僕もシネチャツガに負けないくらいオールラウンドにやれる
――そういう中で、今回のシネチャツガ・ゼルトセトセグですが、さきほど「強みが似ているからやりたくない」と。試合を見る限りまだ未知の部分もありそうですが、あの右のカウンターや身体ごと入るような強打をどう見ていますか。
「まず、良い眼を持っている選手だと思います。パンチをもらわないで自分の攻撃だけを当てることが出来る素晴らしいファイターだなと。オーソからの右のオーバーハンドもそうですが、僕は左のほうがスイッチしてくるので注意しています。でも、結局倒しているのがほとんどパワーハンドと後ろの手ですね。
スーパーマンパンチではないんですけど、前手で打ってくる、あの身体のふりを使ってくる真っ直ぐの突きみたいなパンチもある。あれ以外はもう“ザ・ボクシング”で、モンゴル代表だったとも聞きました。そういった面では、僕より圧倒的なストライカーなのかなとは思ってますね。彼は危険なファイターですが、自分もせっかくファイターをやっているので、危険を冒さないといけない試合を勝ちたい。 僕が相手のパンチで意識が飛ばなければ、倒れなければ、大丈夫かと。勝てると思います」
――相手は打って組むことも出来る打撃です。そしてかなりトリッキーな試合も見せているので、実際に立ち合ってみないと分からない部分はあると思いますが、先ほど言った「ベースが上がっている」という意味では、中原選手にはまだ見せていない組み技・寝技もあるのではないでしょうか。
「そうですね。まあ、取っておいたものを見せるかもしれないというのと同時に、そろそろ本番でテストしておかないと、いざってときに使えないんじゃないかなとも思ったりしてます」
――それは、ダナハーシステム、足関節も含まれますか。
「そうですね。トノン戦後はニューヨークに行けたのですが、いまはダナハー先生もプエルトリコに行っちゃったので、今回は指導を受けていないですが、展開によっては仕掛けることもあると思います。トノンからグラップリングスキルを学びましたし、自分の引き出しが増えたなと感じます。あの試合後、ジョン・ダナハーの元へ行ってトレーニンングをさせてもらいましたし、今回の試合でもその学んだことを見せたいと思います」
――今回、TNTで、アメリカのプライムタイムの夜9時頃に放送されることは、気持ちに変化もありますか。
「北米デビューということで、けっこう単純なんで(笑)、ヘンゾ・グレイシー・アカデミーで学んだことや、ジョン・ダナハー先生から学んだことを皆んなに見てもらいたいですね。たぶん今まで以上に見ている人が多いと思うので、そういうところでしっかり結果は残したいなとは思っています。それに、僕もシネチャツガに負けないくらいオールラウンドにやれるファイターだと思っています。今までは打撃しか見せる機会がなかったのですが、今回は僕のオールラウンドぶりも見せます」
──いま中原選手にとっての戦うモチベーションになっているものは?
「最近結婚したんです。なので、自分の戦う姿で奥さんとかに良い思いをさせたいです」
――今回の試合で連勝したら、今後の相手についても聞かれると思います。
「そろそろランカーの誰か。マーティン・ニューイェンが勝つかどうか分からないですけど、彼とやるってなるとまたさらにモチベーションも上がるのかなと。チャンピオンじゃなくなっても、現時点で彼がナンバーワンストライカーだと思うので。キム・ジェウンがどうなるかというのもありますが、ニューイェンの首はターゲットの一つには置いてますね」
――最後にファンにメッセージをお願いします。
「このオファーを受けたときに、ONE的にはどっちかが倒れて盛り上げろって事だと思っていますが、あまり期待はしないで欲しいです(笑)。僕は僕の戦い方をしますし、この試合の為に新しい自分を用意してきたので、まずはそこを出す事を意識して、しっかりフィニッシュできるようベストを尽くします。15分間、ずっとフィニッシュを狙い続けるので、ちゃんと見ていてください! 判定は無いですね。グラウンドなのかストライキングなのか、いずれにしてもフィニッシュする試合になると思っています。応援よろしくお願いします!」