MMA
インタビュー

【UFC】“ゼロ・コロナの国”ニュージーランドから参戦、マイケル・チャンドラーと対戦するダン・フッカー「僕の旅が終了するのはほぼ2カ月にわたる」

2021/01/24 08:01
 2021年1月23日(日本時間24日)「UFC 257: Poirier vs. McGregor 2」で、元Bellator世界ライト級王者のマイケル・チャンドラー(米国)のオクタゴンデビュー戦の相手として戦うダン・フッカー(ニュージーランド)。 “ハングマン”30歳のフッカーは、2014年6月にUFCデビュー。2戦目で日本大会に出場し、マキシモ・ブランコに敗れたが、2015年5月の日沖発戦でオーソドックスからサウスポーに構えを変えて勝利。以降、オクタゴンの厳しい戦いをサバイブし、2020年2月のポール・フェルダー戦の勝利、2020年6月にはダスティン・ポイエーに判定負けも2試合連続のファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞している。  メインイベントやBellator王者の参戦ばかりに注目が集まる中、“ゼロ・コロナの国”ニュージーランドから多くの手間や時間をかけて、アブダビ大会に参戦するダン・フッカーの会見での言葉を、ここに紹介したい。 ──今回、「UFC 257」のコ・メインで戦う気持ちをお聞かせください。 「コナー・マクレガーvs.ダスティン・ポイエーがメインの日にコ・メインであること、それはもしメインになにかあったらスライドで自分がこの大きな日にメインになることでもあるし、すごいこと。あらゆる試合の一つひとつが、注目に値するもので、着実に積み上げられてきているものだけど、コナーの試合はめちゃくちゃヤバいものであることは確かでとんでもない注目を浴びるよね。(限定有観客の)2千人のファンというのがいるというのは、無観客と比べたらとってもハッピーなことだ」 ──今回の対戦相手は元Bellator世界ライト級王者のマイケル・チャンドラーです。どんな印象を持っていますか。 「マイケル・チャンドラーのキャリアを振り返ってみたんだ。何を彼が成し遂げてきたのか、どんなことをして、どういうスキル・セットで、ファンをエキサイトさせてきたかのか。調べてみて、彼について盛り上がってエキサイトするっていうのはもっともだなと思ったよ」 ──この試合の意味合いをどうとらえていますか。 「この2カ月トレーニングに励んできたことできちんと結果を出す、でもこの階級でそれ以上の意味合いを持つことになる、つまり自分のキャリアにとって最大の試合になるという感覚でいるからね。彼の過去の試合というのは見ていなくて、事実としてどういう結果をBellatorで出してきたか、チャンピオンだったということは理解しているけれど、どれか試合を見たり、そこから研究らしいことはしていなくて、エディ・アルバレス戦のハイライト動画を見たくらい。彼へのリスペクトであるとか、彼に対する盛り上がりについて根拠を得たのは三度の王者であるということもある。彼はハイレベルな、ワールドクラスのライト級戦線で、このスポーツの多くの競技者を圧倒的に上回るだけの戦績を築いてきてた人物だ」 ──その動画を見た印象を教えてください。 「対戦相手と対峙したときに弱みを握ろうみたいなことはないんだよね、むしろ強みはなんだろうって観察する。人は強みをより引き出そうとするけど、自分としては弱みを克服しようとすることに期待をするというか、自分も自分自身の弱みを自分自身で対処しているわけなんだけど、強みっていうのはそれが強いってことでしかなくて常に後退していくというのかな、だから強みは転じて弱みになるんだよね。 彼の場合、序盤、経験豊富な選手が緩みがちな部分で、怖さがある。彼はBellatorで様々な形で勝利をあげてきて、そのなかでもあの団体の最後の試合、ベンソン・ヘンダーソン戦はすごかった、進化を感じられるもので、今が一番いいんだろうって思うからそんな彼と対戦できることは楽しみだ」 ──元Bellator王者のUFC初戦の相手として戦うことについて、どうとらえていますか。 「UFCのランクで評価されていない対戦相手とやるということは、とてつもないリスクだよ。だからこそ自分より前に挙がっていた選手の試合が成立しなかったわけだろう。この階級で突発的なそんなリスクを負いたくはないものさ。僕としては、マイケル・チャンドラー戦、という試合において、自分自身と向き合い、自分に立ち戻ること。ファンの立場で、彼が戦うのを観たいし、ライト級で名を挙げている彼と自分は戦ってみたい、と思った。彼がBellatorのケージのなかで勝ち取ってきたものがあって、そして自分にはないものがあって、僕は塩対応キャラじゃないし、 彼が(ハビブ・ヌルマゴメドフvs.ジャスティン・ゲイジーの)バックアップファイターとしてUFCで自分の存在価値をアピールしたときもそれは快く受け止めたし、彼がライト級の優れた選手とやることになるって、ファンに期待させてることもできたよね」 ──前回は2020年6月にダスティン・ポイエーに5R判定で敗れました。