2021年6月27日(日)丸善インテックアリーナ大阪にて開催された『RIZIN.29』の「RIZIN KICKワンナイトトーナメント」で、1回戦の高橋亮戦は1R1分38秒でKO、決勝戦の皇治戦は判定3-0(30-27×2、30-25)で優勝した白鳥大珠(TEAM TEPPEN)が試合後、記者たちの質問に答えた。以下、その全コメント。
――試合の感想は?
「最初に思ったのが悔しかったです。事前に言っていた1回戦・決勝どっちも何もさせず圧倒するって僕は言っていたのでそれを有言実行したかった。1回戦を圧倒して流れに乗ったかなと思いましたが、決勝は圧倒できなかったでの悔しいですね」
――対戦を終えて相手の印象は?
「高橋君は男でしたね。蹴りの選手だったんですけれど、後から聞いた話だとRIZINの舞台というのもあってか、パンチで勝負してやろうとの気持ちだったらしくて。だから思ったよりも蹴りが少なかったので、結果は勝ったんですけれど高橋君はリスペクトできますね。皇治選手はやるのかやらないのかとか、決勝へ行くまでにいろいろと話し合いをしたりとか。こういうのも初めての経験でしたが、僕は2回戦うつもりで大阪まで来たので。いろいろ話し合った結果、無事に決勝戦ができてそれはよかったです」
――今後の展望は?
「とりあえずこのベルトを獲ることができて。別にこれがキックボクシング最強ではないので、これはひとつの結果というだけなので僕はRISEで2連敗しているのでRISEでも強さを見せて、RIZINにもまた大晦日に戻って来たいと思います」
――同門の那須川天心選手以外でメインを張ったキックボクサーは初めてだが?
「光栄なことです。RIZINってMMAがメインになっていて、キックボクシングが軽く見られている部分がまだまだあるのでこういう機会をいただいたのは本当に感謝しています。メインらしくもっと締めたかったですね。その点も本当に悔しいです。あとはKO負けしないと言われている皇治選手をKOしたかったです。誰も成し遂げなかったことをやりたいじゃないですか。本当に悔しいです」
――KOをとれそうな場面はあった?
「多分効いていたんじゃないですか。途中途中に効いていた部分もあって、そこで倒し切れなかった自分の弱さも分かったし。1Rにダウンをとってそこでまとめに行けばもしかしたら倒せたかもしれないけれど、そこは慎重になりすぎた」
――決勝でのバッティングは何回くらい?
「バッティングは何十回もありました。途中途中で何回か止まったが、ぞれ以前にもガンガンもらっていたので。でも、それはもらった自分が悪いなって。結果、中に入らせたってことなので。そこは自分が入れさせなければもらわないので。そこは自分の弱さですね」
――vs皇治としてバッティングの対策はしていた?
「多少なりはしていましたよ。していたけれど、今だから言うとあまり心に余裕がなかったんですよね。連敗というのが僕の中で響いていたので、1回戦も警戒していたので。ここ最近、蹴りで負けることが多かったじゃないですか。蹴りの得意な高橋選手だったので1回戦に集中していました。会長とは皇治対策をしていたんですけれど、僕的には高橋戦に集中したい気持ちでした」
――バッティングに対して試合中に怒りは?
「バッティングも金的もあそこまでガッツリもらったのは初めての経験でした。そこでペースを乱されたというか。中にはいろいろな選手がいるじゃないですか。僕としては初めてのタイプだったので、経験にはなったのかって。別に怒りはなかったですよ。ただ1回戦がああいう形になったので、入場前でめちゃくちゃイラついてムカついて“ふざけんなよ”と。ノーコンテストだったので、これで決勝なくなるのかよって怒りはその時はありました。試合中はそういう感情はなかったですね」
――1回戦が終わった時点では決勝があるかないか分からない。その時の気持ちは?
「気持ちは切らさなかったです。ずっとバンデージも付けたまままで、やるつもりで気持ちを保っていたので」
――試合が終わった後に皇治選手と言葉は交わした?
「リング上でごめんと言われました。それだけです」
――会場に原口健飛選手が見に来ていましたが、次戦ってみたい?
