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【UFC】3大王座戦! ブラホビッチがアデサニヤの二階級制覇を阻止、ヌネスがアンダーソンを粉砕、ヤンがまさかの反則失格でスターリングが戴冠=『UFC 259』

2021/03/07 08:03
 2021年3月6日(日本時間7日)米国ラスベガスの「UFC APEX」にて『UFC 259』が開催された。  前日のフェイスオフでは、注目のバンタム級王座戦に臨む王者ピョートル・ヤン(ロシア)と挑戦者アルジャメイン・スターリング(米国)が、顔を近づけて互いに挑発。 「おまえをぶちのめす」と仕掛けたヤンに、スターリングは「やってみろよ、俺がやってやるからな。ふざけてんじゃねえ、お前アタマがイカれてんのかよ?」と応答。「ああ、おれはクレイジーさ」と返すヤンに、スターリングも「そうか、お前はクレイジーなやつなんだな。いいか、お前のことをテイクダウンして沈めてやるからな」とフィニッシュを予告。すかさずヤンは「お前のテイクダウンなんか楽勝だ」と言い返すなど、早くも火花を散らしてみせた。。 UFC 259: Blachowicz vs. Adesanya 現地時間2021年3月6日(土)、日本時間7日(日)米国ネバダ州ラスベガス/UFC APEX 【メインイベント】 ▼UFC世界ライトヘビー級選手権試合 5分5R○ヤン・ブラホビッチ(ロシア)205lbs/92.99kg[判定3-0] ※49-46, 49-45×2×イズラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)201lbs/91.17kg※ブラホビッチが初防衛に成功  3大王座戦のメインイベントで、現UFC世界ミドル級王者のイズラエル・アデサニヤ(ナイジェリア)が現ライトヘビー級王者のヤンブラホビッチに挑戦。オッズでは挑戦者が-265のフェイバリットで、王者が+225のアンダードッグの評価となっている。  1R、ともにオーソドックス構えから。身体の厚みはブラホビッチ、圧力をかけていく。スイッチするアデサニヤは左ミドルハイ。ブロックするブラホビッチは左から飛び込む。  避けるアデサニヤは右の前蹴りを関節狙い。右前手を触覚で伸ばすアデサニヤ。さらに左ハイも。ブロックして左ボディストレートを打つブラホビッチ。強い左ハイをガード上に当てる。アデサニヤの左をさばくブラホビッチ。オーソドックスに戻したアデサニヤだが、サウスポー構えにして左前蹴り。  ブラホビッチは左ジャブ。アデサニヤは左のブラジリアンキックは速いが軽い。アデサニヤは左ローを当てる。  2R、右ローを狙うアデサニヤ。ブラホビッチは圧を強める。左ミドルを当てるアデサニヤは左ハイも。かわすブラホビッチはワンツーから右ハイが重い。  左ボディストレートはブラホビッチ。アデサニヤの左ハイをスウェイでかわす。オーソから右ハイも空振りのアデサニヤ。ブラホビッチはワンツーから詰めるがまだ深追いせず。組んで脇差しテイクダウンを狙うブラホビッチはがぶりも頭を抜くアデサニヤ。  近い距離から左の蹴りはアデサニヤ。ブラホビッチは右ストレートを返す。アデサニヤの右の蹴りがローブローとなる。再開。  左ジャブの刺し合い。ワンツーで前に出るブラホビッチに左の蹴りを返すアデサニヤ。左前蹴りはブラホビッチ。アデサニヤは左インローをダブルで当てる! ブラホビッチも左ローを返してブザー。  3R、左ミドルを当てるブラホビッチ。アデサニヤは右ローを返す。右から左を振りボディロックテイクダウンはブラホビッチ! スタンドバックへ。しかし、すぐに正対して立ち上がるアデサニヤが打撃で押し返す。左ストレートから金網に詰めるが、押し戻したブラホビッチは右で差して、両差しでボディロックも、アデサニヤは首相撲ヒザでブラホビッチが離れる。  左ジャブダブルのブラホビッチに、右を返すアデサニヤ。左ハイまで繋ぐがかわすブラホビッチ。アデサニヤは右ロー。左ジャブ!ブラホビッチもアデサニヤのパンチをストッピングして左を返す。両脇を差して押し込むブラホビッチだが、金網押し込むもクラッチを解いて離れる。ともに左フックを当てた3R。  4R、シングルレッグに入るブラホビッチだが、離れ際に右を狙う。アデサニヤの左前蹴りの打ち終わりに左フックはブラホビッチ。アデサニヤは左で入りワンツーで前に出るが、そこにダブルレッグテイクダウンはブラホビッチ! 左で脇を差すブラホビッチ。  ハーフからエビを打つアデサニヤはハーフガード。金網から遠ざけるブラホビッチはコツコツとパウンド。そしてヒザを押してパスガード。横四方からパウンド。片足を戻したアデサニヤ。ブラホビッチは胸に頭をつけてパウンドを打つ。  5R、右ローを打つアデサニヤ。ブラホビッチも左ジャブのダブル。ジャブから飛び込むブラホビッチ。そこに右ロー狙いはアデサニヤ。ブラホビッチのジャブに右をかぶせにいくアデサニヤ。さらに左ジャブは互いに。  右ハイ、バックスピンキックのアデサニヤ。前がかりになったところにブラホビッチはダブルレッグテイクダウン! 両手でネッククランクのブラホビッチは、インサイドから細かいパウンド。さらに片足を抜き、右のパウンド! 背中をつけたアデサニヤ。左で脇差して細かく右でパウンドするブラホビッチは最後にマウントを奪いパウンド! 笑顔でコーナーに戻った。  前半は手数で上回ったアデサニヤ。後半はテイクダウン&パウンドのブラホビッチだが……5Rの判定は3-0(49-46, 49-45×2)でブラホビッチが勝利。  初防衛に成功したブラホビッチは「見たか、アンダードッグのチャンピオンだ!」とベルトを手に誇示した。  試合後は、「彼(アデサニヤ)はスピードがあったし、自分も力を出した。