの攻撃力と突進力だと思いますが、そこについては? 「全然止められると思ってますし、脚を使います。蹴りという意味ではなくて、フットワークを使います。詳しいことは言えないですけど(笑)。他の女子選手たちがあの突進に巻き込まれたのも見ているので、私はそうならないように、しっかり脚を動かします」 ──では、ここまでsasori選手が知名度を上げてきたいくつかの試合とは、全く別物になる? 「そうですね。あの頃はsasori選手の映像もまだあまり出回ってなかったと思うので、驚いて呑み込まれたという選手もいると思います。でも、動きをしっかり見て、どういうタイプか分かったら、突進型よりテクニックを持ってる選手の方が必ず勝つと思ってるので」 ──そして、MIREY戦でやれたKOをもう一度、という気持ちも強い? 「それはあるんですけど、考えすぎると力んでしまうので。ただ、今は前回よりもさらに、ちゃんと当たれば倒れるパンチになっているので、狙いにいかずに『当てる』という意識でダウンが取れたらいいなと思ってます」 ──試合後のコメントで驚いたのが、「試合直前に相手のアゴの位置をしっかり確認して、そこに打ち込めたから倒せた」という発言でした。これまではパンチが得意なわけではなかったのに、落ち着いて正確にポイントを打ち抜けたということですよね。 「拳をケガしてたということが大きかったと思います。それまでは手数で勝負していたんですけど、ケガのために『何度もは使えないな』と思ったので、会長にも『見えたところしか打たないようにします』って言ってたんですよ。『拳を大切に使います』と。だからあまり右を出さなくて、逆にそれがよかったんだと思います」 ──では、拳が治った後も、その経験だけは今後に生きると。 「そうですね。今は手数じゃなくて、一発一発しっかりと腰を入れて打った方が相手にも効くと分かったので、そういう練習をしてます」 [nextpage] sasori選手は今の私にとっては負ける段階の相手じゃない ──負傷したこと、試合前に十分に打てなかったことなど、全部がいい方向に働いてますね。さて、試合が行われる7・18後楽園大会は、タイトルマッチが3つ、他の階級のチャンピオンも多数出る豪華な大会です。他の試合のことは意識しますか? 「全く意識はしてないですね。全然です」 ──あ、そうなんですか! 「自分が一番目立とう」とか、そういう意識もない? 「『一番目立とう』とはいつも思ってないんですけど……でも前回のMIREY戦でもYouTubeでの再生回数は群を抜いて多かったりして、『数字を持ってる』とは自分で思ってはいます(笑)。だから試合順とかも第1試合でも全然いいぐらいですし、応援してくれる人とかファンの方の数も圧倒的に多いので、絶対に他の選手よりも負けられないとは思ってますね。今は自分のためだけに戦ってないし、いろんな人を動かす力を持ってると思っているので、それをいろんな人に見せたいと思いますね。会場だけじゃなくて、会場外で応援してくださっている方々にも届けられるようにという気持ちなので、他の選手、他の試合は意識してないです」 ──それだけに、ここで勝つとさらに視野が広がっていく試合だと思いますが。 「そうだと思います。sasori選手は、今の私にとっては負ける段階の相手じゃないと思っていて、もっと強い選手はたくさんいると思うし、そういう選手に挑戦していきたいので。だから正直、この試合は絶対落としちゃいけないなと思ってます。そうでないと次につながらないので」 ──そこだけ取っても、「sasori戦」についての意識がすごく変わっていることが分かりますね。 「はい。ちょうど1年ぐらい前に映像を見て『すごい選手だな』と思ったんですけど、今は正直、そんなにすごいとは思ってないというか。面白い試合をする選手なのは確かですけど、今は自分の方が強いと自信を持っているので」 ──いろんな側面がある試合ですが、ご自分が一番注目してほしいポイントは? 「私はやっぱり、この階級では身長がすごくデカいんですよ。誰とやってもデカいので、いろんな人が『上の階級でやってほしい』っていう声がすごく多かったんですね。実際、今回の契約体重は48.4kgで、こんな体重ではやったことがないんですけど、ここでも通用するというところを見てほしいと思います」 ──「通用するかどうか」ではなく、「通用するところ」を、ですね。 「そうです。ここで通用することが証明できれば、戦える選手の幅も広がると思うので。基本的には今後も46kgでやっていこうと思ってはいるんですけど、同階級の選手には絶対負けないとも思っているので。今回、『勝てるのか分からない、負けるんじゃないか?』と思われるような試合をやっと組んでもらえたのがすごくモチベーションになったし、そのおかげでこの1カ月、さらに強くもなれたかなと思うので、『負けるんじゃないか?』と思いながら見てほしいです。皆さんの予想を覆したいので(笑)」 ──自分では負けるとは思ってないけども、と。 「そうです。今、何より自信があるのは、全部一流の人に見てもらっているということなんですよ。キックの鈴木秀明会長だけじゃなくて、パーソナルもボクシングもそうですし、栄養士さんも体のメンテナンスも、全て一流の方に見てもらってる選手って、男子でもいないと思うので。これだけ違う環境でやってれば、負ける気がしないです」 ──「男子でもいない」と言えば、最初に話した地上波バラエティでの密着も、まさにそうですからね。それだけ環境が整ったから、改めて注目を浴びているわけで。 「そうなんです。それに、運が悪いんだけど、いい運も持ってるんです(笑)。試合が延期になったからKOもできましたし、延期になったから密着も2回にわたって放送してもらえたと思ってますし。ケガをしたからボクシングジムにも通うようになったし、ケガをしたからいいパンチが打てるようになったし。悪いように見えて、全部がいい方向に進んでいるのかなとも思うし、この運も味方にして、負けられないなと思いますね」 ──怖ろしい人ですね(笑)。 「今は本当に楽しみしかないです。1試合ごとに楽しみが増えていって、不安がどんどんなくなっていってますね。それだけやっているし、見てもらっているしという感じで。強気です(笑)」
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