「僕は常にあります。やり返したいです。現状、原口選手が相手いないって言われていて悔しかった。前回負けましたが僕は絶対にやり返したいと思う。舞台はどこでもいいです。RISEでもいいし、大晦日とかそういう大きい舞台でやるのもいいかなと思う。周りが納得したタイミングでやれたらいいなと思います。必ずもう1回やります」
――ベルトのデザインは?
「めちゃくちゃカッコいいですね。子供の頃を思い出す、そういう心をくすぐられました。みんな仮面ライダーじゃんって感じだったじゃないですか。僕もそうだと思った。だから(変身)ポーズはやろうと決めて前日の夜に研究していました(笑)」
――大阪はゲンのいい場所?
「そうですね。大阪はRISEでもRIZINでもいい試合ができている印象があります。今回は皇治軍団が凄かったじゃないですか。応援が凄くてアウェイを少し感じていましたね。でも逆にそれが気持ちいいなと思いました」
――バッティングのあとは右目は見えていた?
「見えていたというか、目の上が腫れているんですよね。前に切ったところと同じかな。上まぶたが下がっていて。それでペースを乱されちゃった、正直。いろいろなスタイルの選手がいるので、自分の甘さも弱さももう一度把握できたって感じです」
――この次はどこに焦点を合わせる?
「トーナメントに出ると決めたのも盛り上がると思って参戦を決めたので、盛り上げたい気持ちが常に僕にはある。盛り上げたいけれど、自分が成り上がっていきたい気持ちが一番あるので。僕に文句あるやつもいっぱいいると思うので、誰でもいいです。僕とやりたい選手なら誰とでもやる。世界の強豪とも戦っていくし、組まれたらやります」
――那須川天心選手と武尊選手がもしやるとするならば、そういう大会にも出たい?
「もちろん出たいし、天心とやりたいですね(笑)。でも50kg台はきついですね。同門ですけれどそれくらいないとダメじゃないですか。気持ちはあります。武尊選手ともやりたい。それこそ目立っている選手は倒していきたい。それがどこの誰であろうと関係ないです」
――事前にYouTubeで「頭から入って来るからそれは気を付けたい」と言われていましたが、バッティングが来ることは想定していたから致命的なダメージをもらわなかった?
「それを入れさせない戦い方をしたかったんです。難しいですね、格闘技は。練習していてもそれが試合でできるか分からないじゃないですか。1回戦はああいう形で皇治選手は試合を無駄にした。だから決勝はどうやって戦ってくるのかなと思っていたら、変わらず来たじゃないですか。ある意味、これもプロの形なのかなと。そこはさすがだなと思いました」
――1回戦がノーコンテストになったことによって、もうひとつの1回戦で勝った白鳥選手がそのまま優勝という選択肢もあったのでは?
「いや、そんな話はないですよ。そんなつもりもないです。僕は去年、皇治選手がRIZINに来て、そこで最初に僕がアピールしたので。そこで決着をつけないとこれに出た意味もないと思ったので。そこは盛り上げたいと僕も言っていたので。1回戦に勝っただけのベルトなんて価値はないですね」
――戦い終わって、皇治選手の評価や感情的なものは変わった?
「特に変わってないですよ。マイクで『バッティングに気を付けて』と言ったのも、そのまま思ったことだし。仲良しこよしするつもりもない。ただひとつあるとすれば、このまま引退はしないでくださいねってことです」
――それはもう1回戦おうということ?
「皇治選手がここからどうやって上がって来るのかなっていうのは個人的に気になります。これで辞めるなんて簡単じゃないですか。もう落ち目だなとか思って。それで辞めるのはらしくないのかなって。もう1回やりたいはないですけれど、僕は1回やって決着をつければOKと思っていたので。皇治選手は口先で成り上がってきたと言われていますけれど、それは間違いじゃない。もう1回、(皇治が)RIZINに来たのでもっといろいろな選手とやってまた上がっていく姿も見てみたくないですか? そんな知名度とかばかり言ってないで。そういう姿もありなのかなと思います」
――優勝賞金の使い道は?
「せっかくYouTubeやっているし、派手に使ってもいいですけれど、大きい買い物がしたいですね。カバン買いますかね(笑)。いいカバンを買いたいです。自分の(笑)」