パンチ力は予想通りだった。自分の方が身体も大きいからテイクダウンできれば、グランドで差をつけられればと思っていた。もっと早いタイミングでテイクダウンできればよかったけど、疲れさせてからテイクダウンする作戦だった。左のパンチ、ジャブで距離を取り、彼のプレッシャーもあったけど、しっかり自分もプレッシャーをかけられたと思う」と、後半のテイクダウンがポイントだったと語った。  続けて、「彼に初黒星をつけたのは光栄です。真のチャンピオンは僕です。ずっと僕はライトヘビー級だった。グローバーとは次に戦いたいね。彼には挑戦する権利がある。ただ、少し休んで家族と過ごしたい。それが待てるならテイシエラと戦いたい」と次戦について話した。  また、同時二階級制覇はならなかったアデサニヤは、「勝つと思ったけど、昨夜は眠れなかった。自分の思い通りの試合にはならなかった。足が後半で疲労した。(ジャッジは)ここまで差がついているとは思っていなかった。今日は自分にとっていい日ではなかったということ。ミドル級に戻るかもしれない。ミドル級でこの硬い拳をぶち込みたい。みんな応援ありがとう。ナイジェリアのみんなありがとう」と敗戦を語った。 ◆ヤン・ブラホビッチ「自分が真の王者だと証明した」「まずは試合を見てみる必要がある。もちろん、タフな試合だったし、接戦だったけど、イジー(アデサニヤ)は自分よりも少し多くケリを打っていた。ボクシングは俺の方が良かったと思うし、レスリングは向こうよりもはるかに良かった。試合に勝ったし、それがすべてだけど、タフな試合だった。ありがとう、イジー。君みたいな人と戦えるのは自分にとって光栄だった。ただ、“And Still(防衛)”できたことは本当にうれしい。世界で一番の1人である彼を打ち負かした最初が自分で満足している。俺は真の王者だ。今日はかなりハードな仕事だったけど、ベストを尽くした。ほぼすべて出し切ったよ。ジムで彼の対策としてやってきたことはすべて試合で出せたと思っている。満足だ。試合に勝ったし、やってきたことがうまくできた。  もう少し早めにレスリングでいくべきだったし、もっとプレッシャーをかけていくべきだったとは思う。もっとボクシングスキルをぶつけていくべきだったけど、彼は素晴らしいファイターだ。簡単にはそうさせてくれない。でも、トレーニングしてきたことはほぼすべて出せた。呼吸が少しヘビーになる瞬間があった。スパーリングのセッションはすべて完璧だったから、何が起きたのか分からない。その後、呼吸がそれほど悪いわけじゃないって分かって、でも、30秒後にはもう少し集中しつつ、リラックスもできて、呼吸が普通に戻ったから、大丈夫だと思った。ヒヤリとするときはあったけど、なんとか乗り越えた。もしかしたら、彼のキックを受けた後だったかもしれないけど分からない。覚えていないんだ。でも、今回の試合ではあの一瞬だけだ。  それから5ラウンドを戦えたことも良かった。これもまた自分にとっては試練だったからね。今回の試合ではいいテンポだったと思う。何かが起きるときは必ず、カウンターが良い。イズラエルを相手に5ラウンドを戦えたことに満足しているし、良い試合に勝てたことも嬉しい。  国を代表しているからね。母国だけじゃなく、ポーランドの心のレジェンダリーパワーをね。世界にその力を示すことができて誇りに思う。人々が言うことに耳を傾けるのはやめた。俺にしてみれば、一番重要なのは家族の声だし、コーチが言うことであって、友達の言葉だ。人生で一度も会ったことのない人たちがなんと言おうと知ったこっちゃない。今回の試合を終えて彼らがなんと言うのかは聞いてみようかな。俺にとってはそれが重要なことかもしれない。試合前は気にしないけどね。  試合後は、自分がアンダードッグで、みんなが“あいつには今回の試合に勝つ力がない”と言っていたけど、俺が勝った今、なんて言うんだろうな? でも、まあ、運だったんだとか、そういうことを言うんだろうけど、そういうのは気にしない。ファイターにとっては試合に勝てれば毎回サイコーだ。チャンピオンになったときは……なんというか、ワオって感じだった。今は信じられないとかそういうこととは違って、でも、明日、起きたら、“OK、ベルトを守った。自分が真の王者だということを証明したんだからいいじゃないか。また人生でどでかいことが起きたな”と思うだろう。数日後には実感できるんじゃないかな」 [nextpage] 【セミメインイベント】 ▼UFC女子世界フェザー級選手権試合 5分5R○アマンダ・ヌネス(ブラジル)145lbs/65.77kg[1R 2分03秒 後ろ三角絞め&腕十字] ×ミーガン・アンダーソン(豪州)144.5lbs/65.54kg※ヌネスが王座防衛  UFC女子選手史上初の2階級制覇王者のアマンダ・ヌネス(ブラジル・32)が、元INVICTA女王のミーガン・アンダーソン(豪州・31)と2度目のフェザー級王座防衛戦に挑む。  ヌネスはこれまでロンダ・ラウジー、クリスチャン・サイボーグ、ホリー・ホルム、ミーシャ・テイトといったチャンピオンを相手に1Rフィニッシュ勝利を挙げてきた。2020年6月に元Invicta FC世界フェザー級王者フェリシア・スペンサーに判定勝ち。初防衛に成功し、UFC連勝記録を11に伸ばしている。9月には同性パートナーで同じくUFC女子選手のニーナ・アンサロフが第一子を出産。一児の母となっている。  対戦相手のアンダーソンは、現在2連勝中で、身長約183cmの長身。173㎝のヌネスにとって、最も高身長の挑戦者となる。  1R、ともにオーソドックス構え。先に右ローはヌネス。アンダーソンは左ローも動きが硬い。右で飛び込むヌネス! さらに右で金網に詰めると、右カーフキック! 左ジャブのダブルも。  右フックを当ててダブルレッグを切ったヌネスが右で脇を差し上げ押し倒して上に。