2021年3月28日(日)東京・日本武道館『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN ~K'FESTA.4 Day.2~』にて、K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ3分3R延長1Rとして、シナ・カリミアン(イラン/POWER OF DREAM)の挑戦を受ける王者K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning)が公開練習を行った。
K-Jeeは福岡を拠点としてデビュー当初はスーパー・ウェルター級で試合をしていたが、2016年からヘビー級に転向。クルーザー級が新設されると再度転向して2018年9月のK-1初代クルーザー級王座決定トーナメントではベスト4。2019年には初代Krushクルーザー級王座決定トーナメントで3試合ともKOして初代王座に就いた(同王座は返上)。2020年12月の福岡大会でカリミアンに挑戦し、1R1分54秒の速攻勝負でTKO勝ち。第2代王座に就いた。今回はダイレクトリマッチでの初防衛戦となる。戦績は20勝(17KO)10敗。
公開練習でパワフルなミット打ちを見せたK-Jeeは「今の自分は強くなるトレーニングではなくて、試合に勝つためのトレーニングを意識している。ある意味、ほかの人ではトレーニングとして通用しない、自分の試合のためのトレー二ングです」とカリミアンとの三度目の対戦に向けた練習・対策に集中し、今回の試合は「駆け引きの勝負になる」と予想している。
「シナも前回と同じ形で来ることはないでしょう。ただ彼は前に来ないと強さが出ない選手なので、間違いなく前に来るはず。それに対して自分がどの選択で戦うか?を考えている状態です。自分も前に出て打ち合ってもいいし、ポジションを移動して削ってもいいし。そのいくつかの選択・引き出しを準備しておいて、実際に何をするかは試合中の雰囲気や向かい合っての感じで決めようかなと思います」
カリミアンとは3度目の対戦になるが「2019年の初対戦と2020年11月の2度目の対戦では大きい変化・違いがあったけど、今回は前回の対戦から4カ月しかない。この期間で攻撃力が上がる、ディフェンスが上手くなる、ものすごい新たな武器を手にした…それは考えられない。4カ月で出来ることは対策なんですよね。どういう戦い方をするか。駆け引きの勝負になると思います」と推測。
カリミアンは今回の試合に向けて「K-Jeeはチャンピオンの器じゃない」や「どちらが本当のチャンピオンかをはっきりさせる」など挑発的な言葉を続けている。一連のカリミアンの発言に対して「ああやって他人の悪口を言ってのし上がろうというスタイルはダサい」とK-Jee。「見ている方も聞いている方も『何を言ってんの?』や『ダサいな』と思うし、それこそチャンピオンになる器か?と思います。もっと自分のことや前向きな発言をすればいいのに、ああやってつまらない発言ばかりしている時点で成長はないでしょう」と切り捨てる。
さらに「KO勝ちするのはもちろんですけど、今回勝ったらもう二度と相手にはしません。俺がKO勝ちしたところで勝手に一人で騒ぐでしょうけど、もう再戦を受けるつもりはない。圧倒的な差を見せつけます」とカリミアンとの因縁にピリオドを打つつもりだ。
K-1王者という一つの目標を達成したことで「心が変わった」というK-Jeeは“K-1最多防衛記録”と“K-1福岡大会の定期開催”という野望を語った。
「チャンピオンになって自分の心が変わりました。(K-1王者になって)追いかけてきたものがなくなった状態になって、一瞬なんですけど、心にぽっかり穴が空いたというか。そのあとは、この先どうやって自分の夢を組み立ててこうかというところで色々と考えました」というK-Jeeの今後のビジョンは「他の階級だったら二階級・三階級制覇という目標があると思うけど、重量級でそれは難しい。だったらK-1王者で一番タイトルを防衛しようかな、と。自分は重量級やクルーザー級で一番じゃなくて、K-1全体の一番が欲しいので、最多防衛記録を狙おうと思っています。だからこれから全試合タイトルマッチでもいいと思っているし、『K'FESTA.4 』で組まれているクルーザー級の試合で勝った選手が自分に喧嘩を売ってきてもいい。一番いいKOをしたヤツの挑戦を受けたいと思います」と、最多防衛記録を狙うという。
また、今後のK-1福岡大会について「前回の試合後にも話したように、毎年九州の格闘技祭りとしてK-1福岡大会を開催してくれたらうれしいし、自分が責任を持って盛り上げようと思います。次の防衛戦でもきっちり勝って『今年もK-1福岡大会をやりましょう』と伝えたいですね」と話した。