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【Krush-EX】羽鳥仁がKOで梨緒弥にリベンジ、女子のシビアなサバイバル闘争はチャン・リー、加藤りこ、谷田美穂が生き残る

2021/06/05 22:06
Krush-EX 2021 vol.32021年6月5日(土)東京・GENスポーツパレス ▼メインイベント(第9試合)Krushライト級 3分3R×梨緒弥(若獅子会館 MATSUBARA/K-1カレッジ2019 -65kg優勝)KO 2R 2分21秒 ※ヒザ蹴り〇羽鳥 仁(TEAM BIRD) 『Krush-EX』(クラッシュ・イーエックス)はキャリアが浅い・若い選手たちが経験を積む場として、2010年~2014年まで新宿FACEで開催されてきたイベント。現在K-1の第一戦で活躍する錚々たる選手たちも戦ったことのあるリングだ。2020年8月22日に『Krush-EX 2020 vol.1』として約6年ぶりに復活し、今後も選手育成の場としてコンスタントに開催されていく。  21歳の梨緒弥は5勝(1KO)3敗の戦績で、K-1 JAPAN GROUPでは2連勝していたが2020年9月に永井卓海にKOで敗れ、今年2月の『Krush-EX 2021 vol.1』でもメインを務めたが河北光生にKOで敗れており連敗中。羽鳥とは2019年の『K-1カレッジ』決勝戦で対戦しており、この時は梨緒弥が勝利して優勝。プロでの再戦となった。  1R、サウスポーの梨緒弥は強い左インローを蹴って左右フックにつなげていく。至近距離では梨緒弥の左右フックの回転力が上回り、連打を浴びる羽鳥。中盤からは羽鳥が右ミドルを多用し、梨緒弥がパンチを打とうと頭を下げるところへヒザ蹴り。さらに右ストレートを打つ。  2R、羽鳥の顔面&ボディの連打でコーナーへ詰められた梨緒弥だが、左フックで逆襲。逆に羽鳥にロープを背負わせて連打を見舞う。再び前へ出る羽鳥が右ストレートでコーナーへ詰めて顔面とボディへの連打。さらにボディへヒザを突き上げる。  ロープ伝いに逃げる梨緒弥だが、再びコーナーで捕まり連打を浴びる。羽鳥がガードの隙間に左ボディをねじ込んでダウンを奪うと、最後はロープ際へ詰めたところで右ヒザをボディに突き上げ、梨緒弥は悶絶。羽鳥がKO勝ちでアマチュア時代のリベンジを果たした。  羽鳥はマイクを持つと「去年ずっといろいろあって苦しい思いをしたんですけれど、前回ジムが変わって初めての試合で情けない試合をしてしまって悔しかったんです。いろいろな方が自分をサポートしてくれてこの舞台に立つことが出来ました。もっともっと上を目指して頑張ります」と、まだ慣れてないマイクで淡々とアピールした。 [nextpage] ▼セミファイナル(第8試合)Krush女子アトム級 2分3R〇チャン・リー(K-1ジム五反田チームキングス)判定2-1 ※29-30、30-28、30-29×紗依茄(月心会チーム侍/第9回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジBクラス 女子-50kg優勝)  29歳のチャン・リーは“戦う幼稚園の美人先生”として注目を集めたが、2019年3月に6年間務めていた幼稚園を辞めて格闘技一本の生活に。2018年9月の『KHAOS.6』からK-1 JAPAN GROUPの大会に初参戦、女子アトム級の主力選手として活躍してきたが、2戦目で菅原美優(現王者)、第3代Krush女子アトム級王座決定トーナメント準決勝ではMOE、そして今年2月にはNOZOMIと新世代たちには敗れている。戦績は4勝6敗1分。 (写真)何度もクリンチ状態で相撲のような状態になったが、そのたびにリーがパワーでコカした 紗依茄は16歳のJKファイターで、ジュニアで6冠王、第9回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-50kg優勝の成績をあげ、今年1月にプロデビュー。ジュニア時代から積み上げてきた卓越したテクニックでAIKOから勝利を収めた。  1R、圧力をかけて前に出るリーに対し、紗依茄はステップを使って下がりながら回り込み。リーが近付いてくると前蹴り、右ストレートも放つ。リーは接近して左右フック、ローとミドルを蹴るが、紗依茄はパンチのヒットを奪って離れる。  2R、紗依茄は右カーフキック。リーは前に出て左右フックの連打を繰り出すが、紗依茄は打ち合わずクリンチ。この展開が多く見られる。紗依茄はステップで下がりながら前蹴り、パンチを当てていくが、前に出てパンチを打つリーに対して下がるのは見栄えが悪いか。