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レポート

【Invicta】女子版“小さなコーミエー”AKAのビューレンが8人制T制しストロー級王座戴冠

2019/05/04 09:05
5月3日(金・現地時間)、カンザス州カンザスシティのメモリアル・ホールにて、米国の女子MMA(総合格闘技)団体「Invicta FC」が8人制のストロー級(-52.16kg)ワンデートーナメント「Phoenix Rising Series」を開催した。 3試合を勝ち抜き優勝したのは、多数のUFC王者を輩出するアメリカン・キックボクシング・アカデミー(AKA)所属のブリアナ・ヴァン・ビューレン。 1回戦と準決勝は試合時間が5分1Rのみの短期決戦となった同トーナメントでビューレンは1回戦で、インドのマンジット・コルカー(111勝3敗)を3分20秒、腕十字で極めると、準決勝で元UFCファイターのジュリアナ・リマに判定3-0で勝利。さらに決勝でも元UFCのケイリン・カランを2R、リアネイキドチョークで極めてタップを奪い、ストロー級のベルトを巻いた。 “THA BULL”のニックネームを持つ新王者ビューレンは、AKAの同門のUFCヘビー王者ダニエル・コーミエーばりの力強いダブルレッグ(両足タックル)テイクダウンを3試合を通じて成功させ、1Rも落とすことなく勝利。25歳で戴冠し、MMA戦績を8勝2敗とした。 なお、日本の魅津希(Serra Longo Fight Team)は減量による体調不良でドクターストップがかかり欠場した。 ▼ストロー級トーナメント決勝 5分3R○ブリアナ・ヴァン・ビューレン(AKA/115.8lb/52.52kg)[2R 3分39秒 リアネイキドチョーク]×ケイリン・カラン(RVCA/116lb/52.61kg)※ビューレンが王者に。 1R、サウスポー構えのビューレン。オーソドックス構えのカラン。ともにローから。ワンツーアッパーはビューレン。カランも右インローをヒットさせる。さらに右前蹴りはカラン。ワンツーから鋭い出足で金網まで詰めてダブルレッグテイクダウンはビューレン! ガードに入れるカランを金網に押し付け、ハーフガードからヒジ。足首を掴みにいくが、立つカラン。そこにボディロックから小外がけで再びテイクダウンを奪う。ハーフガードのカラン。右で腰を抱き、左でパウンド・鉄槌はビューレン。あえてハーフで固定しながらヒジを落とす。金網背にカランが立とうとするとバックへ。1Rはビューレンがドミネートした。 2R、左構えのビューレンの左ハイの打ち終わりにバランスを崩したところに詰めるカランだが、ビューレンはすぐに立ちあがりボディロックからテイクダウン! マウントを奪う。背後からパウンド、さらにパームトゥパームでリアネイキドチョークはビューレン! 外すカランだがビューレンのバックコントロールは盤石。再度リアネイキドチョークに入ったビューレンがカランの身体を伸ばし絞め上げ、タップを奪った。 2試合で1本勝ちした“THA BULL”こと新王者ビューレンは、試合後、猛牛のごとく左足でマットを2度引っかいて笑顔を見せた。 ▼ストロー級 5分3R×ケイ・ハンセン(115.4lb/52.34kg)[判定1-2]※28-29×2,29-28○マグダレナ・ショルモヴァ(115.4lb/52.34kg) 1R、オーソドックス構えのショルモヴァにサウスポー構えのハンセン。右で差すショルボヴァ。金網を背にするハンセンは四つからシングルレッグに入りテイクダウン! 下から腕十字を狙うショルモヴァをスラムで外す。蹴り上げを狙うシュルモヴァの片足をさばきハーフになるハンセン。さらに足をさばきサイドに。 2R、ダブルレッグテイクダウンはハンセン。