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【UFC】“獣神”フィゲレードがUFC世界フライ級新王者に「アマゾンで野生動物と育ってきたパワーがある」

2020/07/19 04:07
【UFC】“獣神”フィゲレードがUFC世界フライ級新王者に「アマゾンで野生動物と育ってきたパワーがある」

(C)Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images

 2020年7月18日(日本時間19日)、アラブ首長国連邦アブダビのヤス島に特設されたUFCファイトアイランドを舞台に、「UFC Fight Night: Figueiredo vs. Benavidez 2」が開催された。

 メインイベントでは、UFC世界フライ級王座決定戦が行われ、同級1位のデイブソン・フィゲイレード(ブラジル)と、同2位のジョセフ・ベナビデス(米国)が対戦した。

▼UFC世界フライ級王座決定戦 5分5R
○デイブソン・フィゲイレード(ブラジル)
[1R 4分48秒 リアネイキドチョーク]
×ジョセフ・ベナビデス(米国)

 両者は2020年2月大会で対戦。前回はフィゲイレードが2.5ポンドオーバー体重超過し、ベナビデスが勝利した場合のみ王座戴冠とされたが、結果はフィゲイレードが右クロスで2RKO勝ち。王座は空位のままとなっていた。

 今回の再戦では、フィゲレードが125lbs(56.70kg)、ベナビデスが125lbs(56.70kg)で両者ともに無事計量をパスしている。

 フィゲレードは、2019年3月にジュスエー・フォルミーガに判定負けも、以降、アレッシャンドレ・パントージャ、ティム・エリオット、前戦の体重超過のベナビデス戦と3連勝中。

 対するベナビデスは、2018年11月のアレックス・ペレス戦以降、ダスティン・オーティツ、フォルミーガ相手に3連勝も、2020年2月に体重超過したフィゲレードにKO負けをしている。

 1R、ともにオーソドックス構えからスタート。細かいフェイントを使い、ベナビデスの反応を見るフィゲレード。右の前蹴りを軽く当てると、ベナビデスは右ローを返す。続く右ローはかわしたフィゲレード。

 サウスポー構えに変えたベナビデスは左インロー。左前手を前に詰めるフィゲレードは、右の後ろ蹴り。サークリングから左インローで飛び込むが、そこにカウンターの右はフィゲレード!

 ベナビデスは尻餅を着いてダウン! フィゲレードはハーフガードから右ヒジを連打する。上体を上げてきたベナビデスに、フィゲレーはバックから手の平を合わせてパームトゥパームでチョークへ。いったん手を組み直して頭後ろで組んだフィゲレードだが、ベナビデスが後ろ手を剥がしにくると再びパームトゥパームへ。

 腰をずらしてヒザ立ちまでなるベナビデス。みたびチョークを狙うが、ベナビデスはスタンドに戻す。離れるフィゲレード。サウスポーからワンツーはベナビデス。ステップバックでかわすフィゲレードは、ベナビデスの右ミドルもかわす。

 続く右ローに右ストレートを狙うフィゲレード。下がるベナビデスは左ミドルも自らバランスを崩し、そこに左ヒジを突くフィゲレード。ベナビデスはオーソドックス構えに。そこに左フックを入れるフィゲレード。さらに右フックの飛び込み! 再びダウンするベナビデスは立ち上がるが、詰めるフィゲレードは右前蹴り。ベナビデスの返しの左右はかわす。

 サウスポー構えにスイッチするフィゲレード。そこに詰めるベナビデス。オーソに戻したフィゲレードは右ストレート! みたびダウンするベナビデスにフィゲレードは鉄槌&ヒジ、パウンド。後ろを向いたベナビデスの首を取り、パームトゥパームで絞め上げ、ベナビデスを失神させた。

 3度ダウンを奪うなど一方的な展開で勝利したフィゲイレードがフライ級の新王者に。ダナ・ホワイト代表から腰にベルトを巻かれたフィゲレードは、試合後バックステージで、「この試合が今日のファイト・オブ・ザ・ナイトだろ。ベナビデスを倒すと言った、その通りにやったよ。彼にとって初めての一本負けを味わわせたし、みんなに最高のショーを見せられたと思う」と王座戴冠の喜びを語った。

 続けて、再戦となった試合について「まったく驚きはなかった。正直、前回の試合よりも少しスローだなと思ったくらい。必ず1Rでフィニッシュしようと思ってた。誰にも言っていないけど、今の俺ははるかに速いし、カウンターの打撃はスキルを上げている。UFCが望む相手なら誰とても戦う。俺のレベルにいるヤツならな。ただ、俺はノックアウトアーティストだから、俺のレベルにいないとダメだ。ノックアウトされちまうからな」と、強打を誇った。

 また、インタビュアーからそのパワーの源を問われたフィゲレードは、「パンチ力には自信があった。アマゾンのマラジョー島で野生動物と育ってきたからね」と回答。

 それもそのはずフィゲレードは、ブラジル北部のパラー州ソウレ出身で、父が経営するアニマルファームでは、カウボーイとしても活躍。ペットに水牛のフェルディナンド君を飼っており、現地のドキュメント番組では、水牛にまたがり、自在に乗りこなす姿も放送されている。

 試合前には新型コロナウイルスの陽性反応が出ていたが、2度目の検査で陰性だったことからアブダビへのフライトが許可されていたフィゲレードは、「サンパウロで6日間隔離されていた。明日、家に帰る。帰りのフライトでブラジル人全員とお祝いして、ブラジルに着いたら、きっとみんなが俺と写真を取りたがるだろうし、祝ってくれるだろうから、最高のパーティーになりそうだ」と、元気に語った。

 マネージャーにヴァリッジ・イズマイウを持ち、「Amazon Fight」「Jungle Fight」にも出場経験のある“獣神”フィゲレードは、MM戦績19勝1敗で、UFC世界フライ級の頂点に立った。

 同級にはRIZINからバンタム級王者のマネル・ケイプ(8月15日(日本時間16日)の「UFC 252」で9位のホジェリオ・ボントリンと対戦)が参戦することが決定しており、新王者の登場で、フライ級戦線も活発化しそうだ。

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