サップの速攻にダウンした田村、サップは攻撃の手を休めず一気に決着をつけた
1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去6月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。第31回目は2002年6月23日、さいたまスーパーアリーナで開催された『PRIDE.21』より、ボブ・サップ(アメリカ)vs田村潔司(U-FILE CAMP)の異色対決。
『PRIDE.21』でとんでもないカードが組まれた。2002年4月の『PRIDE.20』で山本宜久(当時は山本憲尚)を2分44秒でTKOし、衝撃の日本デビューを飾った怪物ボブ・サップに田村が挑むというのだ。
サップは身長196cmで体重160kg(当時の発表)、田村は180cmで84kg。体重差約80kgという無謀な挑戦だったが、これは田村本人が望んだものだったという。また、この当時のPRIDEはまだ無差別級が普通に行われていた時代でもある。
1R開始直後、左ローキックを放った田村だがサップの突進を止めることはできず、サップが田村を喉輪しながらロープに押し込んでの右フック。倒れた田村に数発パンチを見舞ったところでセコンドからタオルが投入され、サップのTKO勝ちとなった。試合時間は「11秒」だった。
試合後、田村は「体重差がありすぎてどうにもならなかった」と言い、「なぜこういう対戦相手でPRIDEからオファーが来たのかを考えて、オファーをいただいたので受けました」と実際にはPRIDE側から来た対戦オファーを受けたと明かした。