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2月23日(土)、韓国ソウルのジャンチュン・アリーナにて「ROAD FC 052」が開催され、メインでクォン・アソルへの挑戦権をかけた「ROAD TO A-SOL」100万ドル争奪トーナメント決勝戦が行われた。
フランスのマンスール・ベルナウイとロシアのシャミール・ザフロフとの対戦となった決勝は、ともに予選から4試合を勝ち上がってた両者が熱戦を展開。これまでの試合通りテイクダウンを決めるザフロフに対し、下からスイープを何度も決めるベルナウイが、最後は首相撲からのヒザ蹴りでフィニッシュ。賞金の一部とアソルへの挑戦権を得た。試合後は、花束を持ってアソルも登場。花束をぞんざいに渡すと、2ショットでの撮影に収まった。
また、ROAD FCバンタム級王座決定戦では、因縁のキム・ミンウとムン・ジェフンが対戦。日本の根津優太や佐藤将光に勝利しているミンウとRIZINでも活躍しているジェフンの実力者対決はこれまで1勝1敗。両者の決着戦はミンウが三角絞めで一本勝ち、悲願の王座を獲得した。
▼ROAD FCライト級トーナメント決勝戦 5分3R
○マンスール・ベルナウイ(フランス)
[3R 0分40秒 KO] ※右ヒザ
×シャミール・ザフロフ(ロシア)
※ベルナウイが優勝。クォン・アソルに挑戦
17勝4敗のマンスール・ベルナウイは予選から勝ち上がり、キ・ウォンビン、キム・チャンヒョン、ムングントスズ・ナンディンエルデン、下石康太をいずれもリアネイキドチョークで仕留めて決勝に進出。カナダのトライスタージムではフィラス・ザハビの指導を受け、GSPとも練習していたという
対する34勝5敗1NCのシャミール・ザフロフは、予選でキム・ウォンギ、本戦でレオ・クンツ、アマチュシン・フーヘンフウ、ホニ・トーレスとすべて判定勝ちで決勝進出を果たした。今大会のザフロフには、UFC世界ライト級王者カビブ・ヌルマゴメドフがセコンドに就いた。
1R、サウスポー構えから入るベルナウイにオーソドックス構えののザフロフ。長い手で右ジャブを見せるベルナウイ。ザフロフは右インローを当てる。その3発目に右フックを合わせにいくベルナウイ。ザフロフも右ミドルを入れる。さらにザフロフの右インローにバランスを崩すベルナウイ。またもザフロフは右インローを前足に当てる。
ベルナウイの右ジャブの打ち終わり右ストレートを狙うザフロフ。右前蹴りで距離を取るとベルナウイも右ジャブから左ハイ。ブロックするザフロフは右前蹴りから右ストレートに繋ぐ。ベルナウイも右ジャブから左ストレートのワンツーで左をヒット! 近づくと頭を押さえ右ヒザを狙うが、ここはザフロフが突き放して空振りに。
左ジャブのトリプルで前に出るベルナウイ。ステップバックしながらもザフロフも右を返す。さらに右インロー。ベルナウイは遠い間合いから飛び込む左ヒザも腹に届かせるとザフロフの頭が下がったところを首相撲にとらえ右ヒザ! これをいったん下がって外そうとしたザフロフだが身体を寄せてシングルレッグでテイクダウン!
