キックボクシング
レポート

【NKB】渡部翔太がメインで笹谷淳を振り切る、NIIZUMAX!が変則的すぎるスタイルで勝利、郷野聡寛は臼井壮輔に初回KO負け

2021/04/24 21:04
NKB「必勝シリーズvol.2」2021年4月24日(土)東京・後楽園ホール ▼メインイベント(第11試合)66.68kg契約 3分5R×笹谷 淳(TEAM COMRADE/NKBウェルター級3位)判定0-2 ※48-49×2、49-49〇渡部翔太(チームドラゴン/WMC日本スーパーライト級1位)  笹谷は2002年11月にデビューした46歳の大ベテラン選手で、元J-NETWORKウェルター級&スーパーウェルター級2階級王者。得意のヒジ打ちを武器に国内トップ選手たちと拳を交えてきた。  渡部はテコンドー出身で日本テコンドー協会学生大会優勝の実績を持ち、2006年10月にデビュー。チームドラゴンの選手では珍しく、ヒジ無しルールよりもヒジありルールでの試合経験が多い。  1R、サウスポー同士。左ローを蹴り合い、笹谷は左フックと組み付きを多用する。笹谷が左バックスピンエルボーを繰り出せば、渡部もすかさずバックハンドブローを返した。  2Rも組み付きを多用する笹谷は左ロー、左フックも。渡部は飛び後ろ蹴りを決めるが、笹谷は左の蹴りを何発か出しておいての左フックを打つ。笹谷のトリッキーな動きに戦いにくそうな展開が続く渡部。  3Rも左ロー、左ミドルを蹴っておいてフェイントしてから左フックを打つ笹谷。渡部がローを蹴ってくると左ストレート、左フックを返す。笹谷は左フック、左ローと自分の攻撃を当てては組み付く。  4R、笹谷は左カーフキックから左フックを狙う。渡部が左ストレートをヒットさせると笹谷が大きく後退。渡部は一気に前へ出て左ストレート、左ヒジを打ち、笹谷は渡部の片腕を抱え込んでのヒジを打つ。このラウンドは渡部の有効打が目立った。  5R、組んだ状態で互いにヒジを打つ。笹谷は最後まで左フック狙い、渡部は印象を良くしようとするためかバックハンドブロー。ラスト1分になると渡部が右ミドルをクリーンヒット、飛びヒザ蹴りを連発し、笹谷を下がらせた。  判定2-0で渡部がベテランの笹谷を振り切った。 [nextpage] ▼セミファイナル(第10試合)66.68kg契約 3分3R△CAZ JANJIRA(JANJIRA GYM/元蹴拳ウェルター級王者、J-NETWORK同級2位)ドロー 判定0-0 ※30-29、29-30、29-29△どん冷え貴哉(Maynish KICK BOXING/ACCELライト級王者、RKSスーパーライト級2位)  CAZは2010年5月デビューでJANJIRA GYMの代表兼選手。J-NETWORK、RISEなど様々な団体のリングで活躍し、蹴拳ではタイトルを獲得。メインに出場する笹谷とは2020年10月にNKBで対戦し、CAZが判定2-0で勝利を収めている。戦績は16勝(4KO)16敗4分。  どん冷えは滋賀県大津市のMaynish KICK BOXING(メイニッシュキックボクシング)所属で、このジムの前身は“ムエタイ都市伝説”と呼ばれた初代REBELS-MUAYTHAIスーパーフェザー級&第10代NKBライト級王者ヤスユキ(2016年引退)を中心に個性派選手を多数輩出したDropoutであり、どん冷えはヤスユキのスパーリングパートナーとして鍛え上げられた生え抜きだという。戦績は17勝(5KO)15敗1分。  1R、どん冷えは左フック、右インローと先手で攻めていく。サウスポーのCAZは序盤は見て、終盤に前へ出て左右フックを放つ。どん冷えはジャブを打って距離をとった。  2R,前に出てくるCAZを右のパンチで迎え撃つどん冷え。CAZは右ローと左フック。終盤にはフックとローを交換し、ラウンド終了のゴングが鳴ると睨み合うように視線を交わす。  3R、CAZの左ストレートをもらってしまうどん冷えは右ヒジで左目じりをカットして流血。ストップされないようにアグレッシブに攻めていくどん冷えは右フックを当てて行く。  両者決め手なく、判定は三者三様の痛み分けとなった。 [nextpage] ▼第9試合 ライト級 3分3R×野村怜央(TEAM-KOK/NKBライト級3位)判定0-3 ※27-29、27-28、26-29〇NIIZUMAX!(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKスーパーライト級1位)  野村は2019年4月に大月晴明と対戦し、判定で敗れているもロー&ミドルキックで大月の強打に対抗。右フックでグラつかせる場面も作った。2020年8月にはINNOVATIONのリングに乗り込み、INNOVATIONスーパーフェザー級1位・櫻井健(Hardworker)を2R1分54秒、TKOに破っている。  NIIZUMAX!も2004年2月デビューのベテラン選手で、かなり変則的な動きから何が出てくるか分からないトリッキーな攻撃を仕掛ける。  1R序盤からNIIZUMAX!は後ろ蹴りにカカト落としと独特なファイトスタイルを展開。野村は強い右ローを蹴っていき、NIIZUMAX!は転倒することも。しかし、野村が右ローを蹴った直後、1回転したNIIZUMAX!が後ろ廻し蹴りで鮮やかにダウンを奪う。驚きに包まれる場内。コーナーでのもみ合いでNIIZUMAX!が右ヒジで2度目のダウンを追加。  