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【空道】5・12全日本体力別選手権を開催、目黒雄太の史上最多タイ5連覇なるか、元『格闘技通信』編集長の朝岡秀樹(50)が15年ぶり出場

2019/05/01 14:05
【空道】5・12全日本体力別選手権を開催、目黒雄太の史上最多タイ5連覇なるか、元『格闘技通信』編集長の朝岡秀樹(50)が15年ぶり出場

昨年の大会でヒジ打ちを決める目黒

2019年5月12日(日)愛知県武道館で開催される『2019北斗旗全日本空道体力別選手権大会』。

 昨年末の第5回世界選手権を終え、それまでの4年間を牽引してきた空道日本のトップ選手の多くは、引退、もしくは休養している。端境期ともいえるこのシーズン、毎回、世界選手権直後の全日本選手権は、新人たちが頭角を現す大会である。一方で、世界選手権出場を逃し、燃え尽ききれなかったベテラン選手や、世界選手権に出場しながら連続参戦を果たすトップ選手も存在する。世代の入り乱れた闘いの中で、新時代・令和の初代王者となるのは誰か? 4年後の世界選手権に向け、新たなスタートが切られる。

 空道は頭に防具を着け、拳サポーター着用で顔面打撃あり。突き、蹴り、ヒジ打ち、ヒザ蹴り、頭突き、投げ、関節・絞め技ありの総合格闘技(武道)。今大会は体力指数と呼ばれる、身長と体重を足した数値によって階級分けされてのトーナメントが行われる。


昨年4連覇を達成、今年史上最多タイの5連覇を狙う目黒

 -230クラスの見所は、2015~2018年と全日本‐230クラス4連覇を達成した目黒雄太の5連覇なるか。空道史上、全階級を通じ、同一階級の連覇としては1993~1997年に同じく-230クラスでV5を達成した小川英樹の記録がこれまでの最多。目黒が今回優勝すれば、この記録に並ぶこととなる。

 その記録を阻止すべく立ちはだかるのは、荒井壱成、高垣友輝、星優斗、小野葉嗣、小松慎らジュニア戦線から闘いを重ね、かつまだ10代~20代前半と年齢は若い世代か。ムエタイで実績を残し、大道塾札幌西支部で指導を行っているソムチャイ・ヌアナーも、北海道地区予選では腕絡みで一本勝ちを収めているだけに、侮れない。一発逆転の脚関節技をもつ高橋忠仁や、関東地区予選で青帯ながら黒帯3人を撃破し、優勝を果たした高岡新らは大番狂わせを生み出す可能性を有す。

 一方で、目黒と全日本の決勝を争った経験をもつ近田充、2015全日本無差別7位の実績を誇る小芝裕也らの打ち合わないスタイルの組手は、すべての勢いを消し去りかねない。


元「格闘技通信」編集長の朝岡が50歳になって、15年ぶりの全日本出場(写真:全日本空道連盟)

 また、このクラスでぜひ注目したいのは15年ぶりに試合に出場し、関東地区予選を勝ち抜いて全日本選手権への出場を決めた朝岡秀樹だ。朝岡は1992年の全日本体力別選手権-230クラスで優勝。その後、格闘技雑誌の『格闘技通信』編集部に勤め、編集長にも就いた。編集長退任後にはアマチュア修斗に出場し、2003年の全日本選手権ではのちにプロ修斗で世界王者となるBJ、神酒龍一らを下してバンタム級優勝を収めている。空道と修斗の全日本選手権で優勝したのは朝岡ただ一人。

 朝岡は「格通に入って以来、稽古時間を確保することが夢だったんですが、格闘技マスコミ業界を離れてようやく夢が叶い、試合に出る準備が整ったら、50歳になってました(苦笑)」とコメント。15年ぶり、50歳での挑戦が注目される。

 -240クラスは順当にいけば、半年前の世界選手権で、この階級の日本人として最上位の第3位に入賞した服部晶洸が本命。対抗馬は、同じく世界選手権代表、上段回し蹴りの的中率の高い曽山遼太であろう。この二人を追うのは、ブランク明けの國枝厚志(2015全日本無差別8位)か。西日本地区予選を制した伊東宗志、東北予選を制した伊東駿のダブル伊東に関しては、共に実力者ゆえ、双方が上位進出する可能性がある。


寝技の時間制限はあるが、関節・絞め技も認められている

 -250クラスは世界選手権出場を経て、今春、北海道より上京し、総本部寮生となった安富北斗が優勝候補筆頭。全日本選手権11度優勝の“鉄人”アレクセイ・コノネンコから事実上のKOを奪った実績をもつ笹沢一有が九州地区予選を制し、新旧初対決を狙う。スマートな闘いをみせる野田洋正も安定した実力を誇るが、プロイベント『巌流島』で活躍し、寝技にも長ける原翔大は、関東地区予選でその野田を下して決勝進出を果たしている(決勝は棄権)。台風の目となるか。この他、関東地区予選優勝の山本英貴、西日本地区予選優勝の曽我和昭、そして、相手のリズムを崩す組手で大物食いを果たし世界選手権日本代表候補となった飯田諭が注目選手だ。

 -260クラスには2015、2017年の-250クラスの全日本王者で、世界選手権-250クラス3位となった加藤智亮が階級を上げて参戦。世界選手権代表争いで脱落し、意気消沈の日々を送ったこの階級の重鎮、渡部秀一が迎え撃つ。

 最重量級の260+クラスには、野球からの競技転向で、150キロの速球を投げていた強肩を活かし、バッタバッタとストレートでダウンを奪ってきた世界選手権代表・目黒毅が、今大会でもKOの山を築くか? 一方でミスブローによる自爆(負傷)も多い選手なので“無事、これ名馬”となりえるか……が問われるところ。


投げやタックルも認められている。道衣を利用していいのが総合格闘技とは違うところ

 女子の-220クラスは、2016年-215クラスにて初優勝を遂げたものの、その後、出産・育児のため、休養をとり、昨年より競技復帰した渡邊富紀恵が優勝候補筆頭。初出場の三好梨乃は、投げ技にキレをみせる。同じく初出場の熊谷鞠月は早稲田大学準支部30年の歴史のうえで初の女性キャプテン。大学入学以前は、大道塾から独立した団体である禅道会で、かつて大道塾の女子エース選手だった石原美和子氏の指導を受けていたという経歴をもつ。

 女子220+クラスに出場する、世界代表となった内藤雅子は柔道出身で内股をはじめとする投げ技に長けるとともに、ムエタイスタイルの打撃も、急速な成長をみせている。ジュニア戦線で輝かしい戦績を残し、一般クラスに初参戦する末永あゆがどこまでやるか、期待したい。

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