ダブルメインの第1試合で対戦する国崇と琢磨。国崇はこれが99戦目
2021年第一弾大会となる2月12日(金)東京・後楽園ホール『NJKF 2021 1st』のダブルメインイベント1は、WKAムエタイ世界フェザー級王者・国崇(拳之会)vs元WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者・琢磨(東京町田金子)の60kg契約3分3R。主催者を通じて両選手のインタビューが届いた。
これがキャリア99戦目となる鉄人・国崇(拳之会/WKAムエタイ世界フェザー級王者)。元WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級王者の琢磨(東京町田金子)と対戦する。100戦達成が目前となった国崇だが、「いつも通りの気持ち」とあくまで自然体。対する琢磨は王者になってからとらわれていた“呪縛”を語り、レジェンドとの対戦を心待ちにする。
国崇「99戦目もいつも通りの気持ち。“らしさ”が出ると思います」
――試合間隔を空けずに連戦する国崇選手ですが、昨年はコロナでそれも途切れてしまいました。昨年を振り返っていかがですか?
「試合がこんなに空いたのは初めてで、3月の拳之会興行が最後になります。今までは一番空いて怪我で半年ぐらいですかね。でも普通に練習はしてましたし、調子もいつも通りです」
――では、試合がないというだけで練習は変わらず行い、そんなに日常は変わることはなかったと。
「はい、もう今更でしょって(笑)。ジムが仕事でもあるので、普通に朝起きてジムに来てみたいな毎日で、いつもと変わらずでした」
――試合さえなければ練習はそんなに頑張らなくてもよいかと思うのですが、それでも練習はしっかりするのですか?
「そうですね、会長が怖いので(笑)。もう会長とは30年を超えているんですけど」
――試合が1年近くできなくなってしまい、改めて思ったり感じたことはありましたか。
「試合があってもなくても怪我はするっていうのが分かりました(苦笑)」
――逆に言えば、それだけ強度の高い練習をこの期間も積んでいたと。
「そうですね、普通にやっていたので。もう完治したんですけど、拳の骨も折れました(苦笑)。まぁ休んでも怪我は治らないし、やっても怪我はするので、なので普通にやっていました」
――では、コロナもですが怪我にも左右されることなく練習を続けてきたと。
「そうですね。そんなに大きな怪我でもないし、それも“もう今更”です(笑)。だから気にしないようにしています。早く治ればいいかなぐらいで」
――本来であれば昨年のうちに100戦達成となっていたはずですが、コロナもあり今回が99戦目となります。どんな心境でしょうか。
「そんなに99戦とか100戦って周りが言うほど気にしていないです。いつも通りの気持ちで試合に臨むかなと思います」
――では、100戦の時も変わらない?
「たぶん変わらないと思います(笑)」
――もうそれぐらい、国崇選手には試合も日常の一部になっているのでしょうか。
「そうですけど、でもあの後楽園のリングに立てばまた緊張するんだろうなと思います。あがり症なので(笑)」
――以前、試合が決まれば自然とモチベーションが上がるという話をされていました。
「そうですね。なので気持ちはいい状態になってます」
――今回の対戦相手・琢磨選手の印象をお願いします。
「前に前に出て来るアグレッシブなファイターだと思います。なので観る人も面白いんじゃないかと」
――国崇選手にとっては「99戦目」というよりいつもと変わらぬ試合とのことですが、何か今回のテーマはありますか?
「もちろんノックアウトは狙ってますし、ヘタな試合はしたくないなと思います。今年の初仕事となるので、内容的にも面白い試合をしたいと思います。メイン(健太vs高橋一眞)に負けないように」
――KOしたい、面白い試合をしたいという意識は常にあるのですか?
「そうしないと会長に怒られるので(笑)」
――11ヵ月ぶりの試合となりますが、98戦してきてますし、試合勘の衰えだったりは心配ないですか?