2R、右フックを連発して組み付き、ヒジを打つNIIZUMAX!に野村はヒザ蹴り。しつこく右ヒジを打つNIIZUMAX!に野村がヒザで対抗する。ほぼノーガードながら頭を大きく動かすNIIZUMAX!はパンチをもらわなかったが、2R後半になると野村の右を被弾する場面が増える。それでもノーガードから繰り出すバックハンドブロー、右ストレートで野村を脅かす。  3Rが始まると同時に両者は激しい打ち合い。野村は左右のヒザを顔面に突き上げ、NIIZUMAX!の右目がみるみる腫れていく。それでも右をしっかり当てるNIIZUMAX!。ノーガードで打ち合うNIIZUMAX!はフラフラとなり、何度も転倒を繰り返す。胴廻し回転蹴りも空を切る。そのフラフラの状態ながらもパンチやヒジを繰り出し、最後まで戦い抜いて判定勝ちをもぎ取った。 [nextpage] ▼第8試合 ミドル級 3分3R×郷野聡寛(GRABAKA/第4代全日本ヘビー級王者、2015年英雄伝説72kgアジア王者)TKO 1R 2分09秒 ※レフェリーストップ〇臼井壮輔(修実館/元新日本キックボクシング協会ウェルター級3位)  郷野は修斗、パンクラス、PRIDE、UFCで活躍したMMAファイター。2019年に行われたNKBの「PRIMA GOLD杯ミドル級トーナメント」1回戦では清水武に敗れている。キックボクシングの試合は約2年ぶり。  臼井はロッキー壮大のリングネームで新日本キックにて活躍。2013年7月には緑川創とも対戦している。  1R、郷野はだらりと下げた左手でジャブ、左フックを放つが、臼井の右ローを蹴ってからの飛び込んでの左フックでダウンを喫する。  臼井の右ローで足がガクガクとなる郷野は右ローで2度目のダウン。カウント7でも立てる様子ではなく、臼井のTKO勝ちに。郷野は立ち上がることが出来ず、担架で運ばれていった。 [nextpage] ▼第7試合 ライト級 3分3R×パントリー杉並(杉並ジム)TKO 3R 0分33秒 ※レフェリーストップ〇福島勇史(ケーアクティブ)  8勝(1KO)6敗5分と19戦のキャリアを持つパントリーと、まだ4戦ながら3勝はいずれもKO勝ちの福島が対戦。  1R、右ロー、左インロー、左ミドルを蹴り合う両者。パントリーはワンツーを狙うが、福島に右ローを狙い撃ちされる。福島は終盤に左フックも繰り出す。  2R、福島が右ストレートから左ボディ、そしてもう一度の右ストレートでダウンを奪う。続いて右ローでグラつかせてからの右フックでダウンを追加。するとここでなんとパントリーが足を止めて打ち合う捨て身の戦法。真正面からの打ち合いでパントリーの左フックがヒットし、場内がどよめく。  3Rもコーナーへ詰めての打ち合いを挑んだパントリーだったが、福島の左フックがカウンターでクリーンヒットしてスローモーションのように倒れるパントリー。レフェリーが即座にストップし、福島の豪快なTKO勝ちとなった。 ▼第6試合 54.0kg契約 3分3R―矢吹翔太(team BRAVE FIST)試合中止―七海貴哉(G-1TEAM TAKAGI)※七海が体調不良で欠場 [nextpage] ▼第5試合 フライ級 3分3R×杉山 空(HEAT)判定1-2 ※28-30、30-29、28-30〇吏亜夢(=りあむ/ZERO)  サウスポーの吏亜夢が、18cmの身長差がある長い手足を利してのヒジ・ヒザで優勢。2Rも左ミドルとヒジ&ヒザで完全にペースをつかみ、3Rは左テンカオをグサリと突き刺し、首相撲からのヒザで終始優勢だった吏亜夢が判定勝ちした。 ▼第4試合 73.0kg契約 3分3R△渡部貴大(渡邉ジム)ドロー 判定1-0 ※30-29、29-29、30-30△国本泰幸(ムエタイファイタークラブ)  1Rに右の強打を叩き込んだ国本だが以後は両者クリンチ状態が続く。2Rも国本がパンチを当てるが両者クリンチが多い。3Rはパンチで攻める場面が多かった国本だが、渡部も組み付いてのヒザ。判定はドローとなった。 [nextpage] ▼第3試合 59.0kg契約 3分3R〇岡田克之(D-BLAZE)TKO 2R 2分11秒 ※レフェリーストップ×ウエタ(リバティジム)  蹴りを出すウエタだが、岡田が長い手足を活かして首相撲からのヒザでペースを握る。左ヒザでダウンを奪い、その後も首ヒザで圧倒。2Rにもダウンを追加、最後はヒザ蹴りで追い、背中を向けたウエタに右ハイキック。クリーンヒットされたウエタが倒れ、レフェリーストップで岡田のTKO勝ちとなった。 ▼第2試合 フェザー級 3分3R×龍一(拳心館)TKO 1R 1分33秒 ※レフェリーストップ〇龍ヶ崎マサト(SHIROI DREAM BOX)  竜ヶ崎はなんと52歳。2020年10月にデビューして1戦1敗。龍一はこれがデビュー戦となる26歳。  竜ヶ崎は左ミドルと右ローから左右フックを放つ。軽やかな動きで積極的に攻撃し、左ボディからの右フックでダウンを奪う。立ち上がった龍一に右ハイキックを鮮やかに決め、ワンツーをフォローしてKO勝ち。場内は大きな拍手に包まれ、竜ヶ崎は初勝利に満面の笑みを浮かべた。 ▼第1試合 68.0kg契約 3分3R〇勇斗(KUNISNIPE旭ジム)TKO 1R 1分15秒 ※レフェリーストップ×RYOTA(リバティジム)
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