キックボクシング
インタビュー

【ONE】那須川天心に憧れるONE新世代キックボクサー有井渚海、本戦出場を狙う「フィジカルで攻めてくる海外の選手をカウンターで仕留められるように」

2020/04/15 15:04
 ABEMAが配信する人気恋愛バラエティ番組『恋する 週末ホームステイ』(恋ステ)に出演したキックボクサー、有井渚海。2019年の第30回全日本新空手道選手権大会K-2GRAND PRIX軽軽量級で全国優勝し、そのとき憧れの那須川天心に激励の言葉を貰い、プロ格闘家になる事を決意した。  2019年10月に開催されたONE Warrior Series(OWS)日本大会の出場選手に抜擢され、マレーシアのレイを相手に3R TKO勝利を飾ったことで、イベントホストを務めるONE Championshipバイスプレジデントで、元UFC世界ミドル級王者リッチ・フランクリンから「才能ある将来有望な若手選手」と絶賛された。  確かな実力と恋ステ人気もあり、タレント並みのSNSフォロワー数を誇り(Twitter 1.4万フォロワー、Instagram 3.6万フォロワー)、その魅力から、2020年4月にはシック・ジャパン株式会社とRIZAP株式会社がタッグを組んだ『シック ハイドロ ボディグルーマー RIZAPコラボ』のWeb CMにも出演している。『俺のカッコイイを創る!』とコピーがつけられたプロキャリア3戦(2勝1引き分け)の18歳キックボクサーが目指す、プロとしての“理想”とは? ―─昨年のONE Warrior Seriesでは、マレーシアの選手にTKO勝ちを収めた有井選手です。そもそも格闘技を始めたきっかけは? 「子供の頃、“カワイイ”からと、よく女の子に間違われていました。いじめられていた訳ではないのですが、友達にもよくからかわれていたのを両親が心配して、強くなるために格闘技を習うことを勧められたのがきっかけですね」  関西の名門ジム「及川道場」に入門。多くのトッププロ選手を排出するジムに幼少の頃から通った有井は、すぐに頭角を現し、全国クラスの大会で何度も優勝するなど、プロへの道へ歩んでいった。2019年の新空手の全国大会で優勝したことにより、ONE Championshipが経営するシンガポールのメガジム「Evolve Gym」での強化合宿に参加。世界トップクラスのストライカーが集うONE Championshipへの扉を開いた。 ――シンガポール「Evolve Gym」での合宿でどのようなことを感じましたか。 「シンガポール合宿は最高でした。シンガポールの雰囲気も良かったし、ご飯も美味しかった(笑)。ジムにはONEの世界王者や世界トップ選手がたくさんいて、(ONEバンタム級ムエタイ世界王者)ノンオー(ガイヤーンハーダオ)選手とスパーしたり、(ONEストロー級ムエタイ&キックボクシング世界王者)サムエー(ガイヤーンハーダオ)選手にも練習を見てもらったり、普段ではあり得ない体験ができたので、自信になりました。  ノンオー選手とのスパーリングでは、自分が内側に入ろうとした時、全部ミドルでタイミングを合わせられて、何もできなかったんです。でも、世界王者のノンオー選手とスパーリングできた事がとても勉強になりました。ボコボコにされましたけど、そんな自分も“カッコイイ”と思いました(笑)。再びボコボコにされると思いますが、またやってみたいです」  世界王者と共に汗を流す貴重な経験から短期間で大きく成長した有井は、2019年7月のRISEでプロデビュー。濱田祐生(山口道場)を相手に地元・大阪での試合を白星で飾った。その勝利が評価され、3カ月後のOWS日本大会の出場選手に抜擢。OWSのベテラン選手との対戦で厳しい展開が予想されたが、ハイレベルなテクニックとアグレッシブな攻めで、マレーシアのレイを相手に何もさせずにTKO勝利を飾った。 ――OWS日本大会の試合では、しっかり上下に散らせた攻撃で3Rでフィニッシュしました。国際戦をどのように感じましたか。 「海外の選手だったので、最初はとても緊張しました。でも、始まって最初に一発蹴った瞬間、イケるって感じました。そこからは緊張も解けて、リラックスして戦えました。地元からも家族、道場の仲間、友人達、50人くらいが応援に駆けつけてくれたのも嬉しかったです。『恋ステ』のファンもたくさん来てくれて、試合後、写真撮影を求められたり、プレゼントを貰ったりしました。勝つ姿を見せる事ができて、良かったです」  怪我を押して参戦した2019年12月の『Standup』では、TEAM TEPPENの寺山遼冴(2018年KAMINARIMON全日本ジュニア?55kg級優勝)を相手に悔しいドローに終わったが、OWSと複数試合契約が成立。2020年2月に高校を卒業し、大学生となった有井は、シック・ジャパン株式会社とRIZAP株式会社の『シック ハイドロ ボディグルーマー RIZAPコラボ』のWeb CMにも出演している。 ――『恋ステ』出演やシックCMにも出演しました。人前で戦うプロファイターとしてどんな影響がありますか? 「知り合いの紹介から繋がって『恋ステ』に出演したのですが、そこから自分の人生が一変しました。出演してから、どこに行っても、急に人が集まったり、声をかけられたりしました。いろんな人たちが応援してくれて、それが嬉しくて、色々モチベーションが上がりました。だから、試合でも“カッコイイ”戦いを見せたいという気持ちが大きいです。今回のシックのCM出演のお話もとても嬉しくて。CM撮影は初めての経験だったので、緊張して何回もリテイクしまったんですけど。撮影は難しいですね(苦笑)。でも、これで自分のことを知ってくれる人が増えたら、もっともっと頑張れます」  世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、OWS第2戦目は持ち越しとなっているが、18歳の天才キックボクサーの夢は大きく膨らんでいる。 ――コロナウィルス問題が終息し、大会が再開したら、ONEでのキャリアをどう積んでいきますか? 「まずは、OWSで結果を出します。気持ち的にはすぐにでも本戦に出てみたいですが、ONEで戦っている選手は、団体のトップだった選手ばかりなので、まずは実力をつけないといけません。及川(知浩)先生の指導の下、さらにテクニックを磨き、フィジカルで攻めてくる海外の選手をカウンターで仕留められるような選手になりたいです。プロとして前にガンガン倒しに行く動きをよくしますが、練習で練り上げた技術を使って、最終的に倒すのが自分の理想の戦い方です。そして、自分の階級(ストロー)の世界王者サムエー選手と戦う事をイメージして、もっと強くなります」 ―─デビューのきっかけとなった那須川天心選手が目標でしょうか。 「自分の憧れ的な存在です。歳はそれほど離れていないのに、彼は色んな意味ですごい人です。天心選手はどの試合も素晴らしいのですが、特に彼がRISEでロッタン(ジットムアンノン)選手(現ONEフライ級ムエタイ世界王者)と試合をやった時、打ち合いながら、退かずに戦っていた姿に感動しました。本当にカッコイイ選手だと思いました」 ―─最後に、自宅待機が続くなか、部屋でどんなトレーニングをしていますか。 「実は……家ではあまり身体を動かしたりはしないです。部屋がそんなに広くないので(笑)。あと、筋トレもあまり重要視しません。道場の基礎トレと技術の反復練習で強くなってきましたので、今、家で一番やっていることはイメージトレーニング。YouTubeに転がっている格闘技の映像をたくさんみて、研究しています。こんな時期だからこそ、色々な選手の技を見て、技術を理解し、それを自分のものにしようとしています!」
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