しかしハーフガードから右脇を差したベルナウイは、上のザフロフの右手首を掴んで内側に送り込んで手を着けないようにさせてから左足もザフロフの右足の外に置いて払い、一気にスイープ! すぐに立ち上がってきたザフロフをがぶってギロチンも狙うが立ったザフロフは頭を抜き、金網に押し込んでダブルレッグに移行。スイッチの手を差し込んだベルナウイに構わず、両足を持ち上げテイクダウン。ベルナウイに背中をつかせ、ハーフから細かい右のパウンドを入れる。
しかし、またも右手を内側に送られたザフロフはベルナウイに腰を押されて足を跳ね上げれて下に。すぐに立ち上がろうとするザフロフのバックに回りかかるが、その左足をシングルレッグにとらえようとするザフロフ。下のベルナウイは右手をとらえ糸通しを狙い外すと三角絞めへ移行。そのままヒジ打ちを狙うが、ザフロフもすぐに腕を抜き、インサイドドガードのなかから細かいパウンド。下のベルナウイは左腕でギロチンを狙いながら、右腕を喉元に入れ替え、ニンジャチョークを狙うもザフロフが頭をズラして細かいパンチを脇腹に入れたところで濃密な1Rが終了。
2R、1R同様に左構えで右ジャブを伸ばすベルナウイ。右に回るザフロフは、右インロー。さらに右ストレートを突く。左ミドルで詰めるベルナウイ。さらに跳びヒザで間合いを詰めて首相撲にとらえると右ヒザ! すぐに左に回り突き放すザフロフ。追って大きな左ミドルから間合いを詰めるベルナウイ。ザフロフは右インローをこつこつと打つ。
オーソドックス構えからスイッチするベルナウイ。そこに右フックを振るザフロフは、ベルナウイのオーソの左前足に左インロー。受けたベルナウイは左ハイをガードの上に叩き込む。その足の着地際にすぐにシングルレッグに入ったのはザフロフ。片足立ちのベルナウイを押し込みテイクダウンを奪うと、ハーフガードでベルナウイに背中をつかせる。
ベルナウイがスイープでめくろうとする側には金網がある。ベルナウイは腰をずらして足を金網に持っていくとケージウォークで金網を蹴ってあえて金網から離れると、金網を使って上半身を立てるよりスイープを選択。ザフロフがステイする反対側にスペースができたところで、左でオーバーフックしてザフロフの右腕を畳んで、みたび腰に右手を当てて右足を跳ね上げてスイープ! すぐに立ちに来るザフロフの首を抱えギロチンへ。しかし首を抱えられながらもザフロフは立ち、首を抜くとすぐにダブルレッグに移行! テイクダウンに成功すると長い右手でスイッチを狙うベルナウイを再びマットに背中をつけさせる。
ハーフガードからいったん立ち上がる動作を見せながらまたも同じスイープを狙うベルナウイだが、ここはめくられなかったザフロフ。いったん乗りすぎた上体を戻して立てるが、そのスペースを利用して上半身を立てたベルナウイは足を後方に飛ばしてザフロフの首を抱えてがぶるとアームインギロチンの体勢から右ヒザを突く。頭を上げたザフロフは左脇を差して組むが、頭を下げるとそこにベルナウイは右ヒザを突き上げてくる。思わず離れるザフロフ。かなりの距離を取るが、そこに走りこむベルナウイは左から右の二段蹴りの右前蹴りを顔にヒット!
顔面に右足をもらいながらもその蹴り足の着地際に左でシングルレッグ、右で腰を抱きテイクダウンはザフロフ! 下のベルナウイはザフロフの右手首をつかみ、浮かそうとするが手首を切って頭を押し付けたザフロフ。半身からベルナウイは再びニンジャチョークを狙う。頭を外して鉄槌に来たザフロフの右手首をつかんで、またも跳ね上げめくったところで2Rが終了した。テイクダウンを決めるザフロフにスイープで返すベルナウイという展開が連続するなか、どちらがフィニッシュに近づくか。
3R、サウスポー構えからワンツーの左ストレートを見せるベルナウイは、オーソドックス構えにスイッチすると、前手で左ジャブのベルナウイが圧力をかけ、回るザフロフを追う。前手で今度は左ボディストレートを突くベルナウイ。その圧力に金網に詰まったザフロフはワンツーを振って飛び込むと、それを首相撲にとらえたベルナウイが右ヒザ。完全に頭を下げさせらたザフロフは後退して外そうとするが、頭を押さえたまま前進し助走をつけた形でザフロフが左足を上げてからの右ヒザ! 二段蹴りの形でまともにアゴに受けたザフロフが後方に両手を伸ばしてダウン! 完全に伸びた状態のザフロフを見て、ベルナウイは追打をすることなく、きびすを返し右手を挙げた。
