MMA
レポート

【格闘DREAMERS】平本蓮の弟、17歳の丈が最終審査試合で、16歳・鈴木崇矢に負傷TKO負け。泣きじゃくる弟に蓮「人生あと何年あると思ってんだよ」

2021/05/09 02:05
 格闘オーディション番組『格闘DREAMERS』の第9話が5月8日(土)夜9時から、ABEMAにて配信された。  番組では200通を超える応募のうち、書類審査、実技審査、面談を経て17名で行われた2泊3日の合宿形式の2次オーディションを通過した12名による、試合形式の「最終審査」の模様が放送された。  今回のプロジェクトの発起人でありチーフクリエィティブオフィサーのEXILE HIROが見守るなか、果たして、プロ格闘家としてLDH martial artsとの契約を勝ち取るのは誰になるのか。  いよいよ運命の「最終審査」の試合に向け、高谷裕之総監督は、出場選手たちに、「選考で選ばれた人は、LDHのサポートで100%完璧な格闘技に集中できる環境になれると思います。100%、格闘技に懸けている想いやプライドは、試合で見ている人に伝わると思うので、その権利を全力で勝ち獲ってください。熱い試合を期待しています」と語り、選手たちを送り出した。  前半4試合はともに苦難を乗り越えて来た者同士の“潰し合い”。次週放送の後半4試合は、外敵相手の腕試しとなる。  所属選手を選ぶ選考基準は「世界と闘えること」。高谷総監督は、「いい試合をしたから選ぶんじゃなくて、そのポテンシャルがあると感じさせてくれた選手を選ぶ」と、情を捨てて選考に臨む決意を示す。  第1試合は、GENERATIONSチームの平本丈と、THE RAMPAGEチームの鈴木崇矢の対戦。  17歳の平本丈は、RIZINでMMAデビューを果たした平本蓮の実弟。伝統派空手&キック出身で。書類審査は通過していたが、一次オーディションでのPCR検査で陽性反応が出たため、参加を断念していた。 「俺だけコロナで受けれなくて……」と悔やんでいたが、「入れ替え戦」に抜擢され、名津井楓にアナコンダチョークで一本勝ち。一発勝負をモノにして、最終審査に飛び級で参加した。 「自分が17歳の頃より全然強い」と弟を評する蓮は、「僕もそうだけど、弟も今だけを生きていきたいと思うから、いま格闘技を一生懸命、頑張りたい。弟も同じ強い気持ちがあるから(入れ替え戦で)勝利を掴んだと思う。弟も行ける気はしますね。2人ともお互いに」と、最終審査の試合にも期待。  丈は「契約選手に見合う、華のある面白い試合をしたい」と意気込む。  対する16歳、最年少参加者の鈴木は、小1から新極真会・中原道場で空手に取り組み、EXFIGHT、KRAZYBEE等でMMAの練習に励んできた。  フルコンタクト空手の「カラテドリームフェスティバル2019」では、中3男子軽量級で41人が出場したトーナメントを勝ち抜き、優勝を果たしている。中学では陸上部で長距離走も経験しており、強い心臓を持つのも強みだ。  鈴木は、「自信しかない。誰でもかかってこいや」「鈴木崇矢しか見れないという試合をします」と、充実した表情を見せる。 [nextpage] 平本は左足を着地することができず──  1R、サウスポー構えの鈴木とオーソドックス構えの平本。先に右ミドルを打っていった平本。すぐに左ミドルを蹴り返す鈴木。さらに左のダブルの2発目をヒット! 平本の上体を上げさせてダブルレッグテイクダウンへ。右で差し上げる平本に四つに。  四つのまま背中でクラッチした鈴木は後方に投げ! 一瞬サイドとなるが、すぐに足を戻してガードの中に入れる平本。いったん体を離した鈴木は中腰から強いパウンドで中に入って行く。  背中を着けてしまう平本。金網に押し込み、強いパウンドを連打する鈴木。たまらずラバーガードにとらえる平本だが、鈴木が上体を立てると、胸を蹴り上げて鈴木を離し、その隙に立ち上がる。  しかし、すぐに詰める鈴木は左ハイ。辛うじてブロックする平本だが、続く左をかわしながらもかすめる。そのまま詰めて四つに組む鈴木は、後方に回してケージ中央でテイクダウン!  意外にも組みで差を見せる鈴木に対し、背中を着かされる平本は下から首を抱えてブザーを待つ。  2R、「丈、真ん中だぞ、真ん中」とストレートを意識づける蓮。