2020年4月26日(日本時間27日)、米国フロリダのアメリカン・トップチーム(ATT)でリハビリ中の堀口恭司が、自身初のYouTubeライブを放送。視聴者からの質問に答え、リハビリの最新状況、朝倉海へのリヴェンジ、マネル・ケイプのRIZIN離脱、RIZINのメガイベント、Bellator、そしてUFC再挑戦などを語った。
明日12時位から初のYouTubeライブしたいと思います!
— Kyoji Horiguchi (@kyoji1012) April 26, 2020
よかったら来てくださいhttps://t.co/5gGsYLZbZn
2019年10月、練習中に右ヒザ前十字靭帯断裂と半月板損傷により、全治10カ月の診断を受けていた堀口。11月に手術を受け、もうすぐ半年となる。ATTで「ホリグチホール」と名付けられた寮内のリビングから生配信した堀口は、日本のファンの昼休憩に合わせて、日曜日夜の23時から配信を開始。夕食を自炊したことから、米国での新型コロナウイルスの影響について話し始めた。
「コロナ、どうですか? 皆さん、自粛とかでストレスたまっているんじゃないですか。自分もいつも行っていたブラジルレストランが閉まっていて、自炊がメチャメチャ面倒くさくて。今日も夕飯で生姜焼きを作りました」──そう苦笑する堀口だが、生配信に先駆けてYouTueで公開した「ロングインタビュー」では、自炊について「母からもらった圧力鍋」で、「はちみつを入れて、じゃがいもや肉もあまり切らないでそのまま入れるカレー」なども作っていることを明かしている。
週末には、UFCが5月9日(現地時間・日本時間10日)と5月13日(同14日)、16日(同17日)と、1週間で3大会を「無観客」で行うことを発表しているフロリダだが、同地でも店は閉まっており、「アメリカ人は(普段)あまりマスクをしないですけど、いまはスーパーマーケットでもマスクをしていなければ入れない感じです」と、現地の様子を伝えている。前回の動画ではマスクが足りず、タオルを口元に巻いて買い物に行ったエピソードを語っていたが、その後、堀口はツイッターで「マスクをわざわざ日本から送ってくれる って言ってくれているファンの方がいて、とてもありがたいですが、、、 堀口恭司は、大丈夫なので自分自身のコロナ予防に使ってください^_^ その気持ちだけでとても嬉しく思います。本当にありがとうございます!」と状況が改善していることを記している。
マスクを
— Kyoji Horiguchi (@kyoji1012) April 23, 2020
わざわざ日本から送ってくれる
って言ってくれているファンの方がいて
とてもありがたいですが、、、
堀口恭司は、大丈夫なので自分自身の
コロナ予防に使ってください^_^
その気持ちだけでとても嬉しく思います
本当にありがとうございます!#コロナに負けるな
また、前回の動画収録時には、このコロナ禍で「困ったこと」として、「ジムがやっていないので人が少ない。(一人で)ドリル練習とかをやっています。いまはリハビリ中ということもありタイミング的には大丈夫ですが、対人練習になったときに練習にならないかな」と危惧していたが、4月26日現在では、「練習はすごい出来てますね。マイク・ブラウンコーチとマンツーで、あとはもう1人(選手を)入れたりして。(人が)多く集まるのはダメ、と政府から言われているので、プロ3、4人の少人数でやっています」と、手探りながら、対人でのプロ練習の形も定まってきているようだ。
右ヒザ前十字靭帯断裂&半月板損傷という大怪我から手術を行い、半年。堀口は現在もリハビリを続けており、トレッドミルでのランニングやジャンプを行う動画などもアップしている。しかし、手術直後は、「一番最初の頃はすごく痛くて、“こんなの走れるのかな”と思っていて、最初は走れなくて」と不安を感じていたようだ。
前回のインタビュー時には、「ドクターから『まだリングには入るな』とキツく言われています。違和感はまだありますが、日に日に良くなっています。足の感覚が、6カ月やっていないと鈍っているというか。ちゃんと自分の信号が通じていない感じなんですよね。自分の思ったように動く動かし方を思い出させないともう一回、怪我しちゃうんで、そこをちゃんと連動させています。ジャンプとかも足の感覚がこっち(右)だけ忘れているような……自分は小っちゃいのでぴょんぴょん飛ぶじゃないですか。その感覚を取り戻すにはもうちょい(時間を)かけないと。いまは30~40%くらい」と、じっくりとリハビリに取り組んでいることを明かしていた。