「ROAD TO A-SOL」100万ドル争奪トーナメント優勝はベルナウイに決定。まずは20万ドルを獲得し、残りの80万ドルをかけて、クォン・アソルと対戦することに。試合後はクォン・アソルが花束を持ってケージイン。ライト級のベルトを肩にかけたアソルとベルナウイは記念撮影でフェイスオフで向かい合った。
▼ROAD FCバンタム級王座決定戦 5分3R
○キム・ミンウ(韓国)
[1R 2分25秒 三角絞め]
×ムン・ジェフン(韓国)
※ミンウが新バンタム級王者に
ROAD FCのバンタム級選手権は、これまで熱戦続きの伝統のタイトル。最初のバンタム級トーナメントでカン・ギョンホが優勝。2012年6月に初代王座を獲得後、ギョンホのUFC移籍により空位となった同王座を2013年6月にイ・ギルウが獲得。しかしギルウが手術のために王座を返上した。
2014年12月に“韓国MMA界の至宝”とも呼ばれたイ・ユンジュンがムン・ジェフンを破り、3代目王者となったが、脳梗塞の治療専念のため、再び王座が空位に。2017年4月にユンジュンの後輩であるキム・スーチョルがキム・ミンウを判定で破り、涙の戴冠を果たしていたが、スーチョルが引退したことで、王座はみたび空位となっていた。
今回、バンタム級王座を争うキム・ミンウとムン・ジェフンはこれまでに2度戦っており、1勝1敗。2014年12月にはミンウが判定勝ちし、2016年3月にはジェフンが判定勝利している。これまでともに同級王座には手が届かなかった両者によるタイトルマッチは激闘必至の試合が予想される。ミンウは2017年4月のスーチョル戦以来、1年10カ月ぶり復帰戦。ジェフンは大晦日RIZINでの朝倉海戦での判定負けからの復帰戦となる。悲願の王座を獲得するのはどちらか。
1R、ともにオーソドックス構え。右ローを空振りしたミンウ。ジェフンは右を突いてサイドに回る。さらに右ロー。ミンウの右ストレートはスウェイで避けると左ジャブのダブルで牽制。ワンツーは遠い。詰めていくミンウにジェフンは、右の後ろ廻し蹴りも空振り。ワンツーも届かない距離にミンウは立つ。
左ボディから右を突いて飛び込んだのはジェフン。左で差して右を首に巻いて組んだミンウはすぐに右に回してテイクダウン! 倒されたジェフンはマウントにまたがれそうなところを足を効かせるとミンウはサイドに。右で枕に巻きながら右肩でプレッシャーをかけてジェフンの起き上がりを潰すと一気にまたいでマウントへ!
上体を立ててブリッジからヒザを立てて亀になるジェフンだが、バックについていくミンウはバックマウントからリアネイキドチョークへ! これを横に落として正対しようとするジェフンにミンウはジェフンの右腕を内側に流しておいて、左手で頭を引きつけながら右足を頭の横に滑り込ませて三角に組むと、自身の右ヒザを両手で抱えて三角絞め! しばらく耐えたジェフンだがタップした。
1勝1敗だったジェフンとの決着戦で一本勝ちし、悲願の王座を獲得したミンウは顔を両手で覆い、ひざまずいて歓喜。ケージの上でMMA Storyのメンバーとハグ。最後はジェフンともハグを交わして、新バンタム級王者としてベルトを腰に巻いた。
▼ライト級 5分3R
○ブルーノ・ミランダ(ブラジル)
[1R 2分45秒 TKO] ※右ヒザ→パウンド
×ホン・ヨンギ(韓国)
ともにオーソドックス構えから。テコンドー仕込みの半身の構えから左サイドキックはヨンギ。さらに右の後ろ廻し蹴りが側頭部をとらえるが浅く、そこに組んでいったミランダが、クリンチからヒザ。これが急所に入り、悶絶して倒れるヨンギ。中断から、苦悶の表情であぶら汗をかいて立つヨンギ。再開。左の蹴りからまたも組みの展開で四つとなりヒザを突き合う両者。
ブレークになおも急所を押さえるヨンギ。左ミドルハイはミランダ。それをさばくヨンギは、押し込んでの左ハイ。ブロックしたミランダにすぐにステップインして右ストレート! 後方にダウンしたミランダ。中腰でパウンドするヨンギに下から足をからめるミランダはヒザ十字狙い。それを潰して立つヨンギは背後からパンチ。後ろを見せて立つミランダに続けて左ハイ!