下から三角絞め狙いはショルモヴァ。それを1R同様にリフトして外すハンセンだが、横について組むショルモヴァはシングルレッグテイクダウン! ハーフから肩で首を殺しパスを狙うが、ハンセンも両足を戻す。しかし右で脇差し再び片足を抜くショルモヴァ。ハンセンはベリンボロ気味に足をかけてもぐり離れて立つ。 3R、強引な首投げもケージにひっかかるショルモヴァがバックに。半身になるハンセンからマウントを奪うが、リバースしたハンセンが上に。肩固めを狙いつつマウントへ。バックマウント4の字ロックからマウント、足を解き腕十字へ! ショルモヴァの腕が伸びるがホーン。 判定はショルモヴァがスプリットで勝利。MMA8勝1敗とした。 ▼ストロー級トーナメント準決勝 5分1R○ケイリン・カラン(116lb/52.61kg)[判定3-0]※10-9×3×シャロン・ジェイコブセン(115.7lb/52.48kg) サウスポー構えのジェイコブセン。オーソのカランに低いダブルレッグも両足を後方に飛ばしてがぶるカラン。なおも押し込むジェイコブセンは金網で四つを狙うがカランは切る。さらにダブルレッグはジェイコブセン。小手に巻くカランは投げ! 際で上になるのは金網に足がつき踏ん張れたカラン! しかしジェイコブセンもすぐに立つ。 組みからバック狙うカランを左で脇を差して投げるジェイコブセンがサイドに。パウンドを受けながら立つカランに金網まで押し込みダブルレッグはジェイコブセン。しかし片手を着いて倒されなかったカランは突き放してスタンドに。 右ストレート、ヒザ蹴りをヒットさせるカラン! ジェイコブセンは鼻血。ジェイコブセンはみたびダブルレッグテイクダウンも、すぐに両足を草刈で上に。しかしジェイコブセンも足首を掴んで上に。カランはガードで凌ぎホーン。接戦の判定はテイクダウンされてもすぐに立ち、打撃を当てたカランが勝利。ブリアナ・ヴァン・ビューレンとが待つ決勝に進出を決めた。 ▼ストロー級トーナメント準決勝 5分1R○ブリアナ・ヴァン・ビューレン(115.8lb/52.52kg)[判定3-0]※10-9×3×ジュリアナ・リマ(115.5lb/52.38kg) サウスポー構えのビューレン。オーソドックス構えのリマ。大きな左フックを見せるビューレン。リマは右インローを蹴る。左ストレートを当ててダブルレッグテイクダウンはビューレン! ギロチンを狙うリマから頭外すとハーフから背中をつかせるビューレン。右で脇差すリマだが左足は超えているビューレンがバックには回させない。 フルガードに入れるリマは下から腕十字狙い、蹴り上げからインバーテッドガード、さらに横三角を狙い、スペースが空いたところで立ち上がると右ミドル! ビューレンも左ローを蹴り返すとすぐに組み付きダブルレッグからリフトしてテイクダウン! 腰を切るリマはフルガードに足を戻すが金網に押し付けてヒジを打つビューレンが上のままホーンに両手を挙げた。 小さなダニエル・コーミエーともいえるAKAの25歳、ビューレンが判定3-0で勝利。決勝進出を決めた。 ▼ストロー級トーナメント リザーブマッチ 5分1R○アリッサ・クラン(115.8lb/52.52kg)[判定2-1]※10-9×2,9-10×イツェル・エスキヴェル(115.7lb/52.48kg) ともにオーソからインローはエスキヴェル。右で差して組み付き押し込むクランは両脇を差すが、顔をはがすエスキヴェル。クランは小内刈でテイクダウンを狙うが捨て身気味に下に。しかしスクランブルで立つクランが再び押し込みダブルレッグテイクダウン! ガードに入れるエスキヴェルは下から腕固めへ。さらにオモプラッタ狙い、蹴り上げと1R制ながらガードワークで勝負。インサイドガードからクランもパウンドでパスガードするが、エスキヴェルは亀になり立ち上がったところでホーン。