亀になるアンダーソンに、ヌネスはバックから後ろ三角絞め、さらにアンダーソンの右腕を脇下に挟んで極め、タップを奪った。防衛に成功したヌネスは、アンサロフから愛娘リーガン・アン・ヌネスちゃんを受け止め抱っこして歓喜。  試合後、ヌネスは、ジョー・ローガンのインタビューに「最高です。理想通りでした。(次に誰と? もう相手がいませんが?)分かりません。私はここにいます。私は悪くないでしょ(笑)。まだまだ女子選手はいる。歳を重ねるごとに強くなって、バランスがよくなっている。私はハングリーよ。ベストチームのATTのみんなと研鑽を積んで、マイク・ブラウンとも柔術をやっている。試合で出せるのが私の強さ」と勝利のコメント。  さらに、「ライオンは危険な生き物だけど、それが母親になったらもう止められない。(もっと強くなるの?)そう、もっと強くなる! ブラジルでは新型コロナウイルスで苦しんでいる人が多いけど、私のポジティブな考え方をブラジルの人にも伝えたいです。みんなが安全な暮らしになることを祈っています。娘も出来たし、この2つのベルトは引退するまで私のもの」と満面の笑みで語った。 ◆アマンダ・ヌネス「2本のベルトを守らないといけない」「誰が相手でも戦略はある。A、B、Cと戦略なしにはケージに入れない。だって何か間違った方にいってしまうかもしれないでしょ。準備はしっかりしておかないと。だから、ミーガンとの試合もフィニッシュしたかったし、ノックアウトしたかったわけじゃない。自分のペースでいった。すでに彼女が終わりかけていたのは分かっていたけど、自分の柔術でフィニッシュしたかった。  正直、かなりトレーニングしているし、毎回、練習ではトレーニングパートナーをテイクダウンしている。毎回、何度も何度も。理由はどうあれ、今日はいつも練習しているあの動きでフィニッシュするチャンスがあった。だから最高だったわ。ずっと待ち望んでいた瞬間だと思う。この瞬間のために頑張ってきた。私はハングリー。いつもジムにいってもっとうまくなりたいと思っている。これを自分の仕事に選んだし、これをするのが好きなの。いつも考えるたびに前を向けるし、モチベーションが上がる。次がどうであれ、私は試合に臨んで勝つ。去るつもりはないわ。2本のベルトを持っている。戻ってきてその2つを守らないといけない。喜んでそうするわ。  私はこのチャレンジが好き。自分の人生を通してずっとそう。いつもチャレンジしている。チャレンジしたくなければ、間違ったスポーツにいることになるわね。私は理由があってMMAを選んだ。私がチャンピオンよ。ベルトを守っていく。長くここにいたい。これでビールが飲める。家に帰って、友達やチームメイトと一緒に過ごすわ。ブラジルに帰って家族に会って、レーガンも連れていきたい。まだレーガンには会わせられていないの。嬉しい。人生で今が一番よ」 [nextpage] 【メインカード】 ▼UFC世界バンタム級選手権試合 5分5R×ピョートル・ヤン(ロシア)135lbs/61.24kg[4R 4分29秒 反則による失格]○アルジャメイン・スターリング(米国)134.5lbs/61.01kg※スターリングが新王者に。 “NO MERCY”の異名を持つヤンは、2020年7月11日の「UFC 251」でヘンリー・セフードが返上した王座をジョゼ・アルドと争い、5R TKO勝ちでベルトを獲得。UFC7連勝中(MMA10連勝中)で今回が初防衛戦となる。 “FUNK MASTER”スターリングは、2020年6月6日の「UFC 250」で強豪コリー・サンドハーゲンに1R、わずか88秒リアネイキドチョークで一本勝ちして以来の試合で、UFC5連勝中。佐々木憂流迦や井上直樹の練習仲間としても知られている。  両者は当初、2020年12月13日の「UFC 256」で対戦予定も、ヤンのビザの問題により中止となっていた。3月の試合に向け、ヤンは現在、米国入りしフロリダのアメリカントップチーム(ATT)で練習を重ねてきた。  1R、ともにサウスポー構えから。いきなり中央に走ったスターリング。しかしヤンも中央を譲らず。スターリングの蹴りを捌くが、スターリングも右ヒザを突く! 圧力をかけるスターリング。しかしヤンも右ミドル! 詰めるスターリングは右ロー。その蹴り足をつかんでテイクダウンも深追いしないヤン。  オーソドックス構えから右の跳びヒザはスターリング! 詰めるスターリングはダブルレッグテイクダウン! 中腰から鉄槌に立ち上がるヤンはバックテイクから離す。  右ストレートでダウンを奪うヤン! すぐに立ち上がるスターリングはオーソドックス構えになったところにヤンが右カーフキック! 崩れるスターリングは左小手に巻き、カニ挟みテイクダウン! しかしヤンは立ち上がると左ミドル! さらにスタンドバックから頭からスラム! 立ち上がったスターリングはバックヒジもヤンはブロック。ブザー。果たしてスターリングのスタミナは持つか。  2R、ともにオーソドックス構えから。ワンツーから左ミドルはスターリングだが、蹴りでバランスを崩して下に。そこにかかと落としはヤン! 間一髪かわすスターリングはシッティングガードで下から挑発する。  ブレーク、スタンド再開。左ボディからシングルレッグに入るスターリングは捨て身気味に投げるが下に。すぐにダブルレッグ、シングルレッグに入るスターリングだが、片足立ちで凌ぐヤン。バックテイクするスターリングだが、すぐに正対するヤン。  なおも左右で詰めるスターリングはシングルレッグからバックテイク狙いも片足立ちのヤン。足を離した瞬間に右ヒザを突くヤン。ついに離れるスターリングだが、ヒザを突いて前に。しかしいなしてバックを取るヤンは背後から足を払って崩すと、後ろからヒザを突く。  3R、右を当てて前に出るスターリング。