「たぶんないと思います。この間にもエキシビションをやっていたりするので。実際の試合となったら緊張すると思うんですけど、それは自分にいいような緊張だと思うので、いいと思います」
――100戦近くこなしてきてもやはり緊張するものなのですね。
「しますします。セコンドでリングに上がるのと、エキシビションでもリングに上がるのではやっぱり全然違います。エキシビションは試合ほどではないですけど、でも選手としてリングに立つとやっぱり気持ちが違います。引き締まるというか。だからやっておいてよかったです」
――それでは最後に、試合へ向けて改めての意気込みやファンの方へのメッセージをお願いします。
「年齢も年齢ですし戦績もベテランと言われる状態ですけど、“らしさ”を出して行けたらいいかなと。たぶん“らしさ”が出ると思います」
琢磨「エネルギーを与えたり“こんな状況だけど頑張ろう”っていうものを試合で見せたい」
――試合が間近に迫ってきましたが、調子はいかがですか?
「ここ最近では一番いいかもしれないぐらい、すごくいいです。今回は実戦的なものも多めにやっていて、そういった面で自信じゃないけど、楽しみっていう気持ちがすごくあります」
――昨年はコロナもあってああいう年でしたが、ご自身で振り返っていかがですか?
「でもあの期間があったからこそいろいろ見つめ直せて、キックボクシングが好きだっていうことが再確認できました。11月の試合は残念な形になっちゃんですけど(※ダウンを奪われ羅向に判定負け)、また改めて目標もしっかりできたし、自分的にはいい方向に捉えられています」
――いま話に出た11月の試合は振り返っていかがですか?
「いま連敗中なんですけど、チャンピオンになってから“綺麗な試合をしよう”っていう気持ちが強くて、なんか自分の中で真面目になってたっていうのがすごいあります。試合でも“行こう”って思っても“ここはまだダメだ”とか“もっと綺麗に倒すには”っていうのをずっと考えてやってしまっていて。躊躇っていうか、そういう気持ちがすごいありました」
――ベルトやチャンピオンという立場の呪縛のようなものがあったのでしょうか。
「そうですね、勝手に自分で呪縛みたいなものを掛けていたかなっていうのはすごいあります」
――11月の試合の後でそういう呪縛はもう取ることができました?
「自分的にはもう取れていて、試合が楽しみっていうのと早く試合がやりたいっていうのは久しぶりです。呪縛は解けていると思います」
――逆に言うとその“楽しみ”という感覚が最近はなかった?
「勝手に楽しみとかそういうものを持ってちゃいけない、追い込まなきゃと思って、プレッシャーとか不安とかそういうネガティブな気持ちを力にしていた方が強かったです」
――でも今回は楽しみ?
「国崇選手はすごく楽しみです」
――そんな国崇選手の印象をお願いします。
「やっぱり僕との試合で99戦目なので、試合を見ていても安定してるなって思います。細かいパンチや動きがすごく上手いし、ペース作りが上手いので、そのペースに飲まれないようしていきたいです。あのペースに飲まれるとそのまま淡々と行っちゃうと思うので、どこかで崩していかないといけないと思ってます」
――そんな国崇選手を相手に、ご自身はどんな試合を見せたいですか。
「タイプ的にはすごく噛み合うと思うので、いい試合っていうか激闘になると思います。僕はそこで押し負けないよう、押していく力で、そこは僕の方が長けていると思うので、押していって勝ちたいと思ってます」
――押し切る力は自分の方が上回っていると。
「そうですね、押し切る力と一発の力は僕の方が強いんじゃないかと思っているので、それを試合で証明したいです。僕はもともと上手く戦おうとかそういうタイプじゃないので、闘争心とかそっちの方で戦っていくタイプなので、そういった面で勝ちたいし、これまで培ってきたものを出したいです」
――国崇選手というレジェンドが相手となる今回、最後に改めての意気込みやファンの方へのメッセージをお願いします。
「こんな時期の中、大会を開催してくださる関係者の方々にはすごい感謝していますし、こんな状況の中で来てくれるお客様にも感謝しています。僕たち格闘家ができるのって試合でエネルギーを与えたり、試合を見て“こんな状況だけど頑張ろう”って思ってもらえることだと思うので、そういうものを試合で見せていきたいと思ってます。なので応援よろしくお願いします」