紗依茄は豪快なカカト落としで威嚇したが、リーは“やるな”という表情で見得を切る。  3R、紗依茄のパンチに鼻血を出すリーだが、前へ出てパワーで紗依茄をコーナーへ押し込む。そこでパンチの連打。攻めの姿勢を見せるのはリーだが、紗依茄は下がりながらも前蹴り、パンチを当てていく。しかし、リーに詰められると組み付いてしまうのがマイナス印象か。  勝敗は判定にもつれ込み、判定2-1でリーが紗依茄を振り切った。リーは飛び上がって大喜び、全身で勝利の嬉しさを表現した。 [nextpage] ▼第7試合 Krushスーパー・ライト級 3分3R〇川島康佑(HALEO TOP TEAM/第9回K-1アマチュア全日本大会 チャレンジAクラス -65kg優勝)判定3-0 ※30-28、29-28×2×川越亮彦(K-1ジム総本部チームペガサス/第26回K-1アマチュア チャレンジAクラス -70kg優勝)  1R、サウスポーの川島はどっしりと構えて左のパンチを狙う。川越は左右ローを蹴っていく。川島は身体を左右に振りながらパンチのプレッシャーをかけ、右フックと左フック。  2R、川島の強い左ミドルに川越も右ミドルで応戦。川島がパンチを打ってくると川越は連打で応戦する。接近戦になると川越が左右フック&ボディ、そしてヒザ蹴りで川島をコーナーへ釘付けにした。  3R、川島は強い左ミドル、川越は接近戦に持ち込んで左右フック&ボディの連打とヒザ蹴り。川島はアッパーで応戦するが、接近戦では川越が優る。さらに接近戦を仕掛けていく川越だが、川島が豪快な右アッパーの連打で応戦し、試合終了間際にこの右アッパーでついにダウンを奪う。  判定3-0で川島が勝利を収めた。 [nextpage] ▼第6試合 Krush女子アトム級 2分3R〇加藤りこ(K-1ジム五反田チームキングス/第30回K-1アマチュア チャレンジBクラス 女子-45kg優勝)判定3-0 ※29-28×3×Kiho(TeamK.O.Garage) z 26歳の加藤は第30回K-1アマチュアチャレンジBクラス女子-45kg優勝の成績を収め、2020年3月にプロデビュー。谷田美穂から勝利を収めたが、2戦目で森川侑凜に敗れて戦績が1勝1敗に。 (写真)ダウンを奪った加藤の左ハイキック 18歳のKihoは3月に高校を卒業したばかり。アマチュアで20戦以上を経験し、プロでは3勝(1KO)1敗1分。唯一の黒星は2020年8月の『REBELS』で山上都乃に喫したもの(判定2-0)だが、鋭い右ストレートを見せて関係者を唸らせた。12月の『KROSS×OVER』で再起してプロ初のKO勝ちを飾ると、2021年2月のKrushに初参戦。森川侑凜とドローとなった。  1R、開始と同時に飛び前蹴りを放ったKihoはその後も前蹴りを顔面とボディへ連発。加藤はなかなか入り込めない展開が続いた。  2RもKihoは前蹴りとローを蹴っていくが、右ハイを蹴った直後にサウスポーの加藤が左ハイのお返し。ガードの上からだったがKihoが吹っ飛び、ダウンとなる。立ち上がるとKihoは前蹴りとハイキックを狙うが加藤はプレッシャーを強めていく。  3R、Kihoは右インローを蹴り、前蹴りからの右ストレートを狙い続けるが加藤も打ち返す。左ミドル、左―も蹴る加藤にKihoは前蹴りと右ストレートでどんどん前へ出て攻めていくが、加藤も打ち返す。  そのまま勝敗は判定にもつれ込み、ダウンを奪った加藤が判定3-0で2勝目をあげた。 [nextpage] ▼第5試合 Krushフェザー級 3分3R×八木正樹(WSRフェアテックス三ノ輪)判定0-2 29-30、28-29、29-29〇井上咲也(K-1ジム大宮チームレオン)  1R、サウスポーの井上は長いリーチを巧みに使ってジャブ、ワンツー、左ミドル、左ローとどんどん攻めていく。距離を取られた八木は右フックの強打を放つが、距離をとった井上に手数では劣る。  2R、八木はパンチ主体から右ミドルに切り替えたが、井上が長いジャブを多用して距離をとると攻めあぐねる。井上は左ストレートも突き刺す、ジャブで完全にペースを握った。  3R、ジャブとヒザ蹴りで主導権を握った井上だったが、打ち合いに行くと打ち勝ったのは八木の方。コーナーに詰められて連打を浴びせられた井上は消耗し、その後はジャブと左ストレートをヒットさせる場面があるもバテ気味。ホールディングで警告もとられたが、判定2-0で井上が逃げ切った。 [nextpage] ▼第4試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R×髙口賢史郎(K-1ジム五反田チームキングス)判定0-3 ※27-30×2、29-30〇宮川太陽(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  1R、宮川はいきなり後ろ蹴りを繰り出すと、以後は右ストレート&右アッパー、右カーフキックを蹴る。高口はじりじりと前に出るが、宮川に先手を取られてほとんど手を出していない印象。  2Rは高口が右ストレート、ジャブを出して前へ出たが、すぐに宮川が右のパンチを中心にパンチ&ローで押し返す。どうしても宮川の手数に対して手数が少ない高口。  3Rは思い切り右を叩きつけていく高口だが、やはり手数が少ない。宮川は先手でパンチで攻めていき、ヒットを奪う。パンチ&ローでしっかり手数を出していった宮川が判定3-0で勝利した。、 [nextpage] ▼第3試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R〇梅田将成(KFG URAWA/第235回、237回新空手道東京大会 K-2トーナメント軽量級優勝)判定2-0 ※28-27、28-28、28-28×落合正司(K-1ジム大宮チームレオン) (写真)梅田がダウンを奪った右クロス 1R、ローの蹴り合いから梅田が狙いすました右クロスでダウンを奪う。立ち上がった落合はダメージを感じさせず、右ストレート、左フックを狙う。梅田はローを蹴りつつ、後ろ蹴りも繰り出す。  2R、落合は右ストレート、梅田のジャブに被せる右を多用して前へ出る。梅田はジャブを多用して距離を取り、ミドルを蹴る。逆転を狙う落合の気迫が上回るラウンドに。  3R、思い切り右を叩きつけていく落合は、梅田にロープを背負わせると渾身の右フックでついにダウンを奪い返す。その後も右を思い切り繰り出していく落合に、梅田も右のパンチで応戦し、落合が右を出すと頭を下げるところへヒザを突き上げる。さらに右フックで落合をグラつかせ、判定2-0で落合を振り切った。 [nextpage] ▼第2試合 Krush女子アトム級 2分3R×AIKO(FREEDOM@OZ)判定0-3 28-29、28-29、27-29〇谷田美穂(K-1ジム大宮チームレオン)  34歳のAIKOはプロ戦績1勝3敗1分で、KrushではNOZOMIと紗依茄に敗れて2敗。35歳の谷田はプロ戦績5敗で、KrushとKHAOSで加藤りこと豊嶋里美に敗れて同じく2敗。女子3試合の中でもさらに熾烈なサバイバルマッチとなる。  AIKOは147cm、谷田は148cmと女子アトム級の中でもさらに小柄。同じ女子アトム級でも今大会に出場する加藤りこは157cm、Kihoも157cm、チャン・リーは161cm、紗依茄は164cmだ。その中での厳しいサバイバルとなるが、両者ともKrushでの初勝利を目指す。  1R開始から突進する谷田。AIKOは片足を上げてフェイントしてのスーパーマンパンチ風のパンチを多用。谷田は攻撃の手を休めないが、的中率はAIKOの方が多い。  2Rも突進を続ける谷田。AIKOは前蹴りで押し返すが、勢いに押される。ならばとミドルも蹴るが谷田の突進は止まらない。谷田の前蹴り、ワンツーがヒットし、AIKOはスーパーマンパンチを繰り出すが谷田の勢いが目立った。  3Rも谷田の突進は続く。AIKOは前蹴りを連発して押し戻すが、バランスが不安定なところで右をもらってしまい痛恨のダウン。なおも手数を出して突進する谷田にAIKOは逆転を狙って右ストレートを繰り出していくが、谷田も一歩も退かず打ち合ってタイムアップ。  ダウンを奪った谷田が嬉しいKrush初勝利を飾った。 [nextpage] ▼第1試合 Krushバンタム級 3分3R〇入江亮太(K-1ジム福岡チームbeginning)KO 1R 2分54秒 ※3ノックダウン×山西 練(POWER OF DREAM)  1R、序盤はローの蹴り合い。入江はジャブが入り始めると力強い右ストレート、左フックを打っていく。特にとびこんでの右ストレートがよくヒットし、巻き込むような右フックでダウンを奪う。  続いて右の相打ちでダウンを追加すると、最後はロープ際に追い詰めての右フックで3度目のダウンを奪い、KO勝ちで大会のオープニングを飾った。  入江はマイクを持つと「前回デビュー戦で負けてしまって、勝てる試合だったのに落としてしまい、それからずっと負けないと一生懸命練習してきました。K-1甲子園の準決勝で壬生狼選手とやっていて2-1で負けてしまっているんですけれど、もっと試合をやっていきたいのでよろしくお願いします」とアピールした。
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