今回が3R戦であることで、どう戦おうと考えていますか。 「前回の5Rとの違いはもう、平日と休日を比較しているくらい違う。前回の試合とは準備も変わっていて、まあリンゴとオレンジを本質的に比較できないっていうのとも同じなんだけど、とにかく凄いいいキャンプだったってことは言える。ジェームス・ヴィック戦のときのキャンプが自分としては一番良いものだったんだけど、すべてがうまいことまとまって、ハードにトレーニングしても傷めたところもないし、自分としては彼のペースにも合わせられるし、3Rのなかでそれを崩すことも可能だろう」 ──この試合の後に待つ、タイトルへの道をどう思い描いていますか。 「それは勝敗やどんな試合を見せられるかによるし、引退したチャンピオンの進退(ヌルマゴメドフ)にもかかっているし、彼の言う『印象的な試合がメインとコ・メインで起きるか』っていう話でも、強い戦いを見せて、仕留めにいく、それが自分にはできる。オフェンシブなレスラー、この階級で言えばハビブもそうだし、マイケル・チャンドラーもそうだ。それを倒せるスタイルというのを自分は持っている。思い返すとダスティンのクリーンテイクダウンで上を取られるということがあったけど、それにジム・ミラーにテイクダウンされたけれど、そこからフィニッシュすることもできていた。僕は高身長な選手だから、自分より低身長の対戦相手がバックを取ろうとするということが多いんだけど、このスタイルで11、12年やってこれた。まあ、その点、コナーは“Skill for Skill”の驚くべきストライカーだし、最高のライト級の選手だとも思うよ」 ──コナー・マクレガーがベルトに興味を示したら、あなたにとってダスティンとのリマッチとコナーとの対戦、どちらが望ましいですか。 「うーん、ハビブの動向いかんってことも含めて、あんまりそういうところで意識を向けていないというか、当然ながら自分の究極的な目標は世界王者になることなんだけど、そのときに、あらゆるペルソナ(側面)を通してすべてのこと、すべてのビッグネーム、いろんな個性があって、そういうなかの誰が自分の前に立ちはだかろうが、誰が勝者として自分と王座をかけて戦うのかであって、それは結局はベストな人間であるということだ。したがってメインでの勝者が俺の戦いたい相手、ということになる。最高だと証明した人間なんだから。  で、どっちが勝つかって? アッハッハッハ!うーん、ぼくの答えにはロックがかかってるんだ!(笑)。僕はただ“PLAY”ボタンを押すだけ! それで結果が出るよ! なに? 聞きたい?(笑)。しょうがないPLAYを押すか。そうだねえ、すごい接戦になるんじゃないかとは思っていて、5R、使うんじゃないかなって。ぶっちゃけ、誰かさんが言うような1R決着、みたいなことにはならないって思うんだよ。  ダスティンって155ポンドではかなり大きいほうだし、って言っても、超でっけえイカついタイプには見えないわけなんだけど、あの子は硬いし(分厚いし)、それに重い。めちゃくちゃ丈夫な選手の1人だと思う。というか、最もこの階級に適したタイプの人間であるというのが相応しいかな。彼らは1度対戦したこともあるし、分かると思うけど、コナーはエネルギーが安定してるんだけど、ダスティンは違うんだよ。作り続けてるんだよね。そこが難しいところで、もし早い段階で効かせる打撃が無かったとして、ダスティンのガスがタンクから流れ出すとラウンドが進むにつれて苦しくはなっていくよね。まあそれが自分にとっては楽しみな部分だよ、壮絶な戦いになるから」 ──ところで、あなたは今回のアブダビでの試合にあたって、ニュージーランドの隔離措置が大変なのではないですか。 「そう。超大変。自分で政府指定の隔離施設を予約しなくちゃならないんだけど、これヴェガスで試合したときは必要なかったことなんだよね。ニュージーランドに籍を置く市民だったら取り敢えず飛んで帰って、隔離施設に入るっていう。これが今や自分でチケットを予約しなきゃいけなくて、僕は2カ月前に予約をしたんだけど、ちょっと前倒しになっても、隔離施設に入れるまでに4週間待たなきゃいけないんだ。それで僕が予約できてるチケットっていうのが2月21日だから、それがニュージーランドに帰国できる日ってこと。  さらに、そこから2週間の隔離があるから、僕の旅が終了するのはほぼ2カ月にわたるということだ。とりあえずこの間を使って、アブダビの知らない文化とか行ったことのないところ、新しいものに触れてみたいとは思うから、試合後に経験できる4週間というのは楽しみにもしているよ。ちょこっと友達や、いい感じのトレーニングパートナーもいたりして、いい環境だったりもする。ダメなバックパッカーにならないためにも、もうちょっと稼がないといけないから、いい仕事をして、キャッシュをポケットに突っ込まないとね」
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