アグレッシブなファイトでプロMMAを喰う試合をやってのけた小林(右)
1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去6月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。第34回目は2004年6月6日、東京・スタジオドリームメーカーで開催された『Love Impact』より、“美少女空手家”がその日最も観客を沸かせた一戦。
2004年2月に芸能事務所主催で旗揚げした女子格闘技の大会『Love Impact』。基本的にはMMAルールの試合だが、旗揚げ戦から組まれていたのがフルコンタクト空手のワンマッチ。当時、“美少女空手家”として話題となっていた小林由佳(西山道場)のための枠だった。
旗揚げ戦では後にキックボクサーとなる松川敬子を降した小林は、この第2回大会で大久保弥生(無名塾)を迎え撃った。しかもセミファイナルに抜擢という破格の扱いである。試合は無差別級の2分2Rで行われた。
身長151cmの小林に対し、大久保は162cm。試合開始早々、小林が得意とする突きの連打で大久保をロープまで押し込んでいく。その突きの回転のスピードとパワーの迫力に場内はどよめき、小林は左右へ動いて脇腹を突いていく。ボディへの突きに大久保が気を取られたところで、小林が左上段廻し蹴り一閃。大技を鮮やかに決めて技ありを奪った。さらに終盤には胴廻し回転蹴りを繰り出す。
2Rも怒涛の突きのラッシュで攻め込む小林に、大久保はヒザ蹴りと内股蹴りで対抗するが、明らかにボディを嫌がる素振り。小林は左右の上段廻し蹴りを放ち、2分2Rフルに攻め続けて判定待ち。
この大会では他にMMAが4試合、ストライキングが1試合の合計6試合が組まれていたが、この日最も観客を沸かせたのは小林の空手マッチだった。