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3月10日(日)、大田区総合体育館で開催される「RISE WORLD SERIES 2019」-61kgトーナメント1回戦で、チャンヒョン・リーとの1年8カ月ぶりの再戦に臨む“Mr.RISE”裕樹。キャリア70戦を超えたベテランは「勝って大阪につなぎたい」と意気込む。(聞き手・布施鋼治)
──先にアップされたチャンヒョン選手のインタビューを読んでカチンと来たという話をFacebookに書いていましたね。
裕樹 「KOする」といった発言は僕も言っているし、ファイターとして当然だと思う。イラッとしたのは梅野選手とチャンヒョンが「準決勝で闘おう」みたいなことを言っていた部分です。
──まだ自分との一回戦も終わっていないのに、勝手に準決勝の話はするな、と。KNOCKOUTで実現したチャンヒョン選手と森井選手の一戦はご覧になりました?
裕樹 YouTubeで見ました。僕は森井選手の強さを知っているつもりだけど、調子が悪かったんですかね?
──一回目のダウンの前後でアゴを骨折してしまったようです。そのせいではないでしょうか。
裕樹 昨年12月、KNOCKOUTでチャンヒョンは町田光選手とも闘っているじゃないですか。(結果は4R、チャンヒョンがTKO勝ちを収めたけど)途中までは町田選手が勝っていたと思う。その結果、自分はチャンヒョンのいい時の闘い方と悪い時の闘い方(の両方)を見れたと思う。以前、僕もチャンヒョンと闘った時には森井選手と同じような形で負けている。作戦は、チャンヒョンのいい位置に立たないということ。それがより明確になりました。
──ただ、立たせなくても現在のチャンヒョンだったらプレッシャーをかけ、自分が得意な距離を作れそうな位置に立ってくることが想定できます。
裕樹 チャンヒョンからすれば、「一発当たれば倒せる」という自信があるのでしょう。意地でも一発当ててくると思う。当然その一発をもらってはいけない。結局、チャンヒョンが得意な距離をとらせるか否かの勝負になってくるでしょう。
──昨年11月17日のRISE129では那須川天心選手との激闘で日本でも名をあげたロッタン・ジットムアンノン選手とも拳を交わしています。強豪との試合が続きますね。
裕樹 ロッタンとの一戦は勝ち負けより自分の実力を試したかった。ロッタンは天心とやり合ったファイターだし、前に前に出てくるファイトスタイルは面白いじゃないですか。ただ、今回は勝たなければいけないので、ロッタンの時とは意識がちょっと違いますね。
──トーナメントというより、チャンヒョン選手との一回戦にフォーカスする?
裕樹 1年半前にやられてからずっと追いかけてきた選手なので。しかも次(トーナメント準決勝)は大阪大会なので、つなげないといけない。
──現在、裕樹選手の活動の拠点は関西ですからね。チャンヒョンはRISEの世界トーナメントとKNOCKOUTのアジアトーナメントに前代未聞のかけ持ち出場中。後者の方はすでに決勝まで進んでいます。
裕樹 すごいですよね。(彼と同門の)イ・ソンヒョンもそうだけど、フィジカルの強さがあるから掛け持ちも可能なんでしょう。そこのところは単純に尊敬するけど、今回はKNOCKOUTの看板も背負ってくる。しかもRISEのチャンピオンでもあるので、彼は彼で負けられない。
──試合が近づくにつれ、モチベーションはどんどん高まっている?
裕樹 勝たなければいけない一戦なので高いですね。昔、DoA(以前、RISEが開催していたワンデートーナメント)とか(福岡のリアルディールで)同門だった)龍二さんとやり合っていた時の感覚が蘇るので楽しい。
──蘇る青春!
裕樹 いいオッサンなのにね。ありがたいですよ。
──出場メンバーの中では最年長になりますが、その部分は意識する?
裕樹 今年37歳になるけど、とくに意識はしないですね。年齢を感じないといったら嘘になるけど、それはそれで受け入れて。まだ20代半ばのチャンヒョンと命懸けで闘えるなんて楽しいというか幸せです。
──最後にファンにメッセージを。
裕樹 僕のスタイルはパンチとロー。まだ倒れたことがないというチャンヒョンはすごいと思うけど、なめんなよという感じ。ここでしっかり彼の勢いを潰して大阪につなげたい。
◆裕樹(Yuki)
1982年11月16日(36歳)福岡県出身
初代RISEスーパーフェザー級王者
初代RISEライト級王者
第3代RISEスーパーライト級王者
71戦46勝23敗2分(30KO)170cm
ANCHOR GYM所属