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【DEEP】『朝倉未来1年チャレンジ』は2勝1敗、成果と“1年後”の期待

2020/08/24 03:08
【DEEP】『朝倉未来1年チャレンジ』は2勝1敗、成果と“1年後”の期待

(C)ゴング格闘技

 2020年8月23日(日)東京・ニューピアホールにて『skyticket Presents DEEP 96 IMPACT』が開催された。

 第1試合から第3試合には、朝倉未来が実業家の“青汁王子”こと三崎優太と組んで行われている若手格闘家育成プロジェクト『朝倉未来1年チャレンジ』で、選出された3選手が出場した。

 畠山祐輔(※写真左から)、ヒロヤ(近藤大耶)西谷大成の3選手は上京し、トライフォース赤坂に所属。朝倉が技術面を指導し、三崎が生活面のサポートを行ってきた。

 第1試合に登場したライト級の畠山は、柔道でインターハイ出場、警察官時代には術科特別訓練(特練)員として活躍した経歴を持つ。奈良のジム時代は、アマチュア修斗関西選手権に出場しウェルター級優勝。2019年9月の第26回全日本アマチュア修斗選手権にも出場経験を持つ。

「柔道は投げて・投げられて終わりだったけど、総合格闘技には打撃も極めも何でもありだったので地元のジムで習い、今回の機会を知り応募しました」と、上京の動機を語る。

 事前にYouTubeに公開された未来とのスパーリング動画では、腰の強い未来に果敢にテイクダウンを仕掛けるなど、地力の強さを見せていた。

 試合では、宮田和幸代表率いるBRAVE所属のレバナ・エゼキエル(コンゴ)を相手に柔道の投げに頼るのではなく、ダブルレッグ、シングルレッグのタックルでテイクダウン。再三マウントを奪いパウンドを当てるもフィニッシュには至らなかった。

 畠山は、この『1年チャレンジ』の成果を、「練習では未来さんが僕より下の階級なんですけど、対応がメチャクチャ速いので、それまで力で取れていた技が通用せず、相手の反応に対して、自分ももっと速く反応することなどを学びました。技術ですね、何より技術を学ばせてもらっています。それに未来さんを前にしたら行くしかないので(苦笑)」と技術とともに気持ちも鍛えられたことを語っている。

 未来組の2番手はフェザー級の西谷大成。自営の建設業を辞め、今回格闘技に賭けるために上京した。レスリングベースで右足前のサウスポー構え。選考時に未来は、「書類選考では流したけど、最終的に数が合わずもう1人くらい欲しいと思ったときに戻した人。すごい奇跡です。ギリギリ滑り込み」と、運の強さで評していた。

 試合前に西谷は「ラッキーパンチを見せたい」と言っていたが、実際には「立ちも寝技も全て強くなった」という通り、日大レスリング部出身の岩永翔吾(MAXI GYM)を相手に、粗削りながらも打ち合いで真っ向勝負のさなか、ボディロックに小外がけを合わせてテイクダウン。バックを奪い、リアネイキドチョークでタップ奪い、朝倉組に2勝目をもたらした。

 3試合目のトリに出場したのは、ヒロヤこと近藤大耶。「姫路では自分を知らないヤンキーはいない」と豪語し、姫路の総合格闘技道場・華王州や、神戸の総合格闘技reliableでも練習を積んできたバンタム級ファイターだ。

 しかし、対戦相手の橋本優大はプロでも極めの強さを誇る強豪。rootsからCAVEに所属するも、「怪我に泣かされて2年半ぶりの試合です。いろいろ溜まってるので明日は爆発させたいと思います」と意気込みを語っていた。

 ヒロヤは試合前に「確実に技術が上がりました。それにあの人(未来)は心理戦も得意なので、まだまだ足元にも及びませんけど、駆け引きも見習って見様見真似でやってみてから、疑問点を聞いて教わってきました。一番面白い試合をします」と語っていた通り、アグレッシブな打撃に、倒されてもスクランブルから立ち上がる機敏さを見せたものの、試合巧者の橋本の首相撲&ヒザ蹴りに捕まり判定負け。実力者相手に光るものも見せた、悔しい敗戦となった。

 大会後、佐伯繁代表は、「65kgの西谷選手はすごくアグレッシブに戦ったし、70kgの畠山選手もドミネートして勝った。やっぱり、ああして(朝倉未来チャレンジで)格闘技漬けの生活をする効果はあるなと思いました」と評価。

 唯一、苦杯を呑んだヒロヤについては、「あの3選手のなかで、MMAではヒロヤ選手が一番実績がある。だけど、ヒロヤ選手の相手の橋本優大(CAVE)選手が一番相手として強かった。期待された中でも彼だけ結果を出せなかった(判定負け)のもしょうがない。でも、見所を作るいい試合だったし、もともとバンタム級より1階級下の選手なので。この厳しさを知った上でここで腐らずに頑張ってほしい」とエールを送っている。

 これまでの試合と比べ、プロとして技術も気持ちも格段に成長した3選手。通常、リングで戦う朝倉未来が、トライフォース赤坂のみならず、和術慧舟會HEARTS、ALLIANCEなどでの出稽古で培ったケージレスリングの技術を丁寧に、練習生たちにフィードバックしてきたことがうかがい知れるセコンドワークも見せていた。

 練習生からプロへ、コロナ禍のなか気持ちを切らさず『朝倉未来1年チャレンジ』に挑戦した3選手だが、一般メディアから注目されるのも初戦のみ。これからはいちファイターとして、その取り組みと結果が求められる。果たして、その次の1年後に頭角を現すのは、どの選手か。

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