テイクダウンを警戒し、前傾気味になる平本に、鈴木は打撃の距離でいきなり左ハイ! ガード上も鋭い音を立てる。さらに左前蹴りに繋ぐ。左ストレートで前進する鈴木に、下がりながらの平本は後手に。  金網に詰まり、尻下でクラッチする鈴木は持ち上げて両足を払うように角度をつけてダブルレッグテイクダウン! 受け身を取りながらも頭から落ちる平本のサイドを奪うが、平本も片足を差し入れハーフに。  クローズドガードの中に入れる平本。蓮の「その場にいない」の声に金網で立とうと動くが、そこにパウンドは鈴木。平本は一瞬足を掴んで鈴木の動きを止めるが、背中を着けたままガードに入れる。  ブレーク。スタンド再開。ともに疲れは見えるが、先に左三日月蹴りを打つのは鈴木! 後退する平本の右足の運びがおかしく、挫いたか左ヒザをマットに着いてしまう。その立ち際にギリギリで左ミドルを顔面に蹴る鈴木。組み行く平本にジャンピングガードで引き込む鈴木。鼻血の平本はインサイドガードから抑え込んでブザー。  コーナーに戻ろうとする平本だが、左足を着地することができない。迎えに行く蓮が青いバトンを投げて、棄権を伝えた。 [nextpage] EXILE HIRO「永遠のライバルになりそう」  2R TKO──胸を叩いて咆哮する鈴木。椅子に座り下を向く平本。鈴木はセコンドのRIKUとハグして涙。さらに、練習仲間でもあった平本に駆け寄り、熱いハグをかわす。  その光景にEXILE HIROは、「戦い合って伸びていく、永遠のライバルになりそうだな」と期待を寄せた。  もともと小指を骨折していた平本は、バックステージで、「痺れて途中から足が動かなくなっちゃった」と告白も、「俺の実力不足だから。怪我とか関係ない。普通に俺が弱かっただけ」と涙。  泣きじゃくる弟に、兄の蓮は「人生あと何年あると思ってんだよ、気にすんなよ、大丈夫だよ。始まったばかりだ。絶対にチャンピオンになれるから、いつかは。こういう日もある。一生懸命やった。次、勝てる」と励まし、肩を貸して試合場を後にした。  一方の勝者は、「負けられなかったんで。RIKUさんが近くにいてくれて本当よかった」とTHE RAMPAGEからセコンドについたRIKUに感謝。  組み技での成長を試合で見せた鈴木は、練習仲間でレスリングコーチでもある中村倫也とハグ。「練習でほんとうにいろんな人に支えられて、掴みとった勝利かなと思います。ずっと不安で不安で……よかった」と、第1試合での勝利に胸をなでおろした。 【GENERATIONS vs. THE RAMPAGE】×平本 丈 [2R TKO] 鈴木崇矢〇山内 渉 vs. 安永吏成柳田龍彌 vs. 岡田達磨高木オーディン祥多 vs. 八木敬志 【DREAMERS vs. 外敵】漆間將生 vs. 吉村海飛齋藤奨司 vs. 田島 涼宇佐美正パトリック vs. 日高健太郎中村倫也 vs. 新井拓己 ◆第1話 レスリングU-23世界王者の中村倫也、高校ボクシング6冠・宇佐美正パトリック、DEEP2戦目で高塩竜司を下した山本歩夢、IGLOOの鹿志村仁之助、RISEからプロシューターの齋藤奨司、勅使河原弘晶に挑戦した元ボクサー入口裕貴も参加 ◆第2話 岡見勇信「覚悟なんて簡単に人を裏切るから」──“地獄の合宿”2次オーディションへ ◆第3話 2日目グラップリングスパーは、中村倫也vs.岡田達磨のレスラー対決、山内渉vs.鈴木崇矢の極真対決も ◆第4話 那須川天心がマススパー「試合だったら、1人1回は倒れてる」。中村倫也、宇佐美正パトリック……最終日の試合形式スパーでは名勝負続出! ◆第5話 高校6冠ボクサー宇佐美の進化と叩き上げレスラー岡田の再試合は衝撃KOに! 柔道の高木オーディンvs.マッチョ八木、そして合格者の前に平本蓮と弟の平本丈が「入れ替え戦」を要求 ◆第6話 平本蓮を感動させた弟・丈の勝利と涙。無慈悲な「入れ替え戦」が見せた格闘技の厳しさ ◆第7&8話 朝倉未来「実力差、ちょっとあった。1年でこれだけ強くなれる」vs. 教え子の完敗に高谷裕之「イラつくな…」いよいよ「最終決戦」へ
全文を読む

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア