2021年6月27日(日)丸善インテックアリーナ大阪にて開催された『RIZIN.29』の「RIZIN KICKワンナイトトーナメント」で、眼底骨折等の怪我を負って手術のため入院していた皇治(TEAM ONE)が、退院した翌日に魔裟斗と対談を行った。
前日の午前中に退院したばかりの皇治が魔裟斗に会いに行ったのは、魔裟斗から「トーナメントを見ていて、これはちょっと皇治と話しなきゃダメだなと思って」と声をかけられたからだったという。
魔裟斗のYouTubeチャンネル『魔裟斗チャンネル』で公開された対談に続き、皇治のYouTubeチャンネル『皇治チャンネル』では別バージョンの対談を公開。こちらでは、より皇治が魔裟斗へ相談をする内容となっている。
皇治は「自分は正直、もう32なので。もう強くならないんじゃないかとか、引退することも勇気やと思うので、決して引退することが逃げだやとは思っていなくて。第二の人生もあるので、そういうことももちろん考えているんですけれど。ずっと毎回試合をするたびに思っていまして。特にRIZINに行ってからは結果を残せてないので凄く考えていますね」と、自分の限界を感じて引退を視野に入れていると魔裟斗に告げる。
魔裟斗は「土居さんは何て言っていた?」。土居進氏は、魔裟斗が現役時代に指導を受けていたフィジカルトレーナーで、世界王座奪還のための大きな原動力となった名トレーナー。皇治も土居トレーナーからフィジカルトレーニングを受けていた。
(写真)魔裟斗の話を真摯な態度で聞く皇治(C)皇治チャンネル 皇治は「土居先生はフィジカルが凄く強くなってきてやることはまだまだあるから、全然強くなるでしょうっていう。引退を考えている意味が分からないっていう考えみたいですね」と、まだまだノビシロがあると告げられていると答える。さらに「素直に強くなりたいと思うようになりました。遅いですけれど。今まではどこかで誤魔化して、違う方向からいろいろなところから行ったらいいやと思っていたんですけれど、素直に強くなりたいと凄く思って」と、魔裟斗が相手だからか本音を吐露。
「多少はお金をもらえるようになって思ったのは、お金で買えないことはたくさんあるなと思いまして。実力で証明することもそうですし、本気で勝負したいなと思ったのが、今回が初めてやったので」と、今回のトーナメントに懸けていたと話した。
それに魔裟斗は「10年後、20年後に残るヤツはトップだけだから。スポーツ界も格闘技もそうだけれど、それが厳しい現実でさ」と、最後はトップの成績を残したファイターしか生き残れないとし、「皇治は前からどんどんガンガン出るからさ、危ないよね。俺と同じタイプだったから。俺の22歳の頃だよ。とにかく前に出る。あの時、俺は鼻を折って」と、若い頃の自分に今の皇治は似ているという。
(写真)魔裟斗チャンネルではバッティングについて語られた(C)魔裟斗チャンネル「そこからファイトスタイルを変えて。闘牛みたいなもんよ。俺が22歳の頃はそう言われていた。飯田さん(ボクシングトレーナー)に言われていて。そこから飯田さんに教わって、打たさないってことを徹底されたの。(皇治が)今やることは打たれないってこと。凄いつまらない判定勝ちをしろってことなの。打たれずにポイントアウトして、見てるお客さんがつまんねえなって試合をすることが大事っていう時期だね、今は。打たさないってことができるようになったら、また次のステップがあるのよ。打たさずに打つっていう」と、皇治が今やらなければいけないことをアドバイス。
加えて「俺とめちゃくちゃ似てるのは頑丈なところ。タフさ。俺も誰よりもタフだったからね。根性とタフさがあるね。そこは一緒だよ。あとは技術をつけるってことだよね」と、やはり自分と皇治には共通項があるとした。
「彷徨ってます」と、現役続行か引退かを迷っているという皇治に、魔裟斗は「まだ強くはなれるんだよ。なれるけれど、捨てるものもあるわけよ。お姉ちゃんと遊びながら強くなるのは無理(笑)」と、強くなるためなら捨てるものがあると自らの体験を話す。
皇治は「魔裟斗さんやったらここで優勝していたと俺は思うので、そこで最低な、逆カリスマって自分は言っているんですけれど、逆カリスマを出してしまった自分に、最低な結果を出してしまった自分に落胆は凄かったです」と吐露。しかし、魔裟斗は「でも多分、皇治より俺はもっと頑張っていたと思う。だから1年目なんじゃないの、俺の」とまだ自分の1年分しか頑張っていないとした。
魔裟斗との対談を終えた皇治は「勉強になりっぱなしでした」と感銘を受けたとし、「今後どうしていくかは考えていこうと思っていますが、人生の勉強になりました。どっちの人生に進むにしろ後悔のないように生きようと改めて思いました」と語った。この対談は『皇治チャンネル』と『魔裟斗チャンネル』で全編を見ることが出来る。