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【K-1】刑務所暮らしから夢の舞台へ――元Krush王者・鈴木勇人が赤裸々に過去を語る

2020/05/24 06:05
【K-1】刑務所暮らしから夢の舞台へ――元Krush王者・鈴木勇人が赤裸々に過去を語る

少年院、刑務所を経てKrushで王者になり、夢だったK-1の舞台に上がるまでを語った鈴木

第7代Krushスーパー・ライト級王者の鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス)が、5月22日に自身のYouTubeチャンネルをオープン。そこで赤裸々に自分の過去を語った。

 鈴木はアマチュアで無敗を誇り、2016年12月にKrushでプロデビュー。2019年1月に王座決定戦を制し、第7代王座を獲得。8月の初防衛戦ではK-1で旗揚げから活躍してきた左右田泰臣の挑戦を受けて防衛に成功し、11月には悲願であったK-1初出場を果たす。しかし、そこで佐々木大蔵に敗れ、2020年2月のタイトルを懸けての再戦でも敗れてしまい現在は無冠。

 ファンの間では鈴木が元暴走族でヤンチャな過去があることは有名だが、今回YouTubeチャンネルを始めることで改めて自分の経歴を告白した。


(写真)鈴木の得意技は左ミドル。不良あがりに多いオラオラ系ファイトではなく冷静沈着に試合を進める

「19歳から20歳の1年半、自分は少年院に入っていました」という鈴木が、退院したのは20歳と10カ月の時。退院しても特にやりたいことがなく、フラフラしていた時に「地元の先輩にキックボクシングをやってみないかと誘われて、なんとなくやってみることにしました」と、格闘技を始めた。

 最初は遊びの延長程度だったが、アマチュア大会に出場して全勝。「これならやっていけるんじゃないかと思ったのと、ジムの先輩にも真剣にやればチャンピオンになれるよと言われて。自分も真剣にプロ目指してやろうと思った」と目標が出来た。

 さらに2013年1月に行われた『Krush Grand prix 2013 ~-67kg級初代王座決定トーナメント~』を見に行き、そこで優勝した久保優太に衝撃を受けた。「自分はそれ見てめちゃくちゃカッコいい。自分もプロになってこのリングに立って絶対にチャンピオンになろうと決めた」という。

 しかし、本格的に格闘技をやろうと決心し、ジムを変えてプロデビューを目指そうとした僅か2週間後に「過去にしてしまった悪いことが原因で逮捕されました」と、今度は刑務所に3年間服役することに。

「その時の心境は絶望でした。もちろん自分が悪いことをして刑務所に行くことになったので自業自得なんですけれど、自分は本当に心を入れ替えてプロの世界で世界チャンピオンを目指していこうという時だったので本当にショックでした」


(写真)2019年11月、夢の舞台だったK-1のリングに初めて上がるも佐々木(左)に判定負け

 服役中に今後の人生を考えた時、「ここで格闘技を投げだしたら一生後悔するなと思ったんですよ。だったら死ぬ気で人生を懸けて格闘技を一生懸命やろうと決めたんです」と生まれ変わることを決意した。

「それで刑務所にいる期間、自分は毎月『ゴング格闘技』という格闘技の雑誌を毎月差し入れしてもらっていて、格闘技の情報を常に見ていたんですね。それで自分の残りの刑期が1年くらいになった頃に新生K-1が始まったことをゴング格闘技で知ったんですよ。自分もK-1を小さい頃から見ていて凄く好きだったので、俺もこの舞台を目指そうと決めたんですね。K-1のリングに立てるように頑張っていこうって。そう決めてからはブレなかった」と、K-1の舞台に上がることが目標となった。

 それからの鈴木は模範囚として務め、懲役3年のところ仮釈放を9カ月もらえた。2015年11月に仮出所すると、あの久保優太が五反田にジムをオープンするとの情報を目にし、出所した2週間後のジムオープン初日に入会。

 以後は「刑務所を出てから2年以内にKrushの王者になる」と目標に定め、格闘技に熱中。2016年12月にプロデビューし、2年以内にKrush王者になるという目標も達成。さらに夢の舞台であったK-1のリングにも立つことが出来た。

 しかし、まだK-1のリングでは勝利を挙げられていない。「今は次の目標へ向けて頑張っています」と鈴木。どん底を経験した以上、何度でも這い上がるとの折れない気持ちで、鈴木はK-1の頂点を目指す。

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