左ローを当てるが、その打ち終わりに右を返すヤン! シングルレッグに入るスターリング。切るヤン。左ジャブのスターリングに左ミドルを返すヤン。さらに右フックも。  左ジャブ、右ヒザを突くヤン! 崩しに下になるスターリング。スタンド再開。右を当てるスターリングはシングルレッグも切り際に左ミドルを当てるヤン。なおもシングルレッグに入るスターリングだが、切られる。  組むスターリングを大外刈で倒すヤン。グラウンドには付き合わない。スターリングの組みを潰すヤン。スターリングは奥足ローのダブル! 組んできたヤンをスクランブルから上を取ろうとするがヤンが上に。  4R、下になるスターリングに、立ち際に右ヒザを突くヤン。さらにサウスポー構えからボディ、ストレート。しかし、スターリングもボディ打ちから押し返すが、サウスポー構えからヤンは左ストレート! なおも組んで行くスターリングだが、今度はヤンがバックヒジ狙い。打撃の軸がブレるスターリング。右前蹴りで前に出るが、ヤンの左は被弾する。さらに組みにヤンはヒザ蹴り。さばいて右フック、左ストレートも!  半身気味に下がるスターリング。手を伸ばして組みにくるスターリングをヤンは両手でツーオンで捌き、左ストレート! さらにスターリングが片ヒザ着きになったところを頭を押さえヒザ蹴り! しかしこれは反則のヒザ蹴り。  まともに浴びて起き上がれないスターリング。試合続行は出来ず。失格となったヤンが王座陥落。涙を流して悔しがるスターリングがベルトを獲得し、コーナーの肩を借りて退場した。  試合後、「病院へ直行」のアナウンスのなか、インタビュールームに向かったスターリングは、「ここまでやってきたことすべてがこんな結果のためじゃなかった。接戦だった。こんな形で勝つことは想像していなかった。ほんとうにひどい。今は心が潰れそうだ。レフェリーが自分がダウンしたと教えてくれた。速いペースで押していてファンも喜んでくれていたと思うので、こんな結果に残念です。みんなありがとう、そしてごめんなさい。すぐに試合が出来るように戻ってくるよ」と声を振り絞った。  また、SNSでは「レフェリーにダウンと言われて、いやヒザ蹴りは故意だと感じた。ヤンは悪いヤツだな。再戦しなきゃ」と再戦を示唆した。  ほぼ試合を手中にしていたヤンは、なぜ反則のヒザ蹴りを打ったのか。  ヤンは、試合後の会見で「相手の攻撃は全部分かっていたし、勝てた試合だった」と話し、反則のヒザ蹴りについては、「ルールは理解していた。だけど、あの時、(反則の蹴りという)そんなつもりはなかった。彼の手に目が行っていて、足がどういう状況かは分かっていなかった。セコンドの声は影響していない」と、頭を押さえてからのヒザ蹴りながら、状況判断を見誤ったことを告白。  さらに、「ヤンがコーナーに『蹴って良いか』を尋ね、セコンドが『イエス』と返答して蹴った」という証言について、セコンドからは『とにかくパンチを出せ』『イエス!』の声だけがあったこと、「セコンドの声を聞き間違えたわけではない」とヤンは否定した(【追記】ヤンのコーナーマンのATTの柔術コーチのマルコス・パルンピーニャも自身のSNSで「ジャスト・パンチ」と言っていると検証画像をアップしている)。  そして、SNSで「すごい間違いを犯してしまったから、その代償を支払った。彼が早く回復してくれることを祈っている。彼もこんな形でベルトを手にしたくはなかっただろう」と、スターリングの回復を祈った。  なお、会見でダナ・ホワイト代表は、スターリングの回復次第としながらも「お互いにリマッチを望んでいるし、出来るだけ早く再戦を組みたい」と語った。 ◆アルジャメイン・スターリング「もう一度できることを願っている」「ここを目指してすべてに取り組んできたし、こういう試合をしたくてがんばってきたけど、試合はかなり接戦だったと思う。自分が2ラウンドを取っていたはず。こんな形で勝ちたかったわけじゃない。こんなことを思い描いていたわけでもない。ベルトは外した。あんな風になっても続けようとしたし、最悪の形で引き継いでも、さらに罰を受けるだけ。レフェリーには俺がダウンしていたと言われた。分からない。ちょっと熱くなっていたことも、いろいろあることも理解しているけど、ライバル関係とか……。俺は続けたかった。試合はペースが速くて、かなりの攻防戦だった。ファンはきっと楽しんでくれたと思う。年間最優秀試合になる可能性だってあったし、史上最高のバンタム級タイトルマッチになる可能性だってあった。あの瞬間までアクションはノンストップだったんだ。ファンには申し訳ない。試合がこんなことになってしまってごめん。もう一度できることを願っている。もう一度やりたい」 [nextpage] ▼ライト級 5分3R○イスラム・マカチェフ(ロシア)156lbs/70.76kg[3R 1分37秒 肩固め]×ドリュー・ドーバー(米国)156lbs/70.76kg  ライト級14位のマカチェフと、ノーランカーのドーバーの対戦。  ハビブ・ヌルマゴメドと同門、AKAで練習するマカチェフ。コンバットサンボ世界王者で、驚異のMMA19勝1敗。「M-1」等で連勝し、2015年5月にUFC参戦し、7勝1敗。同年10月にアドリアーノ・マルチンスに1R KO負けしたのが唯一の敗戦。2019年9月の前戦はダヴィ・ハモスに判定勝ち。その後、怪我や新型コロナウイルスの影響で3試合をキャンセルし、今回が1年半ぶりの試合となる。  対するドーバーは、UFC9勝5敗1NC。現在3連勝中で、2020年5月の前戦では、当初マカチェフと対戦予定だったアレクサンダー・ヘルナンデスと対戦し、2R KO勝ちした。  1R、ともにサウスポー構えから。互いに左ローを放ち、前足にシングルレッグテイクダウンはマカチェフ! 左で脇差し背中をつかせるマカチェフはハーフからパス狙い。