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【K-1】大沢文也、アツくなってきたライト級に「2年ぶりの挑戦者の気持ち。こういう状況の僕の方が強い」

2020/12/08 19:12
【K-1】大沢文也、アツくなってきたライト級に「2年ぶりの挑戦者の気持ち。こういう状況の僕の方が強い」

練習仲間でもあった瓦田との対戦だが、「手の内は全く見せていない」と大沢

 2020年12月13日(日)東京・両国国技館『K-1 WORLD GP 2020 JAPAN~K-1冬の大一番~』にて、スーパーファイトのK-1ライト級3分3R延長1Rで瓦田脩二(K-1ジム総本部チームペガサス)と対戦する大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)が、8日(火)都内所属ジムにて公開練習を行った。


 大沢は小学生の時から始めたボクシングで優れたテクニックを持つベテラン選手で、2018年9月にはKrushライト級王座に挑戦してタイトル奪取ならずも、同年12月の「K-1ライト級世界最強決定トーナメント」では準優勝を果たした。7月のKrushでは蓮實光にKO負けを喫し、今回が再起戦。

「コンディションは普通です。普通が一番。特別にやってきたことも特にないですね」と、いつも通りだという大沢。いつも通りではないのは、蓮實にKO負けを喫したことによる精神状態だ。

「自分の中で消化していない。ずっとモヤモヤしています。毎回試合前って、勝つパターンだけじゃなく負けパターンもちゃんと考えるんですよ。そのパターンにならないようにするためなんですが、蓮實戦では一切負けパターンが浮かばなくて、負けパターンは1ミリも考えていなかった。それが敗因です」


 蓮實が想像以上だったということかと問われると、「そんなことはない」という。「一番やっちゃいけない動きをやった。止まってしまったんですよ。1Rが終わって余裕だと思って。パンチも遅いし、パワーもない。全然余裕だね、打ち合ってしまえ、打ち合っても勝てると思って足を止めて打ち合ってしまったからそのままやられてしまいました。ナメていたんですね」と、油断が敗因だったと分析する。

 試合前の会見では「格闘技IQ低すぎ!」と蓮實をなじる場面もあったが、試合が終わった今はどう思っているのかと聞くと「今でも低いと思っています。でも試合は格闘技IQが高いヤツが勝つわけじゃない。勝敗とはまた別だと思います」とし、「僕は高いです。他の選手を見てもジムに行ってもそう思うし、他のジムの選手から作戦だったり対策だったりを頼まれるのがめちゃ多いんですよ。それはある」と、今でも自分の格闘技IQには自信を持っている。


 では、今回対戦する瓦田の格闘技IQはどう評価しているのかと問われると「今回は関係ないかも。格闘技IQでする試合じゃない。アツい気持ち、ハートの勝負ですかね」とした。

「知り合いと試合をするのは仕方がないことですが、後輩とやるのは初めてなのでちょっと複座な気持ち。変な言葉にならない感覚があります。後輩とは喧嘩もしたことがないし。ヤキを入れるくらいで(笑)。これが生意気な後輩だったらヤキ入れますけれど、これは格闘技だから。ちゃんとしたスポーツなので」と、後輩だから負けたくないという考えはないという。


「正直、全く思わないですね。年齢は関係ないし、他のジムの先輩後輩は関係ない。自分のジムの後輩には負けたくないけれど。いい兄貴であるところを見せないといけないと思っていますけれどね」

 瓦田とは試合前にアドバイスをしたり、練習も共にしたりしていた仲。手の内を知り尽くしている同士でやりにくくはないのかとの質問に、大沢は意外な言葉を発した。

「正直言っていいすか? 俺はずる賢いヤツだから、あいつと練習する時は手の内を見せてないんですよ。いつかやると思っていたので、あいつと練習をやる時には見せてないです。あいつがやりやすいスタイルで戦っていました。本当のスタイルではしませんでした。いつか戦うことを想定していたのもあったし、自分のスタイルじゃないガードを固めてガンガン行く練習中だったんですよね、ちょうど自分のスタイルじゃないスタイルをやっていた時期だったんです」


 と言うことは、大沢は瓦田の手の内を知りつくているが、瓦田は大沢の手の内が分かっていないということか。「そうだと思いますよ。あいつのことは知っています。まあ、相手も手の内は隠していたかもしれないですけれどね。でも僕の本当のスタイルは知らないと思います。K-1 JAPAN GROUPのメンバーとスパーリングする時には、うちのジムの寺島、KINGSの鈴木隼人、その2人くらいにしか手の内は見せていない」という徹底ぶりだ。

 蓮實は同じ大会に出て、次期タイトル挑戦者候補として有力な朝久泰央と対戦する。一歩先を行かれてしまったことになるが、そのことについて大沢はどう思っているのか。


「いつかやり返したいと思います。でも、ちょっと前までは62.5kg(ライト級)はアツくないと思っていたんですが、最近一気にアツくなってきたと思っていて。逆にいいのかもしれない。俺は去年までこの階級のトップにいたと思いますが、いろいろな選手が来て、卜部功也君も復活して。そうなると自分がトップではなくなったから、追いかける立場になったわけです。こういう状況の僕の方が強いと思います。邪魔だよとは思うけれど、上に人がいる方が燃えます」と、ライト級の層が厚くなって自分がトップクラスから引きずり降ろされた現在の方がやる気になる、と言った。

 しかし、今回は下からの追い上げだが、と聞かれると大沢は首を横に振る。


「あっちの方が上ですよ、今年からは。去年までは全然俺の方が上だったけれども。今年の結果だけで言ったらあっちのほうが上。だから今回の赤コーナー・青コーナーも逆じゃないかなと思いますね。僕の方が人気あるからかな(笑)。今は挑戦者の気持ちになっています。久々ですね、挑戦者の気持ちは。もう2年近くぶりですよ、そういう気持ちになるのは。5試合ぶりくらいの気持ち。挑戦者の方が気持ちはラクだし。でも、今回は後輩なので微妙な気持ちですね」と、自分が挑む立場だとした。

 そこで見せたい試合とは。大沢は「アツい試合、面白い試合、KO勝ち……と言いたいですが、K-1ファンには申し訳ないし、K-1 JAPAN GROUPにも申し訳ないんですが、そういう試合をするつもりは一切ございません! 勝てれば何でもいい。どれだけ泥臭くても、いくらブーイングされても、アンチからSNSで叩かれても、とにかく勝つことだけでいい。しばらく勝ってないですしね」と、今回はとにかく勝てればそれでいいとする。

 最後にファンへのメッセージを聞いても「今回の俺の試合は楽しみにしなくてもけっこうです。面白い試合はしないので。でも、俺のことを心から応援してくれている人が何より欲しいのは結果がみんな欲しいと思っているので、結果が一番。その後に付いてくるのが内容。死に物狂いで勝ちに行きます」と語った。

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