バランスを崩してダウンするミランダはすぐ立つが、そこにヨンギも右ヒザ。四つから離れ際にヒジも振る。かわしたミランダはワンツースリーフォーと4発で前に出ると、左で差して回してテイクダウン! インサイドからのパウンドの際で立ち四つに持ち込むヨンギ。そこに右ヒザはミランダ! 左手で腹を押さえるヨンギに首相撲で回して崩して体を入れ替えたミランダは鋭角な右ヒザ! すでに効かされていたか左手を腹前に置いていたヨンギだが崩れ落ちたところにミランダがパウンドをまとめると、上半身は金網にもたれかかったままで力なくパンチを受けるヨンギを見て、レフェリーが間に入った。
▼63.2キロ契約 5分3R
○ジャン・イクファン(韓国)
[判定3-0]
×ジャン・デヨン(韓国)
※デヨンが体重超過のため10P減点
ジャン・イクファン(6-2, Team Posse)とジャン・デヨン(5-2, ByeongJeom MMA)の対戦は当初バンタム級だったが、デヨンが体重超過のため、各ラウンドで10Pのマイナスで試合が実施。
イクファンはムエタイを得意とする長身のストライカー。乱打戦にも強く、2017年3月の「ROAD FC37」では根津優太に判定勝ちを収めている。2015年10月から2017年9月まで5連勝していたイクファンだが、2018年3月の「ROAD FC 46」では中国のアラテン・ヘイリの右ストレートにTKO負けを喫しており、今回が復帰戦となる。
対するデヨンは、キム・スーチョルが評価した28歳。パク・ヒョングンとの激闘を2度制したことで知られる。2017年12月にはロシア「MFP 215」でルスラン・ヤマンバエフにRNCで一本負けしており、イクファン同様に母国で復帰戦に臨む。
試合はデヨンが左ボディフック、左ロー、ミドルと左の攻撃を上下に当てるも、体重超過の減点が響き、イクファンが判定勝利。
▼80kg契約
○キム・センヨン(韓国)
[1R 0分07秒 TKO]
×キ・ノジョ(韓国)
※ともにオーソドックス構え。これまでムングントスズ・ナンディンエルデン、アレクサンドル・メレスコを打撃で降しているセンヨンが、1勝2敗のノジョと対戦。試合は左ジャブをついて近づくノジョにセンヨンは最初の右ストレート1発でダウンを奪うと中腰のままパウンド。完全に伸びたノジョを見てレフェリーがストップした。7秒、TKO勝利。
▼無差別級 5分3R
○ミシェウ・ペレイラ(ブラジル)
[2R 1分02秒 TKO] ※首相撲から左右ヒザ蹴り
×キム・デソン(韓国)
※無差別級戦。92.8kgのペレイラに対し、103.9kgのデソン。11.1kg軽いペレイラは左ハイ、跳びヒザなどスピーディで軽快な動きで勝負。その動きにバランスを崩したデソンが倒れると、ペレイラは後ろを向いてバック宙スタンプ! その立ち際にローでこかしも。スタンド再開。右の後ろ廻し蹴りでデソンに尻持ちをつかせたペレイラは、金網を蹴っての三角跳びでの蹴り、さらにケージの最上段を掴んでのバック宙パスガードも。スタンドでデソンのローに右ストレートを合わせたペレイラ。デソンは後退。ペレイラは左右からボディ打ち。さらに首相撲から強いヒザを入れてTKO勝ち!
YOUNG GUNS 41 Official Results
#5 Middleweight Match
Yang Hae-Jun def Lim Dong-Hwan by Submission, key lock R1 2:30
#4 -64kg Catchweight Match
Jung Sang-Jin def Shin Seung-Min by TKO, knee, R2 1:15
#3 Featherweight Match
Kim Tae-Sung def Hong Jung-Gi by TKO, kicks, R2 3:52
#2 Bantamweight Match
Hwang Chang-Hwan def Lee Seong-Su by TKO, R2 3:56
#1 Bantamweight
Park Su-Wan def Lee Jeong-Hyeon by Split Decision