2021年6月27日(日)に丸善インテックアリーナ大阪で開催される「Yogibo presents RIZIN.29」にて、川名“TENCHO”雄生(北海しゃぶしゃぶ湘南藤沢店)と71kg契約で対戦する矢地祐介(フリー)が25日、リモート共同インタビューに臨んだ。
2019年7月の朝倉未来戦の判定負け後、同年年末の「BELLATOR JAPAN」での逆転勝利で再起を果たしたかに見えた矢地だが、それからホベルト・サトシ・ソウザ、大原樹理を相手に連敗。KRAZY BEEを離れ、2021年のはじめから自身を取り巻く環境を刷新した。
ロータス世田谷代表の八隅孝平をヘッドコーチに迎え、打撃トレーナーにもついてもらい、自身の動きや技術を「第三者の目線」から見てもらうようになった矢地は、対戦相手・川名からの「数カ月程度じゃ変わらない。すぐボロが出るんじゃないか」の声に、「要所要所でやることがハッキリしている。焦りはない」と答えた。
やりたいことをやれたほうが勝つ試合になる
──試合を2日後に控えた心境はいかがでしょうか。
「もう、楽しみっすね(笑)。毎回そう言ってるのかもしれないけど、今回ほんとう心の底から自分自身が楽しみというか。ここ半年……以上かなあ、まあ前回試合終わってからいろんな、環境も新しくなったり、取り組みとかほぼすべて変わって手応えがあるなかで、どういう試合が出来るんだろう? というのは自分自身とても楽しみですね」
──体調や体重はいかがでしょうか。
「体調はすこぶるいいっスね。バッチリだと思います。体重もほぼ射程圏内で全く問題ないです」
──対戦相手の川名雄生選手の印象を教えてください。
「“頑張る系”っすよね。どんどん前に出てプレッシャーをかけて相手の心を折りにくるような、相手を弱気にさせるような戦い方をしてきて、やっぱり修斗チャンピオンだけあって、打投極バランスよく、レベルが高いというか、って感じですかね」
──どんな試合展開を想定していますか。
「お互いやりたいことを、ぶつけあうというか、やりたいことやれたほうが勝つ試合になるだろうなと思っています」
──川名選手は今回の試合で「ブランニューヤッチくんは見られない」と言っていました。
「まあ、頑張ってくださいって感じです(笑)。お互いね、相手の光を消すっていうのは、戦う上での定石というか常なんで、みんなそう思ってるでしょうね、という感じです」
──新しいスタイルに取り組んできたことについて、川名選手は「そう簡単に試合で出てくるものではない」とも。
「そこに関しては僕デビューしてから30戦以上やってるので、ブランニューといえどデビュー戦なわけでもないし、ま、やってきたことを試合で出すっていう。もちろん、100やってきたことを100出すってのは難しいかもしれないんですけど、しっかり試合に出るだろうなって感じはしています」
──川名選手は「1R目の序盤でペースを掴めるかどうかがキーになる」とも。それは矢地選手にとってもポイントになりますか。
「まさにそうです。お互いやりたいことをやれたほうが勝ちというか。そこでやっぱり、特に序盤はお互いやりたいことやって、どっちが先に退くか折れるかが勝負の分かれ目になってくると思うので、そこを淡々とこなしたほうが勝利に近づくのかなと思います」
──新たなチームで、より戦略を持って戦えるようになったそうですね。
「まさにそう。パート、パートで何をやるかっていうのが明確になったというか。じゃあここで、組み合って四つの展開で何をするのか、とかサイドついたときに何するのか、とか。そのためには、結局ゴールがあって、どう勝ちたいのかというのがあって、そこに向かってどう戦っていくかってのが(ある)。パート・パートで現時点では今、自分が出来ることは、全部頭に入っているというか、良くも悪くも決まってるので、それをただ淡々とやればいいだけなので。
そういう意味でなんか、たぶん、焦りがなくなるというか。今までは、“あっ、ヤバい、サイド取っちゃったけどどうしよう”とか“いいの当てちゃったけどどうしよう”みたいな、そういう謎の焦りみたいなのが、自分が優位なはずなのに焦ってしまうみたいな展開が、正直あったし、それでやっぱり相手のペースになってしまうことが多かったんですけど、やっぱりもう、打撃においても組みにおいても寝技においても、要所要所でやることがハッキリしているんで、そういう意味で気持ち的に焦りというか、フワフワすることはないのかなと思っていますね」
──逆に、今までは感覚で戦っていたと。
「いや、そう、本当に、自分でもよく最近言うし、思うんですけど、ほんと、何も考えてなかったというか、よくそれでここまで戦えてきていたなというか、そういうのはすごい驚きますね。ほんとポテンシャルとフィジカルと勢いだけでやっていたんだな、というのがすごい身に染みて分かったというか、逆に驚きましたね。よくやってたなこんなんでと。それすごい思います」
いままでは“ペースを握る”っていう概念すら、正直なかった
──コーナーは八隅孝平ロータス世田谷代表ですか。
「八隅さんと打撃トレーナーの宮川(峻)の2人がつきます。普段から練習を見てもらってる、2人ですね」
──やることが明確になって、もし序盤の大事なペースを掴むときに掴めなかった場合、修正するためにやるべきことも明確でしょうか。
「あらゆるシチュエーションていうか、状況に応じていろんな策は考えているし、いままでは“ペースを握る”っていう概念すら僕、正直なかったんで、“別に相手のペースでやればいい”というか、そもそも何も考えてなかった。ペースうんぬんとか、自分がやりたいことやるとか、相手にさせないとか──何も考えてなかったんです。そういう意味では、今までは話にならない。今回はいろんな状況下、もちろんハプニングもあるし、思ったことが通用しないとか、試合ではあるんで、そこに関してはいろんなカードを揃えて、戦いに臨むというイメージですかね」
──ところで、東京ドーム大会でのライト級タイトルマッチでホベルト・サトシ・ソウザ選手がチャンピオンになったことについて、どう感じましたか。
「びっくりしましたね。正直ムサエフ選手が勝つのかなと思っていたので、とても驚いたし、強いなと。ただ、ただ、それだけですかね」