二重がらみで防ぐドーバー。ヒザを抜きマウントを奪うマカチェフ。足を戻したドーバーにニーオンで再びパスする。  背中を見せたドーバーに素早くバックに回るマカチェフ。うつ伏せになって腕十字に入るが、足はかけさせなかったドーバーがヒジを外してブザー。  2R、左の跳びヒザ、さらに低いシングルレッグに入るマカチェフ。金網際で大内刈! 下になったドーバー。ヌルマゴメドフのようにケージレスリングで腰を殺して横に寝かせようとするマカチェフ。上体を立てるドーバーを再び寝かせる。  クローズドガードに入れるドーバーだが、マカチェフはヒジ。ブレークがかからないよう細かいパウンドでブザー。  3R、両脇を差して大内刈テイクダウンはマカチェフ! パウンドを狙うマカチェフにハーフからキムラクラッチでアームロックを狙うドーバーだが、ハーフから左肩であごを押すマカチェフは、背中ごしにクラッチし、ハーフのまま肩固めを極めた。  試合後、7連勝を決めたマカチェフは、セコンドのハビブ・ヌルマゴメドフとAKAのハビバ・メンデスとハグ。「2020年は大変な時間で誰のせいでもないけど、3試合をキャンセルしなくてはいけなかった。ドーバーも強い選手だったけど勝った。トップ5と試合をしていきたい。ドーバーはハードパンチャーなので打ち合うこともできたと思うけど、彼を疲れさせるのが作戦だった」と語った。 [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R×チアゴ・サントス(ロシア)206lbs/93.44kg[判定0-3] ※28-29×2, 27-30○アレクサンダル・ラキッチ(206lbs/93.44kg)   ライトヘビー級2位のサントスと4位のラキッチ。ラキッチは2019年12月にヴォルカン・オズデミアにスプリット判定負けも、2020年8月にアンソニー・スミスにカーフキックを効かせて判定勝ちで再起を飾っている。  対するサントスは、2019年2月に現王者ヤン・ブラホヴィッチに3R TKO勝ちをマークしているが、その後、ジョン・ジョーンズにスプリット判定負け。2020年11月の前戦ではグローバー・テイシェイラにリアネイキドチョークで一本負けを喫し2連敗中だ。  1R、サウスポー構えのサントスに、オーソドックス構えのラキッチ。スイッチしオーソドックス構えにするサントスにラキッチは右カーフキック! サウスポー構えに戻すサントス。ラキッチは左右から右ハイもかわすサントス。左ミドルを打つサントス。そこにカウンターを狙うラキッチ。サントスは左ローを返す。  2R、オーソドックス構えのサントスに右ローを当てるラキッチ! レベルチェンジのフェイントから前手を上下させコントロール。右を伸ばして詰めるサントスに体を入れ替えるラキッチ。手首を掴むと、サントスはヒザ蹴りから突き放す。ラキッチが跳びヒザで金網に詰めてブザー。  3R、右を振りテイクダウン狙いのサントス。突き放すラキッチは、左の三日月蹴りからそのままサウスポー構えになったサントスに今度は左ロー。詰めて右を振るラキッチは自らダブルレッグへ。切られると離れ際に左右を当てる。  ATTでともに練習している両者はブザーに両手を挙げて、手のひらを合わせた。判定は3-0(29-28×2, 30-27)で、圧力をかけ主導権を握ったラキッチが勝利。試合後、「いい距離で戦うことが出来た。この試合は先日亡くなった友ダニエルのために戦った。安らかに休んでほしい。君の家族たちも安らからに過ごせるように祈っている」と語った。 [nextpage] 【プレリム】 ▼バンタム級 5分3R○ドミニク・クルーズ(米国)136lbs/61.69kg[判定2-1] ※29-28, 28-29, 30-27×ケイシー・ケニー(米国)136lbs/61.69kg  バンタム級11位のクルーズと、ノーランカーのケニーの対戦。  2014年9月の水垣偉弥戦の1R TKO勝ちを含む驚異の13連勝をマークしているクルーズ。2016年12月のコディ・ガーブラント戦の判定負けでUFC初黒星。2020年5月に3年半ぶりに復帰しヘンリー・セフードにキャリア初のKO負けで敗れて以来の試合となる。36歳。  対する29歳のケニーは柔道&レスリングベース。LFAからUFC入りし5勝1敗。オクタゴンで2連勝後、2020年2月にマラブ・デヴァリシビリに判定負けも、以降ルイス・スモルカにギロチンチョークで一本勝ち、ヘイリ・アラテン、ナサニエル・ウッドに判定勝ちで3連勝中だ。  1R、クルーズはいきなりダブルレッグに。がぶるケニーに立ち上がるクルーズ。オーソドックス構えのクルーズにサウスポー構えのケニーは後ろ蹴りを腹に入れる。右ハイを当てるクルーズはそのまま右ストレートも入れるが浅い。  スイッチするクルーズは左ロー。ケニーの右を左に回りかわす。さらに飛び込んでの右を打つ。ブロックするケニーは圧力をかけて左ローもそこに右を狙うクルーズ。右を振りながらニータップに入るが、深追いせず。  右インローを当てるクルーズ。右ミドルもケニーも左ローをすぐに蹴り返す。右ハイのクルーズに左ローを蹴り返すケニー。さらに左ロー! クルーズは組みに入るが切るケニー。  2R、右ハイを打つクルーズに左インローでバランスを崩させるケニー。クルーズはタイミングよくシングルレッグに入るが、切るケニーは左インローを当てる。ケニーの打ち終わりに組むクルーズだが、ここも切られる。右ミドルを当てるが、その打ち終わりに左を被弾するクルーズ。  ケニーのパンチに頭を振るクルーズは右からステップしての左を振るが浅い。ケニーの左インローに身体が流れるようになる。右からステップして頭を下げて左を振るクルーズ。さらにヒザを触りに行くが、切られる。  懸命に左右を振って前に出るクルーズ。