しかし、今回の生配信では、「ドクターから『結構、大丈夫だね』と言われて。まだ100%は治ってないので、走るのは10分くらいしか走れないけど、やっと走れたりするんですごく楽しいですね。順調に自分のヒザもよくなっています。1週間に3回くらいリハビリに行っていて、だんだん強度も上がってきていて、筋トレも左右の足の太さも一緒くらいになってきて、いい感じに回復しています。リングに上がるのが自分も楽しみです」と大きな笑顔を見せた。
「以前のスタイルに戻れそうか?」と問われた堀口は、「絶対できると思いますね、このままいれば。それは確信していますね、謎の確信を(笑)」と変わらずカムバックについて前向きに考えていることを語っている。
年末を目途に復帰のプランを描いている。
視聴者から「RIZINの夏のビッグイベントはどうですか」と問われると、「ほんとうは出たいですけど、自分の身体と相談しながら。あまり急いでもいいことないのでしっかり治して、もし夏に間に合わなければ年末くらいかなと思っていますね」と、メガイベントに興味はあるものの、焦らず完治することが最優先とした。
気になるのは、復帰戦の対戦相手だ。視聴者からは前戦、2019年8月に1R KO負けした朝倉海との再戦を望む声が挙がった。4月24日には、朝倉海が初のYouTubeライブで同じく視聴者からの声に、「『堀口選手と(再戦を)』という声が多いですね。俺としてももう一回戦いたい。いつくらいに(堀口が)出られるか。年末とかに出てきたら盛り上がる。もう一回絶対にやらなくちゃいけない」と答えており、今回、堀口もそれに呼応するように「朝倉海君とは負けてるんで。しっかりブッ飛ばさないとな、という感じですね」と再戦を希望。
「もう一度、海くんと。もちろん復帰戦でやりたいですけど、そこはRIZINさんのマッチメークもあるので。自分の希望としてはもちろんやりたいですね。負けたんでしっかり勝ちたいです」と、復帰第1戦での対戦も視野に入れていることを語った。
また、2019年大晦日に朝倉海を2R TKOに下し、RIZINバンタム級のベルトを巻いたマネル・ケイプがUFCに移籍したことについては、「ちよっとアイツ、逃げたなって感じですよね。『待てよ、俺とやってから行けよ』っていう感じ。ちょっとズルいなと(笑)」と、ベルトを持ったまま勝ち逃げの形となったケイプに苦言。
「UFCに戻る気は?」との問いには、「まずは自分がやらなきゃいけないことはしっかりベルトを取り戻すことなので、(UFC復帰があるとすれば)それから。UFCではベルトを取っていないし、戻りたいなという気持ちはありますが“取り返すもの”を取り返してから。やることをやってから、ですね」と、「戻りたい気持ちはある」としながらも、あくまで王座奪還が順序と話した。
「次、Bellatorで誰とやりたいですか」の質問にも同様に、「誰と、ということはない。ベルトを返しちゃった(11月28日にRIINとBellatorの王座を返上)んで、しっかりベルトをまた取りにいかないとなというのはあります」と答えている。
なお、Bellatorフェザー級GPは、「“なんちゃらピットブル”が取るんじゃないかなと自分は思っています」とピットブルブラザーズの弟パトリシオ・“ピットブル”・フレイレの優勝を予想。さらに、デメトリアス・ジョンソンとの再戦についても、「負けてる選手にはリヴェンジしたいですね。それから次の段階で強い選手とやりたい」と語っている。
やっと走っていい許可が出た pic.twitter.com/3LYlktCcJV
— Kyoji Horiguchi (@kyoji1012) April 8, 2020
(※4月9日時点の堀口のランニング動画)
現役生活について、「自分は40までは続けたいと思っています。身体が動く限りは、続けたい」と抱負を語った堀口。最後は、このコロナ禍で外出自粛を続けているファンに向け、「自宅でのトレーニング種目をYouTubeで上げたいなと思います。コロナで皆さん大変だと思いますけど、絶対、どんどん(状況は)良くなっていくと思うので、いまはしっかり耐えて耐えて、良くなったらみんで笑って楽しいことをしましょう」と、自身もリハビリで戦うなか、耐え忍んで状況を改善し、来るべき日に笑顔で再会することを約束した。
試合が出来ないこともマイナスにとらえず、「準備期間だと思ってスキルアップをやればいい。明るい未来を想像しながらやっていきましょう」と、厳しいなかでも持ち前のポジティブ思考を周囲に届けている堀口。海へのリヴェンジ、王座奪還、そして世界の頂への挑戦──その眼差しは明るい未来を見つめている。