難しい判定はテイクダウンからトップを取ったクランがスプリット判定で勝利した。 ▼ストロー級トーナメント1回戦 5分1R×アンバー・ブラウン(115.7lb/52.48kg)[判定0-3]※9-10×3○シャロン・ジェイコブセン(115.7lb/52.48kg) サウスポーからシングルレッグ&大内刈テイクダウンはジェイコブセン! しかしブラウンはアキレス腱固めから逃げるジェイコブセンからポジションを奪いトランジッションで上に。ここは立ち上がるジェイコブセン。ブラウンは四つから右を差して小外がけで右に回してテイクダウン! トップレスラーから見事にテイクダウンを奪うと、右で差して左にパスガードも自らハーフに戻していく。 しかし、ジェイコブセンは下から脇を差してスイープ! ここもブラウンはストレートフットロックから逃げるジェイコブセンからポジションを奪う。立つジェイコブセンは首投げ! 立つブラウンに再度首投げでドミネートしながらバックを奪うとバックマウントへ。しっかりブラウンのヒザ裏に足をかけてキープするジェイコブセンが優勢のままホーンを聞いた。判定3-0でジェイコブセンが勝利。 魅津希の欠場で対戦相手の変更も問題なく勝利したジェイコブセン。ブラウンとのハイレベルな攻防を1R制の短期決戦用の戦いで制した。 また、レスリング時代に吉田沙保里とも対戦経験のあるトップレスラーのジェイコブセンに2018年5月のPANCRASEで判定勝利している藤野恵実はあらためてその実力がワールドクラスであることも証明された。 ▼ストロー級トーナメント1回戦 5分1R×マンジット・コルカー(115.7lb/52.48kg)[1R 3分20秒 腕十字]○ブリアナ・ヴァン・ビューレン(115.8lb/52.52kg) ビューレンvsコルカー、ともにサウスポー構え。ワンツーで詰めたビューレンはダブルレッグテイクダウン! すぐにサイドにつきケージウォークを狙うコルカーを引き出し、ストレートアームバー狙いからマウントへ。 半身から亀になるコルカーに左手で下からパウンド。立ち上がるコルカーを再びテイクダウンし、ケージウォークを狙うコルカーにうつ伏せから腕十字へ。最後は仰向けにさせてタップを奪った。 ▼ストロー級トーナメント1回戦 5分1R×ダニエレ・テイラー(115.7lb/52.48kg)[判定1-2]※9-10×2,10-9○ジュリアナ・リマ(115.5lb/52.38kg) 1R、前蹴りから前に出るリマにテイラーは左で脇を差して金網に押し込むが、四つから体を入れ替えたリマ。長い手足を使い小外がけを狙う。外したテイラーが体を入れ替え、ダブルレッグに入るがすぐに差し上げるリマ。しかし金網を背にする。みたび体を入れ替えたリマは四つから左ヒザ! テイラーは右で差して入れ替えるとついに頭を外に出してシングルレッグへ。一瞬、リマに尻餅をつかせる。判定へ。1Rの超短期決戦。判定はケージ際でヒザも突いたリマが接戦を制した。 ▼ストロー級トーナメント1回戦 5分1R○ケイリン・カラン(116lb/52.61kg)[判定2-1]※10-9×2,9-10×スンナ・ダヴィッズドティア(115.9lb/52.57kg) トーナメント1回戦は1R制。カランは2013年のPXCで富松恵美に勝利したベテラン。右オーバーハンドをヒットさせたカランは立つダヴィッズドティアにスタンドでリアネイキドチョークへ! しかし正対したダヴィッズドティアがボディロックから小外でテイクダウン、マウントへ! パウンドを浴びながらカランはハーフに戻し立ち上がることに成功。さらに右ストレート! 再びダウンを奪い、スプリット判定をものにした。
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