さばくケニーは左ハイ。ブロックするクルーズに左を当てて、頭を下げたクルーズをがぶりスタミナを奪う。下がりながら手数は出したクルーズ。  3R、右の蹴りから入るクルーズ。ダブルレッグに入るクルーズ。切られるもなおもダブルレッグで尻下でクラッチしテイクダウン! そこにハイエルボーのギロチンはケニーも対角のサイドに出ているクルーズ。立ち上がるケニー。ここは攻められないクルーズ。  下の動きからワンツーの右をヒットさせるクルーズ! ケニーも押し戻すが、さばくクルーズはスタミナ厳しい時間帯。左ストレートを当てるケニーだが、口で息をするクルーズも左右を振って応戦。ケニーの打撃も軸が乱れるように。ケニーの組みを差し上げるクルーズ。  残り1分を切って、魂のテイクダウンを決めたクルーズは細かいパウンド。ケージを蹴って立とうとするケニーをさばいてブザー。  判定は2-1(29-28, 28-29, 30-27)のスプリットで、クルーズが厳しい試合の後半を競り勝ち、制した。 ◆ドミニク・クルーズ「3Rのチャンピオンシップラウンドだと思ってメンタルを切り替えた」 「地元が大好きだし、アリゾナのトゥーソンは俺の心だ。サンディエゴ生まれのトゥーソン育ちだから、サンディエゴ出身とは言うけどね。キャリアの初期にサポートも応援も受けられなかったからトゥーソンから引っ越した(※母子家庭で兄弟と共にトレーラーハウスに住んでいたドミニクは、幼い頃からレスリングを始め、19歳で母親にツーソンの家を追い出されたのを機にプロ格闘家を志している)。ケイシー・ケニーを応援してサポートしているのかどうか知らないし、彼らがどうしているのか分からない。乗り気にさせているんだろうな。あいつは凶暴だし、俺は今、トゥーソンをサポートするためにいる。家族のみんなが住んでいるところだ。母も父も……家族の全員だ。いつも実家に帰っている。トゥーソンのみんな、愛しているよ。サンディエゴのみんな、応援してくれてありがとう。ここにいられて嬉しいし、トゥーソン出身のヤツをたたきのめせて良かった。  スプリット判定は何度も何度もあった。自分が勝ったというのは分かっていたけど、スプリット判定だと自分が勝てるかどうか分からないし、特に最近は年齢もあるから、自分の持っている力をすべて出すしかない。願って祈る。特に第3Rは接戦だったと思うから、もしかしたら1-1だったかもしれないし、あれが勝負の決め手だった。そうやって、頭でも心でも言い聞かせた。ずっと、5Rを自分のペースで戦ってきていたから、3Rの試合に変わって、それがちょっと違っていたから面白かったけど、単に、3Rのチャンピオンシップラウンドだと思ってメンタルを切り替えた。人がどう思うかは分からない。いずれにしても俺を批評する方法を見つけてくるだろうし、何もしないくせに無駄話はたっぷりだ。それが彼らの仕事だからな。欠点を見つけて、俺のことを良く言うつもりなんてないんだろう。何を言われても構わない。俺はこれからもそういう人たちのことだって良いように言う。それが俺の仕事だからだ。何も見返りは求めていない」 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R×ソン・ヤドン(中国)135.5lbs/61.46kg[判定0-3] ※28-29×3○カイラー・フィリップス(米国)136lbs/61.69kg  バンタム級14位のヤドンと、ノーランカーのフィリップスの対戦。中国期待のヤドン。サクラメントのチームアルファメールで練習し、UFC戦績は5勝0敗1分けと負け無し。2020年5月の前戦はランカーのマルロン・ヴェラ相手に苦戦しながらも接戦を判定でモノにしている。  対するLFAからUFC入りしたフィリップスは、2020年3月のUFCデビュー戦でガブリエル・シウバに判定勝ち。10月にキャメロン・エルスに2RKO勝ちで2連勝中だ。  1R、ともにオーソドックス構え。右ハイをガード上に当てて前に出るフィリップスは、後ろ廻し蹴り、右カーフキックを当てて前へ。ヤドンも後ろ廻し蹴りを見せ跳びヒザも。それをかわすフィリップスは互いに右の相打ちから、低いダブルレッグテイクダウン。ヤドンもすぐに足を抜いて立つ。ヤドンは右アッパーを強振し金網に詰める。さらにフィリップスの右ローに右ストレートを合わせる。組んで離れ際に右を振るヤドン。フィリップスは右ハイ、右ストレートで前に出てブザー。  2R、右を振るフィリップスはさらに右ハイ! タフなヤドンは左の飛び込み、さらに左ハイ。しかしフィリップスは詰めて組んで、離れ際に後ろ蹴り! しかしヤドンも打ち合いの中で右ストレートを決める。互いに右の刺し合い。右ローを当てるフィリップス! ヤドンのワンツーをかわして右を突く。  組んで離れ際にに今度は右エルボーを振るフィリップス。さらに左をヒット! 左を伸ばして前進するヤドンを右回りでかわすとカウンターのダブルレッグテイクダウン! ヤドンも潜りからシングルレッグの動きで立ち上がる。互いに左から右もヒットはヤドン! 近くなると右から左ボディを当てる。  3R、角度をつけたステップで右を打つフィリップス。詰めるヤドンを回っていなし、低いダブルレッグも切るヤドン。フィリップスは左ミドルをヒット。右手を回して詰めるヤドンだが、右回りでかわすフィリップスは左ジャブ。頭を傾けてかわすヤドンは右で詰めると連打へ。さばくフィリップスだが手数が足りない。ジャブから後ろ廻し蹴りはかわすヤドン。しかしフィリップスは低いダブルレッグからアンクルピックでテイクダウン。  金網際でバックテイクも、引き込みの際でヤドンが正対し上に。フィリップスは背中をつけて腕十字、ヒザ十字狙いもブザー。両者が手を挙げた判定は3-0でテイクダウンを折り混ぜたフィリップスが勝利。