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レポート

【Bellator】サイボーグがキャリア15年で初の一本勝ち!「まるでビデオゲームのように」完勝し、王座防衛に成功

2020/10/16 15:10
【Bellator】サイボーグがキャリア15年で初の一本勝ち!「まるでビデオゲームのように」完勝し、王座防衛に成功

(C)Bellator

 2020年10月15日(日本時間16日)、米国コネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナにて、「Bellator 249: Cyborg vs. Blencowe」が無観客&ライブ配信で開催された。

▼Bellator世界女子フェザー級選手権試合 5分5R
○クリス・サイボーグ(ブラジル)王者 145lb/65.77kg
[2R 2分36秒 リアネイキドチョーク]
×アーリーン・ブレンコウ(豪州)挑戦者 144.5lb/65.54kg
※サイボーグが初防衛に成功

1R、ともにオーソドックス構え。左ローの交錯から右ローをカーフキックで当てて、右ストレートから左のダブルで前に出るサイボーグは右ローまで繋げる。圧力をかけるブレンコウの前足にインロー、アウトサイダーローと蹴りを当てるサイボーグ。右ボディストレートを腹に突き、右ローで押し返す。さらに右ストレートを脇腹に突くサイボーグ。

 ワンツーを打つブレンコウに下がらずワンツーを返すサイボーグはそのまま右で差しで金網まで押し込むとボディロックから頭をアゴ下につけて崩そうとするが、ブレンコウも耐える。今度は左で差したサイボーグは右ヒザを突き、右ヒジも!

 右で小手に巻いて絞るブレンコウを逃がさず右で差し直してボディロック。小外がけを合わせて後方にテイクダウンを奪うサイボーグ! サイドを奪うと右で脇差し、パウンドを打つ。足を金網にかけケージウォークで逃れようとするブレンコウだが、サイボーグはヒジを打ちながら鉄槌! その際でマウントを奪う。

 上体を上げてくるブレンコウを剥がしてパウンド、ヒジを落とすサイボーグブレンコウは背中を向けるが、両足をフックしてバックマウントに移行すると脇の下からパウンド、パームトゥパームでリアネイキドチョークを狙う。

 凌ぐブレンコウを立たせるサイボーグは、正対してきたブレンコウを金網に押し付けて右で差して左ヒザ蹴りを腹に! さらに右ミドルをダブルで当てると、ワンツーの右から再び押し込んでいく。

 2R、前手で距離を測り、右ミドルハイをガード上に当てるサイボーグはさらに打ち下ろしの左ロー! 今度は左ハイをガード上に当てる。詰めるブレンコウの前足にインローはサイボーグ。ブレンコウの右の打ち終わりに長い右を伸ばすサイボーグに下がるブレンコウ。そこに右ボディストレートを入れてから顔面に左右で打つサイボーグにブレンコウは顔を下げてガードを固めてしまう。

 金網まで詰め右ストレート、左ボディの対角線攻撃で上下に突くサイボーグ。ガードを固めて打ち返そうとするブレンコウに左右フックを当てるサイボーグ。ブレンコウは鼻から出血し、思わず左側にサークリングする。

 右ボディストレート、左ストレート、右ミドルで腹に狙いを定めたサイボーグは、頭を下げるブレンコウにダブルレッグテイクダウン! ハーフィガードのブレンコウの脇腹にヒジを突き、左脇に頭を差し込みながらパスガード。マウント&パウンド! 必死に抱きつくブレンコウだが、剥がしたサイボーグがヒジを落とすと、ブレンコウは1R同様に背中を見せる。

 右手で喉元を絞めたサイボーグはブレンコウの身体を伸ばすと、後ろ手も頭に巻き、リアネイキドチョーク! うつ伏せのブレンコウがマットを叩きタップした。

 上下の打撃に加え、ケージレスリング、テイクダウン、パスガードからリアネイキドチョークと、トータルMMAでブレンコウをドミネートし、最後はフィニッシュしたサイボーグが、Bellator世界女子フェザー級王座初防衛に成功した。

 MMA25戦(23勝2敗)中、初の一本勝ちをマークした王者は試合後、ケージの中で「MMAで初めてのサブミッションが欲しくて一生懸命やってきました。今まで一度も一本勝ちしたことがなかったから、夢が叶いとても嬉しいです。私は本当にハードにトレーニングしてきました。ハファエル・コルデイロ(元シュートボクセ)、コブリーニャ(フーベンス・シャーレス=元ブラジリアン柔術統一世界王者)と練習してきた成果を出せました。一本勝ちは彼らのおかげです。常に自分の試合を改善させて、もっと良くなっていかなければいけないと思っています」と、自身の進化について笑顔で語った。

 入場で花道を歩き、リングアナウンサーによるコールもあったが、コロナ禍のため観客はおらずスタジオマッチのように試合は進んだ。サイボーグは、この状況についても、「素晴らしかったです。誰もいないアリーナでは、コーナーの声がよく聞こえてきて、まるでビデオゲームのようでした」と、集中して自らの戦いを俯瞰しているように感じたという。

 今後は、ボクシングの現4団体統一女子世界ライト級王者ケイティー・テイラーとのクロスプロモーションファイトを望んでいるサイボーグだが、Bellator内では、ジュリア・バッドと元UFC世界女子バンタム級王座挑戦者キャット・ジンガノの対戦案も出ており、勝者が次のサイボーグへの挑戦者になる可能性もある。

 サイボーグは、「次の試合に向けて興奮しています。今、この階級には多くの女子選手がいて、私はこのBellatorにいることがとても幸せです。スコット・コーカー代表は、また次の相手を用意してくれるでしょうから、準備をしなくてはいけないですね」と、早くも視線は次戦に向けられていた。

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