高山の首相撲に手こずった藤田だが、テイクダウンするとパウンドで一気に追い込む
1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去5月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。37回目は2001年5月27日、横浜アリーナで行われた『PRIDE.14』のメインイベントで行われた藤田和之(猪木事務所)vs高山善廣(フリー)のプロレスラー対決。
『PRIDE.14』のメインイベントで、異色のカードが実現した。日本人ヘビー級プロレスラー同士の対決だ。
2000年1月からPRIDEに参戦し、『PRIDE GRANDPRIX 2000』でマーク・ケアーを破る大番狂わせを起こして準決勝まで進出した藤田。その後、ケン・シャムロックとギルバート・アイブルに勝利し、PRIDEヘビー級の日本人エースとして君臨していたが、2001年4月には古巣である新日本プロレスに舞い戻り、IWGPヘビー級王者となっていた。
対する高山はUWFインターナショナル、キングダム、全日本プロレス、プロレスリング・ノアを渡り歩き、2001年にノアを退団して今回がPRIDE初参戦。総合格闘技は今回が初挑戦となる。
1R、ジャブの応酬から藤田が片足タックルでテイクダウン。立ち上がろうとする高山の頭を左腕で抱え、右手で足をつかむ藤田。高山は脱出すると首相撲からのヒザ蹴り、藤田が離れて再び片足タックルを仕掛けてくるとやはり首相撲に捕まえてのヒザ蹴りで攻め込む。両者は片手でクリンチした状態でアッパーを入れ合う。高山はヒザで応戦するが、藤田のアッパーに顎が上がる。
離れると両者はフックの打ち合いを見せ、藤田のフックが高山を捉える。高山はまたも首相撲に持ち込んでのヒザ蹴り。藤田は逃れようとするが高山の首相撲でガッチリとロックされる。藤田は高山を引き落としてガブると、高山の首に腕を巻いて頭部へのヒザ蹴りを連打していく。高山は立ち上がるとすかさず首相撲からのヒザ蹴りを連打。
首相撲の攻防で両者かなり疲れが見える。高山のヒザ蹴りにボディへのパンチ、アッパーを返す藤田はボディロックからのテイクダウンに成功。サイドポジションから高山の顔面へヒザ蹴りを連打する。さらにトップポジションをとってのパウンド。藤田のパンチと鉄槌が次々と高山の顔面へ叩き込まれる。そのままの状態で1R10分は終わった。
2R、ジャブと前蹴り、右ストレートを繰り出す高山に藤田は左右フック。打ち合うと見せて片足タックルに行くと、バックに回った藤田に高山は“U伝統の技”バックを取らせた状態でのアームロックを狙ったが、藤田がそのままテイクダウンして上四方から頭部へのヒザ蹴りを連打。高山が起き上がるとまたもバックを奪い、ガブりの体勢になると頭部へのヒザ蹴り。
中腰になって立ち上がった高山だが、藤田はヒザ蹴りと見せかけて小内刈りでテイクダウン。そのまま高山の上に乗り、肩固めを仕掛けると高山は身動きがとれず、藤田が絞めあげていき高山の右腕がだらりと下がったところでレフェリーが試合をストップした。
両プロレスラーの迫力ある肉弾戦に観客からも大きな声援と拍手が沸いた。両者は抱き合うと、藤田は拍手で高山の健闘を称えた。