オクタゴン3連勝をマーク。ランキング入りを視野に入れた。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R×ジョセフ・ベナビデス(米国)125.5lbs/56.93kg[判定0-3] ※27-30×2, 26-30○アスカル・アスカロフ(ロシア)127lbs/57.61kg ※ ※アスカロフは体重超過。試合は予定通り行われるものの、対戦相手のベナビデスに報奨金の20%を支払う。  フライ級2位のベナビデスと3位のアスカロフの対戦。元ACBフライ級王者のアスカロフは、2019年9月のUFCデビュー戦で強豪モレノ相手に1-1のドローも、2020年1月にティム・エリオットに、7月にアレッシャンドリ・パントージャに判定勝ちで2連勝中。  対するはベナビデスはUFC3連勝から、2020年の2月と7月にデイブソン・フィゲイレードとの王座決定戦に臨むも2連敗し、王座獲得ならなかった。  1R、サウスポー構えのアスカロフ。オーソドックス構えから入るベナビデス。サウスポー構えにするベナビデスは右ロー。そこに右ストレートを合わせるアスカロフ! さらに大きな右を振る。左オーバーハンドで飛び込みはベナビデス。しかし、ベナビデスの右ローはアスカロフに右を合わされる。  前進し左ストレートを当てるアスカロフ。さらに左ミドルを当てて組むと右足を賭けて前転。スクランブルから立ち上がるベナビデスのバックを奪い、4の字ロックからリアネイキドチョーク狙いもベナビデスは凌ぐ。  2R、足を触るフェイントから右ハイを狙うベナビデス。前蹴りのアスカロフを詰めて左右のベナビデスに、右ストレートを返すアスカロフはボディロックから前に崩しながら後方にテイクダウン! 立ち上がるベナビデスをなおもボディロックでテイクダウンし、立ち上がり際にバックに跳び乗り4の字ロック。  ツイスター狙いに立ち上がるベナビデスをさらに小外がけで前方にテイクダウンはアスカロフ! 右足をかけてベナビデスの手首を引き寄せコントロール。立ち上がるベナビデスに右のパンチを振ってブザー。  3R、前足の右のサイドキックをガード上に当てるアスカロフ。オーソドックス構えに戻すベナビデスは右ハイも空振り。しかし身体ごと飛び込む右でベナビデスも中に詰める。サウスポー構えに変えるベナビデスは左目を腫らすも圧力をかける。右ジャブで牽制するアスカロフは逃げ切り体勢か。ベナビデスの詰めに首相撲にとらえ、いなして両足をシャッフルする余裕も見せる。最後はバックフィストを見せてブザー。  判定3-0(30-27×2、30-26)でアスカロフが勝利。戦績を14勝1分けとした。 [nextpage] ▼フライ級 5分3R×ホジェリオ・ボントリン(ブラジル)126lbs/57.15kg[1R 4分55秒 TKO] ※右フック○カイ・カラ・フランス(ニュージーランド)125.5lbs/56.93kg)  フライ級でともに8位のボントリンとカラフランス。  2017年10月に「GRANDSLAM 6」で田中路教に一本負けしたボントリン。その後4連勝、うちUFCで2連勝している。しかし、2020年2月に体重超過したレイ・ボーグに判定負けしている。  対するカラフランスも日本で敗れた選手。2016年年末に和田竜光に判定負けもその後、8連勝。UFCでは4勝2敗で、ブランドン・モレノ、ブランドン・ロイヴァルに敗れている。  1R、ともにオーソドックス構え。左のインローキックはカラフランス。さらにボディ狙いにボントリンは右を狙う。詰めるボントリンは左のダブルを振るいダブルレッグでテイクダウン! すぐにバックテイクし、4の字ロック。背後からパウンドし、リアネイキドチョークを狙う。後ろ手を何度も剥がすカラフランス。  立ち上がるカラフランスについていくボントリンはスタンドバックで背中についたままチョークを狙うが、足のロックを手で外しながらズラしたカラフランスは、ピンチを脱してすぐに勝負どころと詰めて、ボントリンの左に右を合わせて当てると、さらに左、右アッパー! 、最後に打ち下ろしの右フックでボントリンをマットに沈めた。  レフェリーのハーブ・ディーンが間に入るが、もうろうとして立ち上がろうとしたボントリンは足を泳がせ、再び転がると、まだ試合が続いていると勘違いしたカラフランスが殴り掛かりに。すんでのところでレフェリーがカラフランスを止めた。 [nextpage] 【アーリープレリム】 ▼フライ級 5分3R○ティム・エリオット(米国)125.5lbs/56.93kg[判定3-0] ※30-27×2、30-25×ジョーダン・エスピノーサ(米国)126lbs/57.15kg  フライ級12位のエリオットとランク外のエスピノーサの対戦。  UFCリリース後、Titan FCでの連勝を経て、フライ級王者が集まった2016年の「TUF24」決勝で扇久保博正に判定勝ち、再びUFC入りを決めたエリオット。2019年から3連敗も現王者デイブソン・フィゲイレード、4位アスカー・アスカロフ、6位のブランドン・ロイヴァルと上位ランカーのみ。2020年7月の前戦ではライアン・べノイに判定勝ちで再起を遂げている。  エリオットと同じくマーク・デラロサに勝っているエスピノーサ。前戦は2020年9月にチェコのダビド・ドヴォルザークに判定負けしている。  1R、ともにオーソドックス構え。エリオットの跳びヒザに右を合わせるエスピノーサ。左を振って左で差して組んでいくエリオット。突き放すエスピノーサの右ハイを肩口で掴んでテイクダウン。すぐにバックテイク。ハーフバックからパウンドでリアネイキドチョークを狙うが、首を狙われ背中をつけるエスピノーサは下からアームロック狙い。エリオットは腕を取られずトップでブザーを聞いた。  