クレイン(右)が蹴りを出すよりも先にカウンターの右フックをヒットさせるホースト
1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去5月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。15回目は1995年5月4日、東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された『K-1 GRAND PRIX~20万ドル争奪格闘技世界最強トーナメント~』より、トーナメント準々決勝で初対戦したアーネスト・ホースト(オランダ)vsジョニー・クレイン(オランダ)。
ホーストは1993年4月の第1回K-1 GRAND PRIXに初来日。決勝戦でブランコ・シカティックに敗れるも、ピーター・アーツとモーリス・スミスを降し、その実力を日本のファンに初披露した。同年12月に日本で開催されたK-2 GRAND PRIX、翌年1994年4月に開催されたK-2 PLUSトーナメントを制して、1995年のK-1 GRAND PRIXで初制覇を狙う。
対するクレインは極真空手の第5回全世界空手道選手権大会で8位に入賞した選手で、K-1に転向。3月の開幕戦ではカポエイラの使い手セルシオ・オーガスト・マチャドをわずか30秒でKOしている。
序盤から流れるようなコンビネーションを見せるホースト。クレインも巨体に似合わず右上段後ろ廻し蹴り、左ハイキックと極真空手仕込みの蹴りを出していくが、ホーストの回転の速い左ボディアッパー、右フック、左フックのコンビネーションについていくことが出来ない。
2R、左ジャブで距離を取りながら左へ回っていくホースト。それを追いかけようとしたクレインが左を放つと、ホーストは潜り込むような体勢から右ストレートのカウンター。この芸術的な一発で2R45秒、KO勝ちを収めて準決勝へ進出した。