▼セミファイナル 第7試合 DEEP JEWELSストロー級タイトルマッチ 5分3R
×本野美樹(AACC)王者
[1R 3分22秒 腕十字]
〇伊澤星花(高本道場)挑戦者
※伊澤が新王者に
本野は、東海大学柔道部出身で2010年の講道館杯では西田優香(2010年世界柔道選手権-52kg級優勝)に勝利するなど活躍し、アマチュアMMAでも無敗。2019年3月の『HEAT』で満を持してプロMMAデビューを果たし、同年6月の『DEEP JEWELS』に初参戦すると、ベテランの長野美香をデビュー2戦目にして破るというアップセットを起こしている。2020年7月のDEEP JEWELSストロー級暫定王者決定戦で赤林檎を1R4分23秒、TKOに破ってわずか6戦目で王座に就いた。
伊澤は東京学芸大学教職大学院生で22歳。小学生から柔道とレスリングを始め、レスリングでは2012年ジュニアクイーンズカップ52kg級準優勝、2012年沼尻直杯全国中学生選手権女子57㎏級で優勝。柔道は高校2年生の時にインターハイ3位と全国選手権5位に入賞。2019年東京学生柔道体重別選手権女子52kg級では準々決勝まで進出している。さらに女子相撲にも出場し、2019年の全日本選手権で準優勝と、組み技のハイブリッドガールだ。2020年10月のDEEP JEWELSでプロMMAデビューし、キャリアで優るARAMIをテイクダウン&寝技で圧倒。判定3-0(20-18×3)の完勝を収めた。
両者は12月19日の『DEEP JEWELS 31』で対戦し、打撃勝負を挑んできた本野に伊澤が右ミドル、左ジャブを当てて攻勢を保ち、組みでも上回り、判定3-0でデビュー2戦目にして王者を破る番狂わせを起こした。DEEP JEWELS史上最短となる3戦目での王座獲りを宣言した挑戦者の伊澤か、それとも王者・本野のリベンジか。
1Rから先に一気に右の蹴りで詰める伊澤はダブルレッグテイクダウン。立ち上がる本野にヒザを突く伊澤。しかし本野も体を入れ替えると左で差す伊澤がボディロックテイクダウン! 右で差して背中を着かせて左手でパウンド! 腕十字へ。腕をクラッチする本野を伊澤は前転させて仰向けにさせて極めると、本野がタップした。
キャリア3戦の新王者はケージの中で「こんにちは、チャンピオンになりました! 今日チャンピオンになって何を言おうか凄く悩んで、悩んだんですけど、私はDEEP JEWELSがすごく好きで、いま教えてくださっている横田(一則)さんも大好きです。私がもっともっと引っ張って、DEEP JEWELSが世界で一番強い団体だと証明していきたいと思います。なので、これからも伊澤星花の応援をよろしくお願いします」と元気いっぱいに挨拶した。
また、試合後の会見では、「前回は判定で今回は絶対一本かKOで決めたいと思って、厳しい練習をしてきました。練習環境を変えてやることが変わって、今日も壁(ケージ)が使えてよりMMAらしい動きが出来ました。今回は腕十字に繋ぐための動きを、最初のインローやパウンドも含め、戦術的に組み立てて出来ました。いまの時点では今回はベストですが、世界を獲るためにもっと練習が必要です」と戴冠にも落ち着いた表情。
「(前日の兄弟の敗戦は)自分に影響はありませんでしたが、兄弟が負けちゃった分、頑張ろうとは思いました。お兄ちゃん(カズト)がセコンドについてくれて安心感が違うなと思いました」と兄弟ともにMMAに挑戦していることが力になったと語った。
また、今後について目指した「世界」がどの団体かを問われると、「どの団体とかは決めていませんが、いま試合に出られて活躍できるのはDEEP JEWELSあってのこと。DEEP JEWELSより上と言われている世界の団体でチャンピオンになってからDEEP JEWELSに戻って、世界で一番強いのはDEEP JEWELSだと証明したいです。DEEP JEWELSをしっかり背負ってどこに行っても活躍したいと思います」と語った。