2R、またも右ハイを繰り出したエスピノーサの蹴り足を掴んでテイクダウンしたエリオット。立ち上がるエスピノーサをすぐにシングルレッグで再びテイクダウンを奪う。ハーフから右で差して立とうとするエスピノーサに後ろ手を掴もうとするエリオットは、金網際で立とうとするエスピノーサにバックテイク。ドミネートしたままブザー。  3R、早々にシングルレッグをハイクラッチでテイクダウンを奪うエリオット。足を戻してクローズドガードに変えるエスピノーサ。下からヒジを打つが、上のエリオットのヒジ打ちを浴び出血。エリオットは下からの三角絞め狙いをかついでサイドに。最後はパウンドのハーフから抑え込んでパンドラッシュでブザー。  判定3-0(30-27×2、30-25)でエリオットがグラウンドドミネートで勝利した。 [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R○ケネディ・エンジーチュクー(ナイジェリア)205.5lbs/93.21kg[2R 3分19秒 TKO] ※右フック×カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)205lbs/92.99kg  LFAから「DW's Contender Series 2018」を経てUFC入りしたエンジーチュクーはサウスポー構え。アデサニヤと同じシティキックボクシング所属で「Contender Series 2020」出身のアルバーグの打撃をもらいながらも、驚異的なタフネスさを見せて金網に詰めるとアルバーグの右フックに右フックを合わせて逆転のTKO勝ち。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R○ショーン・ブレイディ(米国)170.5lbs/77.34kg[3R 3分28秒 肩固め]×ジェイク・マシューズ(豪州)169.5lbs/76.88kg  13勝無敗のブラディは28歳。UFCでは2019年10月のコート・マッギー、2020年2月のイスメイル・ナルディエフにいずれも判定勝ち。2020年8月の前戦ではクリスチャン・アギレラに2R ギロチンチョークで一本勝ちとオクタゴンでも3連勝中。  18歳でTUF Nationsに出場したマシューズは26歳。ライト級からウェルター級に戻してから6勝1敗。ロステム・アクマン、エミル・ウェバー・ミーク、そして2020年9月の前戦ではディエゴ・サンチェスにいずれも判定勝ちで3連勝としている。  マシューズの打撃に、ギロチンチョークのプレッシャーでポジションを奪うブラディ。3R、左フックで崩したブラディが、がぶりからバック、ハーフバックからパウンド。正対してきたマシューズに肩固めへ。ケージ側にハーフのまま極めに入り、最後はサイドに回って極めた。  14勝無敗、UFC4連勝のブラディはウェルターランカーとの対戦に進むか。 [nextpage]  ▼女子ストロー級 5分3R×リビーニャ・ソウザ(ブラジル・15位)116lbs/52.62kg[1R 3分39秒 TKO] ※右ストレートでダウン奪い、左ジャブで2度目のダウン奪取パウンド○アマンダ・レモス(ブラジル)116lbs/52.62kg  2020年8月の魅津希戦で判定勝利しているストロー級15位のレモスが、Invicta FC時代にアトム級王者の浜崎朱加にKO勝ちしているソウザと対戦。  レモスが右ストレートでダウン奪い、ソウザの下からの足関節を切り、ヒジ打ち。立ち上がったソウザに左ジャブで2度目のダウン奪いパウンドTKO。試合後レモスは「ソウザを研究してきた。今後もストロー級で戦っていきたい」と語った。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R○ウロシュ・メディチ(セルビア)156lbs/70.76kg[1R 1分40秒 TKO] ※跳びヒザパウンド×アーロン・クルーズ(米国)155lbs/70.31kg  左ミドルを効かせ、離れ際に左フックでグラつかせたメディチが跳びヒザ、左アッパー、ボディでダウン奪い、立ち上がるクルーズにラッシュで倒し、パウンド。「Contender Series 2020」出身のメディチがオクタゴン初勝利でMMA7戦全勝を決めた。 [nextpage] ▼バンタム級 5分3R×マリオ・バティスタ(米国)135.5lbs/61.46kg[2R 0分40秒 TKO] ※右アッパー○トレビン・ジョーンズ(グアム)134.5lbs/61.01kg  2019年5月にDEEPで大塚隆史をリアネイキドチョークで極めてUFC入りを果たしているジョーンズ。2020年8月の前戦UFCデビュー戦でティムール・ヴァリエフにダウンを奪われるも逆転のTKO勝ち。しかし、試合後にマリファナが検出され、ノーコンテストとなっている。  対するバティスタはLFAからUFC入り。2019年1月にコーリー・サンドヘイゲンに腕十字で一本負けも、7月の2戦目でDEEP王者のソ・ジンスに判定勝ち。2020年2月の前戦でマイルズ・ジョンズに2R 跳びヒザ&パウンドでTKO勝ちと2連勝中。  1R、右ミドルハイを決めるバティスタ。サウスポー構えのジョーンズの左ロー、ボディロックテイクダウンを凌ぎ、右ミドル。ジョーンズの左ローに右ストレートを合わせて詰める。ジョーンズは左フックからシングルレッグもブザー。  2R、スイッチするバティスタは右ハイ。ジョーンズの左にオーソから右フック。さらに右を繰り出すも、ジョーンズがカウンターの右アッパー! ダウン。ジョーンズ鉄槌連打でレフェリーが間に入った。ジョーンズは4試合連続フィニッシュ。
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